まさか“あのころを超える王道RPG体験”が味わえるとは!

 2021年6月某日。坂口さんからこんな連絡をいただいた。

「『ファンタジアン』後編、いよいよ開発終盤なのですが、ラスボスを難しくしすぎたかもしれません。後編をプレイして感想聞かせてくれませんか?」

 なんともありがたいご相談。「ぜひ!」とご返答のうえ、さっそくプレイさせていただいた。そして、夢中になった。『ファンタジアン』前編をプレイした方は同様に驚いているだろうが、「あれは体験版だったのか?」と感じるほどにとにかく濃密。バトルは歯応えたっぷりで、時間泥棒と形容するにふさわしいほど装備・スキルにいじりがいがあり、怒涛の展開がこれでもか、これでもかと続く。

 素直に、おもしろかった。苦労の末にエンディングを迎えたときは放心状態だった。坂口さんをはじめとする、ミストウォーカーおよび本作の開発に携わった皆さんに心から感謝したい。いまの時代に、まさかあのころを超える王道RPG体験が味わえるとは正直思っていなかった。

 改めて『FANTASIAN』(ファンタジアン)は、『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親であり、『ブルードラゴン』、『ロストオデッセイ』、『テラバトル』など多数のRPGを手掛けてきた坂口博信氏の新作RPGだ。音楽は、坂口さんの盟友でもある植松伸夫氏。町やフィールド、ダンジョンのグラフィックには、実際に制作された160点に及ぶ“ジオラマ”が採用されていて、独特の空気感の中で、世界を救うための予想だにしない冒険が堪能できる。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
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『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
オープニング画面と、シチュエーションの異なるスクリーンショット。ジオラマがベースにあるからこその美しい世界がプレイヤーを待っている。

 プラットフォームはApple Arcade。Apple Arcadeって何? という方もいらっしゃるだろう。Appleが運営するゲームのサブスクリプションサービスで、月額600円で『ファンタジアン』ほかさまざまなゲームがプレイできる。対応端末はiPhone、iPad、AppleTV、Mac。サービス未加入なら、初月無料でお試しできて、かつ退会も簡単。フルプライスボリューム・クオリティーの本作が、まずは無料で遊べてしまうって、かなりすごい。Apple Arcadeへの加入は本当に簡単なので、対応端末をお持ちならぜひいますぐに!

 なお、『ファンタジアン』は2021年4月に前編が配信、8月13日に後編がアップデートで実装されて、ついに最初から最後まで全編プレイできる状態になった。前編と後編は別データではなく、1本のゲームとしてまとまっているので、前編プレイ済みの方は続きから、前編未プレイの方は最初から通しでプレイできる、というわけだ。

App Storeで『FANTASIAN』をチェック

最初に結論だけ述べておくと……

 前振りと事前の説明はこのくらいにして、ここからは『ファンタジアン』のゲーム内容について、レビュー+プレイガイド形式でお伝えしていきたい。ネタバレには配慮しているが、まだクリアーしていない方で怪しい気配を感じたら、その段落はさっと読み飛ばしてほしい。また、長文レビューを読むほどの時間がない方もいらっしゃると思うので、先に個人的な結論だけ記しておきたい。

バトル・システム・グラフィック・シナリオ・音楽いずれも絶妙に絡み合い、ゲームファンが夢見た王道RPGの進化形がここにある。あのころのRPGに夢中になった経験があるなら、とにかく全員遊んでほしい!

 「そこまで?」と言われる方もいるかもしれないが、個人的にとにかくどっぷり夢中になった。ぜひ、皆さんの感想もお聞きしたい。クリアーしたあとに、「あそこ、しんどかったよね!」とか「あのシーン、よくなかった?」とか、そういった話題で一緒に盛り上がりたい。『ファンタジアン』は、そんなゲームに仕上がっている。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
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ゲーム構成と進めかたについて

 まず、本作のゲーム構成について。ゲーム前半……プレイ時間にすると20時間前後までは、ストーリーに沿って1本道で進行する。レオアほか各キャラクターのパーソナリティや、人間世界に住む人たちの暮らしぶりが丁寧に描かれ、プレイヤーにインプットされていく。

 だが、レオアがヴァム戦から混沌世界を経て、辺境の街・エンに戻ったあたりから、ゲームはさまざまに一変する。仲間は散り散りになり、世界は“死械球”による浸食が進み、人々の心も不安に覆われていく。多重世界の完全なる“秩序化”を目論む強大な神“ジャス”の強い意志が、世界に影響を及ぼしていくのだ。

 これに伴って、ゲームの構成もがらりと変わる。仲間を救出するためのストーリーとシナリオが同時多発的にオープンして、プレイヤーは自由に、任意で(極端に言えば、すべてのストーリーをクリアーする必要なく)各シナリオを進められるようになる。

