2023年4月24日に5周年を迎える、アイドル育成&ライブ対戦ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)。それを記念して、八宮めぐる役の峯田茉優さんにインタビューを実施。めぐるを5年間演じ続けてきた心境や待望のアニメ化への想いなどについて聞いた。

※本インタビューは3月下旬に実施しました。
※本インタビューは4月6日発売の週刊ファミ通(2023年4月20日号 No.1792)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。

『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」
『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」

峯田茉優(みねだまゆ)

 11月28日生まれ。長野県出身。代表作は『ハクション大魔王2020』(天野川みほし役)、『Caligula2』(キィ役)など。ラジオやWEB番組などにも数多く出演。八宮めぐる役が決まる前から『アイドルマスター』シリーズのプロデューサー(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)でもある。(文中は峯田)

――『シャニマス』がもうすぐ5周年を迎えますが、率直な気持ちを聞かせてください。

峯田もう5年経ったんだというのが素直な感想です。キャストのみんなとも話しているのですが、5という数字はひとつの節目だと思うので、そこにようやく到達できたなと。『シャニマス』はこれからも続きますが、先日の5thライブ(※)では、一旦の集大成という形になるように、いままでのものをすべて出し切るという気持ちでした。

 それと同時にルカという新しい色が加わって、これから新しい一歩を踏み出そうともしています。めぐるとしても、この5年間でいろいろな表情を見せてくれてはいますが、私もまだまだ知らないことがたくさんあって。それこそめぐるはルカとまだ出会っていないので、これからどういう影響を与えあって、めぐるがどう変化していくのか楽しみです。

※5thライブ……2023年3月18日、19日に国立代々木競技場 第一体育館で開催された“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.”。

――ユニットメンバーの関根瞳さん(櫻木真乃役)と近藤玲奈さん(風野灯織役)の存在も欠かせないと思いますが、おふたりとの活動を振り返ってみていかがですか?

峯田イルミネ(※イルミネーションスターズ)は、3人とも人見知りだったりするのですが、私が八宮めぐる役ということも相まって、最初のころは自分から積極的に話しかけようとしていました。本当に初期のころに関根と近藤がふたりでいるときは、ずっと静かに過ごしていたとか、「今日いい天気だね」というような話をしていて、「本当にそんな状況あるんだ!?」とビックリしました(笑)。

 そんな探り探りの距離感だったふたりが、いまでは3人で収録をした帰りなどに、私だけ違う電車だったとしても、ふたりで仲よく帰っていて、ふたりで過ごす時間が当たり前になっていてうれしいなと。もちろん、3人ユニットではあるのですが、私がいちばん年上ということもあって、ふたりを見守る立場だなと思ってはいたのですが、最初のころよりもふたりに対して母性が生まれています(笑)。

――本当に作中の3人のような関係性なのですね。

峯田すごいですよね。イルミネに限った話ではないのですが、キャストとアイドルの共通点が多いということをヒシヒシと感じています。じつは最初のころは私とめぐるはぜんぜん似ていないと思って悩んでいた時期もあったりしました。というのも、私はどちらかというと暗かったり、めぐるのように積極的に話しかけに行くタイプではなかったり、スポーツ万能でもないので自分では似ていないなと思っていたのですが、プロデューサーさんから「めぐるとだまゆ(※峯田茉優さんの愛称)は似過ぎていて、境界線がわからない」と言われたりします。

 とくにライブのときは、私としても外見はもちろん、仕草のひとつひとつまで研究して、めぐるに近づきたいと思って努力してきました。それが自然と私自身のふだんの生活にも染み付いてきて、めぐるのおかげで明るい性格になれたなと感謝しています。

―― 5年間、めぐるを演じている中で、当初からずっと大切にしているところや、あえて変えた部分などがあれば教えてください。

峯田やっぱり、最初のころは『アイドルマスター』シリーズ伝統のいわゆる信号機と呼ばれる3人の黄色ポジションということで、元気印だったり、天才肌であったりということを意識していました。ですので、初期のころに収録した声を聞くと、いまよりもずっと明るく、高い位置の声を使っていて、幼く聞こえるんです。

 ただ、めぐるは『シャニマス』の中で、いちばんの元気印だと思っているので、最近はその明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています。昔はずっと高い声で話していたのが、いまでは下にえぐるようにいきなりトーンを落としたり、ざらつきを持たせた声を使ってみたり、遊びを増やしているという感じですね。

