2022年1月28日(木)から1月30日(日)にかけてオンラインで開催された、“東京eスポーツフェスタ2022”。その最終日となる3日目の1月30日に、『モンスターストライク』(以下、モンスト)の決勝大会が開催された。

※『モンスト』決勝大会は4:52:22ころより。

『モンスターストライク』公式ページ

 『モンスト』は8周年を経てダウンロード数は5600万人を超え、賞金総額が1億円になるプロツアーの開催やプロリーグ戦など、競技シーンが発足してからは約4年が経つ。一般層、ならびに競技層のいずれにも、幅広い人気を誇るタイトルだ。

 “東京都知事杯”を巡る東京eスポーツフェスタでの大会は、1月開催ということもあってプロツアー参加者などにとっては1年の始まりとして、大事な節目となる大会となりつつある。さらに今年は新たに“親子部門”が新設され、プロ級プレイヤーどうしの激戦とはまた異なる『モンスト』のおもしろさが垣間見えた。

【モンスト】一般部門で激戦に盛り上がり、親子部門でおもしろさの原点に返る。『モンスト』をとことん楽しめた決勝大会をリポート【東京eスポーツフェスタ2022】
とことん突き詰められた一般部門の戦いに比べ、親子部門では独特な発想によるチーム編成や、親子ならではのプレイスタイルなど、『モンスト』本来の面白さを思い出すような名試合を見せてもらえた。

 初の開催となった親子部門では、試合中もほほえましいやり取りを見せながらがんばってくれた“リトルバード@福岡市”チームが優勝を果たした。

【モンスト】一般部門で激戦に盛り上がり、親子部門でおもしろさの原点に返る。『モンスト』をとことん楽しめた決勝大会をリポート【東京eスポーツフェスタ2022】
“リトルバード@福岡市”チームの、“のーふぇいす”選手(画像左)と“空色”選手(画像右)。

 一般部門では、『モンスト』の2021年プロリーグを制したばかりのチーム“Cats”のメンバーによる強豪チーム“えなこりん教”を決勝戦で倒し、“おんみょーん”チームが優勝した。

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一般部門のコンマ秒以下の時間を競う戦いを制した、“ぴっぴ”選手(画像左)と“さる”選手(画像右)のチーム“おんみょーん”。

 親子部門と一般部門、それぞれの大会の模様を以下リポートしていく。大会終了後には両部門の優勝チームにインタビューができたので、そちらの内容も記事の最後に紹介していこう。

『モンスト』は自由、と改めて教えられた親子部門

 決勝大会はまず、親子部門から開始となった。親子部門の決勝ステージには、オンライン予選を突破した6チームが進出し、1位通過の“一撃.jr”チームと2位通過の“リトルバード@福岡市”チームは準決勝シード枠となる。

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 対戦ルールはBO3(2ステージ先取で勝利)形式で、試合で使用されるステージは事前に決定している。パーティー編成した4キャラクターのうち、チーム内のプレイヤーそれぞれが2名のキャラクター操作を担当する。

 編成キャラクターについては、制限はなし。プロリーグ戦などで採用されている、両チームが交互にキャラクターを選択し、一度選ばれたキャラクターは選択できなくなるという“ピック”形式とは異なり、理想のパーティーを編成できるレギュレーションだ。

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 なお、大会の実況はプロリーグの試合などでも実況を務めるeスポーツキャスターの柴田将平氏が担当。解説は『モンスト』プロリーグで活躍中のチーム“今池壁ドンズα”のリーダー・なんとかキララEL氏が務めた。

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 いざスタートした親子部門は、準々決勝第1試合からなかなか興味深い展開となった。反射キャラが鍵となる“緑林の邪竜”ステージで、反射キャラをチーム“Barジゴレット”は4手目、チーム“メタルディーノ”は3手目という、違った順番に配置して対戦した。

 2試合目では“狐雨の魔将軍”ステージに王道のパーティー編成で臨む“Barジゴレット”に対し、“メタルディーノ”は定石と異なる編成で臨む。試合は“Barジゴレット”の2本先取勝利で終わったが、そういう手もあるのかと感心させられる試合内容となった。

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“狐雨の魔将軍”は3年前に実装されたステージなので、最新鋭のキャラで挑むというのは未来人がすごい武器で蹂躙するようなもの。そのぶん、いろいろと試せる余地も出てくるわけだ。

