『KOF15』京、庵、テリーら歴代人気キャラたちの変更点を徹底解説!【TGS2021】

TGS2021に出展されたSNKの最新対戦格闘ゲーム『KOF15』。試遊が可能だった京、庵、テリーら歴代人気キャラたちの変更点を解説します。

公開日時:2021-10-01 15:37:00

 2021年9月30日~10月3日に“東京ゲームショウ 2021”が開催。本稿では、同イベントにプレイアブル出展された『THE KING OF FIGHTERS XV』に注目。前日まですべてのトレーラームービーを確認し、新要素を余すことなくチェックした筆者が、京、庵、テリーなど歴代人気キャラクターのプレイフィールや変更点についてお届けする。

※記事は2021年9月30日に東京ゲームショウ2021にて、編集部が試遊できたバージョンをもとに作成しています。記事の内容は編集部調べによるものです。また、製品版や他のバージョンとは仕様が異なる場合があります。


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1-2 イントロ

今回の試遊体験では8キャラクターが使用可能に。

既存キャラクターは“KOF14”ベースのチューニング。しかし触ってみると色々なところに変更点が。

 今回実装された既存キャラクターは、

 京、庵、テリー、舞、アテナ、レオナ、シュンエイの7名。

 今回『KOF15』をプレイして感じたのは新作なのにすぐに実戦で遊べる“入りやすさ”。これは『KOF15』が前作『KOF14』をベースに作られており、各キャラクターのモーションなどの多くがそのまま使われているからだ。

 しかし、前作のノウハウがそのまま使える“入りやすさ”は別の観点からでは“新鮮味のなさ”とも言える。

 では、『KOF15』がそのような味気ない作品かと言われれば決してそうではない。実際にプレイしてみるとゲーム全体としてはもちろんのこと、各キャラクターにも大小さまざまな変更点がきちんとある。

 個人的にはその変更点の数々から、『KOF15』がどのような格闘ゲームを目指しているのかを考えることが楽しく、製品版に向けた期待感がより大きなものとなった。

 次項では各キャラクターをプレイした上での印象や見つけた変更点を纏めたので、ぜひみなさんもそれらを読んだ上で『KOF15』がどんなゲームになるのか考察や推測をしてみてほしい。

※TGS2021プレイアブルキャラクターコマンドリスト

各キャラクターの変更点やプレイフィールを紹介

草薙京
 前作の京は、高いコンボダメージを叩き出すことが可能かつ、“外式・轟斧 陽”や“外式・奈落落とし”といった崩し能力も併せ持つインファイトのキャラクターだった。

 今回の変更点として印象的だったのは、“遠距離強パンチ”のモーション変更。いままでのような横に腕を伸ばすのではなく、ややリーチの短いボディーブローになった。このボディブローはキャンセルが可能なため、地上の強パンチについては近遠区別なく必殺技につなぐことが可能。

 また、これは変更点ではないが、MAXモードとならずともEX必殺技が使えるようになったことから“EX弐百拾弐式・琴月 陽”のコマンド投げが活きることに。

 立ち回りでは“差し返し”に新モーションの遠距離強パンチを使い、崩しではいままでの中下段や“表裏”に投げが加わるなど、よりオフェンシブな動きが可能になるチューンになっているようだ。

3 遠距離強パンチ

新モーションの遠距離強パンチ。ガードさせた時の状況が気になる。

4 京 クライマックス
5 京 クライマックス

京のクライマックス超必殺技「裏千弐百拾弐式・八雲」は飛び道具。ヒット後の演出では日輪を描く。

八神庵
 庵はもともと飛び道具や対空技、突進技とひと通りそろっているオールラウンダー。プレイして発見したのは新コンボルートの存在。「近距離強パンチ⇒“外式 轟斧 陰 死神”」がつながるようになり、ここからさらに“弐百拾弐式・琴月 陰”や“百弐拾七式・葵花”が連続ヒットする。

 また、弱“百弐拾七式・葵花”のダウン後はEX“弐百拾弐式・琴月 陰”がつながるようになっており、細かいところでのダメージアップが可能となっている。

 庵はその他のEX必殺技にも強力なものが揃っており、ゲージを使わずとも“屑風”のような崩しも持っていることから、全局面でおいてより隙のない調整となったようだ。

6 庵 6K

庵はコンボでより適切な判断をすることで強みが増すキャラクターに。

7庵 クライマックス
8 庵 クライマックス

庵のクライマックス超必殺技は“裏千百参拾壱式・鬼燈”。相手の頭をつかんだ後、炎の渦に巻き込みつつ地面に叩きつける。

シュンエイ
 シュンエイは使いやすく高性能な通常技と“スラスタービジョン”による機動力、さらにはパワーゲージを利用した高火力も持ち合わせるキャラクター。本作では“スラスタービジョン”にさらなる改良が加わり、前後だけでなく「斜め下」や「真下」にも移動することが可能に。