 そうした理由としては、プロデューサーさんやほかのアイドルたちとの距離が近くなってきたことで、昔はまっすぐないい子だったのが、少しふざけてちょっかいを出してもいいのかなと感じたからです。「みんなのために明るくいなきゃ」という気持ちだっためぐるが「私もふだんの自分を出してもいいのかな」と思えるようになった心境の変化を感じていただけるように意識して演じかたを変えています。

――いろいろな表情をより感じていただけるように、お芝居にも変化させているのですね。続いて、ひとつに絞るのは難しいかと思いますが、めぐるが登場するコミュの中で、とくに印象に残っているものを教えてください。

峯田本当に全部について話したいです(笑)。いつもこういう質問をされたときは、めぐるのキーポイントにもなった“Star n dew by me”を挙げているのですが、今回はあえて“くもりガラスの銀曜日”について話したいです。それがなぜなのかというと、5thライブの差し入れで、ユニットごとにいままでのコミュの中で出てきたスイーツを用意してくださっていたのですが、イルミネは“くもりガラスの銀曜日”に登場したあんみつだったからです。

 あのストーリーで主役になっているのは灯織ではあるのですが、おもしろい構成になっていて、現在の3人と過去の3人が交互に入れ替わって出てくるんですよね。その対比がはっきりわかっておもしろくて。いちばんわかりやすいのが、灯織が真乃のことを最初のころは櫻木さんと呼んでいたり。このシナリオの中で現在と過去だけでなく、その中間地点みたいなものも描かれていて、灯織が真乃のことを“真乃”と呼ぶと決めたのに“櫻木さん”と呼んでしまって、「あー違った、真乃」というようなお互いを探り合っている距離感も描かれていて、そこがすごく愛おしいんです。

 ただ、めぐる自身は現在と過去でそこまで変わってなくて。灯織と真乃はすごく変わるのに、めぐるはずっと明るいままで。でも、それはそれでめぐるのよさだと思うんですよ。内面の部分で変わってきてはいるのですが、表面は変わらず、ふたりのことをずっと見守ってあげる明るいポジションという、その存在がすごく大きいなと思っていて。“くもりガラスの銀曜日”の話の中では、そういうところがしっかりと描かれていて。めぐるの場合は明るいところは見えているけれど、めぐるの秘密や内側に抱えているものが全部見えるわけじゃなくて、まさに“くもりガラス”で隠れているような。

 イルミネの3人もめちゃくちゃ仲よしでお互いのことをなんでも知っているのかと思いきや、本人たちも「そんなことないよ」と否定していて。全部知っていて仲よしだからいっしょにいるのではなく、お互いのことをもっと深く知って、ひとつになりたいからいっしょにいるという物語なんですよね。おそらく、この先もどんどんお互いのことを知っていくことになるとは思いますが、本当に全部を知っているという状態にはならないんじゃないのかなと感じていて、イルミネにはその距離感は保っていてほしいなと思っています。

 正直、私自身も台本に書かれている内容しか知らないので、「このときはどんなことを考えていたんだろう?」と想像したり、私にとっても八宮めぐるという存在は、“くもりガラス”で隠れているんですよね。そういう意味で、“くもりガラスの銀曜日”は、まだまだ知らないことがいっぱいでもっと知りたいなという想いにさせてくれたので、個人的にもお気に入りのコミュです。

――イルミネの関係性を表したコミュですよね。

峯田コミュの最後のほうで灯織が店主さんに「くもりガラスの向こう(※窓の外の景色)見たいですか?」と聞かれて、「くもりガラスの向こうを見たいって、そう、思い続けていたいから」と断るんですよね。それが外の風景と真乃とめぐるのこととが重なっていて、「すごい……」と思いました。本当にまだ読んでいないプロデューサーさんは絶対に読んだほうがいいですよ!

――報酬の“S-SSR【宝石色のしおり】風野 灯織”のイラストもすごく印象的で。

峯田このイラストで初めてめぐるの後頭部ががっつり見えたんですよ。私はそれで興奮していました(笑)。

――(笑)。

『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」

峯田あんみつを食べるシーンもいいんですよね。3人で食レポごっこをすることになるのですが、めぐるは見た目ばかり褒めるのに対して、真乃は「おいしい」と素直な言葉で伝えていて。“くもりガラスの銀曜日”の冒頭では、そんな真乃に灯織が「真乃って……やっぱり好きなものを好きって言える人、だよね」、「(私は)真乃みたいに率直に好きだと言えるかどうかも……ごめん、まだわからない」と言っているのですが、徐々に灯織も真乃のように素直な想いを伝えられるようになっていて成長を感じました。本当にラストがヤバいので、まだ読んでないプロデューサーは絶対に読んでください!!!

