戦場のトリックスター・ジャングラーの魅力と活用法に迫る【Vol.6】

奇襲を得意とする“ジャングラー”は『リーグ・オブ・レジェンド』の中でも特殊なロール(役割)だ。特性を理解して、より効率的に戦おう。

公開日時:2017-06-02 16:55:00

●ジャングラーを理解できれば初心者は卒業!

 サモナーレベルが18に達すると強力なマスタリーが、20に達すると最上位のルーンが開放される。この辺りは初級者と中級者を分ける基準のひとつと言える。

 中級者ともなると、ジャングラーがいる構成が一般的だ。ジャングル内の中立モンスターを倒して経験値やゴールドを稼ぎ、レーン戦では敵の背後から奇襲をかける。扱いは少々難しいが、いるだけでゲーム展開がスリリングに!

 ジャングラーについて理解が及ぶようになったら、初心者も卒業と言っていいだろう。本稿では『リーグ・オブ・レジェンド』におけるトリックスター、ジャングラーについて解説する。

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▲サモナースペル“スマイト”をセットしていると、ジャングラー用のアイテムが買えるようになる。スマイトはジャングラーに必須と言っていいだろう。

●ジャングラーがいる構成のメリット

【メリット1 チーム全体の育ちが早くなる】
 ジャングラーがいる場合、トップレーンのプレイヤーはソロで行動することが増える。そのため、ミニオンの経験値を独占できるようになり、レベルアップがスピーディーに。
 ジャングラーもスムーズに中立モンスターを狩れれば、レーンで戦うプレイヤーに見劣りしないほどの経験値やゴールドを稼げる。

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▲中立モンスターを狩るスピードが遅いと、レベルやアイテムで遅れを取ることに。そのため、中立モンスターを倒しやすいスキルを持つチャンピオンが選択されやすい(カ=ジックス、エリス、グレイブス、リー・シンなど)。

 
【メリット2 奇襲しやすい】
 視界がクリアになるのは、自分や味方チャンピオン、ミニオンの周辺だけ。これが『リーグ・オブ・レジェンド』の原則である。ミニオンが通らないジャングルは全体的に視界が悪く、敵がどこにいるかもわからない。そこから奇襲をかけるジャングラーは、敵にとっては暗闇でうごめく刺客のようなものなのだ。
 なお、多対一の状況を作り出して敵をキルすることを“ギャンク(Gank)”と呼ぶ。

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▲“ワード”という設置型アイテムの周辺も視界がクリアに。ワードを設置する行為は「視界を取る(確保する)」などと表現される。相手がワードを置いてなければ、視界の外から一気に接近してギャンクし放題だ。

 
【メリット3 プレッシャーを与えられる】
 これは直接的なメリットというわけではないが、ジャングラーが見え隠れするだけでも相手にとってはいやなもの。仮に奇襲が失敗したとしても、相手には「レーンを押しすぎて自軍のタワーから離れると、ジャングラーに襲われるかもしれない」というプレッシャーがのしかかる。ときには、姿を隠し続けることすらプレッシャーになる。これも大きなメリットだ。

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▲ある程度ゲームに慣れたプレイヤーはジャングラーの動きをつねに警戒する。ジャングルに逃げ込まれると追撃しにくいのだ。

●ジャングル内に棲息する中立モンスター

 ジャングラーがレベルアップするために倒す中立モンスター。中には倒すとバフなどの恩恵を得られるモンスターもいる。相手より早くレベルを上げるためには、効率よくジャングルを回ることが大切。中立モンスターの性質を理解しておこう。

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▲いずれの敵も、こちらから攻撃するまでは襲い掛かってこない。体力が減っているようなら、いったんベースに戻って回復。

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▲中立モンスターの中でも、ドラゴンやリフトヘラルド、バロンナッシャーはとくに強力。ひとりで倒すのは難しいので、チーム全員で協力して戦うこと。

【ジャングル内に棲息する中立モンスター】

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▲中立モンスターの配置図。

 
◆(1)ブルーセンチネル
 耐久力の高いモンスター。トドメを刺したプレイヤーに、マナと気の自動回復とクールダウン短縮を強化する“洞察の青紋章”というバフ(通称・青バフ)を付与する。効果時間は2分間。

