Rockstar Games 情報局

  • ロックスター・ゲームス情報局>
  • Game>
  • 『レッド・デッド・リデンプション2』公式プレイ動画第2弾を徹底解析!  膨大な荒事にデッド・アイ、カメラアングル……その進化を動画から読み解く!

『レッド・デッド・リデンプション2』公式プレイ動画第2弾を徹底解析!  膨大な荒事にデッド・アイ、カメラアングル……その進化を動画から読み解く!

text by マスク・ド・UH  

公開日時:2018-10-04 21:00:00

夕陽のダッチギャング団~拳銃と花と風来坊の世界

 過日、新たなる『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)の公式ゲームプレイ動画が公開された。日本語ナレーション&字幕入りバージョンも北米と同日に公開されたので、ご覧になった読者諸兄も多いだろう。今回のプレイ動画では、アーサーと仲間たちの戦闘シーンをメインに、前回のプレイ動画では触れられなかった、細部にまで至る自由度の高さが取り上げられている。オープンワールドというジャンルがすでに定着したご時世とはいえ、やはり「ここまでシームレスに作れるものなのか!」と感嘆してしまった。未見の方はいますぐチェックしてほしい次第。

※関連記事
『レッド・デッド・リデンプション2』ゲームプレイ動画インプレッション~リアリズムの魂は細部に宿る

 本稿では約4分30秒のプレイ動画を通して、『RDR2』の構築された世界の中で、アーサーはどのような行動可能なのかを検証してみたい。動画は短いながらも内容は盛りだくさんなので、検証すべきポイントは非常に多い。ロックスター・ゲームスが5年以上の歳月を費やして総力戦で挑んだタイトルであることが、このプレイ動画に凝縮されているのである。

01

※画面はすべてゲームプレイ動画をキャプチャーしたものです。

真・西部ドラゴン伝~ケンカは男の誇りの証明

 映像は、走行する汽車の上での殴り合いからスタートする。拳と拳でぶつかり合う西部男の喧嘩は、雄どうしの誇りを賭けた戦いだ。『RDR2』における喧嘩(近接戦闘)は、これまで送り出されてきた同社のタイトルの中でもっともリアルな描写になっている。羽交い締めにキックにパンチ、締めには列車から突き落とすという展開は、まさに西部劇。映像の中では、すべての行為や行動がシームレスに移行する“これまでになかったオープンワールド”の構築が強調されている。

02
03

 つまり、ゲームはフリーモードと戦闘モードに厳密に区分されているのではなく、すべてが有機的に連動し、目的もなく散策していたら突発的に発生する事態もあるということだ。

 もちろん、ゲームの中心には重厚なシナリオがあり、ミッションをクリアーしていくことで物語が進むのは、前作や『グランド・セフト・オート』(以下、『GTA』)シリーズと同様なのだが、それ以外の要素が劇的に進化している。特に今回の映像では、アーサーや他NPCのモーションが非常に優れていることがわかるだろう。物陰にカバーしたり、屋根からスライディングしたり、障害物によじ登るなどの行動が、じつにスムーズに展開しているのだ。

04
05
06

 これらのモーションからも、『マックス・ペイン3』や『GTAV』からの技術の蓄積であり、その技術がさらに鋭利に研ぎ澄まされていることがわかる。今回の映像で、そのテクノロジーの片鱗が顕著に表れているのが“喧嘩”なのではないかと、筆者は推察する。もちろんそれ以外にも山ほどあるが、プレイ映像を再見する際には、喧嘩に注目してほしいと思った次第。

07

荒野の仕事人~嵐を呼ぶ男アーサー・モーガン

 プレイ動画でつぎに注目したいのは、アーサーが請け負える“仕事”の多さである。もちろんすべてが強制されるわけではなく、「このような仕事」ができるという紹介なのだが、それにしてもすさまじい量である。ザッと列挙してみると……。

