E4M2: オールドスクールFPSの復活! 新生『Rise of the Triad』レビュー!

公開日時:2013-08-01 00:00:00

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 ハイ! BRZRKです。そんなこんなで、引き続き『RISE OF THE TRIAD』についてガンガン語って行きたいと思います。

 どんな物語かというと、主人公達は“High-risk United Nations Taskforce”通称HUNT(ハント)と呼ばれる国連の特殊部隊の隊員。
 百万人もの人間を殺害しているカルト団体の暴虐を止めるために、離島へと潜入することになったのだが、敵のカルト団員に発見されてしまい、突如として銃弾の雨に晒され、帰還する唯一の手段であるボートも爆破されてしまった。
 退路が絶たれたHUNTの目前には、巨大な修道院を兼ねた要塞が。一か八か、だがこれはカルト教団の狂気沙汰を止める唯一のチャンスだ……。

 といった感じ。詳しく知りたい人は、新旧オープニングシーンをどうぞ!

 とまぁ、新ROTTのOPは、旧ROTTを踏襲した作り。だけど、キャラクターが喋るようになって、旧ROTTとはガラリと印象が変わった感じ。個人的にこのカートゥーン調の導入は物凄く好きな手法なので嬉しい限りだ。
 で、新ROTTのOPで最後にトラックの爆風で吹き飛ばされた兵士が描かれていたんだけど、このカットがゲーム開始直後のシーンと繋がっている。と、実際にこれも動画を見てもらおうかな?

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▲この人が……。

WooooooooHooooooooooooo!!!!! これは旧ROTTには無かった演出なので、のっけから大笑いさせてもらった! いやー、すげぇわ!!


 さてさて、説明を続けよう。基本的なゲームの進行は、敵の妨害を突破しながら、各マップに1つ用意されているEXIT、つまり出口を目指す至極簡単なルール。
 ただ、本作にはスコアの概念がある。だからマップ上の色々な場所に配置されているコインや高得点のアイテムを獲得しながら進むのが基本だ。このコインは普通だと気付きにくい場所や、隠し部屋に配置されているため、高いスコアを狙うにはマップを熟知しなければならない。つまり、いかに無駄なくスコアに加算されるアイテムを取りながら進めるかが重要なわけ。

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 でまぁ、マップ上にはハンドガンからMP40、バズーカといったFPSでは馴染み深い武器のほかに、魔法の杖やエクスキャリバット(つまりバット)といったROTTならではの不思議な武器も登場する。ちょっと、ここでいくつかを紹介しておこうと思う。

■デュアルピストル

■バズーカ

■エクスキャリバット(バット)

■ハンドオブゴッド

■犬

 犬? と思ったかもしれないけど、動画を見てもらえれば『あー、犬だね』と納得してもらえるんじゃないかな。というか、一噛み一殺すぎて結構笑えます。

(※編注:ドッグモードは旧ROTTから搭載されている要素。某超大作FPSのトレイラーで犬がバカウケしたのに「ワシらが元祖・犬FPSじゃけん!」と思ったのかどうかは知らないが、犬メインのトレイラーも公開している)


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▲HUNTの面々。

 さて、こんな豪快(?)でイカレタ(褒め言葉)感じの武器をぶっ放したり振り回したりするわけだけど、これらの武器を扱うHUNTチームの各メンバーには、それぞれ特性が用意されている。と言っても内容は至極単純で、要は移動スピードと耐久度が異なる。ちょろっと紹介するとこんな感じ。

○Tradino Cassatt
超平均的

○LORELEI NI
スピード特化

○THI BARRETT
スピード型(LORELEI NIより少し劣るが耐久度はアップ)

○IAN PAUL FREELY
耐久度型(DOUG WENDTより硬さは劣るがスピードは早い)

