Secret Level 9: 『Phantom Abyss』俺の屍を越えて進め! デストラップだらけのダンジョンを他プレイヤーのゴーストとともに進む一人称視点プラットフォームアクション

デストラップだらけのダンジョンを進む一人称視点アクション『Phantom Abyss』を紹介。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2021-06-02 10:00:00

 ドモー、左肩が痛くて困ってるBRZRKです。さっきトレーニング機器に思いっきり足の小指をぶつけて悶絶したんだけど、結構腫れてて痛いというか、折れてないよね? 大丈夫だよね??
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 今回紹介するのは、Devolver DigitalがアーリーアクセスでPC版をリリースする一人称視点アクションゲーム『Phantom Abyss』(PC、公式サイト)だ。

 本作でプレイヤーは、聖なるレリック(遺物)を求めて侵入した神殿に囚われてしまう。そこから脱出する唯一の道は、神殿の奥底に潜む強力なレリックを集め、アビスの神ボダッハの力を解放すること。かくしてプレイヤーはデストラップだらけのダンジョンの奥へ奥へと冒険することになる……といった感じだ。

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●移動系アクションを駆使してデストラップをくぐり抜けて進む、一人称視点プラットフォームアクション

 ゲームは一人称視点のプラットフォームアクションゲームになっており、移動、ジャンプ、スライディング、受け身、ムチ叩きといった基本アクションを駆使してダンジョンの奥にあるレリックを目指す。

 「ムチ?」と思うかもしれないが、本作でムチは冒険に欠かせない非常に重要なアクションとなっている。その最大の強みは、壁や天井に向けて使用することで正確なハイジャンプやロングジャンプが決められること。

 要は攻撃手段ではなく、いわゆるグラップリングフック的な移動アクションとなっているのだ。最初は操作ミスをしやすいけど、慣れたらスタイリッシュな移動ができるようになるのでかなり楽しい。

 また、回転刃や毒矢を撃ってくる像などのトラップを一時無効化したり、ジャンプ落下時に地面に向かって使うと受け身の代わりになったり、宝箱に放つと完全に近付かなくても開けられたり、上級者向けのテクも用意されている。

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●同じ構造のダンジョンに挑めるのは1度のみ。先に死んだ連中のゴーストを参考に進め!

 プレイヤーが挑むダンジョンは、殺意マシマシで危険なトラップがそこら中に設置されたヤベーとこ。しかも地形やトラップの配置は自動生成で毎回変わるし、1度攻略に失敗してしまうと、そのダンジョンを再訪することはできない仕組みとなっている。

 あ、ちなみに体力制なんでダメージ=即死ではないヨ。トラップに引っかかったり奈落の底に落下すると1ダメージ、落下時の受け身失敗すると半ダメージで、体力がゼロになるか後述するガーディアンにとっ捕まらない限りは探索続行となる。

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 「じゃぁどうやってワンチャンで決めりゃいいのさ?」って思うかもしれないが、誰かがそこでレリックを入手して生還するまで、他プレイヤーがすでに挑んで失敗した構造のダンジョンが出現するのがポイントだ。

 そのダンジョンで先に死んだ連中がいる場合はそいつらのプレイがゴーストとしてコース上に出現するので、このゴーストたちの動きを参考にして宝箱の位置を確認したり、進め方を参考にできるというワケ。先に挑んで散ったプレイヤーと協力して攻略する、いわゆる非同期マルチプレイのような構造になっているのだ。

 ただ、あくまでそのダンジョンで死亡したプレイヤーの軌跡なので、途中から脱落者がいなくなってゴーストの人数が減るし、ついて行った先が間違いだったりもするし、ゴーストが発動させたトラップがプレイヤーに影響を与えて死ぬこともあったり、メリットとデメリットを兼ね揃えている。

 ゴーストを意識しすぎると自分のプレーがひっぱられてしまい、結果操作ミスを誘発することがあるし、ゴーストと競争して最速タイムを狙うゲームというわけでもないので、慣れてきたらゴーストを無視して進めるのもアリ。あくまでも自分のプレーを大事にして走るのがベターだ。

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 ちなみに攻略失敗となったダンジョンは、専用コードを用いることでフレンドと共有することができる。もし共有した仲間が攻略に成功すると、道中でドロップしてしまったムチや鍵(後述)が持ち主に返ってくるので、フレンドとコードの共有はやっておいて損はナシ。

 また、ゲームの実況・配信をしている人なら、視聴者と共有して遊ぶといったことで盛り上がれるかもしれない。

●浅いエリアで一旦帰るか、それとも全ベットして次に進むか?