『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」

――この5年間で数多くの楽曲を歌われてきたと思いますが、レコーディングなどでとくに印象に残っている曲はありますか?

峯田本当に話したいのはまだ言えない曲なので、それはまたの機会に(笑)。じつはめぐるでレコーディングするときは、あまり手こずったりすることがないんですよね。私の中で「めぐるならこう歌うだろう」というのが定まっていて。

 でも、やっぱり『ヒカリのdestination』は、最初の収録ということもあり、探り探りの部分もあったので印象的ですね。そもそも声優になってから役の声で歌うというのが、めぐるが初めての経験だったので。ふつうに自分の声で歌うのと、役として歌うという差がすごく難しくて、声優としての自分の力量のなさを感じたことを覚えています。ただ、イルミネは3人とも声質がバラバラなので、本当に好きなように歌わせていただいて合わせてみたら、いい調和になっているという感じだったので、そこまで苦労はしなかったです。

――なるほど。

峯田もうひとつ印象的だったのは『トライアングル』です。歌詞がすごくわかりやすいんですよね。レコーディングの時点では、どのパートを誰が歌うということを私たちは知らず、すべてのパートを収録するのですが、『トライアングル』に関しては「ここはめぐるが絶対に歌うだろう」と予想がしやすかったので、その部分はとくに意識して歌いましたね。

 3人のアイドルとしての姿というよりは、ひとりの女の子としてのふだんの関係性が見えてくる楽曲だったりするので、素のめぐるとして歌えたのでレコーディングも新鮮で楽しかったです。

――数ある楽曲の中でもソロ曲『HAREBARE!! 』は特別な存在かと思います。初めて聞いたときの印象などを教えていただけますか?

峯田初めて聞いたときの印象は「めっちゃ『We can go now!』じゃん」でした。実際に間奏で『We can go now!』のメロディーが使わていますし、ライブのときにその部分で『We can go now!』の振り付けをそのままやっているんですよ。

 だから、アンサーソングなのかなと思いました。そうしたときにめぐるにとって『We can go now!』はどんな存在なんだろうと考えたのですが……こちらは“Star n dew by me”でメインで使われた楽曲ということで、イベントシナリオにも絡んでいるので、まだ見ていないプロデューサーさんは、ぜひチェックしてください。

 それ以外だとやっぱり明るくて、めぐるらしい楽曲だなという印象でした。じつはめぐるのソロ曲は『HAREBARE!!』のような明るい楽曲になるだろうと予想しつつも、765プロの星井美希のようなカッコいいダンサブルな曲がくるかなという気持ちも少しだけありました。ただ、ポップな応援ソングがきたので、めぐるは背中を押してくれるやさしい子だから、明るさを前面に押し出していくんだなと感じて、素直な気持ちでまっすぐに歌いました。

 “P-SSR『ずっと・グッド・ラック』八宮 めぐる”のコミュでも描かれていますが、『HAREBARE!!』は、聞いている人の背中を押してくれるだけではなく、めぐる自身も歌っていて励まされると言っていて。私も『HAREBARE!!』を歌わないライブでも開演前に聞いて元気をもらったりしているので、プロデューサーさんも元気がないときは『HAREBARE!!』を聞いて、タイトル通り晴れた青空を思い出してくれたらうれしいです。そして、もしカッコいい系の楽曲を歌わせていただくことがあれば、めぐるのべつの表情を感じていただけるものにしたいと思っています。

――この5年間でライブやイベントにも数多く出演されましたが、直近だと合同ライブ“THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023”(MOIW203)や5thライブがありました。MOIW2023は『シャニマス』にとって初の合同ライブ参加でしたが、ご自身がパフォーマンスされた楽曲のなかでとくに印象的だったものを教えてください。

峯田やっぱり、ずっと夢見ていた、信号機の黄色のメンバーでやっと集まれたということもあるので『Friendly Simile』ですね(※星井美希役の長谷川明子さん、本田未央役の原紗友里さんとともに披露された)。私は『シャニマス』のオーディションに合格する前からプロデューサーでもあったので、めぐる役に決まった瞬間からいつか黄色のメンバーでステージに立ちたいと思っていたんです。

 そして、15周年のときに合同ライブをやるのかなと期待していたのですが、ご時世的なこともあり残念ながら叶わず……。そんな中、MOIW2023でついに実現できたので、すごくうれしかったです。プロデューサーの皆さんも待ってくださっていたので、だからこそ、その期待に応えたいという気持ちがいちばん強かったです。