 準々決勝第2試合では、“team八○子”と“admin”による、『モンスト』ならではの早撃ち対決が見られた。『モンスト』ではパーティーキャラをフリック操作で引っ張って離す、という単純動作でキャラを打ち出す方向やその際の強さをすべて決定できる簡単操作になっているぶん、より早く正確に撃てるプレイヤースキルが際立つ。

 また、“team八○子”は1-1で迎えた3ステージ目の“火の石像”で、定番の反射キャラ4体編成ではなく、反射キャラ2体と貫通キャラ2体という編成を見せた。この大会の1日前にあたる、東京eスポーツフェスタ2022の2日目に開催されたプロプレイヤーによる『モンスト』講座でもこのステージは反射キャラ4体が定石と触れていたのだが、その定石を打ち破るプレイングで見事“team八○子”が勝利した。

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定石を見慣れた人ほど、7手目で一気にボスを倒し逆転に持ち込むまでの流れに驚かされたかと思う。プレイのレベルも相当高く、見ごたえがある試合となった。

 こうした自由な編成と発想に驚かされるシーンは、そのあとも続いていく。準決勝第1試合では、“Barジゴレット”が“火の石像”ステージで、定石なら2手かかる場面を“グリッターボール”を活用して1手で突破してみせた。

 それに対する“一撃.jr”は“狐雨の魔将軍”ステージで、解説のキララ氏をして「見たことがない」と言わしめるパーティー編成で勝利し、決勝戦に駒を進めた。

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 準決勝第2試合では、“リトルバード@福岡市”が“team八○子”に対し、“火の石像”ステージに貫通キャラ3体という、これもまた独特な編成で挑み勝利。続く“緑林の邪竜”も落ち着いたプレイングで制し、決勝へと駒を進めた。

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各チームともに試合中にアドバイスをしあったり、ハイタッチを交わすなどといった姿も見られた。

 こうして迎えた親子部門の決勝戦は、予選1位通過の“一撃.jr”と、予選2位通過の“リトルバード@福岡市”の対戦となった。

 最初のステージ“狐雨の魔将軍”では、“リトルバード@福岡市”が4手目に諸葛亮を配置するという、どう使うのか気になる編成で見事に勝利を収める。

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パーティー編成が単純化されており、“空色”選手側に負担がかからないようになっていると思われる“リトルバード@福岡市”。そこに両選手の練習で培ったプレイングが加わり、非常に安定感があった。

 決勝戦2ステージ目は“火の石像”。“リトルバード@福岡市”は準決勝でも見せた貫通キャラ3体編成で、グリッターボールも活用して先行していく。“一撃.jr”も素早い撃ち出しで見事な追い上げを見せたが、最後は“空色”選手が落ち着いて狙いをつけた阿頼耶によるとどめのシュートを決め、ステージクリアー。2本先取で、親子部門優勝の座を勝ち取った。

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随所でのハイタッチなど、親子のきずなも十分に見せてくれた“リトルバード@福岡市”。親子で『モンスト』を楽しんでいる雰囲気が伝わってきた。

 決勝戦のあとの“リトルバード@福岡市”からのコメントでは、編成についてはやはり簡単な部分を“空色”選手の担当に回せるようにと試行錯誤したと触れられていた。

 また、“のーふぇいす”選手からは「子どもの成長ってすごいですね」との言葉も出た。約一週間ほどの練習で“空色”選手はめきめきとうまくなったとのことで、親子部門ならではの微笑ましいひと幕となった。

一般部門はベスト編成ゆえの息を飲む接戦

 親子部門に続いて開催された、一般部門の決勝大会。こちらもプロリーグの試合とは異なり、ピック形式ではない自由編成でのBO3形式対戦となっていた。

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使用されるステージは親子部門とは異なり、昨年のプロリーグで使用されてきたおなじみのステージがずらりと並ぶ。
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 最初の対戦となる準々決勝第1試合は、“#Aminor”と“らすとしょっと”による“渇望の果ての理想郷”でのミラーパーティーマッチとなった。親子部門とは異なり、昨年のプロリーグで多くのプレイヤーに研究され続けて出た最適解を反映するとなると、自由にパーティーを編成できるとしても、ミラーやそれに近い形になるのは当然とも言える。

