2022年4月24日に4周年を迎えた、アイドル育成&ライブ対戦ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)。それを記念して、制作プロデューサーの高山祐介氏にインタビューを実施。この1年間に開催されたゲーム内のイベントやアップデートのほか、“283フェス”やクリスマスパーティーなど、ゲーム外の活動も振り返りつつ、4周年を迎え、5年目へと突入する『シャニマス』のこれからについて聞いた。

※本インタビューは3月下旬に実施しました。
※本インタビューは4月21日発売の週刊ファミ通(2022年5月5日号 No.1742)に掲載したものに加筆、修正を行ったものです。

高山 祐介(たかやま ゆうすけ)

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』制作プロデューサー(文中は高山)。

新しく確立されつつある生活様式の中で、さまざまなチャレンジができた1年

――まずは、この1年間を振り返ってみて、率直な感想を聞かせてください。

高山世の中的には、まだまだ以前の日常が戻ってきていない状況ですが、その中で『シャニマス』では、ゲーム外のイベントなどの取り組みを通じて、新しく確立されつつある生活様式に合わせたチャレンジができた1年だったと感じています。とくに、さまざまな制約がある中で、プロデューサーの皆さんとひさしぶりに同じ会場に集まってイベントを実施できたのは印象的でした。以前とは異なる環境ではありますが、新しい楽しみをプロデューサーさんたちと作っていけるようになったのは、この1年での大きな収穫だと思いますし、個人的にうれしかったところでもあります。

――2021年10月には、『シャニマス』初のフェス型の配信イベントが開催されましたね。

高山2021年10月に実施させていただいた“283フェス 2021 Happy Buffet!”ですね。こちらのイベントを開催した経緯としましては、2020 年に行った配信イベント“MUSIC DAWN”を通じて、オンラインイベントならではの楽しさをプロデューサーさんにご提供できると手応えを感じたのが前提としてあります。そこから、2021年も何かオンライン限定のイベントを実施できないかと企画したのが、“283フェス”となります。

 こちらのイベントでは、各地で実施されているさまざまなステージを、個々人の趣向に合わせて予定を立てて楽しむフェスならではの体験を、オンラインで疑似体験していただくというのがコンセプトとしてありました。また、イベント当日はもちろん、イベント開催前から「この時間帯はどのステージを視聴しようかな?」というような、フェスならではの計画を練る時間も楽しんでいただけるように、事前に各配信チャンネルのタイムスケジュールも公開し、イベントを存分に楽しめるように企画しました。

――さまざまなステージでキャストさんがトークや歌を披露されていて、プロデューサーさんたちもすごく楽しまれていたように思います。一方で、タイムスケジュールの管理など、開催にあたってたいへんなことも多そうだと感じる部分もありました。

高山やはり、通常のイベントと比べてコーナー数もたくさんありましたので、キャストの皆さんのコーナー間の移動も多く発生してしまいました。ですので、各コーナーのタイムスケジュールを破綻なく進めるのはたいへんでしたが、キャストの皆さんや運営スタッフのおかげで、当日は大きなトラブルもなく、プロデューサーさんにイベントをお楽しみいただけたかなと思います。

――今後、このようなフェス型のイベントの実施は予定されていますか?

高山オンラインでも何か楽しい施策、取り組みをおとどけしたいという想いはつねにあります。ですので、プロデューサーさんたちが望んでくださるなら前向きに検討させていただきたいと考えております。もちろん、フェス型のイベント以外にも、オンラインならではの楽しさを味わえるイベントの開催について引き続き考えていきたいと思います。

――わかりました。イベント関連では、2021年12月19日に開催された“Xmas Party -Silent night-”の2日目に、斑鳩ルカ役の川口莉奈さんがサプライズで楽曲を披露されたのも印象的でした。

高山“Xmas Party -Silent night-”では、現地の会場や配信で参加されたプロデューサーさんに、緋田美琴のSSRサポートアイドルのカードをプレゼントする取り組みを実施しました。その中で、“シーズ”と関連の深い斑鳩ルカにも何か活躍の機会を作れたら。そして、“シーズ”とルカ、さらに言えば、283プロとルカの対照的な関係性を描きたいという想いがありました。