 さらに特定のストーリーをクリアーすることで、ウズラ号を操作して自由にフィールドを探索できるようにもなる。『ファイナルファンタジーVI』の世界崩壊後をイメージするとわかりやすいだろう。オープンワールド的にゲームの自由度が一気に増すことになり、プレイヤーは手探りの中で仲間を増やしながら、各キャラクターの使命や想い、そしてこの世界で成すべきことを理解していく。自然に感情移入の度合いを深め、夢中になっていくのだ(このあたりの匙加減、絶妙だった)。

 なお、各ストーリー/クエストには推奨レベルが設定されていて、これがひとつの指標になる。個人的な感想としては、推奨レベルどおりのレベル帯でボス戦に挑むときは苦戦覚悟。もちろん攻略パターンを見つけることで撃破できるが、それでもかなり手こずるはずだ。推奨レベル+1~2レベルくらいで挑んだほうが気持ち的にも安心できるので、よかったら目安にしてほしい。

  また、ちょっとしたアドバイスとして、ストーリー“秘密基地の復興”を進めると、ストーリー“多次元世界の狭間に”がオープンになる。これがオープンになったら、ほかのストーリーやクエストはちょっと置いておいて、機械世界の“ワームホールに至る道“からワームホールにえいやと何度も飛び込んでみてほしい。装備がかなり整います。そのほか、エズ関連のクエストは、ディメンジョンマシンの容量増加やエズ最強武器の入手などメリットが大きいので、クリアーすることをオススメ。同様にシナリオ“危険な雰囲気の封印箱“もクリアーするメリットが大きい。光と闇の両耐性装備をしっかり整えて挑んでほしい(最初は面食らうかもしれないけど、勝てます)。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
ゲーム中盤からは、複数のストーリーが同時に解放される。行き詰まったら一度引き返して、別のストーリーに挑む、といった進めかたでももちろんオーケー。

ボスバトルのプロセスとアドバイス

 仲間が増えるにつれて、システム面でもできることが増えていく。さらに、苦戦したはずのヴァム戦を上回る歯応えのボス戦が続くことになる。

 『ファンタジアン』の真骨頂はこの噛み合わせにあり、ボスを撃破するために装備を整え、スキルを見直してパーティの態勢を整え、攻略パターンを見極めながらボスとのバトルに挑み、(もしかすると複数回のリトライを経て)勝利して先に進む……というこのくり返しがじつに楽しく、そして遊び甲斐を感じるところでもある。逆に言うなら、それほどまでにバリエーション豊かなボスが揃っていて、いずれもかなり手ごわい。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
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ボスは姿かたちも攻撃パターンもとにかくバリエーション豊か。特徴を見極めながら、最適な攻撃を重ねないと勝利は難しい。倒し甲斐がありまくりで楽しい!

 どのボスにも共通して言えることは、有効な攻略法は必ず用意されているということ。攻撃・行動パターンを見極め、各種耐性を確認しながら対策を講じることで活路は開ける。策のない力押しは通じにくいが、相手の弱点を的確に突ければ、バトルは一気に楽になる。この大前提のもとに、個人的な主観による注意したいポイントや、頻繁に使っていたスキルなどについていくつかお伝えしよう。

