E77M1: 『The Anacrusis』元Valveのライターの新スタジオによる“スペースファンキーディスコL4D”で今夜もフィーバー

文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2022-01-13 07:55:00

 ドモー、今年もガッツリと洋ゲーライフをかましていきたいと思っているBRZRKです。関係ないけど最近は『DayZ』みたいなPvPvEのゾンビサバイバルなゲームを見かけなくなったよね。一時期すげーフォロワータイトルが出たけど、まぁメインストリームがバトロワにシフトしたってのがでかいんかな? うーん、『DayZ』久々に遊ぼうかな。

●大量の敵を協力プレイでブッ倒していくL4D系FPS

 今回紹介するのは『Left 4 Dead』(L4D)や『ポータル』などValve作品のシナリオを片っ端から手掛けていたChet Faliszek氏が率いるStray Bombayの『The Anacrusis』だ。(※日本時間1月14日未明よりPC/Xboxで英語版がアーリーアクセス開始。公式サイト

 早い話がL4Dフォロワーな協力プレイFPS。「1960〜70年代のレトロフューチャーな宇宙モノの世界観にゴキゲンなファンキーディスコを合わせたL4D」といったところだろうか。とりあえず終始アッパーな雰囲気なゲームだね。

 プレイヤーが操作する4人のキャラクター以外はすべてが敵対するエイリアン(とエイリアンに乗っ取られた元人間たち)。物量で攻めてくる"ヤツラ"を撃退しながら出口へと進むことが目的だ。

Anacrusis
Anacrusis

●もちろん特殊ゾンビならぬ特殊エイリアンが登場

 敵のエイリアンの中にはL4Dよろしく特殊個体のエイリアンが数種類存在する。プレイヤーの視界を奪うようなまばゆい光を発する"フラッシャー"、触手を伸ばして捕獲したプレイヤーの自由を奪う"グラバー"、硬く機敏に動き回る厄介な敵"ブルート"などなど。そのほかにも存在するのだが、どれも一筋縄ではいかないエイリアンであり、苦戦は免れない相手だ。

 そしてこちらもL4D同様、これらの敵はプレイヤーをじっと待っているのではなく、ゲームの流れを監視している"AI Driver"というTRPGで言えばゲームマスターのようなプログラムによって迫ってくる。

 例えばプレイヤーがマップ内に留まってアイテム漁りにまごついていれば特殊個体とモブのラッシュを仕掛けてきたり、あんまりポンポン進んでいるとテコ入れをしてきたり……と、技量に応じてほどよい難度の障害になるのを目指している。

●メイン武器はちょっとファンキー感が不足気味だが、特殊なSF兵器も登場

 先にも書いたが、レトロフューチャーな世界観ということでプレイヤーが扱える武器はビームライフルのような非実弾系で構成されている。なのでハッキリ言ってしまうと"射撃感"がまったくない。なんかこう、水鉄砲を撃っている感じなのでトリガーハッピーを求める人には拒否感があるかな。まぁ、レトロフューチャーってことでそこはなんとか。

 なおマップ上には特殊武器が落ちていることもある。放たれる雷を敵にヒットさせると周辺の敵に誘雷するアークライフルや、敵を発見すると自動で迎撃してくれるオートタレットなどがソレ。これらはリチャージできない消費武器扱いなので、極力温存しておき「今だ!」というタイミングで使うといいだろう。時間はかかるけどアイテムドリブル(※1個運んでは地面に落として戻り、また運んでは地面に落としながら進むアレ)しながら運んでしまってもいいだろう。

Anacrusis
Anacrusis

 また、グレネードもさまざまな効果を持つものが数種類ある。投擲後に一定範囲内の敵の動きを鈍らせる効果を持つ物や、火炎瓶系のもの、敵が侵入できないシールドを展開するものなどなど、場面に応じて使い分けたり組み合わせると強力なので、自分やフレンドでメタな構成を考えてみるといいかもしれない。

●難度の波は少し極端。今後の調整に期待

 さらに強化要素もあり、これがなかなか重要。マップ上のどこかにある"マターコンパイラー"を利用すると"クリティカルで敵を倒したら爆発"や"射撃時に自動で敵に飛翔"、"プラズマ弾が敵を貫通"といった感じで能力を得ることができ、効率よく敵を撃退可能に。まだすべての効果を見たわけじゃないのでどれくらい種類があるのかは正直未知数だ。

Anacrusis

 総合的に本作を見ると、友達とワイワイ喋りながら遊ぶのがベストなタイトルと言っていいだろう(※)。「ラッシュきたラッシュ!」とか「掴まれてる!助けて! チョット!!」といった感じで一期一会な戦闘が楽しめるので、L4Dフォロワーのタイトルとしては申し分ないかと。(※編注:AIを足してソロプレイも可能)

 ただ現状はゲームバランスには若干の難ありで、GM代わりのAI Driverが結構エグいというか、前述した硬くて素早い特殊個体のブルートがラッシュ時に2体出たりするようなことが多々あり、ラッシュと並行して捌けるわけもなく全滅なんてことが何度もあった。それでもオモシロイのでプレイはするんだけど、繰り返されるとダレるね。ここらへんはアーリーアクセスを通じてバランス調整して欲しいところ。

 という感じで「レトロフューチャーな宇宙L4D」という点で若干人を選ぶ作品ではあるけど、ワイワイ遊べる協力型FPSを待っていたという人にはオススメかな? Xbox Gamepassにも収録されるらしいので、そちらで遊んで見るのも吉かと。
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著者近況:@Sycomさんのところでコレ(G-Master Hydro Z690/D4)をベースに新しくPCを注文。どれくらい現環境から快適になるか楽しみだね。でもメモリーはDDR5は高いのでDDR4で妥協ですわ。

編集者近況: Native Instrumentsの音楽機材“Maschine Mikro MK3”を衝動買いすることに。VSTプラグインもいろいろ買ったらなんかPCゲーム並みに大手メーカーごとにランチャーあるんですけど何コレ

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)