 そこで、同じクリスマスでも対照的な雰囲気を表現するため、サプライズでルカ役の川口さんに登場していただきました。プロデューサーさんたちはとても驚かれていたようでしたが、同時にルカのパフォーマンスも楽しまれていた様子だったので、サプライズを企画してよかったなと改めて思います。

――この1年間、ゲーム内ではさまざまなアップデートが行われました。その中でも、新プロデュースシナリオ“Landing Point”が実装されたのが大きなトピックスとしてあると思います。こちらの新プロデュースシナリオを実装してみての手応えやプロデューサーさんからの反響を聞かせてください。

高山シナリオ面では、個々の活動やユニット活動を通じて成長したアイドルたちが、ユニットとしてのワンマンライブにどのように挑むのか。アイドルたちにどのような歩み、成長があって、“Landing Point”のシナリオに到達したのかという部分をしっかり描けたのかなと認識しています。

 また、プロデューサーの皆さんといっしょに成長しているアイドルたちの姿を描けたとも感じています。ゲームシステムの面では、楽曲に焦点を当て、お仕事やレッスンを通じて楽曲の熟練度レベルが上がり、各楽曲の熟練度レベルが上がるとボーナスが発生するといった、従来のプロデュースシナリオとは異なるアプローチを通じて、楽曲を意識しながらゲームをプレイしていく楽しさを提供できたかなと思います。

 加えて、“Landing Point”では、同じく昨年実装した“フェスツアーズ”で活躍できるアイドルたちが育成できる場として、“Landing Point”をご活用いただければと考えていました。ですので、“Landing Point”では、“フェスツアーズ”専用のアビリティを獲得できたり、“フェスツアーズ”で“Landing Point”で育成したアイドルを編成すると有利になる局面があったり、“Landing Point”と“フェスツアーズ”がリンクするよう意識して開発しました。その結果、ふたつの要素が相互作用するようなシステムが構築できたと思います。

――“フェスツアーズ”のお話がありましたが、こちらの反響なども教えてください。

高山“フェスツアーズ”の狙いとしては、これまでプロデューサーさんが育成した283プロの25人のアイドルたちで、ひとつの目標を達成する体験をお届けしたかったのがベースにあります。その中で、とくに実装初期はステージのスキップの仕様や、オート機能の使い勝手がプロデューサーさんの期待に満たない部分があったりと、プロデューサーさんのストレスになってしまった部分がありました。これから改善する必要がある点もありますが、イベント実施中に行ったアップデートを通じて、アイドル25人を活躍させながら、ある一定まで上り詰め、途中でリタイアになったとしてもアドバンテージでさらにその先に進めるという、一歩ずつ着実に成長できるゲーム体験というのはご提供できつつあるのではないかと思います。もちろん、これからも“フェスツアーズ”がもっと楽しくなるようなアップデートを実施していきたいと考えています。

――期待しています。この1年間でも多数のシナリオイベントが実装されましたが、高山さんが個人的に印象的だったシナリオイベントがあれば教えてください。

高山この1年間ですと、“アルストロメリア”のシナリオイベント“アンカーボルトソング”や、“シーズ”の“OO-ct. ──ノー・カラット”など、アイドルたちの繊細な表情をきちんとシナリオの中で表現できるようになりつつあるかと感じていまして。一方で、つい先日まで開催されていた“放課後クライマックスガールズ”の“アフター・スクール・タイム”は、アイドルが学校でサプライズを行うお話が描かれているのですが、こちらはアイドルとしてほかの人たちに元気を与えてあげられるというような、アイドルとしての真っすぐな姿も描けたと思います。アイドルたちの目に映るものをより広く、丁寧に伝えられたのではないでしょうか。いま挙げさせていただいたシナリオイベントは個人的に印象深かったかなと思います。

――アイドルたちの姿や心情を深くまで表現できるコミュが1年を通して描けたと?

