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古代ギリシアを体感! アクロポリスのパルテノン神殿に女神の守護を感じた!!

text by コンタカオ

公開日時:2018-10-01 12:00:00

 『アサシン クリード オデッセイ』の舞台となる古代ギリシア。ご存じの通り、古代ギリシアは、政治や文化において現代に大きな影響を及ぼした、世界史的にも重要な位置を占めています。そんな古代ギリシアをとことん“リアル”に再現し、かつオープンワールドで構成したのが、『オデッセイ』なのです。専門家も参加して、歴史を徹底的にリサーチし、地形や建造物、文化を徹底的に再現するのが『アサシン クリード』シリーズですが、今回も抜かりはありません。

 それを実際にその目で確かめてもらおう! ということで今回、ユービーアイソフトが世界中のメディアを集めてギリシアツアーを実施しました。それはもちろん参加したい。9月某日、ファミ通取材班もいそいそとギリシアの首都、アテネに向かったのでした。そこで目撃したのは、古代ギリシアという時代の豊潤さ、偉大さでした。

 この衝撃を、ぜひ皆さんにもお伝えしたい! そこで、『オデッセイ』に登場する有名な遺産の現地リポートをお届けしていきます。今回は、アテナイ(アテネ)の中心的存在であるアクロポリスの模様をどうぞ!

アテナイの象徴であり中心となった丘“アクロポリス”

 アクロポリスとは古代ギリシアの都市国家“ポリス”の象徴となった小高い丘のことで、古代ギリシアには各地にあったものです。
ポリスとは周囲に城壁を備え、中心となる市と農法、市場(アゴラ)などを基本構成とした小規模の都市。その中心的存在として小高い丘=アクロポリスには神殿や砦が築かれ、周辺には住民の所有地などが広がっていました。当初は軍事的拠点としての役割が強かったものの、共同体が進化して“市民”という概念が誕生し、ポリスは市民集団⇒国家(小規模ではありますが)へとその体系を変えていったわけです。

 市民は共同体の一員というだけでなく、政治にも軍事にも参加しました。これが、いわゆる民主主義につながっていきます。そして、そんな市民制度の誕生は政治活動の活性化を促し、さまざまな議論が交わされていくことで政治は大きく発展していくことになります。「polis」が政治を意味する「politics」の語源になったくらいです。その萌芽は『オデッセイ』でも見られますが、それはまた別の機会に。

 いまのアテネにある“アテナイのアクロポリス”とは、ポリスを代表する都市だったアテナイの象徴とも言える場所でした。海抜約150メートルの平坦な石灰岩の大地に建てられたアクロポリスは、古くから信仰の地でもあり、その立地を活かした要塞でもありました。その代表的建築物が、かの有名なパルテノン神殿です。

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少し離れた場所から見えるアクロポリスの姿。青空と白い大理石のコントラストは、まさに想像していたギリシアでした。

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アクロポリスの周辺を覆うのは、やはりオリーブの木でした。古代ギリシアの国力を支えた重要な資源であり、食用だけでなく油として使われるなど、市民の生活を支えた神聖な木です。

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奥に見えるのはアテナ・ニケ神殿。ニケ(nike)とは「勝利」を意味するギリシア語です。アテネ市民はここでペロポネソス戦争の勝利を祈ったと言われています。

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小高い丘と言うだけあって、けっこう登ることになります。水以外の飲食物の持ち込み、不適切な行為(上半身裸になった人が厳重注意を受けていました)は厳禁。

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前門となるプロピュライア。ドーリア式建築の粋がよくわかる場所です。

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アクロポリスからはアテネの街が一望できます。この高さが伝わるでしょうか。

アテネの守護神を祀った、荘厳なパルテノン神殿

 ここはアテナイの守護神である女神を祀る神殿で、紀元前490年のマラトンの戦い(アテナイとプラタイア連合軍がペルシア軍を打ち破った戦争。マラソンの由来となった故事でも知られています)の戦勝記念という名目で建設が始まりました(それ以前に元となった神殿があったとも)。以降もペルシア軍との小競り合いはあったものの、アテナイの黄金時代には豊富な資金力と人材で建築が進み、紀元前430年前後に完成したと言われています。

 古代ギリシアにおいてイオニア式、コリント式と並ぶ重要な建築様式であるドーリア(ドリス)式建造物の傑作であり、白大理石でできたエンタシスの円柱を筆頭に、すばらしい建築デザインは後世に大きな影響を与えました。当時の神殿を飾った彫刻やレリーフ、府フリーズなどの装飾はいまや見る影もありませんが(大英博物館などに展示されています)、その荘厳さは、いまもなお多くの来訪者を魅了してやみません。そして、その美しさは、綿密な調査を元に『オデッセイ』の中で再現されているというわけです。

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これは『オデッセイ』に出てくるパルテノン神殿の姿。

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これが、現在のパルテノン神殿。修復作業中ではありましたが、けっこう近づけました。近づくごとにわかる圧倒的な大きさ、色あせない品格、そしてこの規模の建築物が紀元前に建てられたという事実に息をのむばかり。

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柱の溝にも彫刻が施されていたそうです。神殿内は小さな宝物庫と巨大な女神像を祀った部屋で構成されていました。

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ガイドさんが「当時の中はこんな感じだった」とイラストで教えてくれました。さて、『オデッセイ』のパルテノン神殿はどうなっているのか!?

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それがこちら! 女神像は彫刻家のフェイディアスが作ったもので、木製の体に象牙の肌をかぶせ、金の衣服で覆っていたと言われています。10メートルもの大きさだったようですが、オリジナルは失われてしまいました。その原型に近いと言われる像“バルバケイオンのアテネ”はアテネ国立考古学博物館にあります。

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こちらはパルテノン神殿の北にあるエレクテイオン神殿。イオニア式建築の代表作と言われ、アテネの女神像が安置されていました。その構造から、民衆の論壇の場でもあったそうです。

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エレクテイオン神殿の代表的建築物である、有名なカリアティード(女性像柱)。ただし、これらはレプリカで、実物はアクロポリス博物館に収蔵されています。しかし、その美しさは色褪せません。

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いまは歴史の片鱗を感じさせる遺跡となっていますが、ゲームではその生命を取り戻しています!

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 アクロポリスは、深淵なる古代ギリシアの世界の中でも、ほんの一部にすぎません。次回もその壮大さがわかる遺跡から、リポートをお届けします!

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『アサシン クリード オデッセイ』特設サイト-THE WAY OF NEW ODYSSEY-

UBI SOFT 公式サイト

『アサシン クリード オリジンズ』公式サイト

●GAME SPEC

タイトル:アサシン クリード オデッセイ
メーカー:ユービーアイソフト
対応機種:Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC
発売日:2018年10月5日発売予定
価格:各8400円[税抜](各9072円[税込])
※Nintendo Switch版『アサシン クリード オデッセイ クラウドバージョン』は730日間プレイ券が8400円[税別]となります。
CERO:18歳以上のみ対象

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