2022年4月24日に4周年を迎えた、アイドル育成&ライブ対戦ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)。それを記念して、黛冬優子役の幸村恵理さんにインタビューを実施。オーディション時のエピソードや、冬優子役を演じるときに意識していることなどを聞いた。

※本インタビューは3月下旬に実施しました。
※本インタビューは4月21日発売の週刊ファミ通(2022年5月5日号 No.1742)に掲載したものに加筆、修正を行ったものです。

『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」
『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」

幸村 恵理(ゆきむら えり)

12月6日生まれ、埼玉県出身。声優として、『リアデイルの大地にて』(ケーナ役)、『ミュークルドリーミー』(今井ことこ役)』、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(智珠らんか役)など、数多くの作品で活躍している。(文中は、幸村)

全力で思い切りぶつかったオーディションに会心の手応え

――黛冬優子役に決まる以前から、『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)シリーズのことはご存じでしたか?

幸村もちろん知っていました。あまりゲームをプレイするほうではなかったのですが、所属事務所のヴィムスの先輩方がシリーズ作品に出演していることもあり、ずっと憧れを持っていました。

――とくにお気に入りのシリーズはありますか?

幸村最近ライブを拝見して印象的だったのは、『ミリオンライブ!』です。キャストの皆さんがキラキラしてステージでパフォーマンスされていたのが、心に残っています。

――以前から『アイマス』のことをご存じだったとのことですが、冬優子との出会いとなったオーディションのことは覚えていますか?

幸村じつは『シャニマス』の最初の4ユニットのオーディションも受けさせていただいていたのですが、そのときは落ちてしまって。当時を振り返ってみても、緊張からか「うまくやらなきゃ」という気持ちが強く出てしまい、自分でも納得のいくお芝居ができなくて、結果もついてこなくて、悔しい気持ちを残して終わってしまいました。

 それから期間が空いて、もう一度チャンスをいただけることになり、冬優子ちゃん役のオーディションに挑戦しました。オーディションの本番では、頭で考えるよりも、とにかく全力で、思いっきり冬優子ちゃんを演じさせていただきました。受かりたいというよりも、オーディションを楽しもうとしていた気がします。

――もう一度チャンスがめぐってきたから、今度は全力を出す姿勢で臨まれたのですね。

幸村リベンジの気持ちも大きかったですが、何より、もう一度チャンスをいただけたということは、私にも何かできることがあるかもしれないと思いました。だからこそ、いまの私の全部を出すことを意識しました。

――冬優子を初めて見たときの印象はいかがでしたか?

幸村オーディションのときに初めて彼女の資料を拝見したのですが、そこで冬優子ちゃんに二面性があることを知りまして。「絶対ズルい女の子でしょ!」と思いました(笑)。ただ、オーディションのときは、冬優子ちゃんが裏表のある性格であることは関係なく、私の中のかわいいを詰め込んで、「この子は、こんなかわいい子です!」というように全力で演じた記憶があります。

――そうしたオーディションを経て、無事に冬優子役を射止められましたね。

幸村これは誰にも話したことがないのですが、オーディションが終わった後に「これ、合格したのでは?」と自信が持てたんですよね。全力を出せたこともそうですし、オーディションのときに面接があったのですが、そこでも前回と比べて、落ち着いてお話ができたんです。全部の私をお見せできたので、これでダメだったら、縁がなかったんだなと。そうした心持ちだったので、合格したと連絡をいただいたときは、「やっぱり合格できた」とすっと胸に落ちたよう感覚でした。

『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」

“ストレイライト”のステージは戦場のよう

――実際の収録やステージに立つときに意識していることはありますか?

幸村お芝居については、最初の“W.I.N.G.”編の収録を通じて、冬優子ちゃんがどういう女の子なのかを自分の中で認識できました。そのときに理解できた、アイドル活動における彼女の絶対に曲げたくない想いというのはつねに持ってお芝居をしようと、収録時には心掛けています。ステージに立つときは、正直、いまでもどう演じたらいいのかなと迷っているところがあります。

 ただ、“ストレイライト”のみんなとステージに立つときの冬優子ちゃんは、かわいいだけではない、いろいろな表情を見せてくれると思っています。それが彼女、そして“ストレイライト”のアイドル“黛冬優子”の在りかたなのかなと解釈しています。ですので、毎回試行錯誤しながらではありますが、彼女のいろいろな表情をプロデューサーさんに見せられるように、そして、見ているプロデューサーさんたちを不安にさせないよう、自信を持ってステージに立つように努力しています。

――なるほど。3rdライブでは、ソロ曲『SOS』を披露されていましたが、こちらについてはいかがでしたか?

