E16M3: 移植ではなくほとんどオリジナルだったNINTENDO64版『Quake II』を映像つきで振り返る

公開日時:2014-10-28 00:00:00

 ドモー、今年購入したゲームを何本か積んだまま11月が目の前に是待っているという恐怖に今しがた気づいてしまったBRZRKです。
 今回は、なかなか触れるチャンスに恵まれていなかったNintendo64版の『QUAKE2』(以下、N64版Q2)を入手したので、遊んでみた感じを紹介しようかなと思う。


 『QUAKE2』は以前もこのブログで取り扱ったので詳細はソチラ(パート1パート2)を確認してもらうとして、簡単に説明すれば世界的な大ヒットとなったid software製のFPSだ。地球を侵略してきたストログの本拠地に宇宙海兵隊が乗り込み、元凶を断つのが目的といった感じのid softwareがお得意とするストーリーで、ハッキリ言ってしまえば物語としてはB級SFだけど、柔軟性の高いマルチプレイが高い評価を得て、プロゲーマーシーンの幕を開けたゲームである。

 となると飛ぶように売れた『QUAKE2』を家庭用ゲーム機でも遊びたいと願うプレイヤーも多く、その求めに応じて海外ではPlaystationやNintentdo64といったプラットフォーム向けに移植が行われた。
 しかし、PC版のゲームをそのまま忠実に移植することは当時としては無理難題な話で、家庭用版はスペックの制約上、色々な所を削り落とし、なんとかPC版に近い形の移植に持っていくといった感じだったのだが、本作の場合これはあくまでもPlaystation版のお話。

 じゃぁNintendo64版はと言うと、これがもうオリジナルバージョンと言っていいくらい違う『QUAKE2』となっている。単純にNintendo64とPlaystationとでスペックに差があったからだと言えるだろう(ゲームを収録するメディアの最大容量も起因)。
 一応、使用する武器や敵といった設定はPC版を踏襲しているものの、最初のステージから違うマップになっていたりとオリジナリティ溢れる物となっていて、コレはコレで意外と面白い作り。証拠というわけじゃないが、PC版の最初のステージと64版の最初のステージを比較する動画を用意したので見て欲しい。あ、マップの違いをみるためだけなので、解像度が云々とか無粋なツッコミはナシで。

 はい、こんな感じで導入部からして結構違うのだけど、中にはPC版と同じマップをチョイチョイいじって移植しているところもあったり。

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 こんな感じで、PC版から使える所は使い、難しい所は潔く使わないで新規でマップを作成といった感じで作られている本作。PC版とは大きく異なりマップ間の移動も特になしの1本道のゲームとなっている。
しかし一方で、PC版のQUAKE2とは異なるステージ構成だったり、ボス戦は所謂ボスラッシュモードみたいな作りとなっていたりと、結構楽しく遊ぶことができた。

 なお、今回の記事を作成するにあたり、実機からのキャプチャー映像を使用している。念のため、実機とカートリッジの写真も掲載しておく。

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 次回はNintendo64版『QUAKE』も軽く紹介してみたいと思う。(編注:ちなみに今回取り扱ったN64版Q2の開発はRaster Productionsが担当。その後『Quake III』のドリキャス版や『Return to Castle Wolfenstein』のPS2版など、idのゲームの移植仕事を担当した。メインプログラマーのAaron Seeler氏は同プロダクション以外でも、PS1版『Doom』に始まり、N64版『Quake』にも登板。当時のid移植仕事に欠かせない人物だったようだ。)


著者近況:サイコブレイクあそんでます。コレ本当にid tech5なのかとプラス方向に驚いている次第。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)