高山そうですね。周囲の人たちやまわりの状況などを加味したうえでのアイドルたちの表情まで描けるようになっているのかなと。以前よりも、画角が広がったお話作りができているという印象ですね。

『シャニマス』高山祐介制作プロデューサーにインタビュー。「5年目は、アイドルたちをより輝かせるために、彼女たちの過去や未来の可能性を感じていただきながら、輝きを際立たせていきます」
『シャニマス』高山祐介制作プロデューサーにインタビュー。「5年目は、アイドルたちをより輝かせるために、彼女たちの過去や未来の可能性を感じていただきながら、輝きを際立たせていきます」

――新たな定額サービスの“シャイニーパス”が登場しましたが、こちらを導入した経緯や反響について、改めてお話いただけますか?

高山現在『シャニマス』では、“283パス”と“シャイニーパス”のふたつの定額サービスがありますが、それぞれの用途は異なっています。283パスでは、たとえばプロデュースアイテムの枠が拡張されたり、アイドルのプロデュースをより快適に楽しんでいただくためのサービスとなっています。

 一方、新たに実装したシャイニーパスは、アイドルのプロデュースにおいて、より高みを目指しやすくなるためのサービスとなっています。“グレードフェス”でより高グレードに行きたい方、活躍したいプロデューサーの方に向けてというイメージですね。そこで、サービスに加入していただくと、アイドルの特訓数を高めることができる“SSR特訓はづきさん”と呼ばれるアイテムがもらえたり、フェザージュエルを多くもらえたりといった特典を用意しました。

 そうした特典を通じて、よりプロデュースの高みを目指していただくための一助になるサービスになればいいなという想いを込めています。シャイニーパスを実装した手応えとしましては、やはりアイドルの特訓数を高めたいと感じているプロデューサーさんにはご活用いただいている印象です。

――この1年の『シャニマス』の楽曲展開についてもお聞きできればと思います。2022年にはユニットコラボ曲が登場しましたが、こちらの狙いを教えてください。

高山2021年は、『L@YERED WING』シリーズを展開させていただきましたが、こちらが“重ねる”というものをテーマにしていたシリーズでした。その中で、色が重なると別の色になるように、ユニットの色が重なることで新たな色が生れて、そこでまたアイドルたちやユニットの新しい魅力を知っていただく機会になればと考え、ユニットコラボ曲を制作する運びとなりました。

――なるほど。今回のコラボユニットは、“アンティーカ“דストレイライト”、“放課後クライマックスガールズ“דノクチル”、“イルミネーションスターズ“דアルストロメリア”דシーズ”という3つのチームに分かれていますが、それぞれの組み合わせはどのようにして決まっていったのでしょうか?

高山“アンティーカ”と“ストレイライト”は、どちらもスタイリッシュな楽曲が持ち味のユニットであることに加え、ゴシック、メタルをモチーフとした楽曲が特徴的なアンティーカと、サイバーでデジタルなサウンドが魅力のストレイライトの組み合わせはおもしろいのでは、ということで決まりました。

 “放課後クライマックスガールズ”と“ノクチル”の組み合わせは、“学校”という共通したイメージがあるのでピッタリでしたし、“イルミネーションスターズ”、“アルストロメリア”、“シーズ”に関しては、それぞれに楽曲の違いはありますが、共通しているオシャレさに注目し、この3ユニットではいったいどのような化学反応が起こるのか、といったところを想像しながら組み合わせを決めていきました。

――『Killer×Mission』、『相合学舎』、『Secret utopIA』の3曲が登場しましたが、こちらのコンセプトも教えてください。

高山『Killer×Mission』は、“アンティーカ”と“ストレイライト”の対バン感を意識した楽曲となっています。歌割りも、“アンティーカ”の後に“ストレイライト”のパートがあったり、お互いがいい意味でライバル心を出し合いつつ、最後はふたつユニットがひとつになる、そんな熱さを秘めた楽曲になります。『相合学舎』は、学校がテーマのユニットどうしのコラボということで、学校を軸にした歌詞が登場しています。

 また、“放課後クライマックスガールズ”の楽曲には、ラップ調のものが何曲かありますが、“ノクチル”にもラップの要素を取り入れたら、どのような魅力が生まれるのか、ひと味もふた味も違うのではというところがポイントです。『Secret utopIA』は、オシャレな印象でポップな楽曲になっていて、癖になるようなかわいらしい歌声や、一転してカッコいい歌唱パートがあったり、3ユニットの個性が出るような、さまざまな色が混ざり合う楽曲になったと思っています。

――ちなみに、またべつのユニットどうしのコラボを実施したいという想いはありますか?