 パフォーマンスした『Friendly Simile』は『SideM』さんの楽曲なのですが、歌詞がめぐるにめちゃくちゃピッタリなんですよね。先ほどお話ししたソロ曲の『HAREBARE!!』とも応援ソングという共通点がありますし、曲名の“Friendly”という言葉も友だち思いのめぐるを表しているようだなと。

 歌詞の内容的にも、友だちに「大丈夫だよ」とやさしく声をかけてあげるような曲なので、歌っていても、やっぱりめぐるにピッタリだなと思って、「ここはどうやって歌えばいいんだろう?」というような曲に対しての迷いはまったくなかったです。動きのひとつひとつも、ここはこうしようと細かく決めたりせずに、その瞬間を楽しもうという感じで、緊張もあまりしなかったんですよね。

 最初は先輩たちといっしょに立つステージで、しかも私がいちばん後輩なので緊張するだろうと少し不安だったのですが、そこはめぐるが助けてくれた感覚がありました。だから、めぐるには改めて感謝しています。

――めぐると通ずる部分があったからこそ、自然体でステージに立てたのですね。めぐるに決まる前からのプロデューサーでもあったと話されていましたが、そんな峯田さんのプロデューサーの視点から見て、印象的だったパフォーマンスを教えていただけますか?

峯田私が出演していないDAY1も現地で見させていただいたのですが、印象的だったのは蒼の3人(如月千早役の今井麻美さん、渋谷凛役の福原綾香さん、最上静香役の田所あずささん)による『Dye the sky.』です。『シャニマス』の『Dye the sky.』を3人が歌ってくださったのですが、千早役のミンゴスさん(※今井麻美さんの愛称)が、当日はいなかった蒼のメンバーである灯織と『SideM』さんの桜庭薫、『ディアリースターズ』さんの水谷絵理をイメージしたアイテムを身に着けていらっしゃって、「これが765ASさんか……発想がすごい」と感動しました。

 私は『ミリオンライブ!』では最上静香ちゃんを担当させていただいていたり、そもそも蒼系が好きということもありますが、『シャニマス』の楽曲を他のブランドの皆さんが歌ってくださったというのも大きいですね。いままでは私たち『シャニマス』のメンバーしか歌ったことがなかった楽曲を、ほかのブランドの方々に歌っていただいて、いままでとはぜんぜん違う曲に聞こえたりして新鮮でした。赤には赤、蒼には蒼、黄色には黄色の強みや個性があると思いますが、やっぱり蒼い炎は静かなのにパワーを感じるというか。あの光景は私の目と心に焼き付きました。

――圧巻でしたね。『シャニマス』の楽曲をほかのブランドのメンバーが歌ったというところでは、イルミネの『ヒカリのdestination』を765ASの信号機である中村繪里子さん(天海春香役)、今井麻美さん、長谷川明子さんで披露されていましたね。

峯田じつはミンゴスさんからライブのレッスンが始まる前に長文の連絡があったんです。要約すると『ヒカリのdestination』を765ASの3人で歌わせてもらうことになったんだけど、「真乃、灯織、めぐる、そして関根、近藤、峯田の6人のことを思って歌うからね」ということをわざわざ伝えてくださって。それを見たときに「私たちがいままで追いかけていた先輩たちが、私たちの曲を大切に思ってくださっている」と感じて、うれしかったです。

 『ヒカリのdestination』は『シャニマス』のユニット曲としては最初に公開された曲でもあり、これからの未来への期待を歌った曲なんですよね。でも、765ASの皆さんはその先にいらっしゃるので、その皆さんが歌うと先ほどの『Dye the sky.』と同じく、歌詞の意味が違って聞こえるんです。私たちは先輩方を追いかけてきたけれど、その先輩方は何を追いかけるんだろうと考えたときに、私たちが知らない世界が待っているんだなと思って、そこでまた新しい期待が生まれました。

 繪里子さんは「だまゆたちに見られて、緊張する」とおっしゃっていたのですが、私たちからすると歌っていただけただけで本当に光栄なことで。私は出番が近かったのでセンターステージの下に置いてある小さなモニターで見ながら、涙を必死に堪えていました……(笑)。

――プロデューサーとして見てきた方たちが、自分たちの楽曲を歌うというのはやはり特別なものですよね。MOIW2023は久しぶりの観客の声出しありのライブでしたが、いかがでしたか?