銀行強盗(規模の大小はさまざま)、空き巣、借金の取り立て、野盗、強盗行為、馬車を運転して送迎、ひとり旅などなど。これらはおそらく正式なミッションであるものや、アーサーが自由に選べるものが入り混じっているが、いくつかは前作や『GTA』シリーズに登場した仕事と似たようなものがあり、長年のファンならニヤリと笑みを浮かべてしまうような内容も多数ある。何度も書くが、まさにロックスター・ゲームスの集大成が『RDR2』なのである。

08
09 10
11 12
13 14

 ダッチギャングは西部の町・ブラックウォーターでの強盗計画に失敗して全員がお尋ね者となっているため、周囲は基本的に敵だらけであることもポイントだ。敵だらけということは、それだけ多くの危険が潜んでおり、アクションには事欠かない。ギャング抗争は『GTA』シリーズでもお馴染みだが、『RDR2』の場合は西部劇なので、ギャング抗争も現代の都市部における抗争とはまったく違うことを念頭に置いておかねばならない。

15

 映像に登場するライバルギャングの悪党どもの面構えは、どいつもこいつも西部のワルそのもの。唾を吐いたり手鼻をかんだりタバコをふかしたりと、アーサーやダッチが上品に見えてくるほど強烈だ。しかし、敵はライバルギャングたちだけではない。

16 17
18
19
20

 ストーリー編で説明した時代背景を思い起こしてほしい。時は無法がはびこった開拓時代から、近代社会に向けて法と秩序による統制が始まろうとしている時代である。つまり、罪を犯せば冷徹な法の執行官たちに追跡されるのだ。

21

 これは、『GTA』シリーズにおける警察の存在と同義ではあるが、実は細かく違う。法と秩序の時代が本格的に到来したわけではなく、中央の司令に従って地方が動くシステムは変わりないので、検察だけでは手が回らない。荒くれ者あがりの保安官や、その手下の賞金稼ぎに頼らなければ、犯罪者など捕まえられない状況だ。

22
23

 しかも、前作より10年前の時代なので、法の執行者側もまだまだ荒らくれている。アーサーが何か犯罪に手を染めれば、当事者もしくは目撃者によって通報され、保安官だけでなく、国境警備隊や騎兵隊、民間で雇われた賞金稼ぎがアーサーたちを追って来る。もちろん、アーサーがみずから賞金稼ぎになって悪人を追うこともできる。“DEAD or ALIVE”再び、だ。

24
25
26

「罪人を捕まえるのに善人を雇っても仕方ない」
 けだし名言である。

情無用のコルト~火を吹く“デッドアイ”システム

 今回のプレイ映像でもっとも熱いのが、『RDR』の代名詞といえる“DEAD EYE(デッドアイ)”システムだ。

27

 その起源は、原点となった『レッド・デッド・リボルバー』(2004年)までさかのぼるが、『マックス・ペイン』シリーズにも同様のシステムが取り入れられ、『GTAV』においてはマイケルの特殊スキルとして登場した、この射撃時のスローモーション発動モード、『RDR2』では最新の進化を遂げており、敵をマーキングして一気に倒すだけでなく、任意で発動できるタイミングの速さ、デッドアイのスキル成長要素、その成長によってスローモーション発動時間の長さやデッドアイ・ゲージの延長、敵の弱点の可視化などの進化が紹介されている。

28
29

 デッドアイなしでも敵は倒せるだろうが、発動することで、よりスタイリッシュに、シネマティックかつドラマティックに倒せるのがポイントだろう。敵の断末魔をカメラで捉えるキルショット・カメラと合わせれば、気分はもう荒野の用心棒。その使いかたはすべてプレイヤー次第というわけだが、映像では片手にソードオフ・ショットガン、片手にリボルバーといった変則二丁拳銃も登場しており、武器の組み合わせも自由自在となっていることにも注目したい。

