配信開始半年を経てなお話題沸騰中の、iOS、Android、PC(DMM GAMES)対応ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(以下『ウマ娘』)。ブームに乗るのはまだ遅くない! その概要や魅力、他メディアへの展開、さらにはゲームを始めるにあたっての必須情報など、知っておきたい知識をチェックしていこう。

 これからコッソリとブームに乗っていこうかなという人は、ぜひ読んでみてほしい。

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『ウマ娘』はどうしてブームになったのか?

『ウマ娘』プロジェクトは、2016年3月26日の“AnimeJapan2016”での発表以来、ライブイベントやCD、コミック、アニメなどさまざまな舞台で展開されてきたマルチメディアコンテンツ。

※発表時の記事はこちら

 当初からその中核を担うとされてきたゲーム(アプリ)版は、2021年2月24日に日本国内のみで配信をスタートし、同年7月20日で累計900万ダウンロードを突破している。アプリの有料コンテンツ売上ランキングでも、長らく1位を突っ走り、世界のランキングでもトップ10に入ることがあった。もう一度言うが、日本でしか配信されていないタイトルである。

 さらに、新たな育成ウマ娘配信やイベントなどの情報が出るたびに、Twitterのトレンド欄を賑わしたり、リアル競馬にも新たなファンを呼び込むなど、ゲームやアニメといったエンタメコンテンツの枠を超えて大きなブームとなっている。

【ウマ娘】いまから始めたいあなたに向けて魅力を解説。キャラクター造形の豆知識や、リセマラのおすすめなど初心者向けの攻略情報も

作品の特徴

 まずは『ウマ娘』というゲームについて、どんな作品なのかをまとめてみよう。

  • 過去に実在した名馬たちを擬人化
  • お手軽さと奥深さを両立させた育成シミュレーション
  • 史実の競馬を徹底的にリスペクトしたこだわりの設定
  • 競馬を知らなくても、老若男女楽しめる“スポ根系”のストーリー
  • 沼にハマるとさらに味わい深くなる、随所に散りばめられた遊び心 など……

 ちょっと情報量が多いかもしれないが、まずは上から3つくらいを“おもな特徴”ということで覚えておいていただければ幸いである。まとめると、過去に実在した名馬が“ウマ娘”という女の子になったゲームで、競馬ファンも納得のこだわり抜かれた設定が魅力の育成シミュレーションというイメージだろうか。

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左がグラスワンダー、右がスペシャルウィーク。
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アグネスタキオン。

史実を設定にくまなく落とし込む“こだわり”

 “実在する○○を擬人化!”というと、「どうせ名前を借りてきてるだけでしょ」とか「モデルに失礼だ!」なんて声も聞こえてきたりする、昨今のネット世界。

 しかし『ウマ娘』というコンテンツは、たしかに歴史上の名馬たちを擬人化しているが、決してモデルをないがしろにしているわけではなく、むしろものすごくリスペクトしており、競走馬たちをリアルタイムで知るファンからも高い評価を受けている。

 競走馬やその関係者たちのさまざまなエピソードを、性格や衣装(勝負服)、シナリオなどに落とし込んでいて、それらがじつに細かい。ネット界で圧倒的な調査能力を誇る、数多の調査兵団をもってしてなおモチーフを特定しきれないほどの手の込みようである。筆者(競馬ファン歴29年の41歳男性※)はファミ通.com上で史実ネタのコラムを担当しているが、ひとりでは知識が追いつかないので競馬マニアの知人に助力をあおいでいるほど。

※馬券は20歳未満や学生は買えません(編集部注)

 とくにキャラクター造形の作り込みは細かい。見た目のかわいさで気付かれにくいのだが、本当に手が込んでいる。たとえばスマートファルコン。

2010年 JBCクラシック JpnI | 第10回 | NAR公式

 冠名“スマート”の勝負服は、桃地に黒のダイヤモンド模様、袖は黒の一本輪というデザイン。さらに、スマートファルコンは赤い頭絡(馬の頭に取り付ける馬具)やバンテージを身に付けていた。