 このアーリーアクセス版のダンジョンには3つのエリアがあり、各エリアは複数の層で構成されていて、エリアの境目ではそのエリアのレリックを取りに行くか、難度が上がる次のエリアに進むかを選べる。

 浅いエリアのレリックでも回収成功すれば報酬とともに生還できるので、慣れないうちは比較的難度が低めのエリアを探索してレリックを集め、自信がついたらより深いエリアへと繰り出すのが得策だろう。

 ちなみに筆者はアーリーアクセスで最深部となる3つ目の"地獄"と呼ばれるエリアをなんとか攻略できたが、何度も何度もトライしてやっとだったので本当にシンドかった。

 このゲームはレリックを集めるのが目的なので、これを何度もやるのかと思うと結構キチィというのが正直なところ。でも、なんかまた挑んじゃう不思議。果たしてレリックを集めきるとどんなことが起きるのだろうか? 気になるところだ。

 ちなみにダンジョンには遺跡を守る守護神が存在する。この守護神はプレイヤーが我が物顔でウロウロ探索しているのに対して怒りを感じているらしく、途中から積極的にプレイヤーを排除しに来る。

 中でも筆者がキツイと思ったのが“デボアーレイジ”と呼ばれる守護神だ。こいつは壁の存在を無視してプレイヤーを追い、接触すると1ヒットキルでゲームオーバーになってしまう。ゲーム序盤こそ無視できるレベルの移動速度なのだが、深い層になるにつれて徐々にキレ具合が増して移動速度があがり、最下層あたりではかなりの速度となる。

 実際、トラップを越えられずに右往左往しているところを詰められて何度か死んで、俺がキレそうになったよチクショウ!

 ほかにも、目から高出力な光線を発して攻撃したり、毒の玉を吐き出して攻撃するタイプの守護神も居る。まぁどいつもこいつもロクな守護神じゃないので、プレイする人は気をつけてほしい。

●一時強化の“加護”とアンロック要素の“ムチ”で追加効果を手に入れろ

 たびたび言及している宝箱からはお金や“鍵”を得ることができ、集めたお金を各層のラストにいる像に支払えば“加護”を得られる。

 この加護とはそのプレイ限り有効な強化要素で、体力を増やしたり、2段ジャンプできるようになる恩恵を得られるものだ。層が進むほど結構コストがかかるため、道中で積極的に宝箱を探すようにするなど、金策をしながら進まなければならない。ただ、その分の大きなメリットがあるので、可能ならばあやかっておくべし。

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 またダンジョンからレリックとともに生還していくと、初期装備とは異なるさまざまなサブ効果がついたムチがアンロックされていく。

 中には宝箱から得られるお金が倍になったり、落下ダメージを無効化したり、さらには体力の上限を増やすなんてバフ効果がついたものも。しかし初期ムチ以外は使用するたびに集めた鍵で購入しなければいけないし(死んだらロストで買い直し)、バフ効果だけでなく被ダメージが倍になったりゴーストに金を取られたりなんてデバフもついてきたりする。

 「デメリットしかないじゃん!」って思うかもしれないが、少なくともデバフについては、そのムチを持って生還すると打ち消すことができる。当然デバフがあるのでリスクを背負っての探索になってしまうが、リターンがでかいので新たなムチを手に挑戦してみるといいだろう。

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 最後に筆者がプレーした時の動画をいくつか掲載しておく。遊んでみた感想としては、「スゲー面白いけどプレッシャーでハゲそう」といったところだ。

 ちなみに3つのエリアを通しで遊ぼうとするとだいたい40〜60分くらいかかるので、時間がある人向けといったところだろうか。あいた時間にチョット遊ぶというのは残念ながら向かない。なので、ぜひとも腰を据えてガッツリとダンジョンに挑んでもらいたい。

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著者近況: 小指イテェ
編集者近況: 柄シャツが最近のマイブーム

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)