 さらに、新技として特殊技に“グラウンドハンマー”が追加。これは『KOF』シリーズでお馴染みの「近距離強パンチ⇒グラウンドハンマー⇒各種必殺技」といったつなぎの中継技として使うことが可能。今までは“スカイアックス”を使わざるを得ずその後の選択肢が狭かったため、うれしい変更点と言えそうだ。

 その他にもEX“アクアスピア”が膝崩れになるなど、重要な部分での変更点が多いので他キャラクターと比べると馴染むのに時間がかかるかもしれないが、いずれも良い変更点なので使い込めばより高いポテンシャルが発揮できるだろう。

9 シュンエイ スラスター

シュンエイはその場の発想によるより多彩な動きが可能に。

10 シュンエイくらい待っ屈す
11 シュンエイ クライマックス

シュンエイのクライマックス必殺技は「ファントムシンギュレーション」。前作のようなラッシュ型ではなく、両手の力を全力で一発ずつ開放する。

テリー・ボガード
 個人的に今回の既存7キャラクターの中でもっともおもしろいと感じたのがテリーだ。テリーはもともと飛び道具、突進技、対空技とひと通りそろっていて、コンボダメージもあるスタンダード型キャラクターだが、対空技の“ライジングタックル”がタメ技だったり、崩しに乏しかったりと庵ほどオールラウンドとも言いづらいキャラクターだった。

 しかし、今回は“ライジングタックル”がいわゆる“鬼焼きコマンド”に変化。これによる守備力の向上は大きい。さらにはEX“クラックシュート”がバウンド技ではなくなったものの、高速な中段技で崩しに有用な調整が施されている。

 さらには、新技“パワーダンク”が追加されたほか、弱“パワーチャージ”はヒット時に相手が浮きそのままキャンセルで“ライジングタックル”や“パワーダンク”が入るなど、見た目はそれほど変わらずとも変更点の多い調整となっている。

 テリーもシュンエイと同様に変更点の多さから最初は戸惑うかもしれないが、立ち回りでのEX技の活用を含め、新しい調整に慣れればいままで以上に爽快感のあるキャラクターといえるだろう。

12 テリー クラック

変更点の中で特に強力なEX“クラックシュート”。中段技で非常に発生が早い。

13 テリー クライマックス
14 テリー クライマックス

テリーのクライマックス技は“スターダストイグニッション”。“パワーチャージ”のようなタックルから強力なボディーブローを決めつつそのまま斜め上に気を放つ。

不知火舞

 舞は隙の少ない飛び道具“花蝶扇”を軸に、素早い動きの中でリーチや判定に優れた通常技を駆使する立ち回り型のキャラクター。本作では新技として特殊技“紅鶴の舞”が追加。「近距離強パンチ⇒“紅鶴の舞”(1段目)⇒各種必殺技」といったコンボルートが可能になり、コンボダメージのアップはもちろん、ガードされた場合でも“花蝶扇”でカバー出来たりと有用な中継パーツだ。

 また、細かいところでは画面端で「弱”龍炎舞”⇒EX”龍炎舞”⇒夢桜」といったコンボが可能となっており、ゲージ消費を抑えつつも高いダメージを出せるように。

 もともと立ち回りに強みがある中、少ないゲージ運用で高いダメージを出すことも出来るようになったためバランスは良好。弱点でもある攻め込まれた場合の脆さも、新システムの“シャッターストライク”をうまく使えれば切り抜けられるかもしれない。

15 舞 3K

新技の「紅鶴の舞」はスライディングから続けて蹴りを決める2段技。初段はややリーチが長いため、不意の差し込み使うのも有効か。

16 舞 クライマックス
17 舞 クライマックス

舞のクライマックス超必殺技は「不知火流奥義・葛の葉」。“ムササビの舞”の陽に突進してから、最後はポーズを決めつつ大爆発。

麻宮アテナ

 アテナは舞と同様に立ち回り型のキャラクターで、前作ではMAXモード時のEX技を駆使することで強力な攻めが展開できるキャラクターだ。

 本作では新しい飛び道具“サイコシュート”が追加。これは“サイコボール”に比べると発生が遅いものの、ヒットすると相手を浮かせて追撃が可能となる。また“サイコシュート”そのものの性能以上に「飛び道具が複数種類ある」というのが重要であり、今まで以上にロングレンジでの戦いに磨きがかかったといえる。