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※画面は『ウマ娘』公式サイトより。

 それがウマ娘のデザインでは、リボンやスカートの模様が勝負服と同じ桃地に黒のダイヤモンド、サスペンダーや手首のリボン、ソックスなどワンポイントは赤、そして頭絡の額部分の赤黒の市松模様は左脚のガーターリングに反映されており、かわいらしさとモデル再現度を見事に両立しているのである。

 キャラクターひとりひとりがそういったこだわりをもってデザインされている一方で、何気ないところにもモデルの情報を伝える要素が盛り込まれている。たとえば、リボンなどウマ耳につけているアクセサリー。こちらは、右耳のみについているか、左右についていてもより右のほうが目立つように付いている場合はモデルが牡馬、反対の場合は牝馬ということを示しているようだ。

 そのほか、勝負服を“体操着”に設定した際に、ショートパンツを履いているのが牡馬、ブルマを履いているのが牝馬という分けかたがされていたり、両足で靴の色が違うキャラクターは、モデルも脚の先の毛色が異なっていたりと、細かい部分が反映されている。

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キングヘイローはモデルが牡馬(男馬)なのでリボンが右耳。
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エアグルーヴはモデルが牝馬(女馬)なのでリボンが左耳。

 また、ウマ娘たちの癖や性格にも、モデルとなった競走馬の性格やエピソードが多数反映されている。その例については、以下のコラムなども読んでみてほしい。

 そういったこだわりがありながら、競馬を知らなくても問題なく楽しめるのも『ウマ娘』の魅力。根底にあるストーリーは“トレーナーと担当ウマ娘が二人三脚で目標に向かって突き進む”という“スポ根もの”であり、誰でも親しみやすい内容になっている。

 ゲームやアニメのストーリーは史実に基づいたものが多いが、競馬を知らない人は予備知識がないぶん、結末が予想できなくてより楽しめるかもしれない。ゲーム配信に先行して放送されたテレビアニメ版(現在のところ2期まで放送されている)やコミック版では、世界観は同じだがゲームとは違ったストーリーが楽しめるので、まずはそちらから入ってみるのもいいかも。

 テレビアニメについては記事の下部で紹介するが、1期、2期ともにアマゾンプライムビデオで配信中だ。

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TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』本PV

 また、『ウマ娘』で競馬に興味を持ったファンが、実際の競馬を楽しむ、というような動きも見られる。認定NPO法人引退馬協会が行っている、引退繁殖馬支援のための“バースデードネーション”企画もその影響を受けたもののひとつで、『ウマ娘』の登場キャラクターのモデルにもなったナイスネイチャ号への支援は、2020年は約176万円だったが、テレビアニメ2期とゲームのサービスインを経た2021年は、なんと約3580万円もの金額が集まった。

 もちろん、関係者の尽力などさまざまな要素があっての結果ではあるが、この熱は『ウマ娘』プロジェクトの枠を超えた広がりを見せているのだ。

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画像は支援募集を行ったSyncableの該当ページより。

ゲームの魅力

メインは育成モード

 続いてはゲーム『ウマ娘』の魅力について掘り下げていこう。

 『ウマ娘』のメインとなるのは“育成”モード。ひとりのウマ娘をトレーニングで鍛え、レースを走らせながら、多彩なドラマを楽しんでいく育成シミュレーション形式のモードとなっている。1回のプレイにかかる時間は、テキストやレースをすべて早送りもしくはスキップで進めれば最速15分~30分ほど、ノンスキップでじっくりやって2~3時間というところ。

 もちろんプレイするウマ娘によってシナリオは異なるし、ランダム要素があったり、使用する“サポートカード”などによっても違った展開が味わえるので、飽きずに長く遊べるのが魅力だ。難易度は難しすぎず、それでいて簡単すぎず……という印象。セオリーさえ抑えておけば、クリアーだけならだいたいできると思っていい。

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 育成方法の解説については、以下の記事をチェックしてみてほしい。

