E4M1: 祝復活! 迷作FPS『Rise of the Triad』

公開日時:2013-07-31 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。さて、最近は日本でも少しずつFPSというジャンルが根付いて来ているような気がしないでもない今日このごろ、如何お過ごしでしょうか。微妙に暑いんだか寒いんだかワケのワカラナイ中途半端な夏で、燻っている人も少なくないんじゃないでしょうかね?

 そんなあなたにオススメしたいのが、1994年にシェアウェア版がリリースされ、1995年に製品版が発売された『Rise of the Triad: Dark War』(以下、旧ROTT)のリメイク版、その名も『Rise of the Triad』(以下、新ROTT)!


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 ファースト・パーソン・シューター、つまりFPSというジャンルの黎明期である90年台中盤に発売された名作……、失礼、迷作のひとつで、あの『Duke Nukem 3D』を販売していたAPOGEE SOFTWARE社が発売したタイトルで、開発チームはThe Developers of Incredible Power(DIP)と名乗っていた。
 まぁ、元id Softwareのトム・ホールが率いていたこのチームがリリースしたのは本作だけなんだけど。

 ただ、DIPに所属していた開発者の多くは、後のFPS/TPS業界の名作に携わっていたりする。つまり、黎明期からの大御所と言えなくもない人たちが旧ROTTに関わっていたという感じ。

※プログラマーの輝かしい経歴の一部を紹介
○Mark Dochtermann氏
Blood
SiN
Medal of Honorシリーズ
Heavy Metal: F.A.K.K. 2

○Jim Dose氏
Duke Nukem 3D
Doom 3
Half-Life 2: Episode One
Left 4 Dead 2

んー、なんか思ったより大御所とか輝かしいとかとは違うかも。


 さて、そんなこんなで世に出て17年という月日を経てヒョンなとこからリメイク版『Rise of the Triad』が発表されました。この経緯も結構面倒くさい話しなんですが、簡単に説明すると以下のような感じ。

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 まずは『Duke Nukem 3D』好きな人たちが集まり、Unreal Engineを用いて『Duke Nukem 3D: Reloaded』を制作中と発表。発表してからの後出しではあるが、権利を持っていたGearbox Softwareや、そもそもの生みの親であるジョージ・ブルサード氏(World of Warcraftを遊びすぎてDuke Nukem Foreverを延期させまくった張本人との噂)といった関係者にコンタクトを取り、協議を重ねた結果、GOサインを貰うという快挙を成し遂げた。

 これには『Duke Nukem 3D』のファンコミュニティもかなり盛り上がり、開発途中の動画を見ては、まだかまだかと続報を待っていた。制作チームも自らを“Interceptor Entertainment”と名乗り、公式ページも公開! テンションが少しずつ絶頂へと近づく僕やファンコミュニティ! THE KING IS BACK,BABY!の文字で煽る紹介ページ!
 が、突然キャンセルの発表があり、僕やファンコミュニティは酷くがっかりしたのを今でも覚えている。絶許!

(追記:Interceptorに許可した『Duke Nukem 3D: Reloaded』の非商用ライセンスは現在も有効であるとGearbox副社長のスティーブ・ギブソン氏が語ったとPenny Arcade Reportが報じている。Interceptorを率いるフレデリック・シュライバー氏によると『Duke Nukem Forever』発売前後のピリピリしたタイミングで意向が合わなかったのが2011年当時のキャンセルの理由のようだが、今回の報道が真実ならば、Interceptorが現在でも非商用で構わないからリリースしたいと思い、プロジェクトを復活させる限り、将来的にD3D Reloadedを無料で遊べる可能性がある)


 そんなこんなでいつの間にかQuakeConで『Duke Nukem 3D Reloaded』ではなく『Rise of the Triad』を制作していることが発表された次第。いや、ほんと唐突すぎてちょっとニュースを見落としそうになっていたくらいシレッと情報がでた感じでした。マジで。

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 それから少しずつリメイク版『Rise of the Triad』の情報が出るようになったのですが、基本的に“オールド・スクールなプレイスタイルを復活させる”といったコンセプトだと発表。
 つまり、90年台前半に多く見られた移動速度が爆速で立ち回りとエイミングが重要となるFPSを踏襲する形。シングルプレイヤーモードについては「現在の技術を使い、Unrealエンジンを用いたリメイクになる」という点だけに情報を留めて、開発バージョンの動画も少なかった。

 代わりに、マルチプレイヤーの動画は多数リリースされたのだけど、もう本当にDOOM2のオンライン対戦かよ! と思うゲームスピード。いやはや、おっさんゲーマー歓喜なんじゃないでしょうかねこれ。

 といった感じで前置きが長くなってしまったけど、後編は新生『Rise of the Triad』のプレイ動画も交えながら紹介していこうかと思う。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)