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パーティーがミラーで、ステージの攻略法も定番化しているとなると、両チームの差を生むのは腕前のみ。

 第1ステージの“渇望の果ての理想郷”では“らすとしょっと”が撃ち出しの速さで勝利したものの、続く第2ステージの“悠久の祈りと魂が還る聖海”では、貫通キャラ4体が定石とされるところを、“#Aminor”側は貫通キャラ3体に、反射キャラの天叢雲を4手目に配置した編成で臨む。最新の流行ではなく、かなり前から使用されてきた、ボスとほかのオブジェクトのあいだに反射キャラをうまく挟まるように撃つとボスを瞬殺できる、難しいが成功すればリターンが大きい編成だ。

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最新の攻略法だけではなく、こうしたロマンじみた攻略法もいまだに息づいている。それだけ『モンスト』で時間を短縮することは難しく、こだわるべき点なのだ。

 この第2ステージでは両チームともに焦りのせいかミスが多く見られるも、早撃ちのわずかな差で“#Aminor”が勝利。1-1で迎えた第3ステージ“吸樹のナース”ではミラーマッチとなり、ラストショットがわずかに速かった“#Aminor”が勝利した。

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“吸樹のナース”は1ミスが致命的な遅れを招く厳しいステージだが、両チームともミスなく進み、ショットの速さや正確さによって生まれるわずかな差で勝敗が決した。相当なプレッシャーがかかっていたと思われる。

 続く準々決勝第2試合では、本大会2連覇を狙う“砲撃timely's”と、先日プロリーグ2021を制した“Cats”所属のふたりによるチーム“えなこりん教”という、優勝候補の筆頭どうしが早くも激突した。

 ここで“えなこりん教”は、演出時間がある必殺技“ストライクショット”で安定して抜けるのが定石かと思われた場面を、あえて使わず通常ショットで抜けることに成功し、演出時間分のタイム短縮に成功。その差が決定打となり、準決勝に進出した。

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同じキャラの同じ手番で、ストライクショットを撃つか撃たないかという選択が明暗を分けた。一瞬でこの判断ができるあたり、さすが2021年のプロリーグを制した王者といったところか。

 準々決勝第3試合は、2020年から挑戦し続け、この決勝ステージについに上がれたという“Arcturus”と、プロリーグで目下活躍中のふたりによる“25時、ナイトプールで。”の対戦。ボスのHPがわずかに残ってしまうなど、運に愛されなかった“25時、ナイトプールで。”に対し、ミスなく進めた“Arcturus”が2タテを決めて勝利した。

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大会の魔物のせいというべきか、まさかのミリ残りが起きてしまう。

 準々決勝第4試合では“おんみょーん”が、“クッキーシュークリーム”に第1ステージを取られた状態で迎えた第2ステージ“悠久の祈りと魂が還る聖海”で、天叢雲でのボスの瞬殺を見事に決める。第3ステージもそのままの勢いで勝利し、準決勝に駒を進めた。

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今回の決勝大会で、この難しい瞬殺を成功させたのは“おんみょーん”のみだった。

 続く準決勝ではどちらの試合も、0.1秒どころか0.01秒単位の差で試合が進む、より緊迫した展開となった。

 本作の試合では劣勢になっている側の画面には自分と相手のタイムが表示されるが、優勢側には相手側のタイムが表示されないため、優勢でもつねに焦りが生まれるのがつね。そのプレッシャーは想像以上で、ショットの単純な指先での操作へダイレクトに響き、ミスを招くことは強豪チームでも珍しくはない。

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ミラーマッチで0.06秒差など、もはやフリック操作の一瞬の差だけで勝敗が決するような場面が続く。

 準決勝第1試合の“#Aminor”と“えなこりん教”の対戦では、この僅差の連続を制した“えなこりん教”に2-1で軍配が上がった。続く準決勝第2試合も緊迫した展開が続いたが、やや攻めに転じていった“Arcturus”に対し、ペースを崩さなかった“おんみょーん”が2タテで勝利した。

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準決勝第2試合では“Arcturus”が攻めの姿勢からミスをしてしまいつつも、そのプレイングの結果アナスタシアと武則天が重なっていたためボスを奇跡的に瞬殺できたりと、あわや逆転かと言うシーンも生まれた。