ハマった先も沼だらけ

 ほかにも、多彩なモードが用意されている。

  • メジロマックイーンやライスシャワーといったウマ娘たちによる“メインストーリー”
  • 育成ウマ娘ごとに用意された、トレーナーとの出会いや育成シナリオの裏側を描く個別シナリオ“ウマ娘ストーリー”
  • オリジナルシナリオが楽しめる、不定期開催の“ゲーム内イベント”
  • 育てたウマ娘たちで距離、条件別に5つのチームを組んでほかのトレーナー(『ウマ娘』のプレイヤーのこと)と非同期型対戦を行う“チーム競技場”
  • 不定期で開催される、特定のコース、条件でのレースを全トレーナーで競う“チャンピオンズミーティング”
  • 個人どうしで対戦を楽しめる“ルームマッチ” ……などなど。
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 いずれも、育成モードをやり込んでいくことで楽しみが広がっていくモードであり、トレーナーを“沼”へと巧妙に誘導している。ゲームの完成までに約5年もの歳月を要しただけあって、じつに緻密に練られた構成と言えよう。

 そして、トレーナーがハマってしまうのはゲームシステムだけではない。ウマ娘たちの個性的なキャラクターや、誰でも親しみやすいスポ根系のシナリオ、そしてレース後の“ウイニングライブ”と、妙にクセになる要素がてんこ盛りなのだ。

 とくにウイニングライブは、最初は「なんでレースの後にアイドルライブがあるの!?」と、面食らう人も多いと思われる。しかし、何度もプレイを重ね、ウマ娘たちのストーリーを知り愛着が湧いてくると、自然と気にならなくなってくるのだ。それどころか、歌詞に込められた思いや意味もわかるようになり、どんどん応援する気持ちが芽生えてくる。ゲームの本筋とは関係がないのに、驚くほど高い演出のクオリティーにも納得だ。そしていつの間にか、キャラクターソングのCDが自室に並んでいたりするのである。

【ウマ娘】いまから始めたいあなたに向けて魅力を解説。キャラクター造形の豆知識や、リセマラのおすすめなど初心者向けの攻略情報も

 さらにハマればハマるほど、モチーフとなった史実エピソードやキャラクターソングなどにも手を出したくなり、どんどんディープな世界へと誘われていく。史実沼にハマるとリアル競馬へ、キャラクターにハマるとアニメやコミックなど他メディア作品やリアルイベント(動画配信)、ウイニングライブ(キャラクターソング)へ。ハマった後の行き先まで用意されているとは、至れり尽くせりである。

 なお、ファミ通.comでは攻略記事とともにモチーフとなった史実エピソードの解説記事が掲載されているので、そちらも読んでみてほしい。

これからプレイする人&始めたての人へ

 ここまで読んで「いまから始めてみようかな……」と思った方へ、ゲームを始める際の基礎知識(を紹介している記事や動画を)を紹介しよう。

 このゲームで“強いウマ娘”を育成するのにもっとも重要なのは“サポートカード”。メインで使うサポートカード(フレンドからのレンタル枠含む)を揃えてしまえば、安定した育成が可能になるのだ。

 そのためにあるのが、リセマラ(チュートリアルの無料10連でいいカードが引けるまでデータを消してやり直す手法)だ。リセマラが面倒臭いという人はやらなくても大丈夫だが、本作はタイトル画面で“ユーザーデータ削除”を選ぶだけでリセマラができるので、非常にやりやすい。気が向いたらやってみよう。なお、DMM GAMES版はリセマラができない点は注意。

 リセマラで狙いたいサポートカードは、“SSRスーパークリーク”や“SSR駿川たづな”など。これらを入手してから進められれば、育成が楽になるだろう。

 また、サポートカードはレベルによって“サポート効果”が大きく成長するので、じつはSSRで一度も上限解放をしていないカードよりも、SRで2~3回上限解放したカードのほうが役に立つというケースも多いということも覚えておこう(なお、上限解放は最大で4回)。

【ウマ娘】いまから始めたいあなたに向けて魅力を解説。キャラクター造形の豆知識や、リセマラのおすすめなど初心者向けの攻略情報も
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上がレベル30のSSRで、下がレベル40のSR。わかりづらいかもしれないが、SRのほうが能力値が高いのだ。

 なるべく無課金で強力なSSRサポートカードを手に入れたいという人は、イベントを利用するのがオススメ。イベントの課題をクリアーすれば、最大まで上限突破したSSRカードを入手できるようになっている。イベント産のカードは、ガチャで入手できるものよりも能力は若干見劣りするものの、それでもレベル50まで強化すれば役立つものばかりだ。

