E76M1: 『Ready or Not』シビアでやりごたえありすぎ! 激アツなタクティカルFPSの新星が登場

シミュレーター寄りのシビアなタクティカルFPSの新星『Ready or Not』を紹介。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2021-12-28 06:30:00

 ドモー、2021年も終わりということで今年も多くの人にお世話になったBRZRKダヨ。感謝するとともに来年もよろしくおねがいします、ということで2021年最後のブログいってみましょーかね。
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 今回紹介するのは、現在PC版のアーリーアクセスを実施中のタクティカルシューターの『Ready or Not』(公式サイト)だ。タクティカルシューターとは、特殊部隊モノのFPS中でも特にシミュレーター寄りの戦術重視のタイトルを指す。

 往年の名作『SWAT』シリーズや『Rainbow Six』シリーズの初期作品などが代表的な作品が有名なのだが、前者は続編がリリースされておらず、後者は『Rainbow Six: Vegas』ぐらいからシリーズとしてカジュアルなアクションゲーム寄りの設計へと変化。“特殊部隊シミュレーター”的なタイトルは市場からめっきり減ってしまった。

 それでもニッチな人気のあるジャンルではあるので、ちょくちょく“SWATの精神的後継作”と名乗りをあげるタイトルが世に出るものの、実物は似ても似つかない酷いものだったりといったことがある。赤サブレ事件とかな(※編注: クラウドファンディングを経て『Takedown: Red Sabre』というタイトルが出たのだが出来がアレだった)。

 もうタクティカルシューターはダメなのか? と思っていたときに突如として発表されたのが本作『Ready or Not』だ。2017年5月の発表から情報を小出しにしたりと気付けば4年半が経過し、突然steamのアーリーアクセス入り。

 前置きが長くなったが、本作は昨今のタクティカルシューターを自称しながらも中身はアクションゲーム寄りの作品とは異なり、プレイヤーにシビアなシミュレーター寄りの作品で遊ぶ人を選ぶ内容となっている。

 しかしアーリーアクセスではあるものの、世界中のミリシム(軍事モノ)好きな人だけでなくシビアなゲームを求めているゲーマーからの評価も非常に高く、寝る間を惜しんでプレイをしている人もいるとかいないとか。そこで、本作が実際にどういった内容で、何に注意してプレイしなければならないか、作品の紹介も含めて説明していく。

■難度の異なる5モードをプレイ可能

 現在プレイ可能なモードは以下の5種類。それぞれが難度と紐付いており、立てこもり事件(Barricaded Suspects)がノーマルで、人質救出作戦(Hostage Rescue)が最上級難度のインセインという塩梅だ。

[ノーマル]
“Barricaded Suspects”(立てこもり事件での市民の救出と容疑者確保)
[ハード]
“Raid”(武装グループの急襲)
“Active Shooter”(銃乱射事件に対して突入し、被害を最小に食い止める)
[ベリーハード]
“Bomb Threat”(タイマーが作動している爆弾の解除をしながら市民救出と容疑者確保を行う)
[インセイン]
“Hostage Rescue”(人質が集められて銃を向けられている状態からの事態解決)

 同じマップでも上位のモードになるに連れてよりスピードやシビアな対応が求められる内容となっているので、まずは立てこもり事件からプレイしていくといいだろう。なお詳細は後述するが、シングルプレイとオンラインCo-opに対応している(詳細は後述)。

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 現在は8つのマップが収録されているのだが、全モードを遊べるのはまだ1マップのみ。5マップは一部モードのみで、残り2マップはまだ作りかけをチョイ見せするテストレベルという感じになっている。まぁ、アーリーアクセスなのでそこら辺は今後充実していくのだろう。

 マップサイズは筆者の感覚だとアメリカで言うところの半ブロックから2ブロックくらいのサイズ。プレイごとにマップ構造自体は変わらないが敵やトラップの配置はランダムとなっており、毎回異なる緊張感で遊べるのは飽きにくく嬉しい。

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■SWATごっこではなく、SWAT並みの注意と集中で挑め

 本作を遊ぶうえで重要なのが"情報の共有"と"丁寧なクリアリング"だ。というのも、リアル寄りなので一発一発のダメージが大きいため、死角から撃たれたりした時点で一気に作戦の成功が遠ざかっていく。

 そんな中で、例えばドアの隙間から屋内の状況を探っておき、その情報を味方に伝えておくだけで、突入前に危険度の高い標的や民間人の位置を共有でき、それぞれどう行動(クリアリング)するのがベターなのかを考えることができる。

 突入の際も、“ドアを開ける担当”や“最初に突入する人”、さらにそれぞれがどこを見ながら進むかといった役割分担も事前に決めておく必要がある。「俺がドア開けるからフラッシュを◯◯が入れて、△△が最初に入って〜」といった感じだね。

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 この辺は割と真面目にYoutubeで海外の(ゲームだけでなく本物の)タクティカル系動画を漁って勉強しておくといいかも。“CQB room clearing”とかで検索すると参考になる動画が出てくるのでオススメ。

 ちなみに突入時にやりやすい失敗はこんな感じ。

慣れから来る雑プレイでドアのブービートラップに殺られる
→突入前にトラップの有無を確認して解除しよう
フラッシュバンの投げミスで味方がピヨってる隙に殺られる
→投げミスをしないようにしよう&投げるタイミングは伝えておこう
ドア前でもたついてたら逆に敵が出てきて殺られる
→迅速な行動が問われるのでゆっくりしない
不用意に窓際に立って室内/室外から撃たれる
→窓際に立つとゴルゴも怒るわな。なので立つな。
盾を持っているのに安心して、銃を構えた手をひたすら撃たれる
→普段は腕を引っ込めておき、必要な時だけ銃を出す
1人めと2人めが同時にドアを通ろうとしてスタックしたところを撃たれる
→突入の順番の周知を徹底しておくこと
ガラス越しのフラッシュライトで反応した敵に全滅させられた
→点灯しつづけないように
全員でドアを見ていたら普通に背後から来た敵に射殺された
→チームでうまく全方位に気を配れ