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◆(2)グレート・マークウルフ
 素早く獰猛なモンスター。2体の小型の狼を引き連れている。小型の狼は体力が低いので、低レベル時は先に倒して受けるダメージを減らそう。

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◆(3)グロンプ
 遠隔攻撃を仕掛けてくるモンスター。耐久力は高めだが疲れやすい特性を持っており、攻撃するごとに攻撃力と攻撃速度が下がっていく。

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◆(4)レッドブランブルバック
 耐久力の高いモンスター。トドメを刺したプレイヤーに、体力の自動回復量が上昇し、攻撃した敵にスロウと火傷を与える“残り火の赤紋章”のバフ(通称・赤バフ)を付与する。効果時間は2分間。

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◆(5)クリムゾン・ラプター
 5体の小型の鳥とともに襲い掛かってくる。小型の敵の攻撃力はなかなか高く、急いで倒さないと体力を大きく削られてしまう。使用チャンピオンが範囲攻撃に乏しいタイプの場合、序盤はスルーしたほうがいい。

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◆(6)古のクルーグ
 倒すと2体のクルーグに分裂。それとを倒すとさらに2体のミニクルーグに分裂する。分裂ごとに弱くなるので、サモナースペルのスマイトを使用するなら、最初の古のクルーグの段階で使おう。なお、遠隔攻撃だと与えるダメージが減少する特性を持つ。

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◆(7)リフトスカトル
 逃げ足の早いモンスター。こちらを攻撃してくることはなく、ひたすらプレイヤーから逃げ続ける。倒すと川の中に“駿足の霊場”が発生。周囲の視界を確保でき、非戦闘時に霊場の上を通過すると移動速度が上昇する。

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◆(8)ドラゴン
 非常に強力なモンスターだが、倒すことでチーム全体に永続的に続くバフが付与される。試合開始から35分が経過するまでは、色違いの4タイプのうち、1種類がランダムで出現。種類によって得られるバフが異なる。

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【バフ効果】
・マウンテンドレイク→タワーに対して追加の確定ダメージを与える
・インファーナルドレイク→攻撃力と魔力が上昇する
・オーシャンドレイク→非戦闘時に体力とマナの回復上昇量が増加
・クラウドドレイク→非戦闘時に移動速度がアップ

 また、試合開始から35分経過後にドラゴンを倒すと、つぎに出現するドラゴンがエルダードラゴンとなる。ほかのドラゴンよりも強力だが、倒したチーム全員に一定時間、通常攻撃とスキルを強化するバフが付与される。

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◆(9)リフトヘラルド
 試合開始から20分経過後にいなくなる。非常に耐久力が高いが、背中の瞳が開いているときに背後から攻撃すると大ダメージを与えられる。倒したチームの1名だけが拾える“ヘラルドの瞳”をドロップ。拾うと一定時間リコールの詠唱時間が短縮され、1回だけリフトヘラルドを召喚して敵軍のタワーを攻撃させることが可能だ。

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◆(10)バロンナッシャー
 バロンナッシャーはリフトヘラルドと同じ場所に出現。試合開始から10分後にリフトヘラルドが出現し、そこから10分経過すると(つまり試合開始から20分後)バロンナッシャーに切り替わる。
 非常に耐久力が高く、倒すまでに時間がかかるが、倒せばチーム全体に攻撃力と魔力上昇、リコールの詠唱時間短縮、周囲のミニオン強化という強力なバフが付与される。
 ただし、バロンとの戦闘中は物理防御と魔法防御を下げるデバフが付与されるため、敵チームから襲い掛かられない状況で撃破を目指したい。

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 ジャングル内にさまざまなモンスターがいることは理解できただろう。少しでも早くレベルを上げるために、重要なのは倒して回る順番だ。シン・ジャオの序盤の例とともに解説する。


【ジャングルの回りかたの例】

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▲序盤のジャングル回りの例。アップデートパッチによって有効なパターンが変わることもあるので、参考までに。

 
 まずはレッドブランブルバックで赤バフ狙いからスタート。ボットレーンのふたりに手伝ってもらってレッドブランブルバックを倒し、レベル2になろう。手伝ってほしい旨はチャットで伝えるのがベスト。

