各社のクラウドゲーミングサービスを比較! それぞれに異なるスタンスとは?

いま大きな注目を集めるクラウドゲーミング。ここでは各社のサービスを比較してみよう。
文:山村智美

公開日時:2019-12-26 18:00:00

 2019年はGoogleのStadiaがサービス開始し、日本でもソフトバンクがNVIDIAと協業して提供する“GeForce NOW Powered by SoftBank”がベータ版サービスを開始するなどクラウドゲーミングサービス元年とも言われる年になった。すでにサービスを提供しているソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation Nowや、まだプレビュー段階ではあるがマイクロソフトのProject xCloudもあり、クラウドゲーミング今後にもまだ増えていく可能性がある。

 ただ、もちろんそれぞれのサービスには違いがある。サービスによって使えるプラットフォームやデバイス、そしてなにより“遊べるソフト”に違いがあるわけで、どんな人にどんな風に使ってもらいたいか、そのスタンスまでも異なっている。

 そこで、各種のクラウドゲーミングサービスの概要をまとめて比較してみたので、どれが自分にとっていいのかを見極めていただければ幸いだ。

※なお、マイクロソフトのProject xCloudについてはこの記事を掲載している2019年11月時点ではまだプレビュー提供中で具体的なサービス概要についてはアナウンスされていないため、比較からは除外している。

Google Stadia

“完全新規のプラットフォームとして展開していくStadia。日本での展開が気になるところ”

ゲームソフトの入手:Google Stadia用のソフトを個別に購入する方式。一部月額ユーザー向けフリープレイタイトルも提供される

利用料金:サブスクリプションプラン“Stadia Pro”月額9.99ドル(約1000円)、無料プラン“Stadia Base”

対応デバイス:スマートフォンのPixelシリーズ、Windows PC、Mac、Chromecast Ultraを接続したテレビなど

提供タイトル数:11月19日のサービスローンチ時点でのタイトル数は22タイトル

サービス提供状況:11月19日より米国など14ヵ国でサービス提供開始。ただし日本での予定はまだアナウンスされていない

備考:料金プランは以下の2種類となる

・サブスクリプションプラン Stadia Pro
月額9.99ドル(約1000円)
映像は最大4K 60fpsにHDR、音声は5.1chサラウンドをサポート
フリープレイタイトルが遊び放題のほか買い切りタイトルの割引あり

・無料プラン Stadia Base
利用料金は無料
映像は1080p 60fps、音声は2chをサポート
購入したゲームのみプレイ可能(フリープレイタイトルなし、買い切りタイトルの割引なし)
※2020年以降に導入される予定のプラン

※Google Stadia公式サイト(英語)

GeForce NOW Powered by SoftBank

“もうひとつのプレイ環境をクラウド上に所有する”がコンセプト

ゲームソフトの入手:Steam等のストアで購入したPCゲームをそのまま使用可能。クラウド上の仮想PCにユーザーが自分でインストールする方式を採用している

利用料金:未定

対応デバイス:Windows7 64bit以上、Macでは10.10以上。スマートフォンではAndroid5.0(L)以上でメモリ2GB搭載しているものが対象

提供タイトル数:基本的には大半のPCゲームが対象に。海外ベータ版サービスでの動作確認済みタイトルは500以上

サービス提供状況:ベータ版サービスが2019年12月17日より開始。第二次ベータ版サービス参加者を1月中旬まで募集中
※応募フォームはこちら

備考:PCで遊んだゲームのセーブデータをGeForce NOW Powered by SoftBankに使うことも、その逆も可能(ただし、ローカルにしか保存できないセーブデータには対応しておらず、Steamクラウドなどのクラウドセーブデータ保存が必要)。PCでの利用時にはNVIDIA Highlightsの機能でプレイ動画の保存もできる

※GeForce NOW Powered by SoftBank公式サイト

PlayStation Now

“プレイステーションプラットフォームの豊富なラインアップが魅力”

ゲームソフトの入手:PlayStation Nowで提供されているプレイステーション4/プレイステーション3用タイトルをプレイする方式

利用料金:1ヶ月利用権1,180円、3ヶ月利用権2,980円、12ヵ月利用権6,980円

対応デバイス:プレイステーション 4またはWindows PC

提供タイトル数:PlayStation Nowに提供されているプレイステーション4/プレイステーション3用ゲームソフトが400タイトル以上提供されている

サービス提供状況:サービス提供中

備考:プレイステーション4でのプレイ時にはゲームソフトのデータをダウンロードしてのプレイにも対応している

※PlayStation Now公式サイト

概要を比較して感じられる各サービスのスタンス

 こうして比較すると、クラウドゲーミングサービス各社の違い、ひいてはサービスのスタンス自体に違いがあるのを感じてもらえるのではないだろうか?

 Google Stadiaはほかプラットフォームとの連携や補間的な側面はなく、完全に独立した新たなプラットフォームとなっている。ゲームタイトルもStadia専用のものが提供されるのでそれを購入する方式だ。今後は、YouTubeとの連携などGoogleならではの展開を期待されるところがあるのだが、現段階ではまだ未知数だ。

 PlayStation Nowは“プレイステーションプラットフォームのタイトルラインアップをクラウドで補完する”という側面が強いサービスだ。そもそものサービスイン時のスタンスは“プレイステーション4上でPS3ソフトウェアをプレイできるようにする”というもので、そこからプレイステーション4タイトルがラインアップに追加されたり、Windows PCからもプレイできるようになるなどの拡張が行われてきていまに至る。この“プレイステーションプラットフォームのタイトルを補完する”という位置づけは今後も変わらないのではないかと思われる。

 GeForce NOW Powered by SoftBankは、PCゲームをプレイするための新たな選択肢のひとつというスタンス。所有しているPCゲームが対応していればGeForce NOW Powered by SoftBankでプレイすることができるので、PCゲームを多数所有している人にとっては、自宅以外でもPCゲームを遊べる方法のひとつとなる。また、PCゲームをプレイしたいもののゲーム向きなスペックのPCを持っていないという人は、GeForce NOW Powered by SoftBankからPCゲーム入門をしてみるというのもありだろう。

 ……というわけで、クラウドゲーミングサービスはそれぞれに扱うゲームタイトルやサービスの主旨が異なっている。ご自分がやりたいものや使いかたは何か、遊べるサービスが何かを選ぶことがファーストステップだ。

 クラウドゲーミングサービスを体験すると多くの人が「あれ、これならもうクラウドメインで遊ぶのもありなのでは?」という感想を持つのだが、それをぜひ味わってもらいたい。

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