E14M1: 死人が墓から蘇ってカルト教団と戦う暗黒FPS『Blood』

公開日時:2014-05-30 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。いつもなら気の利いた感じの一言でもここに書くんだけど、残念ながら何も思い浮かばないので割愛!


 という感じでとりあえず今回取り扱うのは『Blood』という古めのFPS(編注:拡張パックを同梱した『One Unit Whole Blood』がGOG.comで販売中)。発売元はGT Interactive Software Corp。まぁオッサン要ゲーマーならご存じの会社で、『Unreal』とか『DOOM II』を販売した、超実績のある会社。日本国内で発売された初代PSとかサターンの洋ゲーも、パッケージを良く見るとGT Interactiveのロゴがあったりするので、見たことがある人も少しは居るんじゃなかろうか。ちなみに、この発売元はその後紆余曲折あってATARI社に吸収されてたり。

 で、開発元は後にE10M1で取り上げた『SHOGO: MOBILE ARMOR DIVISION』を世に送り出すMonolith Productions。なんつーか、僕個人としてはその後の『F.E.A.R.』とか『Condemned』のホラー路線の原点である『Blood』こそ、Monolithの真の看板タイトルなんじゃないかと思っていたり。『No One Lives Forever』もいいんだけどね。


 Monolithが最初に世に送り出したタイトルである『BLOOD』は、1997年に発売されたFPSで、id Softwareの『DOOM』より後発の擬似3Dで構成されたゲーム。さらに完全に3Dで構成された『QUAKE』よりも後発のタイトルであるにも関わらず擬似3Dを採用し、(今見ると)若干のショボさはあるものの、擬似3Dの強みであるアニメーション処理は他社にはない動作の軽さや滑らかさがあった(と、僕は当時感じた次第)。

 さて、この『Blood』はどういったストーリーか言うと、昔のFPSにありがちなことで、細かいストーリーラインはあまり明かされていない。代わりと言えばいいのか、主人公のCalebと、彼が愛した女性Opheliaとの物語がマニュアル(GOG版にスキャンしたPDFが同梱)や公式サイト(アーカイブ)などに書かれているといった程度だ。

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 それでもまぁお話をザックリと書くとこんな感じ。


テキサス生まれのガンマン“Caleb”は、暗黒神Tchernobogを崇拝するカルト教団“Cabal”に仕えていた。恋人Ophelia Price(かつて教団を離れようとした夫がいたが、教団によって子供とともに殺された)とCalebは、信者の中で4人のみが選ばれる栄光「The Chosen」(選ばれし者)となるが、ある日、儀式で異変が起こる。


 で、ゲームが始まるとムービーが流れ、主人公のCalebとOpheliaが所属するカルト宗教のTCHERNOBOGと呼ばれる魔物との会話シーンからスタートするんだけど、すぐに大惨事になる。

要約するとこんな感じだ。

TCHERNOBOG:よくきた下僕よ
CALEB: 我が主よ、私は何を差し出せば良いのでしょうか?
TCHERNOBOG: お前はミスを犯した。
CALEB: 何が!?
Ophelia:どういうこと? 何が起きているの?
TCHERNOBOG: 貴様の愛する物と、命を頂く! 墓の中で思い知るがいい!

 んでまぁ、墓の中で復活したCalebは「I live again」(スプラッター映画「キャプテン・スーパーマーケット」からの引用)という言葉とともに、カルト教団に対して復讐を開始する。


 基本的なゲームの進行方法は単純で、マップ上にある鍵を探しながら少しずつエリアを探索していく。謎解き要素やストーリーテリングは皆無といって良いレベルで、敵がモリモリ出てくるので強い銃をぶっ放しながら進んでいくオールドスクールなFPS。

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▲エピソード1のボス戦。Opheliaは残念ながら帰らぬ人となるんだけど、確か続編の『BLOOD 2』で華麗に復活を遂げていた気がする。(編注:しかもプレイヤーキャラのひとり)

 『Blood』だとエピソードは4つまでだけど、エキスパンションを導入することでエピソード6まで楽しむことができる。ストーリー自体はエピソード4で完結しちゃってるので、後付な感じが否めないんだけどね。

 また『Blood』は使用可能な武器が結構ユニークで、干し草を集める「フォーク」から始まり、「ダイナマイト」「火炎放射」「ブードゥー人形」などなど、いっぱあいある。中でも面白いのが「ブードゥー人形」で、敵を正面に捉えた状態で攻撃すると、手元にあるブードゥー人形を針でぶっ刺し、敵がダメージを食らう。なんつーか、針を刺したときのブシュッって音が最高に気持ちいい武器なんだよね。

▲ははは、愉快だ。

 対戦モードも実装されてはいるんだけど、残念ながら僕は未経験。ハードコアなファンによる外部プログラムを使うことで今でもマルチ環境を作れるけど、カルト作品というだけに、フォーラムに「人足りないからウチに集まってくれよ」と切実なコメントがあったりする。まぁこれも機会があればM2ということで外部ツールを導入して触れてみようかと。

 こんな感じの『Blood』だけど、発売後はカルト的な人気を誇り、続編である『BLOOD2』が後に発売された。こっちも近いうちに紹介できたらいいなと思っている。んでは、今回はこれで!


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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)