 アテナはもともとEX技がいずれも強力なため、MAXモードを介さずとも使えるようになった本作はそれだけで恩恵を受けているといえる。パワーゲージが少しでもあれば「EXサイキックテレポート⇒スーパーサイキックスルー」の連係が使えるというのは、相手にとってかなりの脅威となりそうだ。

18 アテナ サイコシュート

アテナの新技「サイコシュート」。“サイコボール”を使い分け、先読みで動いた相手に引っ掛ける使い方が理想的だ。

19 アテナ クライマックス
20 アテナ クライマックス

アテナのクライマックス必殺技は“サイコリミックス☆スパーク !”。随所にアイドルらしい演出が入った後、最後は特大の“サイコボール”をお見舞いする。

レオナ・ハイデルン

 レオナは溜めキャラという特徴を持つ一方で、判定に優れたジャンプ攻撃を持ち崩しにも長けたキャラクター。もともとコンボダメージが高いキャラクターであったレオナは、今作では新技“イヤリング爆弾・ハートアタック”の追加によりさらに進化を遂げそうだ。

 “イヤリング爆弾・ハートアタック”は見た目は今までの“イヤリング爆弾”と同じものの、ヒットしてもすぐには爆発せず、一定時間が経つか再度同じコマンドを入力することで起爆する。

 コンボではその時間差を利用し、画面端で「近距離強キック(1段目)⇒EX“イヤリング爆弾・ハートアタック”⇒しゃがみ強パンチ⇒ストライクアーチ⇒強”Xキャリバー”⇒弱“ムーンスラッシャー”⇒自動起爆~強“ムーンスラッシャー”」というコンボが可能。

 プレイフィール自体は前作とほぼ同様のため、レオナプレイヤーは今のうちに立ち回りを予習し、『KOF15』が発売されたらすぐに新コンボを習得できるようにするのがよさそうだ。

21 レオナ 起爆

レオナの新技“イヤリング爆弾・ハートアタック”。使い方に慣れがいるため、コンボルートの研究などがおもしろそうだ。

22 レオナ クライマックス
23 レオナ クライマックス

レオナのクライマックス超必殺技は前作と同じく“レオナブレード”髪色が変わった後、手に纏った大きなブレードを突きさし、その後大爆発させる。

新生『KOF』から感じるのはプレイヤーとキャラクターの幅広い“可能性”

 今回の試遊プレイで得られた情報を改めて振り返ってみると、立ち回りでの新しい動きや状況別のパワーゲージの運用など新しい発想がどんどん生まれてくる。

 前作『KOF14』はグラフィックが刷新され、それに伴っていくつかのシステムが削られた一方で、“クイックMAX発動”の存在が戦略の要となっていた。

 いくつかのキャラクターは特に強力なEX必殺技を持っていたため、通常の“MAXモード”を使うこともあった。しかし、一度発動モーションを挟むことと、“MAXモード”自体が時間制限制だったため、攻守がはっきりしすぎてしまい“強い時間とそうでない時間”、“強い側とそうでない側”がハッキリしてしまうところがあった。

 しかし、今回はMAXモードの発動にいままでより1本多くのパワーゲージが必要になったほか、いつでもパワーゲージを0.5本使うことでEX必殺技が使えることからEX技の価値が高いように感じられる。0.5ゲージと言えば先鋒でもすぐに溜まる量なので、いままでまとまったゲージがないと運用しづらかったキャラクターなどの評価も変わっていくことは間違いない。

 今回の試遊体験は、製品版で実装される39キャラクターのうちわずか8キャラクターであったものの、プレイしたことでわかったことはとても有意義であり、新作への期待感は大きくすることとなった。

 『KOF』シリーズはキャラクターの豊富さや多彩さがひとつの魅力である。2022年2月17日までまだだいぶ時間があるものの、もし発売日から一気にスタートダッシュを決めたいと思うなら、いまから『KOF14』で予習しておくくらいが丁度いいのかもしれない。


編集:とよまん(豊泉三兄弟)
ライター:ベックス

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タイトル
THE KING OF FIGHTERS XV
メーカー
SNK
ハード
PS5/PS4/Xbox X|S/PC
発売日
2022年2月17日発売予定
価格
各7920円[税込]
ジャンル
対戦格闘
CERO
15歳以上対象
備考
『Deluxe Edition』は各10890円[税込]

© SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

『THE KING OF FIGHTERS XV』公式サイト