高山そうですね。またべつの組み合わせとなったときに、どのような魅力が生まれるのか、僕も楽しみなところではあります。ただ、具体的な時期などは、現時点では考えていません。まずは、新しく登場するCDシリーズ『PANOR@MA WING』で、ユニットの新たな魅力を届けていけたらと思います。

――続いて、他社のIPとのコラボについてもお聞かせください。森永製菓のチョコレート・DARS、『ピアプロキャラクターズ』とのコラボが開催されましたが、それぞれのコラボに至った経緯や狙いを教えてください。

高山まず、森永製菓さんとの取り組みついて、これは先方様もおっしゃっていた部分ではあるのですが、森永製菓さん、そしてDARSという商品は、つねに若い世代の方向けに新しい取り組みをされています。そして『シャニマス』にも、ゲームやイベントだけでなく、新しいタイアップ企画を通じて、さまざまな形でお客様の目に触れて、『シャニマス』を楽しんでいただけたらという想いがありました。そういった双方の想いが合致したことで、今回のコラボが実現しました。

――森永製菓のチョコレート・DARSとのコラボでは、八宮めぐる、樋口円香、園田智代子、大崎甘奈、黛冬優子の5名がDARSブランドアンバサダーに就任しましたが、この5名が選ばれた理由などをお聞かせください。

高山智代子はチョコアイドルとして活動していますので、今回のコラボの中心になるだろうと、満場一致で決まりました。そこから、ほかのメンバーをどう選んでいこうかと考えていたときに、DARS製品にはいろいろな味わいの異なる商品が出ているところにヒントを得まして。さまざまな魅力のある商品を展開しているDARSさんに倣い、智代子を中心にしつつも、味わいの異なるアイドルたちをバランスよく揃えたいと考え、こちらのメンバーを選出しました。

――『ピアプロキャラクターズ』とのコラボでは、三峰結華(初音ミク)、芹沢あさひ(鏡音リン)、桑山千雪(巡音ルカ)の3名が登場しましたが、この3名が選出された理由などを教えてください。

高山大きな理由は、見た目の親和性です。あえて、まったく見た目の異なるアイドルを選ぶという考えかたもあるとは思いますが、見た目的に親和性のあるアイドルを登場させることで、イメージを重ねてもらいやすくなりますし、「だからこのアイドルが選ばれたんだ」という納得感のようなものを狙いたく、この人選となりました。

新たなプロデュースシナリオが登場予定。育成特化のプロデュースが可能に

――今後の『シャニマス』についても聞かせてください。まずは、5年目を迎える『シャニマス』のテーマを教えてください。

高山2021年は、アイドルたちがそれぞれ経験を積み重ねてきて、ひとつの到達点に達したかもしれないという点を、“Landing Point”を通じて描いてきました。2022年ではそこからさらに成長し、アイドルとしてより輝くために、彼女たちの過去や未来の可能性を感じていただきながら、アイドルの道を選んだ283プロの少女たちの輝きを際立たせていきたいと思っています。

――過去の可能性ということは、もしかしたらあったかもしれない物語、みたいなものが描かれたりするのでしょうか?

