E66M1: 『Prodeus』レトロFPSの気持ちよさをそのままにエフェクト盛り盛りで過激に進化した、レトロインスパイア系FPSのひとつの完成形

レトロFPSをその特徴を残しつつ現代風にアップデートした『Prodeus』を紹介。日本語にも対応。

公開日時:2020-11-09 12:14:00

 ドモー、来年こそは気軽に外出してもいい状況になって欲しいなと思うBRZRKです。年始恒例の福袋とかってどうなっちゃうんだろうか?
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 今回紹介するのは、1990年代のレトロシューターを現代的な技術で再創造したFPS『Prodeus』だ(PC版が10日からアーリーアクセス開始, 公式サイト)。

撃って感じろ! ショットガンが気持ちいいFPSはいいFPSだ

 ストーリーは、「次元間で行われている戦争に身を投じている主人公が敵であるカオスの勢力をブチのめす」といった感じの内容……なんだけど、正直ストーリーがメインのゲームじゃなくて、目の前に多数出現する敵をひたすら銃をぶっ放して鮮血を浴びながら進んでいく、雰囲気と爽快感にベクトルが振り切れたハイテンションゲーといったところだ。

 ゲームの進行もシンプルで、マップ内を右往左往しながら出口を目指して次のマップへと進んでいく、『DOOM』や『QUAKE』といったFPSジャンルの基礎を築いた作品に強くインスパイアを受けた構造と言えるだろう。

 戦闘時におけるフィーリングはどちらかというと、『DOOM』のMODである『BRUTAL DOOM』に近い射撃感だ。ショットガンを撃つと「ガコンッ!」という音とともに瞬着で敵にダメージが行くというこのレスポンスの良さは、やっぱりレトロFPSやそのインスパイア系のFPS特有の快感がある。

 いやね、撃てばひたすら気持ちがいいレスポンスが返ってくるので、ひたすら出てくる敵を延々と相手にしていても、疲れを感じることなく黙々と遊び続けることができるんですわ。いやー、手に入る武器が強力なので、敵を粉々にしていると変な気持ちよさでヤミツキ。

変態技術により、『DOOM』系のスプライト表示と『Quake』系のローポリ3D表示を切替可能

 レトロFPSへの意識は、グラフィック面などからも感じられる。例えばマップのテクスチャなどを取っても、『DOOM』の荒いドットのスプライトや、『QUAKE』時代のガビガビなソフトウェアレンダリングや低解像度テクスチャーを思い出させるような質感をしていたりと作り手のこだわりが深い。

Prodeus01

 また、出てくる敵のグラフィックはDOOM世代のものを意識しており、デフォルトの見た目はスプライト(3Dではないドットで描かれた一枚絵)によるアニメーションといった感じ。

 ただ実はコレ、キャラクターデータ自体は3Dポリゴンでモデリングされていて、わざわざスプライトっぽく見せるシェーダーを作ってそう見せているのだ。だからオプションを弄ると本来の3Dモデリングでの表示も可能。お好みで設定してみるといいだろう。

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 UI周りは基本的に今風だけど、『Wolfenstein』や『DOOM』『QUAKE』で見られたような、画面下部に表示された自キャラをダメージに応じて変化させていくというギミックを採用。これ、最近のゲームでは見られなくなった表現方法だから妙な懐かしさがあるね。

 ステージをクリアすると双六の盤面のようなマップが表示され、次のステージへと駒を進めていくという流れとなっている。敵を倒しながら出口を目指す普通のステージのほかに、クリアタイムを競うアーケードモード的なステージもあったりする。

ランキング機能や自作マップの作成・シェア機能も。日本語にも対応

 ちなみに本作は、メアド等を登録しておくことで、オンラインでのスコアランキングやユーザー作成マップのダウンロードが可能になる。

 スコアランキングはシンプルなものだが、ステージクリア時の敵の撃破率やクリアタイム、難度などから計算されたスコアが自動的に登録される。前述したクリアタイムを競うようなステージは特に熾烈なトップ争いが生じるのではないだろうか。

 またステージを自作できるレベルエディタが同梱されており、作品をを公開したり、逆にほかの人がアップしたものを遊んだりといったことができる。まぁこちらはある程度マップデザインの知識が必要なので、初心者には手を出しにくいのでアレだけど。

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ギミック頼りではなく、撃っててしっかり気持ちのいい快作

 そんな感じの『Prodeus』だけど、遊んでいてクッソ気持ちが良かったというのが率直な感想だった。FPSにおいて重要とされる射撃感に関しては文句なしの気持ちよさがあり、プレイしているとアドレナリンがドバドバ出る。

 小難しいストーリーもなく、ひたすらプレイフィールにフォーカスして作られたように感じる本作。オールドFPSが好きな人はもちろん、ひたすらぶっ放したいというトリガーハッピーな人に特にオススメしたい作品だ。
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編集者近況:アメリカでXbox Series SもPS5も予約できてるのだが、大変ナイスな治安の我が近所(※)でXSSが無事配達されるのか、PS5を夜に回収しに行って無事帰ってこれるのかが気になる(※『Watch Dogs 2』で言うとジャパンタウンのちょっと北西あたりの地域)

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)