幸村『SOS』は、彼女が表現したいアイドル像が前面に押し出されている楽曲だと感じています。だからこそ、もし、私がステージで不安や恐怖を感じたりすると、パフォーマンスにも影響して、冬優子ちゃんらしいステージができないと思っていて。冬優子ちゃんは、絶対にステージではアイドルらしくパフォーマンスして、不安などを感じていてもそれを見せない子だと思っているので、私も冬優子ちゃんのように、アイドルらしいパフォーマンスを行うように強く意識しました。

――“ストレイライト”の3人でステージに立つときに意識されていることなどはありますか?

幸村私たち3人にとって、ステージは戦場のようなものだと感じています。ですので、ステージに立つ前には、円陣を組みますし、グータッチをして気合を入れたりしますが、あまり会話は交わさず、ひとりひとりがとことん集中している状態でステージに臨んでいるかなと思います。そうして、私たちのパフォーマンスを見せつけるという心持ちでステージに立っている感覚が、3人の中にあるのかなと感じています。

――“ストレイライト”のパフォーマンスは、キャストの方々も人気ですよね。過去にインタビューで、「ストレイライトのパフォーマンスが好き」という声をよく聞きました。

幸村私は内面がネガティブなので、褒められてもあまり前向きに捉えられないときがあったのですが、ほかのキャストの方々がそうゆうことを言ってくださることはありました。私も“ストレイライト”はすごく素敵なユニットだと思っていますし、それがプロデューサーさん、そして同じ283プロの仲間たちにも認めていただけているのは、やっぱりうれしいですね。

『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」

自身の考える冬優子をありのまま演じる

――収録のときのことも改めてお聞きできればと思います。冬優子の二面性を演じるにあたって、意識されていること、また苦労されたことなどはありますか?

幸村それが、彼女の二面性を演じることに、あまり迷ったことはないんです。私も、冬優子ちゃんとちょっと似通った部分があると感じていまして。私自身、かなり人の目を気にしてしまう性格なので、第一印象は落ち着いた人と思われがちですが、じつはそんなことはなかったりします。

 でも、そういうことは、人間誰しもあることなんじゃないかなと思います。社会で生きていく中で、人は自分が過ごしやすいほうに、生きやすいほうに傾いていくんじゃないかなと。それが冬優子ちゃんにとっては、アイドルとしての“黛冬優子”、“ふゆ”、という存在だと思います。私と彼女は道が違うとはいえど、やっていることは同じだなと思っているので、あまり難しく考えずに、私が台本を読んで素直に感じたことをそのまま演じています。

 ただ、彼女自身が感情移入しやすい子なので、私の感じたありのままを演じられているのかなとも思います。“Straylight.run()”のイベントコミュの台本を読んでいたときは、泣いちゃったぐらいです。台本を読んで涙を流したのは、このときが初めてだったので、自分でもビックリしました。

――“Straylight.run()”ほかに、演じていて心が動かされたコミュはありますか?

幸村 “ストレイライト”のイベントで、アイドルたちが合同で運動会をやる“Run 4 ???” というものがあるのですが、このイベントのコミュでは、冬優子ちゃんが自分勝手なことをしてみる様子が描かれているんです。彼女はいつもいろいろ人の目を気にして、自分の好きなように生きることをせず、当たり障りのないように過ごしている子なんです。

 あさひちゃんのように、自分がしたいことを存分に楽しむのではなく、周囲を気にして立ち振る舞う子ですが、そんな彼女が愛依ちゃんの言葉から、“ストレイライト”やプロデューサーなど、まわりに受け止めてくれる大切な人がいること気付いたんです。まわりが支えてくれるから、勝手をしてもいい、もっと自由に生きていいというのを彼女が知ることで、周囲の人たちに背中を預けて好きなことをやってみる様子が描かれています。一段と成長した冬優子ちゃんの姿に微笑ましくもグッときました。

――作中で冬優子が成長している様子を見て、幸村さんが影響されているところはありますか?

幸村冬優子ちゃんには、いつも影響は受けています。彼女は本当に芯を曲げない子なので、その強さを私も持っていたいと思います。あと、人は誰しも、ほかの人に認めてもらいたいと考えていて、女の子にとっては、“かわいい”と思われたいということもそのひとつなのかなと。それを彼女は、自分の考えで作ったもので体現していますよね。

 自身の実力で周囲の人間を認めさせるということは、並大抵のことではないと思います。そんな彼女を、私は尊敬しています。ですので、私も、少なくとも彼女といっしょにいる時間だけは“かわいい”を意識したり、信念を曲げずにいたいなと思っていて、いつも彼女にそういう姿勢を教えてもらっています。

――『シャニマス』の中で、好きなアイドルやユニット、楽曲はありますか?