高山『シャニマス』は現実寄りの作品ですので、IF、パラレルワールドのような物語は、安易には描きにくいかなと思います。ただ、そういった可能性を示すことで、あったかもしれない自分にも恥ずかしくないような、応援してくれている人を照らしてあげられるアイドルを表現できるなら、ありなのかなとも考えていまして。そのための方法論として、なにか必要であれば、描く可能性もあるかと思います。

――わかりました。そうしたコンセプトがありつつ、4周年にあわせたアップデートが行われると思いますが、こちらの内容について教えてください。

高山4周年を迎えての取り組みのひとつとして、プロデューサーの皆さんにテーマ別に投票いただいたアイドルたちがピックアップされるような、新しい形式のガシャの実装(※1)を予定しています。また、現在定期的に開催しているイベントのひとつに、アイドルのプロデュースを通じてファン数をどこまで獲得できるかを競い合うイベント“プロデューサーズカップ”がありますが、こちらを発展させた、“みんなでプロデューサーズカップ”というキャンペーンを実施させていただく予定です(※2)。

 こちらでは、プロデューサーみんなでひとつの目標に向かって協力して挑戦する、一種のお祭りのようなものになる予定です。また、通常のガシャと期間限定のガシャに加えて、新たに“トワイライツコレクション(以下、トワコレ)”と呼ばれるガシャを追加します。こちらでは、“トワコレ”限定のアイドルが登場し入手しやすくなります。こちらで登場したアイドルは、今後開催されるべつのトワコレのタイミングでも再度入手いただける形です。

※1、※2は終了しています。

――新しいプロデュースシナリオの追加は予定されていますか?

高山現在、鋭意開発中ではありますが、新プロデュースシナリオの実装を予定しています。シナリオ名は“S.T.E.P.”で、“育成特化プロデュース”と銘打ったシナリオとなります。従来のプロデュースシナリオよりも、より快適に、強力なフェスアイドルを誕生させることができるシナリオにしたいと考えています(※3)。

 こちらのシナリオの特徴としましては、たとえば、いままでのシナリオではレッスンやお仕事をすると、アイドルたちのボーカル、ビジュアル、ダンスといった能力が直接上昇しましたが、新たに登場する“S.T.E.P.”では、レッスンやお仕事を行うと、アイドルたちのステータスが上昇するのではなく、“表現力”と呼ばれるポイントを獲得できます。このポイントを任意にステータスに割り振ることができるのが、大きな特徴となっています。ですので、たとえばボーカルを特化して育てたいときに、そのままステータスを上げるために使用できたり、余ったポイントを使ってSPやアビリティに変換できたりと、活用方法が増えました。

 また、ステータス上限まで達した後にステータスが上がってムダにしてしまうことを防止できるので、より効率よくプロデュースができるようになるのではないかと考えています。

※3…2022年4月28日に実装されました。

――いままで以上に選択の幅が広がるということですね。

高山そうですね。なるべく効率よく、快適にプロデュースを行っていただけるようなエリアになるように開発しています。あと、もうひとつ大きな特徴として、これは今回実装予定の“S.T.E.P.”を含むすべてのプロデュースシナリオが対象となるのですが、アイドルの育成が完了した際にフェスアイドルに加え、“ノウハウブック”というアイテムを入手できるようになります。こちらを新シナリオの“S.T.E.P.”での育成の際に持ち込んでいただくと、育成対象アイドルがノウハウを学ぶように、一部能力を継承し獲得できることがあります。“ノウハウブック”を実装する意図としましては、従来のプロデュースでは、育成ユニットの編成や行動選択時のアイドルの配置によって、必ずしも前回よりも強いアイドルが育成できる保証はありませんでした。そこがおもしろいポイントでもあるとは思いますが、今回の新シナリオでは、プロデューサーさんの数々のプロデュースが“ノウハウブック”に変わり、くり返しプレイすることで一歩でも前に進める仕組みを作りたいという想いがあります。

――“ノウハウブック”によって、プレイを積み上げていくと、強いフェスアイドルを誕生させやすくなると。

高山“育成特化プロデュース”と銘打っている通り、なるべくプロデューサーさんがプロデュースしやすい環境を整えていきたいと思っています。そういったこともあり、“S.T.E.P.”では、プレイ時にコミュが随時再生されるのではなく、後からまとめて再生できるように、従来のプロデュースエリアから仕様を変更しています。こちらの狙いとしては、プロデュースをしていただくプロデューサーさんにはふたつのモチベーションがあるのかなと思っていまして。