峯田先ほどもお話した通り私はDAY1も現地で観させていただいていたので、DAY2でステージに立つ前にプロデューサーさんの歓声を聞くことができたのですが、あまりの大きさに笑っちゃいました。もちろん会場が広いということもありますが、それだけではなく、ここ数年溜まっていた声を出したいという気持ちが爆発したような感じで、「喉が枯れちゃわない? DAY2大丈夫?」と心配でした。でも、アイドルの名前を呼べることのうれしさも伝わってきて、「これまでみんなでがんばってきてよかったね」という気持ちと、ライブのテーマも“みんな元気!!!!!”だったので「みんな元気で何よりだね」とDAY1は思っていました。

 DAY2はステージに立つ側でしたが、やっぱり歓声があるのとないのではぜんぜん気持ちが違うんですよね。CDやサブスクなどで曲自体はいつでも聞けますが、ライブでしか味わえないものというのがたくさんあって。その瞬間しか味わえないものとして、プロデューサーさんたちの歓声というのが大きな存在なのですが、ここ数年はそれがなく、ライブ自体はずっと楽しくて満たされているはずなんですけど、パズルのピースがひとつだけ抜けているような、ほんのちょっとだけ何かが足りないような感覚がありました。

 でも、MOIW2023で皆さんの歓声によってその抜けていたピースがピッタリとはまった瞬間、「これこそが『アイドルマスター』のライブだ」と感じてすごく気持ちよかったです。やっぱり、『アイドルマスター』シリーズの楽曲はプロデューサーさんのコールがあってこその楽曲も多くて。楽曲を制作してくださっている皆さんもコールの部分も意識されていたりするので、そういった楽曲の輝きがより一層増しているようにも感じました。

――『あんきら!?狂騒曲』のコールもおもしろかったですね。

峯田そうですね。ふだんは「あんきら」と言っているところが各ブランドの名前に変わっていたり、後半の「二人であんきらなんです」という歌詞も「みんながアイドルなんです」になっていたり、MOIW2023用にアレンジしてくださっていましたね。

『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」

――そんな合同ライブを経て行われた、5thライブはいかがでしたか?

峯田5thライブは波乱万丈でしたね。いままでにないくらいコンセプトがしっかり決まっていたライブだったので、私たちも練習の段階で「あそこはこうしよう」と相談しながら決めていきました。というのも、ラジオのお便りなどで、合同ライブをキッカケに『シャニマス』に興味を持ってくださった方がたくさんいらっしゃることもわかっていたので、その方たちが初めて見る『シャニマス』のライブがあの内容だとしたら、相当なインパクトだったんじゃないかなと思います。

 5周年という大きな節目で、しかも今回は(斑鳩)ルカの加入やアニメ化の発表もあったので、いままでの『シャニマス』という作品の集大成を見せつけようという気持ちが制作陣の皆さんの中にもあったはずです。

――『シャニマス』のことを知っていても驚いたので、合同ライブから興味を持った人は相当なインパクトだったと思います。

峯田今回は楽曲のパフォーマンスだけではなく、ボイスストーリーも展開されていて、そこでライブタイトルの“If I_wings.”の“If”のことをアイドルたちが言葉にしているのですが、プロデューサーさんからするとアイドルたちの言葉が答えだと思うので、それを受け入れるしかなくてどう感じたのかなと。

 私からは“If I_wings.”の“I”と“wings”の間にどんな言葉が入るのかは言いたくないなと思っていて、そこはプロデューサーさんに考えてほしいなと思っているのですが、DAY1とDAY2で受けた印象というか、アイドルたちのIfの姿というのを心の隅には置いておいていただけるとうれしいなと思います。

 私も、もしめぐると出会えていなかったらとか、『シャニマス』のオーディションに受かっていなかったらとか、考えただけで涙が出そうになりますが、「いろいろな奇跡が積み重なっていまがあるんだよ」、「当たり前のことは当たり前じゃないんだよ」ということを5thライブを通してプロデューサーさんにも感じてもらえたんじゃないかなと思います。だから、そういったことを心の隅に置きつつ、今後もアイドルたちのことを大切にプロデュースしていただけたらうれしいです。

――DAY1があったからこそのDAY2という感じでしたよね。

峯田そうですね。DAY2は「みんなで楽しもう。イェーイ!」という感じで、いつもの周年ライブと同じ感覚でしたね。イルミネで言うと、DAY2は久しぶりに3人揃っていて、DAY1は私も関根 も緊張していたのですが、DAY2のほうは安心感がすごくて、リラックスし過ぎで大丈夫かというくらいでした(笑)。