30
31
32

無頼プロフェッショナル~アイテムとカスタマイズ

 デッドアイに続いて紹介されるのは、アーサーの“選択の自由”である。アーサーは、このワールドに用意されたあらゆる事項にリアクションが可能となっている。わかりやすいところでは、服装や髪型などの身だしなみ、馬や駅馬車、徒歩などの移動手段、食事、持ち運ぶ武器まで、じつに多種多様だ。

33
34

 入浴も重要で、不潔な状態でいると出会う人々にイヤな顔されるというのは、これまでのゲームにはなかった要素だろう。匂いは画面から伝わってくるものではないが、確かに馬糞まみれで泥だらけの地面でくんずほぐれつの大喧嘩をしたら、風呂にも入りたくなるぐらい汚れる。

35
36

 寒冷地に移動するなら冬用のコートを用意し、ヒゲも伸ばして防寒に備えられるし、逆に薄着で雪山に向かえばスタミナに影響が出るだろう。以前の記事でも触れたが、目には見えないこういった要素がゲームにリアリティーを与えているし、こういった要素を組み込むには、非常に高い技術力を要するのは間違いない。

37

 また、戦闘やカスタマイズ以外のゲーム要素も映像では多数紹介されており、確認した限りではカヌーによる川下り、カウボーイとなって牛追い、手動トロッコによる滑走、フィッシング、ポーカー(おそらくテキサス・スタイル)、飲酒、ダンス、薪割り、ドミノ遊び(見た目は完全に麻雀ゲーム)、ナイフタッピングなどなど……。さらに前述の喧嘩や、劇場でショーを観覧、脱獄幇助や決闘なども登場。書いているこちらの整理がつかなくなるほど、やるべきこと、やれることはロッキー山脈の如く文字通りの山盛りだ。

38
39 40
41 42
43 44
45 46
47
48
49 50
51
52

 また、映像ではサラリとしか触れられていないが、アーサーの行動に結果が伴う“名誉”についても期待したい。単にカルマによるパラメーターの変化とは、根本的に違うこの“名誉”は、アーサーの善悪の選択がワールドで出会うすべての人々からの評価、評判に影響を与えるもので、それがどのような結果になるかはプレイヤー次第。いまだこの“名誉”に関しては詳細が不明なのだが、単なるリアクションの変化ではないことだけは確かだ。続報を待ちたい。

53
54

野獣暁に死す~驚異のカメラアングル

 今回のプレイ映像では、最後に『RDR2』に取り入れられたカメラアングルについても触れている。特に注目は、『GTAV』PS4版より実現したFPSモード。いつでも切り替え可能で、臨場感もMAXになるFPSモードでは、影や光源の描写がTPSモードよりもさらにクッキリと表現されているのがわかる。と同時に、装飾品やアイテム、さりげない小道具や建造物の内装のディティールなどもじつに細かく作り込まれているのが観察できるので、戦闘時や探索時ではFPS、自由散策は風景を楽しむべく TPSと、プレイヤーの好みのスタイルが選べるところが素晴らしい。

55
56
57

 また、任意で切り替えできる視点としては一人称視点だけでなく、シネマティック・モードも紹介されている。シネマティックはこのワールドの素晴らしい風景を体感するにはうってつけのモードで、映画的なダイナミックな視点とゲーム独特の臨場感が見事に融合している。『RDR2』は西部劇映画の名シーンをプレイヤーみずからで再現できる、究極のシネマゲームという側面もあるのだ。

58
59
60

 以上、駆け足での紹介となってしまったが、公式ゲームプレイ動画パート2における見どころで、ロックスター・ゲームスの本気が少しでも伝わってくれれば幸いである。

 発売まであと少し! (心の中で)カウボーイブーツを磨きながら、野性の男として臨戦体勢で待機したい所存であります!

61
  • ロックスター・ゲームス情報局>
  • Game>
  • 『レッド・デッド・リデンプション2』公式プレイ動画第2弾を徹底解析!  膨大な荒事にデッド・アイ、カメラアングル……その進化を動画から読み解く!

この記事の個別URL

ロックスター・ゲームス情報局

ロックスター・ゲームス情報局