などなど。例を挙げだしたらきりがないんだけど、どれも初歩的なミスが尾を引いて台無しに……といった感じ。気を引き締めて雑にならないよう心がけながらプレイする必要がある。

 ちなみに死亡しても「ふざけんなこれ!」という理不尽で意味不明な死に方はせず、冷静に考えれば納得できる死に方が多い。まぁやっぱ凡ミスが積み重なってるんだけどね。

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 で、プレイヤーは一応SWATなので、いきなり射殺するのではなく、基本的にまずは容疑者に降伏を促す必要がある。ただ中には“降伏するように見せかけてライフルを落としつつも懐に隠していたハンドガンで攻撃を仕掛けてくる”なんていうThug(悪党)も。まぁこういった奴は射殺コースなんだけどね。

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 そして民間人の中にはパニクってるのかイキってるのか降伏勧告を無視して走り回るようなやつも居るわけで、そういう輩はテーザーガンやペッパースプレー、もしくは銃で殴るなどのレス・リーサルな攻撃でとっちめる必要がある。ちなみに生きて降伏した人は拘束手錠で無力化し、地面に落ちた武器は証拠品として保全しておかなければならない。

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 といった感じでこれが超超超ベーシックな立ち回りなんだけど、難度の高いモードだと通用しなくなってくる。特に“Bomb Threat”モードではゲーム開始と同時に爆発へのカウントダウンがスタートするので、ちんたらしてられない。

 そこで重要になるのが「Speed, Surprise, and Violence of Action」(※特殊部隊関係でよく出てくる標語)。これは“速度重視の強襲”といった感じで、とにかく迅速に事を運ぶ必要がある。“ドアの前で屋内の様子を伺って〜”といった時間的余裕がなく、ドアを開けたらフラッシュを投げ込み突入、すぐに脅威か否かを判断し、脅威であれば速やかに無力化といった行動が必要になる。

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 もちろん急ぐぶんだけリスクが高くなるので、場合によっては思わぬ攻撃を食らって即死なんてことも。しかし丁寧にやろうとすると爆弾がなかなか見つけられず、見つけられても解除が間に合わなくて結局殉職しちゃうわけで、このへんはトレードオフといったところだろうか。ただ、成功さえすればかなりの達成感が味わえてキモチーんだわ。

 ちなみに最高難度の人質救出作戦は、人質の近くに居る悪者にこちらの動きを察知されると問答無用で人質が処刑されてしまう。残念ながら筆者はこちらを攻略するのに執筆時点で手こずっており、何度も尊い命を散らすけっかに。うーん、なかなか手強いゲームだ。

■友達とガッツリやりこむのをオススメ

 本作はAIの隊員に指示を出して遊ぶシングルプレイヤーのほかに、オンラインでの協力プレイも実装されている。

 AIへの指示出しは割と細かく出すことが可能なのだが、まだまだ挙動が怪しく最短ルートでの移動を拒否したり、指示に従わないといったことが多々ある。これは正直フラストレーションが溜まるので改善を求めたいところ。

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 そこでオススメしたいのがDiscordやSkypeなどのボイスチャットツールを用いたフレンドとのプレイだ。野良でオンラインマッチングでも遊べないことはないけど、やはり気心の知れたゲーム仲間とのプレイであればある程度意思の疎通がしやすいし、気持ちを込めてプレイしやすい。というか、ミスったときとかにゲラゲラ笑えるのはやっぱ楽しいわけで。

 あと、作戦前にロッカールームで「どんな装備で行く?」「殺傷? 非殺傷? え? 殺らないの?」とかそういう会話をしながら武器の構成やカスタマイズをいじるのは結構楽しい。

 武器の種類については殺傷・非殺傷を含めてそこそこの数が用意されている。そのほとんどがサイトやマズル、グリップのカスタムが可能で、この辺をいじっているだけでも結構楽しい。まぁこの辺は作戦内容に沿う構成を考えながらといった感じで選ぶといいんじゃないかな?

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 というわけで本作、『Rainbow Six Siege』のようなアクションゲーム寄りの作品とは対局にある、シミュレーター寄りの濃ゆい内容となっている。

 なので、エイムゴリ押しなランボースタイルは通用せず、はっちゃけながらの英雄志望プレイは厳禁といった感じだ。かなり人を選ぶ内容であるのは確かで、ド派手なアクションゲームを期待している人には合わないゲームだと言っていいだろう。

 ただ、ミリタリーシムが好きなゲーマーやSWATシリーズの続編を待っていたという人であればぶっ刺さるのは確実。ハードコアなプレイヤー勢には、あえてボイチャを禁止してゲーム的なUIも非表示にし、意思疎通はフラッシュライトの点滅ぐらいで行う縛りプレイに挑んでいる連中までいる。

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 現段階ではまだアーリーアクセスだけど、すでにかなり遊べる内容となっている。発表当初はPvPの実装があると言っていたけど、こちらはどうなるのか先行きは不透明。対戦相手にペッパースプレーぶっかけてぇなぁ。

 そんな感じで2021年最後は『Ready or Not』の紹介で終了。来年も色々なゲームを遊びながら生きていきたいところだ。
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著者近況: HALOのドラマシリーズを日本でも見れるようにしてくれんかな?
編集者近況: DTM始めたらPCゲーム並みにプラグインの会社ごとに認証&ダウンロード用のランチャー増えてく感じで超ヤバい

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)