『ファンタジアン』後編配信まであと2日。いまから開幕に備える冒険初心者に攻略のポイントを伝授！

これから多次元世界へ旅立たんとする冒険者へポイントを伝授！

　坂口博信氏率いるミストウォーカーが手掛ける、Apple Arcade向けのRPG『FANTASIAN』（ファンタジアン）。

　2021年4月より前編の配信が始まった本作だが、後編が2021年8月13日深夜～早朝（日本時間）に配信されることが発表された。

　後編が配信されることで『FANTASIAN』はいわば“完全体”となるわけで、この機会に遊んでみようと思った方も多いのではないだろうか？　しかし、前編のプレイ時間は約20時間で、後編のボリュームは前編の2倍。単純計算で前後編を合わせるとプレイ時間は約60時間と、かなりのボリュームになる（実際、隅々まで堪能すると90時間を超えてもおかしくない）。

　1本道で物語が進む、ストーリードリブンで描かれる前編にあたる部分を早く進めて、自由度が一気に広がるクエスト方式で展開する後編パートから腰を据えてじっくり遊ぶ……それも、本作の“正しい”楽しみかたのひとつだ。そこで今回は、後編配信開始とともにスタートダッシュを決めたい冒険初心者に向けて、『FANTASIAN』の基礎とも言えるポイントをお伝えしよう。ここを把握しておけば、よりスムーズに冒険を進められるはず。

　なお、後編で追加される新要素は以下の関連記事でチェックしてほしい。

ジオラマで作られたフィールドをじっくり探索しよう

　『FANTASIAN』はキャラクターを動かして世界を探索し、さまざまな人物との出会いや会話を通して情報を集め、コマンド選択のターン制バトルでパーティーを成長させながら物語を進めていく、じつに王道スタイルのRPGだ。

　それでも、本作にはほかのRPGにはない特徴がたくさんある。そのひとつがフィールドだ。町やダンジョンなど、プレイヤーが歩けるフィールドのほとんどが実写のジオラマを撮影してゲーム内に反映したものとなっており、手作りならではのあたたかみを感じさせる独特の世界観を生み出している。

　ジオラマだから、ほかのゲームのマップみたいに細かい所までは表現できないのでは……と思うかもしれないが、それはまったく違う。日本でも有数のジオラマ職人たちが本気で取り組んだジオラマは、実際にゲームをプレイすればひと目でわかるのだが、驚くほど緻密で繊細なのである。

　そんな渾身のジオラマをゲーム内のロケーションに合わせて撮影し、さらに3Dスキャンを経て写真と深度情報をもった3D画像にする。それらを組み合わせることで、3Dのキャラクターがジオラマの上を歩き、エフェクトの土煙や光がジオラマ上を舞う光景が実現。ほかにはない世界を表現することに成功している。

　制作されたジオラマの数は160以上であり、それぞれ様相の異なる多重世界が目の前に広がる。フィールドを実際に歩いたときの感動は、ゲームをプレイすれば伝わるだろう。しかも、「こんな仕掛けがあるの？」、「こんな所に宝箱が!?」とびっくりさせられるような発見が散りばめられており、ゲーム的なおもしろさも考えてフィールド＝ジオラマが設計されているので、探索が本当に楽しくなる。

　ちなみに、見つけるのに苦労した宝箱ほど有用なアイテムが隠されていたりするので、少し遠回りしてでも探索することをオススメする。探索で得られるメリットは、ゲームが進むにつれてその重要度が上がるので、手抜きせずになるべく隅々までフィールドを歩き回ってほしい。

　後述するディメンジョン・バトルのシステムもあって、探索がストレスにならないように配慮されているので、ジオラマと3Dのキャラクターが織り成す不思議な世界を思う存分、ゆっくりと堪能しよう。

シンプルなターン制バトルだけど戦術をしっかり考えるべし

　『FANTASIAN』のバトルの基本要素は、じつにシンプル。ターン制となっており、画面右下に表示された行動順に合わせて自分のターンが来たら攻撃、スキル、防御などの行動を決める。敵をすべて倒したらバトルクリアーだ。