 ひとつは、エリアごとのアイドルたちの新たなシナリオを読みたい、カードシナリオを読みたいというような、アイドルたちを感じたいモチベーション。もうひとつは、強いフェスアイドルを育てたいというモチベーションが存在すると思っています。ですが、それらは同時に存在するというよりも、コミュを読みたいときはコミュを読みたいし、腰を据えてプロデュースするときは、コミュは飛ばして、プロデュースに集中したいと考えられているプロデューサーさんが多いのかなという印象です。

 ですので、“S.T.E.P.”では、プロデュースをしているときはコミュが再生されず、ホーム画面にある“コミュ”ボタンでプロデュース中に解放されたコミュを自分の好きなタイミングでまとめて読めるようにしています。

 ちなみに“S.T.E.P.”では、目標のファン人数のシーズン目標を達成しないとクリアーできないというような従来の一部プロデュースエリアでの制限はなく、シーズン目標を達成すると、プラスの効果を得られる仕組みを実装予定です。そして、オーディションやライブに挑戦するときも、目標のファン人数を達成するだけではなくて、より強いスキルやアビリティをゲットできるなど、積極的に挑戦したくなる理由を作れたらと考えています。さまざまな変更点や新たな仕組みを通じて、より快適に強力なフェスアイドルを育成できるエリアとして開発をしております。

――新エリアで描かれるコミュは、どのような内容となるのでしょうか?

高山コミュについては、前述の理由もあり、別のタイミングでこれまでとは少し異なる形式で実装しようと考えていて、アイドルの成長や積み重ねや、可能性を感じられるものにしたいなと思っています。

――先ほど少しお話にも上がりましたが、2022年4月からスタートするCDシリーズ『PANOR@MA WING』に込めた想いやコンセプトをお聞かせください。

高山『PANOR@MA WING』にある“パノラマ”は、広い視野角であったり見渡す限りの風景といった意味の言葉です。この言葉を用いることで、5年目に突入した『シャニマス』が、これまでの活動を経て視界が広がったからこそお届けできる魅力を表現したいという想いが込められています。

――わかりました。4月23日、24日には4thライブが控えています。タイトルが“空は澄み、今を越えて”と、『シャニマス』のこれまでのライブにはなかった、日本語になっていますが、こちらのタイトルに込められた想いを教えてください。

高山4thライブでは、これまでのライブとは異なる印象の、新たなステージをお届けしたいと考えていました。その中で、具体的なアイデアとして、アイドルたちがどのような想いで歌を歌い、パフォーマンスしているのかを、ライブを通してプロデューサーさんに伝えられたらと考えまして。そういった「新しいことをする」という印象を持っていただくため、このタイトルとなりました。

――それでは、最後にプロデューサー皆さんへメッセージをお願します。

高山『シャニマス』が今年で4周年を迎えて、5年目に突入しますが、個人的にすごく長い期間だなという印象です。同時にそれだけ長い期間、いっしょに支えてくださっているプロデューサーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、ゲーム内はもちろん、ゲーム外でも、オンラインを活用した取り組みであるとか、アイドルたちの魅力を感じていただけるような新たな『シャニマス』の魅力を発信していきたいと思いますので、これからも“283プロ”のアイドルを愛して、そしてプロデュースをお願いできればと思います。

週刊ファミ通 2022年5月5日号 No.1742では、『シャニマス』4周年記念特集を掲載

 週刊ファミ通 2022年5月5日号(No.1742)では、『シャニマス』4周年記念特集を掲載。4年目の振り返りやプロデューサーアンケートなども掲載しているので、こちらも要チェック!

週刊ファミ通(紙版)のご購入はこちら

週刊ファミ通の購入はこちら (Amazon.co.jp) ebten(エビテン)で購入

週刊ファミ通(電子版)のご購入はこちら

BOOK☆WALKERで購入 Kindleで購入