  • ボスバトルに挑む前に、各キャラクターの役割を想定して宝石を付け替えておくこと。同時に、各キャラクターの成長マップを開いて、スキルポイント(SP)の使い漏れはないか、有用なスキルの取得漏れはないかなど確認しておくこと。武具の強化&装備もお忘れなく。
  • ボスのHPや耐性の確認は必須。バトル開始直後に偵察(レオア)、リサーチ(チクッタほか)、リサーチレンズ(消費アイテム)を使用して、いつでも確認できるようにしておくこと。各耐性の数値は100%が基準となっており、数値が100%を超えていたら弱点属性。暗闇や睡眠のアイコンも要確認。ここにパーセント表示があったら、該当するスキルやアイテムが確率で効果を発揮する。ボスの弱点属性がわかると、必然的にパーティのアタッカーが定められて、これを軸に戦術を組み立てられる。なお、“ABSORB”は吸収の意味合いで、これが表示されている属性で攻撃してしまうと、ダメージや効果が吸収されてしまうので要注意だ。
  • ボス戦のオーソドックスな大きな流れとしては、“まずは各種スキルで攻撃・防御の底上げなど態勢を整えて”→“通常攻撃をしのぎながらHPを削り”→“各ボス特有の強攻撃にしっかり備えて全滅を防ぎ”→“再び態勢を整えて~”をくり返すことになる。敵・味方の行動順は画面右下の表示エリアでつねに確認すること。行動回数を増やすことは非常に重要で、クイックオール(エズ)は重用するスキルになる。
  • 状況次第ではあるが、攻撃力を高めてボスのHPを効果的に削ることが基本戦術。そのため、スキル、アイテムを駆使して攻撃力の底上げ、最大ダメージにつながる選択をつねに意識したい。アタックアップオール(エズ)、兜割り(レオア)、ブレイク(バウリカ)、集中(レオアほか)、チャージ(ジニクルほか)、鼓舞(ジニクルほか)、倍返し・極(ジニクル)、エナジードリング(消費アイテム)など、控えメンバー含めてさまざまな選択肢をつねに考慮しよう。
  • 攻撃力アップやチャージといったスキルは、テンション技のダメージにも反映される。使用するタイミングを見定め、しっかりと組み合わせて、テンション技でも最大ダメージを狙いたい。
  • 各ボス特有の強攻撃は、大ダメージを覚悟しなければならないほか、さまざまな状態異常を付加されることもあるので、とにかく油断は禁物。基本的に強攻撃が発動される前には、行動順の表示エリアで、ボスのアイコンが点滅&数ターンの猶予が与えられる。この数ターンの猶予を活用してパーティの態勢を整えておきたい。前衛キャラクターのHP/防御力やガード態勢を整えることはもちろん、敵の攻撃力を低下させておく、強攻撃を受けたあとの回復を見据えて後衛キャラクターを配置するといった対応までしておけると安心。すばやく攻撃に転じるためにも、被害は最小限に抑えよう。
  • 強攻撃に対してはとにかくきっちり守りきること。防御+ガードアップ+バリア+剣砕きと各スキルを重ね、ダメージを最小限に抑えることも決してやりすぎではない。ここまで備えるためにも行動回数は増やしておきたいところ。ディフェンス面で重宝するスキルは、剣砕き(レオアほか)、防御(レオアほか)、バリア系(チクッタほか)、鉄壁(ジニクル)、ガードアップオール(エズ)など。さらにヒール系(キーナほか)とリヴァイヴ系(キーナほか)も必須。
  • テンション技では、キーナの“奇跡の光”とエズの“インフィニットループ”が異質だが、ゲーム後半になるほど使用頻度が上がる。どちらも最大限に強化しておきたい。
  • キャラクター交替ではターンを消費しない。
  • キャラクター交替ではターンを消費しない!(意外と大事なので2回言った)

 心構え的なアドバイスが多くなってしまったが、パーティ全滅といった事態に直面した際には読み返してみてほしい。なお、個人的にはレオアとジニクルが盾役を務めることが多く、エズやチクッタのサポート系スキルを重ねながら、ふたりの防御でしのぐ、といった局面が多かった。

 また、キーナはいざというときのために後衛待機が基本だったことも付け加えておきたい(リザレクションにはお世話になりまくった)。以下、参考までに各キャラクターの成長マップを掲載しておく。スキルの取得/削除はいつでもノーコストで自由にできる仕様。これを埋めていくのも本作の楽しみのひとつだ(キーナの成長マップがハート型なの、いいですよね)。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
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フィールド探索の注意点

 ジオラマで構成されている本作のフィールドはじつに美しく、独特の空気感が漂っていて、探索しているだけで楽しい。とくにゲーム終盤には、光景も楽曲も幻想的で、シビアなシチュエーションを忘れて息を呑み、しばしば立ち止まってしまうほどのフィールドも登場する。まだ到達していない方は、ぜひ楽しみにしてほしい(野暮な説明はしなくても、皆さん「ここだ!」と思われるはず)。

 さて。一方で、フィールドで見逃してはならないのが宝箱だ。本作には鍵付きの宝箱とそうではない宝箱があり、鍵付きの宝箱にも複数の種類がある。と書くと、鍵付きではない通常の宝箱はスルーしがちになるかもしれないが、決してスルーしてはいけない。結論として、ゲーム中盤以降に出現する宝箱はすべて開けたい。わかりやすく説明すると……。

  • 鍵付き宝箱には武器/防具/宝石が入っている可能性がある。
  • 通常の宝箱には成長マップで特定のスキルを取得するために必要なキーアイテムが入っている可能性がある。

 たとえばキーナのメガヒールとリザレクション、エズのクイックオールあたりは後半のボス戦における必須スキルと言えるが、これらを取得するためのキーアイテムは、どこかのフィールドのどこかの宝箱に隠されている、というわけだ。鍵付きではないので宝箱さえ見落とさなければ大丈夫だが、うっかり見落としてしまうとけっこうたいへん。

 ちなみに筆者は、キーナの“智識のゲート”が入っている宝箱を見落としてしまって、あちこちを探しまくった。基本原則として、宝箱は、一見すると何もなさそうなところにこっそり配置されている(近づくとカメラが切り替わって初めて見える)。また、スキル取得に必要なキーアイテムは、基本的にそのキャラクターに関連するクエストおよびフィールドに、前述のような形でこっそり配置されていることが多い。このあたりを参考に、フィールド探索は隈なく、抜け目なく行ってほしい。

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
画面に見えている宝箱だけではなく、ちょっと怪しいところにもやっぱりある、というのが『FANTASIAN』の宝箱の配置パターン。隈なく探索するクセをつけよう!