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▲ジャングラーを手助けするために、中立モンスターの体力を削る補助行為を“リーシュ(Leash)”と呼ぶ。1体目はリーシュをしてもらって残り体力を温存。

 
 グレート・マークウルフ→ブルーセンチネルと続けて討伐して、レベル3に。そのまま近くのリフトスカトルを狩りつつ、トップとミッドのレーン状況を確認しよう。

 敵が突出していれば背後から狙うチャンスなので、リフトスカトル討伐後の駿足の霊場バフを活かしてレーンの援護に。無理そうなら自軍のジャングルに戻ってグロンプを討伐し、さらに経験値やゴールドを稼ぐ。

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▲ルーンやマスタリーしだいでは、レベル3になった段階で体力が残りわずかになっているかもしれない。無理をせずにベースに帰還する判断も大切だ。

 
 これが、序盤の動きかたの一例。赤青ふたつのバフを確保しながらレベル3を目指すとジャングルを回りやすくなる。それ以降は、アイテムを買い揃えつつ、中立モンスターを倒して経験値やゴールドを貯めていこう。

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▲スマイトは、2体目の中立モンスター以降に使用するのが効率がいいと言われているが、マスタリーやルーンが揃っていないようなら、使用準備が整うごとに使用してかまわない。中立モンスターに使うと自身の体力を回復する効果もあるので、安定して回れるはずだ。

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▲中立モンスターとの戦闘中は目の前の敵に集中するだけでなく、ミニマップを見たり、ときにはカメラを移動させてレーンの状況確認を意識。これで奇襲の成功率が高まる。

●奇襲を成功させるための重要なポイント

 ジャングラーの仕事は中立モンスター狩りだけではない。レーン戦での味方の援護を行うことも重要な役目だ。とはいっても、やみくもにレーンに顔を出すだけでは返り討ちになる危険もある。そこで、奇襲を成功させるためのポイントをいくつか紹介しよう。

◆押し込まれているレーンが狙い目
 敵がレーンを押しているときは、敵チャンピオンと敵軍のタワーまでの距離が長くなる。つまり、敵が安全圏に逃げるまでの時間も長くなるため、余裕を持って攻撃を仕掛けられる。
 言い換えれば、味方がレーンを押し込んでいるときは敵ジャングラーに狙われる可能性が高いということ。その場合は、ワードなどを設置しておくのも手だ。敵に「その場所、見えてるよ」と伝えることは味方の援護につながる。

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▲レーンを押し込まれているということは、敵は自軍のタワー下に逃げ込むまでにかなりの距離を移動する必要がある。この隙を突いて仕掛けるのだ。

※タワー破壊による移動距離の延長については、前回の記事を参照
敵を倒すには人数差が重要! レーンを外れるタイミング考察【Vol.5】


◆敵チャンピオンの体力とマナを確認する
 奇襲を成功させるには、一瞬の隙をついて倒しきることが大切。敵チャンピオンの体力やマナが豊富にあるときに仕掛けても成功しにくい。挟み撃ちにできるからと言ってすぐにジャングルから飛び出すのではなく、敵が消耗するまで様子を見たほうがいいこともある。
 敵の体力が十分あり、逆に味方がやられそうなときは、ちょっかいを出して味方が逃げる時間を稼ぎたい。無事に逃げ切ったら自分も退避しよう。

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▲残りマナが少ないと、相手はスキルを使えない。圧倒的に有利な状況で戦えるというわけだ。

 
◆行動阻害のスキルを合わせて使おう
 スタンやスネア(※)などの行動阻害スキルを使える味方がいるレーンでは、集団戦で有利に立ちやすい。
 最初にPingなどを使って、レーンを担当するプレイヤーに向かう意思を伝える。行動阻害のスキルで敵が動けなくなっているところに接近して、追い打ちをかけるのだ。

(※スタンは完全に行動不能になること、スネアは移動できなくなるが攻撃は可能)

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▲敵が動けない状態なら攻撃できるチャンスも増える。味方と息を合わせれば奇襲の成功率はアップする。