○DOUG WENDT
耐久度特化

 もちろん、使用するキャラクターはオールドスクールFPSを踏襲して喋りまくるので、銃撃戦にいいアクセントがついて飽きさせない。

 あんまダラダラと説明するのもアレなんで、新生『RISE OF THE TRIAD』の最初のステージを実際にプレイしている動画をご覧あれ。比較用として、前回の前回の記事、E4M1でアップした同じステージのプレイ動画も置いとくので、そちらと見比べてみると面白いかもしれない。(※編注:簡素作りにせざるをえなかった旧ROTTのマップ構造を活かしつつ、現代的に建築物やオブジェクトを配置して再現している)


 どうだろうか? 最近のFPSと比較すると圧倒的なスピード感が感じられたのではないでしょうかね。ちなみに、使用しているキャラクターは“ミスター平均値”というアダ名もあるTradino Cassattなのだけど、LORELEI NIを使うと、体感で2倍くらい爆速で移動することができる。つまり、上でアップした動画は序の口。このクッソ速いゲームスピードで展開されるFPSは正に90年代前半のFPS! 待ってましたよこの速度!

 で、ゲームを進めていくと、エピソードごとにボスキャラクターが登場するんだけど、これもまた骨太というか、とにかく撃って撃って撃ちまくれ! というトリガーハッピー大喜びのバトル。とはいえ、マップ上に仕掛けられた衝撃波や火炎弾を避けながらの戦いとなるので、タフな銃撃戦となるけどね。こちらもちょいと動画を用意しておいたのでどうぞ。

 こんな感じで、仕掛けを掻い潜りながらボスに対してひたすら攻撃を加え続けていくハードコアな感じ。おっさんFPSゲーマーにとっては古き良き時代の思い出が蘇るレベル。
 もちろん、シングルプレイヤーは敵をひたすら撃つだけでなく、ちょっとしたパズル的要素もある。また、窓越しに強力な武器やアイテムが配置されているシークレットルームが見えているにも関わらず、入り方のヒントが一切無く、どうやって入ればいいのか? といった、今は絶滅寸前の謎解き(?)要素も。
 正直、このシークレットどうやって取ればいいのよ! ってヤキモキしながら右往左往するのが大好きなBRZRKとしては、これだけでも大満足。シークレットルームへの進入に成功したときの喜びは、昨今のゲームには無い快感が味わえるはず。

 あ、遊んでいたら開発者のイースターエッグを見つけたので貼っておきます。こういう遊び心が最近のゲームにはないよねぇ。

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▲奥に誰かいる。

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▲絵が綺麗だなぁ、バキューンバキューン。でも拡大したりじっくり顔を見ちゃだめだからね。お兄さんとの約束だ。ドカーン。ババババババ。

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▲別にイースターエッグじゃないけど、いわゆるひとつのアイアンメイデン。


■マルチプレイヤーもハードコアだぜ! 殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!

 FPSといったら忘れてならないのがマルチプレイヤーモード。この新生ROTTも、もちろんLANやオンラインを介しての対戦で遊ぶことができる。
 サーバーを選択すると、最初に使用するキャラクターを選択することになるのだが、シングルプレイヤーと同様に、各キャラクターごとに性能差がある。で、HUNT側のキャラクターだけでなく、カルト教団のTRIAD側のキャラクターも選ぶことができるので、性能や見た目の好みで選んでみるといいかもしれない。

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▲キャラセレ。

 で、ふとキャラクター一覧を見ていて笑ったのがHUNT側に追加されたふたりのキャラクター。なんかこう、細かいネタを仕込んでくるというか、気付いた時につい笑っちゃうようなセンス。こういうエッセンスは欧米ならではといった感じでしょうかね。

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▲スケルトンのボブ。なんとなく説明書きを見たら“俺たちゃHUNT側の追加キャラクターを作らなきゃいけなかったんだが、あいにくネタが尽きた。つーことで、これでなんとかしといて”。

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▲HUNTチームにTRIADの要塞から救われたキャラクター。誰も彼の複雑過ぎる名前をちゃんと発音できないマン。