　キャラクターは武器や防具などを装備し、それぞれ固有のスキルを駆使して戦う。武器には、貫通攻撃を可能にするレオアのジェネラルソードや回避力をアップするエズのクォークエッジのように、特定の効果を発揮するものもあり、ベルトや腕輪といった防具にはMPアップや防御力などのステータスに影響を与えるものが揃う。
　
　さらに、戦闘において考慮すべき装備品に宝石がある。攻撃力や防御力といった基礎能力、特定の属性に対する耐性を付けるといった耐性強化など、さまざまなバフ効果を発揮するので、敵の属性や編成に合わせて選択することも大事な戦略となるのだ。

　属性を持つ攻撃スキルに回復スキル、ダメージを無効化するバリアやクリティカル率をアップさせる集中のような補助スキルなど、バラエティーに富んだスキルも用意されており、勝敗のカギを握る要素のひとつとなっている。

　戦闘では攻撃範囲もポイントだ。レオアは直線貫通、キーナは曲線貫通、シャルルは円形といった攻撃範囲を持つスキルが使えるのだが、この範囲内にどれだけ多くの敵を巻き込めるのか、そこも考えるべき戦術だ。攻撃スキルは種類によって軌道が変わるので、攻撃の軌道がラインで表示される“エイミング”を駆使して、敵をしっかり狙うこと。行動を選択しているあいだは時間が流れないので、1手1手をじっくり考えて、いちばん効果的な攻撃を与えよう。何より、自分の戦術がハマったときの爽快感は格別だ！

　後編からはパーティーメンバーを戦闘中に変更できるチェンジが加わり、レオア以外の仲間のテンション技も登場。さらに成長マップが拡張されて、スキルの種類も大幅に増加する。つまり、戦術で考慮に入れられる選択肢の数が一気に膨れ上がるということ。前編の戦闘は、言ってしまえばリハーサル。後編で本番を迎えると言っていいだろう。前編にあたるパートで戦闘システムの基本を必ず理解しておき、後編の激戦に備えておこう。

　また、ボス戦は本作最大の醍醐味と言っていいほど工夫が凝らされており、かなりの手応えが楽しめるものになっている。それぞれが異なるギミックを持っており、このギミックに対処するならどのスキルを使うのか、回復や補助のタイミングはいつがベストなのか、エイミングでどこを狙えば効率よくダメージを与えられるのか……。考えるべき要素は多く、プレイヤーは持てる力と知識を総動員することになる。ただ、ギミックや有効属性のヒントなど、有用な情報がキャラクターとの会話で示されることもあったりするので、うっかりセリフを飛ばしたりしないよう、慎重に。

　もうひとつ、戦闘で説明するべきシステムに“ディメンジョン・バトル”がある。このシステムの機能をオンにした状態にすれば、フィールドでエンカウントした敵を別の次元に最大30体まで溜め込み、後でまとめて倒すことができるのだ。

　ディメンジョン・バトルによって、探索中に敵とエンカウントするわずらわしさから解放されるだけでなく、ここで一気にレベルを上げてキャラクターの成長を吟味することが可能となる。ディメンジョン・バトルでは戦闘をサポートするアイテムも出現するので、爽快感が損なわれないのもポイント。広大なフィールドや入り組んだダンジョンを駆け回ることになる本作では、実際にプレイすればその快適さを体感できるだろう。

Apple Arcadeで“お得”に『FANTASIAN』を遊ぶ方法も！

　『FANTASIAN』を遊ぶためにはApple Arcadeに加入する必要があるのは、ご存じの通り。Apple Arcadeは、毎月600円［税込］を支払えばApple Arcadeで配信中のゲームが広告なし・課金なしですべて遊び放題になるというサブスクリプションサービスだ。しかし、初めて登録した場合は加入した日から1ヵ月間、無料トライアルが体験できる（無料トライアル終了後は月額600円が発生）。

　つまり、その気になれば『FANTASIAN』をタダでクリアーまで遊べるということだ。ただし、『FANTASIAN』は相当なボリュームで、多彩な要素がぎっしり詰まった濃厚なRPG。無理のない範囲で遊んでほしい。

　さあ、『FANTASIAN』が真の姿を見せるときまで、あとわずか！　準備を整えて開幕を待とう。

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