 
 うまくレーン戦に介入できれば有利な状況を作り出せるが、敵にうまくいなされてキルを献上してしまうと、一気に形勢逆転。敵にタワー下などに逃げ込まれたら、深追いをせずに、つぎの展開へと意識を切り替えることも重要だ。

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▲敵タワー下で戦うのは非常に危険。慣れないうちは、敵がタワー下まで逃げたらすぐに退散しよう。

●敵ジャングラーへの対策

 レーンを担当する場合は、つねに敵ジャングラーへの警戒を怠らないことが重要だ。大別するとポイントは3つ。念頭に置いておけば奇襲も防ぎやすい。


【敵ジャングラーへの対策】
・草むらに“ワード”を設置して、敵ジャングラーの接近を察知するできるようにする
・ミニマップで敵ジャングラーの位置が確認できないときは、無理にレーンを押し込まない
・残り体力が少ない場合は、無理にレーンに留まらずにベースに帰還する

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▲ワードで視界を確保することが、最大のジャングラー対策。こまめに設置して、警戒を怠らないように。

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▲こまめにミニマップで敵の位置を確認することも重要。逐一ミニマップを確認するクセをつけよう。

 
 視界を確保できるワードは、いくつかの種類がある。それぞれの特徴を把握しておこう。

【ワードの種類】

◆ワードトーテム(トリンケット)
 無料で購入可能。敵から視認されない“ステルスワード”を設置できる。持続時間、リチャージ時間はレベルに比例して徐々に変化する。

◆フォーサイト・オルタレーション(トリンケット)
 レベル9からワードトーテムの代わりに所持可能になる。効果範囲が広く効果時間は無限だが、敵に可視された状態で設置されるため、壊されやすい。

◆コントロールワード
 75ゴールドで購入可能。周囲に隠された罠やワードなどを可視化し、プレイヤーの攻撃で破壊できるようにする。コントロールワード自体は可視化状態で設置されるので、敵に設置場所がバレたら破壊されやすい。

◆サイトストーン
 800ゴールドで購入可能。チャージを消費してワードを設置する仕組みで、ベースに帰還するとチャージが最大まで回復される。

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▲トリンケットは無料で購入できるワードの一種で、買うと4キーのスロットにセットされる。

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▲ショートカットキーを押し、白い円内の設置したい場所を左クリック。ワードトーテムの場合は、敵ジャングラーの接近を察知するため、ジャングルの出入り口付近に置くのが基本だ。

●より深く『LoL』を楽しむために

 試合ごとにまったく異なる展開が楽しめる『LoL』。より高みを目指したいのなら、何度もプレイして、流行りの戦術を調べて、アイテムビルドを模索してみるといい。前向きにプレイする姿勢が、より『LoL』というゲームをおもしろく、そして奥深いものにしてくれる。仲間と相談して戦術を練るのも醍醐味のひとつだ。

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▲自軍の誰かがいい結果を上げると、試合後に報酬が入った“チェスト(箱)”が手に入ることがある。同様に試合後に入手できる“キーのかけら”を3つ集めてひとつのキーにすると、この箱を開けられる。チャンピオンやスキン、サモナーアイコンなどを解除できる“戦利品のかけら”を入手可能だ。

 
 サモナーレベルが上がると、うまいプレイヤーと対戦する機会が増える。なかなか勝てないときもあるだろう。負け続けると悔しいし、落ち込むこともある。それは誰だって同じだ。

 そんなときは決して腐らずに、「なぜ負けたのか」と自分のプレイを振り返ることが重要。チームメイトのせいにはせず、「この動きがよくなかった」、「自分がどう動けば勝てたか」を考えれば、自然と上達していくはずだ。

 『LoL』で楽しいのは勝つことだけじゃない。「成長できること」も『LoL』の魅力のひとつ。諦めずに何度もチャレンジして、奥深い『LoL』の魅力の海に飛び込んでほしい。

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『リーグ・オブ・レジェンド』公式サイト

●GAME SPEC
タイトル:リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)
プラットフォーム:PC(Windows・Mac両対応)
メーカー:ライアットゲームズ
サービス開始日:2017年3月1日
価格:基本無料(アイテム課金制)
ジャンル:PCオンライン対戦ゲーム

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