決勝戦は、もはや精神力の勝負

 一般部門の決勝戦は、“えなこりん教”と“おんみょーん”の対戦となった。2021年のプロリーグを制したチームの主力メンバーを相手にして、以前の東京eスポーツフェスタでの決勝大会で初戦敗退の悔しさを味わった“おんみょーん”が“2度目の正直”を達成できるのか、観る側の緊張も高まるカードだ。

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試合前に落ち着いた様子を見せる“えなこりん教”に対し、「ここまで来たら相手がプロでも倒すしかない」と気合いを見せる“おんみょーん”。

 第1ステージは“悠久の祈りと魂が還る聖海”。“おんみょーん”側はさきほどの試合でボスの瞬殺を決めた天叢雲編成で臨むが、ミスでその前の手番が狂い、ボス瞬殺が不可能になってしまう。第1ステージはそのまま冷静に進めた“えなこりん教”が勝利した。

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まさかというところでのミスで、思わず手を額に当ててうつむく“ぴっぴ”選手。ここからマインドセットで立ち直れるか。

 第2ステージは“渇望の果ての理想郷”での対戦で、パーティー編成が両チームともに完全に同じのミラーマッチとなった。“おんみょーん”側が1手目を速く撃ちリードすると、つぎのバトルですかさず“えなこりん教”側が逆転。その後もときに0.03秒差になるという、僅差のシーソーゲームが続く。

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まさかの0.03秒差に、解説陣も思わず叫ぶ。

 第2ステージは9手目で、優勢だったこともあってかやや慎重にストライクショットを放とうとした“えなこりん教”に対し、即断でストライクショットを放った“おんみょーん”が2秒のリードを勝ち取り、そのままつぎの最終バトルでもミスをしなかったことで勝利。1-1に持ち返し、第3ステージへと勝負をもつれこませる。

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文字通り間一髪、1本先取された状態で“おんみょーん”側がとてつもない精神力を見せてくれた。

 第3ステージ“吸樹のナース”での対戦は、1手目で“えなこりん教”側が敵を1体倒しそこねてしまうという、まさかの開幕となった。先述したとおり、このステージでは1回のミスで生まれた差を挽回するのは難しく、もはや相手チームもミスをしてくれることを祈るしかない。

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解説のキララ氏いわく「それだけ急いで撃たなくてはと思わせるくらい相手が強かったということで、これはだれも責められない」とのこと。それほどに緊張する舞台なのだ。

 対する“おんみょーん”にも、リードできたとはいえ同等以上のプレッシャーがかかり、ミスがあっても当然と思われる状況でステージが進行していく。しかし“おんみょーん”側は堅実に練習通りであろうショットをくり返し、危なげなくラストショットまでノーミスで進行していった。

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ラストショット前までミスなく運んでから相方の“さる”選手にバトンを託し、あとは祈るばかりの“ぴっぴ”選手。

 ラストショットもミスすることはなく、“おんみょーん”が第3ステージを制覇。2-1で決勝戦に勝利し、トッププロに対する大金星で優勝を決めた。

【モンスト】一般部門で激戦に盛り上がり、親子部門でおもしろさの原点に返る。『モンスト』をとことん楽しめた決勝大会をリポート【東京eスポーツフェスタ2022】
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 一般部門ではプロリーグで洗練された『モンスト』トッププレイヤーどうしの極まった対戦の凄みが、親子部門ではそんなトッププレイヤーも驚かせるような独創的な発想や楽しみかたが改めて伝わってきた今回の決勝大会。親子部門の新設により、『モンスト』のおもしろさが観戦者により強く伝わってくる大会になっていたように感じられた。

 つい先日に2021年の王者が決定したばかりだが、『モンスト』のプロリーグ大会やプロツアーは2022年の新たなシーズンを迎え、すぐに始まっていく。今大会の熱戦を先駆けとして今年も競技シーンが盛り上がることを願うとともに、親子や友人とカジュアルに楽しむプレイヤー層にも、本大会が今年1年の『モンスト』熱をより高めるきっかけになってくれることも願いたい。

親子部門・一般部門 優勝者合同インタビュー

【モンスト】一般部門で激戦に盛り上がり、親子部門でおもしろさの原点に返る。『モンスト』をとことん楽しめた決勝大会をリポート【東京eスポーツフェスタ2022】
“リトルバード@福岡市”チームの“のーふぇいす”選手(左)と“空色”選手(右)。
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“おんみょーん”の“ぴっぴ”選手。
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同じく“おんみょーん”の“さる”選手。