 やっぱり3人揃うのは私たちももちろんうれしいですし、アイドルたち3人もうれしいだろうし、プロデューサーさんたちもずっと「また(3人揃った状態で)聞きたい」と声をあげて待ってくださっていたので、そんな皆さんの前で765ASのお三方も歌ってくださった『ヒカリのdestination』を披露することができて。しかも、5thライブのひとつ前のライブである“283PRODUCTION UNIT LIVE MUGEN BEAT”のときも『ヒカリのdestination』は、(月岡)恋鐘(※礒部花凜さん)、(芹沢)あさひ(※田中有紀さん)、(七草)にちか(※紫月杏朱彩さん)がカバーするという形だったので、私たちは『ヒカリのdestination』を歌っていないんですよね。

 だから、本家の3人が揃って歌うのは本当に久しぶりだったので、「これは私たちの曲で、誰にも渡さないぞ!」と(笑)。「これが私たちのヒカリです。これが私たちが5年間大切に歌ってきた『ヒカリのdestination』ですよ」ということを前面に出しました。直前のボイスストーリーも「いこう、あの日の先に……」という感じで匂わせる感じだったので、もしかするとプロデューサーさんたちも予想がついていたかもしれないんですけども、予想がついていたとしても最初に真乃が「ヒカリのdestination」と歌い出した瞬間の歓声がすご過ぎて。ほかのユニットの子たちも「『ヒカリのdestination』の歓声すごかったね!」と話してくれました。

 私はステージに立つときは皆さんにめぐるを感じてほしいので、峯田茉優の面をあまり表に出したくないのですが、あのときはあまりのうれしさにさすがににやけてしまって、峯田が少し出ていましたね(笑)。

――見ていて、皆さんにとっても、プロデューサーにとっても待望の瞬間だったのだろうなと感じました。

峯田5年間ずっと『ヒカリのdestination』という曲を愛していただけて、本当にありがたいです。これからも大切に思っていただけるよう歌い続けていきたいです。

――そして5thライブではテレビアニメ化も発表されましたが、喜びの声と言いますか、率直な気持ちを聞かせてください。

峯田やったー!!!(笑)。

――(笑)。

峯田発表された瞬間はいちばん泣いちゃいました。アンコールの最後の曲が終わった後に発表だったので、「MCで絶対に言っちゃダメだよ」とキャストどうしで注意し合っていました。

 本当に5周年ありがとうという気持ちを込めたサプライズだったので、プロデューサーさんが喜んでくださっている姿を裏でモニターを見ながら、いますぐにステージに飛び出して喜びを分かち合いたいという気持ちをグッと堪えて、みんなでうれし涙を流していました。

 すでにアフレコが始まっていて、どんな物語がくり広げられるのか、ある程度は把握していますが、完成したアニメの映像はまだ見られていないので、ひとりの視聴者としても楽しみにしています。

――最後にプロデューサーの皆さんにメッセージをお願いします。

峯田もう5年も経ちましたね。ずっと応援し続けてくださって、ありがとうございます。そして、最近アイドルと出会ってくださったプロデューサーさんもプロデュースありがとうございます。

 アイドルたちはアイドルの面はもちろんですが、みんなひとりひとりの女の子としての一面もあるので、そこもこれからどんどん深く知っていったら、さらにアイドルたちが大切な存在になると思うので、ぜひこれからもアイドルたちのそばで見守ってくださるとうれしいです。そして、5thライブで発表されましたが、283プロに新しい斑鳩ルカという色が加わります。私が3rdライブのときに「7色揃って虹がかかったね」というお話をしたのですが、7色の虹で終わらないのが『シャニマス』なんですよね。

 ルカの加入発表のPVでは、黒のインクが垂れたところが虹色に輝き出していて、これからいろいろな色を持つ283プロのアイドルたちが、新しい仲間であるルカにどんな影響を与えるのか、逆にルカがめぐるたちにどんな影響を与えてくれるのか、私もとても楽しみにしている部分なので、プロデューサーさんも私たちと同じ気持ちで待っていていただけたらうれしいです。光というのは全部集まると白色になりますが、ということは、黒の光というのはどこにあるんでしょうね? それをいっしょに探していきましょうね。

『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」
『シャニマス』峯田茉優さんインタビュー(八宮めぐる役)。「最近、めぐるを演じるときは明るさを失わないように意識しつつ、抑揚を多めにつけるようにしています」