【ウマ娘】いまから始めたいあなたに向けて魅力を解説。キャラクター造形の豆知識や、リセマラのおすすめなど初心者向けの攻略情報も

 もうひとつ、メインストーリーのクリアーや、サークルポイントとの交換で入手できるSSRサポートカードを集めるのも重要。とくにメインストーリー第3章で入手できる“[夢はホントに叶うんだ!]ウイニングチケット(SSR)”はスキルが強力で汎用性も高く、優先して入手したいカードとなっている。

【ウマ娘】いまから始めたいあなたに向けて魅力を解説。キャラクター造形の豆知識や、リセマラのおすすめなど初心者向けの攻略情報も

 現在のところ、フレンド枠でオススメのサポートカードはこちら。サポートカードは1枚だけ、フレンドのものを借りることができるが、そこで強力なサポートカードを使えれば育成が捗る。Twitterで「キタサンブラック 完凸(※) フレンド」といったワードで検索して、以下のサポートカードを持つフレンドを揃えておこう。

※完凸とは、限界まで上限突破をした状態を示すスラング。

フレンドに借りたいサポートカード(レベル50を推奨)

  • スピード……SSRキタサンブラック(イベントで練習上手○が手に入りやすい)
  • スタミナ……SSRスーパークリーク(強力なスキル“円弧のマエストロ”が魅力)
  • パワー……SSRヤエノムテキ(末脚、ペースアップなど多くの汎用スキルが入手可能)
  • 根性……とくになし
  • 賢さ……SSRファインモーション(イベントで練習上手○が手に入りやすい)
  • 友人……SSR駿川たづな(ステータスアップ、体力回復、やる気アップ、バッドコンディションの治療など多数のメリット)

 この中でも、SSRキタサンブラック、SSRスーパークリークは汎用性が高く、とくにおすすめだ。

アニメやコミック、リアルライブなどクロスメディア展開にも注目

 『ウマ娘』プロジェクトは、これまでCD(キャラクターソング+ドラマパート)やコミック、アニメなどさまざまなメディアで展開されてきた。ここでは、ファミ通.comでの関連記事を紹介しよう。

各作品を“おもに活躍するウマ娘”とともに紹介する記事

アマゾンプライムビデオで配信中のテレビアニメ版を紹介する記事

オグリキャップたちが大活躍! 『週刊ヤングジャンプ』で連載中の人気コミックを紹介する記事

 また、ゴールドシップがウマ娘宣伝担当(自称)としてさまざまな企画動画を配信してきた、YouTubeの公式チャンネル『ぱかチューブっ!』では、『ウマ娘』のキャストたちが出演する動画番組『ぱかライブTV!』、『そこそこぱかライブTV!』も不定期で放送、配信されている。ファミ通のYouTube&ニコ生チャンネルでも、テイエムオペラオー役の徳井青空さんをMCに迎えたWeb番組『ファミ通presents ウマ娘研究会!』を隔週で配信中。

ぱかチューブっ!

【ゴルシ様爆誕!】ぱかチューブっ!始まるぞよ♪@ウマ娘

テイエムオペラオー役の徳井青空さんが育成に挑戦する『ウマ娘研究会!』

【ウマ娘/ゲスト上田瞳・土師亜文】ファミ通presents ウマ娘研究会! 夏合宿!!【ウマ研SP】

 2021年8月28日~29日には、東京ガーデンシアターにて“ウマ娘 プリティーダービー 3rd EVENT WINNING DREAM STAGE”が開催される。こちらは現地観覧だけでなく、ABEMA PPVによる有料配信も行われるので、気になる人は公式サイトでチェックしてみよう。

“ウマ娘 プリティーダービー 3rd EVENT WINNING DREAM STAGE”公式サイト

著者近況:ギャルソン屋城

 リアル競馬&競馬ゲームファンでもある、週刊ファミ通『ウマ娘』担当ライター。誕生日:9月5日、身長:168センチ、体重:微増(アイス食べすぎ)。『馬なり1ハロン劇場』、『ありゃ馬こりゃ馬』、『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』、『優駿の門』など、競馬マンガも大好き。

『ウマ娘』攻略記事

『ウマ娘』元ネタ紹介記事