――まずは今大会で優勝した感想を聞かせてください。

のーふぇいす選手勝ててほっとしています。

空色選手同じく勝ててよかったです。久しぶりにやった『モンスト』でしたけど、うまくできてよかったです。

ぴっぴ選手正直、決勝戦では自分のせいで1戦目落として負けそうになったので、諦めずに勝てたことでほっとしているのと、その負い目から勝てて解放された分、うれしさも強かったです。

さる選手2年前の東京eスポーツフェスタで決勝トーナメントまで行けたんですが、初戦で負けてしまってそこからずっと悔しい思いをしてきました。その分、今回勝てたのはすごく嬉しいです。

――今回優勝できた、最大の勝因はなんだったと思われますか。

のーふぇいす選手ステージの簡略化だと思います。

空色選手速く撃てたり、冷静にアドバイスをもらえたりしたことです。

ぴっぴ選手おそらくはどこのチームよりも練習してきた、という点だと思います。

さる選手ニライカナイ(悠久の祈りと魂が還る聖海)のステージで、ボスをワンパンできたことです。

――一般部門のおふたりにご質問ですが、どの対戦相手が一番手ごわかったですか。

ぴっぴ選手決勝戦では、やっぱり初戦が一番きつかったです。初戦ということで緊張感がありました。

さる選手最後のCats戦です。うまいということは分かっているので、自分たちがいかにミスをしないか気を付けて戦いました。

――今回、本大会に出場を決めた理由を聞かせてください。

のーふぇいす選手親のほうから誘いました。僕の元チームメイトがグランプリで活躍していることに刺激を受けて、僕も大会に参加したいと思ったのがきっかけです。

空色選手親に誘われて、久々に『モンスト』をやりたいという気持ちになったので参加を決めました。

ぴっぴ選手正直、当初はあまり出る気はなかったんですが、信頼してくれていたのか、さる選手のほうから誘ってもらえたので、これは行くしかないと参加しました。

さる選手3年前からマルチプレイに付き合ってもらっていて、グランプリも昨年いっしょに出たということもあって、ぴっぴ選手を誘わせてもらいました。

――今回の大会を通じて改めて感じた、『モンスト』のおもしろさなどはありましたか。

のーふぇいす選手大会ではふたりで協力して勝てたという点がうれしかったですし、笑顔になれました。

空色選手大会でも練習どおりにうまくいったことや、綺麗に撃てたことがうれしかったです。

ぴっぴ選手僕らはあまり実績はないんですが、大会と言う場では実績のある相手に下剋上ができるところがいいですね。

さる選手編成がプレイヤーごとに違って、どれが一番速いのかと突き詰めていくところがやっぱりおもしろかったです。

――ふだんは『モンスト』をチームメイトといっしょに遊んでいますか。

のーふぇいす選手それぞれ個人でプレイしていて、いっしょには遊んでいないです。僕がガチャを引くときは、だいたい娘が「何が当たるん?」って見に来ますけど、恥ずかしいので画面を見せません(笑)。

ぴっぴ選手『モンスト』自体を最近はあまりやれてなかったんですが、もしやるとしたら僕らはいっしょにやると思います。

――いつもの大会にあるピックシステムが今大会ではなかったわけですが、これに対してどのような練習や備えをしてきましたか。

のーふぇいす選手キャラは自由に選べるということだったので、いかに娘が楽に立ち回れるか、そこを意識して練習しました。

空色選手優勝したいという気持ちで、ずっと練習していました。

ぴっぴ選手プロリーグとかで出ている編成をひととおりやってみて、自分たちに合った立ち回りを選択した感じです。

さる選手ピックだといろいろな立ち回りを事前に触っておかないといけないので大変だと思いますが、今回はひとつの立ち回りを極めればよかったので、すごくやりやすかったです。

――では最後に、親子部門のおふたりにご質問です。これからも、お父さんといっしょに『モンスト』を続けたいと思いますか。

空色選手続けたいです!

のーふぇいす選手だそうです(笑)。

東京eスポーツフェスタ2022リポート記事はこちら

※画像は配信をキャプチャーしたものです。