幸村うーん、悩みますね。でも、“シーズ”の楽曲は好んでよく聞いています。かっこいいふたりの楽曲が大好きなんですよね。あと、パフォーマンスにも釘付けになって、ふたりのダンスを覚えたほどです(笑)。

 それと、“ストレイライト”と対照的という意味で注目しているのが、“ノクチル”です。“ストレイライト”は、個人で自分の決めた道を貫いているユニットだと思いますが、“ノクチル”も自分らしさを貫きつつも、4人の絆を大事にして、4人いっしょに離れず行動しているユニットなのかなと思っています。また、冬優子ちゃんは自分を隠すことでアイドルとして活動していますが、彼女たちは自分を出した状態で活動しています。“ノクチル”の最初のイベント“天塵”でその様子が描かれていますが、それも対象的だなと。

 “ストレイライト”ではできないことで、そんな“ノクチル”には、自然と注目してしまいます。あと、“放課後クライマックスガールズ”の『よりみちサンセット』や『ビーチブレイバー』も大好きです。“放クラ”の全力のパフォーマンスに、なんだか泣けちゃうんですよね。全身全霊に物事に挑んでいる姿は、こんなにも人の心を打つものなんだと気付かされました。

――幸村さんが歌唱に参加されている楽曲の中でお気に入りのもの、また気合いの入るものはありますか?

幸村Hide & Attack』は、歌詞も冬優子ちゃんの心情にもマッチしているので、歌うときは気合いが入ります。全体曲だと、『SWEET▽STEP』(※▽はハートマーク)ですね。この曲は“ストレイライト”では見せない冬優子ちゃんのかわいさを見せられるように意気込んでパフォーマンスに臨んでいます。

――ちなみに、これまでご出演されたイベントやライブの中でとくに印象的だったものはありますか?

幸村無観客で開催された“MUSIC DAWN”は印象深いです。それと、その後にまたプロデューサーさんと会えた2ndライブ、そして冬優子ちゃんのソロ曲を披露した3rdライブの東京公演は忘れがたいです。

――やはり、有観客と無観客では、ステージに立つときの心境も違ったりするのでしょうか?

幸村以前の有観客のイベントのときは、ステージに立ってパフォーマンスすることにプレッシャーを感じていたので、その後に無観客のイベントがメインになったときは、正直少しだけ安心してしまった部分もありました。でも、その後の2ndライブでプロデューサーさんとお会いしたときに、自然と涙が出てきたんですよね。舞台袖で拍手が聞こえたときに、“ストレイライト”の3人で涙を流していました。それぐらい、プロデューサーさんに支えてもらっていたこと、プロデューサーさんがいるから安心してパフォーマンスできているんだなと、改めて気付くことができました。

――プロデューサーさんとまた会える4thライブが、4月23日、24日に控えていますね。どのようなステージにしたいですか?

幸村ユニットとしましては、やっぱり“ストレイライト”は、ずっと進化し続けているユニットなので、今回のライブでも、成長している私たちの姿を見てもらいたいです。そして、3rdでは途中参加だった“シーズ”も全日参加で、7ユニット全員が揃っての初の周年ライブなので、みんなの気合の入りようも段違いです。7ユニット全員でステキなライブができたらなと思います。詳細は言えませんが、今回のライブもすごいことになっているので、期待していてください! 25人でプロデューサーに「こんなに私たち、成長したんだよ!」と感じてもらえるようなライブにしたいですね。

――それでは最後に、プロデューサーの皆さんにメッセージをお願いします。

幸村4周年を迎えますが、ここまで支えていただいたプロデューサーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからも『シャニマス』は、ずーっと続いていくと思いますが、こんなに未来が楽しみなコンテンツはありません。そして、今後もプロデューサーさんといっしょに歩めるのがすごくうれしいです。これからもずっと皆さんといっしょにいられるように、私たちもお芝居やパフォーマンスをがんばっていきますので、応援よろしくお願いします。

『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」
『シャニマス』幸村恵理さん(黛冬優子役)インタビュー。「譲れない信念を持つ彼女に負けないよう、私も自信を持ってステージに立つようにしています」

週刊ファミ通 2022年5月5日号 No.1742では、『シャニマス』4周年記念特集を掲載

 週刊ファミ通 2022年5月5日号(No.1742)では、『シャニマス』4周年記念特集を掲載。4年目の振り返りやプロデューサーアンケートなども掲載しているので、こちらも要チェック!

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