E40M1: 最低難度はHARDから。プレイヤーを殺る気まんまんのドット絵ハードコアシューター『BUTCHER』

公開日時:2016-09-27 15:27:00

 ドモー。今年の東京ゲームショーはVR関連が面白かったなぁという印象のBRZRKです。10月から本格的に始まるFPSの新作発売ラッシュに心躍らせている次第なんですが、もうちょっと間隔あってもよくね?


 そんなわけで、今回取り扱うのは、ゴアゴアしたアーケードアクションシューターの『BUTCHER』(SteamでPC/Mac/Linux向けに10月5日発売予定)。このタイトルを開発したのはTRANSHUMAN DESIGN(公式サイト)というインディーデベロッパー。ドット絵を駆使したサイドビューのゲームを作っているところと言えばいいだろうか。

 今回の『BUTCHER』の特徴はと言うと、90年代の『DOOM』や『QUAKE』といったシューターを2Dサイドビューで表現してみた作品とでも言えばいいかな? とりあえずトレイラーを見てもらえれば。

 ご覧の通りドット絵で世界が作られているんだけど、背景はもちろん、ちょっとしたオブジェクトまでもが緻密に描かれている。『QUAKE』や『DOOM』特有のジメついた感じの雰囲気がちゃんと表現されているのもなかなか凄い。
 で、登場するキャラクターはプレイヤーキャラクターを含めて小さ目に描かれている。かといって、手抜きというわけではなく、各キャラクターごとに特徴がしっかりと書かれているので、咄嗟のタイミングでも適切な対応が可能だ。グラフィック自体は低解像度風に作られているんだけど、それでも見やすいというのはなかなか凄いんじゃなかろうか。

butcher

 一見、敵をガンガン倒しながらゴールまで進んでいく爽快アクションなタイトルに見えるかもしれないけど、実際にプレイしてみると難度の高さに愕然としてしまう。
 そもそも難度セレクトがHARDからしか存在せず、敵の攻撃によるダメージもかなり高め。さらに拾える弾薬類が少なめということもあり、バリバリ撃ちまくっていると弾がすぐに尽きてしまう。こうなってしまうと、遠くから攻撃を仕掛けてくる敵にチェーンソーで斬りかかるしかなくなり、結果的に昇天。いや、マジでムズいよこれ。

 ゲームを進めるためには、敵の動き方や出現パターンを記憶するためトライ・アンド・エラーをくり返し、詰将棋のような感じで少しずつ攻略することになる。でも、バチバチ撃ち合うような構成のエリアに初見殺しがまれに混じっていたり、キッツイことに変わりないかな。

 殺され続けるとすんごく煮える。一度死んでしまうとステージの最初からやり直しということもあって、ゴール目前で倒されたときは文字通り怒髪天。ただ、その分だけ難しいステージを無事に攻略したときの嬉しさはひとしお。いや、嬉しさというか「ザマァ見ろ!」といった感じに近いかな。

 ちなみに、前述したデベロッパーのサイトには本作のプロトタイプ版が公開されている。こちらは意外なことに適度な難度設定となっているため、遊んでいて物凄く爽快。弾薬とかも適度にドロップするし、煮えることがほとんどないのでオススメ。

 最低でもHARD難度からのスタートというのは冗談ではなく、完全にプレイヤーを殺しにきていると言っていいだろう。「高難度なハードゴアアクションを遊びたいぜ!」という人にこそプレイしてほしいなぁと思う次第。ただ、それ以外の忍耐強くない人には少々オススメできないので、プロトタイプ版をとりあえず触ってから判断するのもアリなんじゃないかな。


○余談

 『QUAKE』をサイドビューで遊ぶという試みは古くからあって、初代『QUAKE』にはサイドスクロール化されたMODも多数あった。現在も確認できるのが「TARGET QUAKE」(リンク)と「ARCADE QUAKE」(リンク ※リンク先に製作者情報として書かれている作者のホームページはもう存在せず乗っ取られているのでクリックしないように)の2つ。「ARCADE QUAKE」はマルチプレイ可能なバージョンも制作されていたのだが、現在更新がストップされており、シングルプレイが少し遊べる体験版のみ公開されている。

 また、『QUAKE II』がもし2Dのゲームだったら? なんてのもあったり。こっちはantonior-software(リンク)というところが自前エンジンのデモとして『QUAKE II』を再現している。こちらもサイトにプレイ可能なデモ版があるので触ってみてはどうだろうか。


著者近況:『BUTCHER』は2-3でぶちギレて暴れそうになった

この記事の個別URL

BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)