E32M1: 『Dirty Bomb』ゲームはオモロい、狙ったキャラを手に入れるのは辛い。F2PのオブジェクトベースFPS

公開日時:2015-08-07 00:00:00

 ドモー、夏真っ盛りな今日このごろ。ドイツではGamescomが開催されていたりと洋ゲーの情報が多数出てくるので楽しいなぁと。そうそう、Windows10もリリースされたんだけど、これくっそ快適なのでオススメだよ。
 さて、今日取り扱うのはちょいと前にリリースされた『Dirty Bomb』というFPS。このタイトルは『Wolfenstein: Enemy Territory』や『Enemy Territory: Quake Wars』といったタイトルを手がけたSplash Damageが開発している(パブリッシャーはネクソンアメリカ。Steamで配信中。公式サイト)。


 Splash Damageは2001年に立ち上げられた開発会社で、処女作は『Return to Castle Wolfenstein』のマルチプレイヤー部分だった(キャンペーンとマルチプレイヤーで異なるスタジオが制作して開発への負担を減らしていた)。
 この『Return to Castle Wolfenstein』の時から同スタジオが得意としているのが、オブジェクティブ(目的)ベースのマルチプレイヤーで、「プレイヤーはオフェンス側とディフェンス側のチームに分かれ、オフェンス側は攻撃目標を指示され、それを時間内に破壊する。ディフェンス側はオブジェクトの破壊を阻止するのが目的」……といった感じのルールだ。

 今回取り扱う『Dirty Bomb』もオブジェクティブベースのタイトルで、本作は同スタジオが満を持しリリースしたものの、ヒットには至らなかった『BRINK』(2011年発売)というタイトルを再構築した作品だ(パブリッシャーはベセスダ・ソフトワークス)。日本でも発売されていたので、名前を知っている人も少なくないんじゃないだろうか。

 さてこの『Dirty Bomb』なんだけど、現在Steamで絶賛無料配信中となっている。まぁ無料のタネを明かすと、現在このゲームに収録されているキャラクターの数は15体いるんだけど、最初に使用できるキャラクターの数は数体のみ。
 そこでインゲームマネーを貯めることでロックされているキャラクターを購入できるのだけど、まぁ何十回とゲームをこなさないとなかなかお金が貯まらない。で、リアルマネーを投じれば1キャラだいたい10ドルくらいで購入できるといった感じ。ちなみに、ロックされているキャラクターでも運良くお試しプレイに選ばれれば、その期間は触ることができたりする。まぁ、余計お金を投じたくなる要素なんだけどね。

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 で、面白いのがロードアウトカードだ。戦闘終了時にたまに入手できるケースを開けると、中にランダムでキャラクターのカードが入っている。このカードには使用武器や能力といった情報が書き込まれており、レアリティに応じて能力の数が増えたりする仕様だ。つまり、キャラクターを買っても、そのキャラクターで使用するロードアウトカードによっては武器が弱かったりするという地獄仕様。さらに、所持していないキャラクターのカードも出てきたりするとより地獄。たまにしか入手できないカードの中で、自分の所持しているキャラクターかつそこそこ良い中身のカードを求めるべく、何度も何度も何度もプレイすることになる。だが、ここはまだ地獄の1丁目。

 「何時間も何回もやってらんねーよ!」という人にオススメなのがエリートケース。リアルマネーを投じることで、レアリティの高いカードが出やすくなるガチャと言ったらいいかな? 1箱だけ開けると5ドル。5つのセットなら20ドル。10個のセットなら35ドルといった結構なお値段だ。
 ちなみに、このガチャで出てくるカードはレアリティの上位3位までに限定されているので、そこまでのカスカードはないと思う。が、まぁ結構な値段に対しては正直微妙というか、高い金を出して欲しいキャラのカードが出ないと本気で凹む。ちなみに僕は10個セットを3回購入してみたのに、最上位は一度も手に入らず激怒。まぁ運が悪いだけなんだろうけど、ここが地獄の2丁目。

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 となると、言い方は悪いがクズカードがいずれ山盛りになってしまう。そこで、不要なカードを複数枚組み合わせることで、指定したキャラクターのロードアウトカードを錬成するシステムが用意されている。つまり、頑張ってカードを集めていけば、武器や能力は希望にそぐわないかもしれないが、目当てのキャラクターのロードアウトカードを錬成することは可能なのだ。
 ただし、かなりのインゲームマネーを消費するため、無課金で頑張ろうとしても、錬成を繰り返すと手持ちのお金がガンガンなくなっていく。つまり、インゲームマネーでキャラクターを買うのが難しくなってしまう訳だ。そこで、インゲームマネーの獲得量を増やすブースターをリアルマネーで購入することができる。なんか色々と堂々巡りで地獄の3丁目。

 とまぁ、そんな感じでリアルマネーがガンガン吸われる感じの『Dirty Bomb』なんだけど、肝心のゲームはどうかというと、コレがかなり面白い。ココ最近はオブジェクティブベースのFPSが不発だったというのもあるんだけど、本作に関しては良く出来ているといえる。
 キャラクターが追加されるとバランスが崩れたりするものの、わりと早い段階で調整が入る点は好印象。それに、バラエティーに富んだキャラクターたちが繰り広げる攻防はプレイしていて非常に楽しい。

 個人的に使っていて楽しいのが軌道上から強力レーザー攻撃ができる“キラ”という名前の女性キャラクター。味方に助け起こされれば「アリガトゴザイマス」と言い、相手を近接攻撃で倒せば「サシミ」といった感じでカタコトの日本語を話すんだけど、なんか聞いていて面白い。

 その他にもクセの強いキャラクターがいるけど、そのへんは実際に自分で触ってみて欲しいかな。こんな感じの『Dirty Bomb』だけど、ココ最近では見られなかったハードなオブジェクティブベースのFPSなので、PCでFPSをやる人は試しに遊んでみるといいんじゃないでしょうか。


著者近況:ニンニクヤサイカラメ

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)