 んじゃま、前置きは置いといて、実際にゲームプレイはどうなのよ? ということになるんだけど、これがまた凄いハードコア。ゲームテンポは爆速。初期装備はハンドガンのみで、マップ上に配置された強力な武器やアイテムを求めて右往左往する懐かしのデスマッチモードがメインだ。
 火力の高い武器は爆発系のエフェクトがド派手。倒された側は肉片を飛び散らして粉々。論より証拠ということで、こちらも実際に開発者を交えて対戦してきたので、動画を見てもらいたい。

ね? 最近のゲームには見られない脅威のゲームスピードでしょ。このスピードで相手の動きを先読みして爆殺できた時には脳汁ドバドバ、今度は逆にこっちが四散させられてイェーイってなもんですよ。

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▲空だって飛べるぜ。


 で、ゲーム中にチャットで語りかけてきたのが、実は開発会社であるInterceptor EntertainmentのマーケティングディレクターのDave Oshry氏。で、ちょっとばかしお話を伺ってみたので、紹介。というか、発売前ゆえにこれ以上細かく書くだけ対戦する機会があまりなかったからこれでお茶を濁す魂胆。

BRZRK: このゲームスゲェよ!
Dave: そう思って貰えるなら最高だね!!!!
BRZRK: 質問なんだけど、なんで今になってROTTをリメイクしようとしたの?
Dave: それは、俺たちが狂ってるからだよ(原文ママ)。それに、俺たち皆はオールドスクールなFPSが少なくなったのを惜しんでいたからさ
BRZRK: オールドスクールFPSこそ至高だと僕も思うよ!
Dave: シークレットを探したり、クレイジーな武器で敵を倒すのが好きなんだ。あと、最近の勝手に体力が回復するシステムが大嫌いだからね
BRZRK: かなり良く出来てるけど、開発期間はどれくらい? Duke Nukem 3D:Reloadedのキャンセル時期から推測すると、2年くらい?
Dave: 1年半くらいかな
BRZRK: うおー、元となるゲームがあるのは分かるけど、短い!!
Dave: だって俺たちは、ほぼ24時間働いてるからね :)
BRZRK: 最後に、日本にはPCでFPSを遊ぶ人口が少ないし、オールドスクールなゲームだと知っている人があまりいないけど、それでも興味を持ってくれている日本のゲーマーにメッセージを!
Dave: 俺たちは、オールドスクールなFPSを愛するすべてのハードコアゲーマーに愛されるような作品を作りたかったんだ。そして、日本にも古き良き時代のオールドスクールなゲームが好きな人が居るので、このゲームを愛してもらえることを願っているよ。俺たちは君たちとオンライン上で出会えることを楽しみにしているぜ!
BRZRK: ありがとう!
Dave: ところで、君はこのゲーム買ったの?
BRZRK: レビューのお話を貰う前に予約してましたって!
Dave: ナイス! :)


 いやぁ、突然の会話にも関わらず快く答えてくれたDaveさんには激感謝!
 と、そんなこんなで長々とお届けしてきた今回のタイトル『RISE OF THE TRIAD』。『DOOM』や『DUKE NUKEM 3D』といったゲームをこよなく愛したゲーマーならマストバイなタイトルと言っていいだろう。
 オールドスクールなFPS信者とも言えるBRZRKが、あえてスコアをつけるなら95点。とにかくハイスピードで展開されるクレイジーなバトルは、昨今のメインストリームとなっているFPSには無い最高のテイストとなっている。This is FPS!

 そしてこの新生『RISE OF THE TRIAD』、発売日が2013年の8月1日。そう、まさに今日が発売日! 対応機種はWindows PCということで、Steamからの購入が容易かと。ちなみにお値段は14.99ドルと、かなりお手頃な価格だったりする。
 そんじゃ、ちょっくらオンライン対戦で殺しあってきますわ。でわでわ!

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)