音楽と『ブリコの物語』

 本作の楽曲はすべて植松伸夫さんが担当されていて、随所に感情をめちゃくちゃに揺さぶられまくる。そのすばらしさについて改めて語る必要はなく、ただただ存分に耳を委ねてほしいのだが、補足として、すでに本作のサントラ『植松伸夫×坂口博信 作品集 ~Music from FANTASIAN』が発売中だ。Apple Musicで配信されているほか、坂口さんと植松さんの対談や『ブリコの物語』の朗読入りCD(※)が封入されているパッケージ版が用意されている。

 ゲームをクリアーしたら、言わずもがなではあるが、とにかくこのサントラを聴いてほしい。そして、ゲーム中にはなかなかじっくり聴けなかった楽曲の細部にいたるまでを堪能してほしい。個人的には『シャルル』、『大いなる戦い』、『シャングリラ』、『死械の果てに』、『新生よ』、『旅立ち』、『キーナ(運命)[feat.Yuria Miyanozo]』あたりがたまらない(5曲に絞ろうと思ったけど無理だった)。

 また、上記サントラのパッケージ版にも封入されている『ブリコの物語』は、ゲーム中でも絵本形式で読むことができる。植松さん作による短編小説で、ロボット兵士の悲哀も含んだ成長物語となっている。ストーリー『秘密基地の復興』を進めると、秘密基地内のどこかで読めるようになるので、お見逃しのないように。そのうえで、サントラパッケージ版に封入されている朗読バージョンもぜひ。ほろり、とします。

※デジタル版の『ブリコの物語』サウンドトラックは各音楽配信サイトで配信中。

『植松伸夫×坂口博信 作品集 ~ Music from FANTASIAN』パッケージ版の購入はこちら(Amazon.co.jp)
『植松伸夫 × 坂口博信 作品集 〜Music from FANTASIAN』ダウンロード販売/ストリーミング配信はこちら
『ブリコの物語 オリジナル・サウンドトラック』のダウンロード販売/ストリーミング配信はこちら

『ファンタジアン』にはRPGの醍醐味が凝縮されている

 最後に。『ファンタジアン』は決してお行儀よくまとまっているゲームではない。プレイヤーにストーリー進行を委ねながらも、バトルはシビアに立ちはだかる。「こいつ、いきなり強すぎない?」と感じる局面もあったりするけど、キャラクターが好きになり、世界の行く末が気になり、強くなったパーティで腕試しをしたくなる。軽く絶望したとしても、攻略のヒントは必ず用意されている。伝わってくるメッセージは温かく、泣いたり笑ったりするイベントがたくさん用意されていて、すばらしい楽曲がすべてを包む。そして最後には、放心状態になるほどの達成感を味わわせてくれる。何というか、こういった人間味が感じられるゲームは大作になるほど減っていて、そういった点からも「あのころのRPGの進化形だ!」と嬉しくなってしまうのだろう。

 改めて、ひとりでも多くのゲームファンにプレイしてもらいたい。もしどこかで行き詰まったら、SNSも活用してほしい。きっと誰かがヒントを与えてくれるはずだ。いまプレイしている方は、ぜひ最後まで。ラスボスは震えるほど強く、全滅しちゃうかもしれないけど、必ず勝てます。がんばって! まだプレイしていない方は、よろしかったらいますぐに。いつかみんなで、感想戦的な配信企画で一緒に楽しみたいですね!

『ファンタジアン』レビュー+攻略プレイガイド。『FF』生みの親による新たな名作RPG誕生。その魅力に迫る!
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個人的に大好きなチクッタのテンション技。ハクッタ、不憫……。

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『FANTASIAN』
配信日:2021年4月2日 ※後編パートは2021年8月13日配信
対応プラットフォーム:Apple Arcade
対応端末:Apple Arcadeに対応しているiPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、Mac
※iPhone/iPod touch:iOS 13.0以降、iPad:iPadOS 13.0以降、Mac:macOS
11.0以降、Apple TV:tvOS 13.0以降
価格:Apple Arcade月額600円/Apple One月額1100円
※Apple Arcadeは1ヵ月のフリートライアルあり
コントロール:キーボード+マウス(タッチパッド)/ゲームコントローラー言語:日本語/英語
想定プレイ時間:60~90時間(後編は40~60時間)

App Storeで『FANTASIAN』をチェック