2023年6月22日に発売予定のプレイステーション5(PS5)用ソフト『ファイナルファンタジーXVI』(以下『FF16』)。『ファイナルファンタジー』シリーズの最新ナンバリングタイトルで、本格アクションRPGとして、全世界で注目される作品だ。

 2023年1月末、スクウェア・エニックスの本社にて、『FF16』のメディアツアーが開催された。メディアツアーでは、本作のプロデューサーを務める吉田直樹氏によるプレゼンから始まり、特別バージョンでの実機試遊、開発陣へのインタビューが行われた。

 メディアの実機体験の前に実施された吉田直樹プロデューサーによる40分ほどのプレゼンテーションでは、現在、公開されている情報より少し踏み込んだ本作の概要や魅力が語られた。

 本記事ではそのプレゼンテーションの内容をまとめて紹介。おもに吉田プロデューサーのプレゼンテーションの発言をピックアップ+公式サイトで公開されている基礎情報を追加した形となっている。

 これを見れば現在公開されている『FF16』をある程度理解ができるだろう。

本記事より詳細なメディア体験会でのゲームプレイ内容はこちら

『FF16』の詳しい情報はこちら

・このバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
・画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。

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はじめに『ファイナルファンタジー』シリーズとは

 本作は『ファイナルファンタジー』シリーズの最新作。『ファイナルファンタジー』はナンバリングタイトルであり、初心者の人は「『FFI』からプレイしないといけないのでは?」と思うかもしれないが、その必要はない。

 シリーズにより、世界観やキャラクター、物語が全部違うので、どのタイトルからでも気軽に始めることができる。『FF16』も例外ではない。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

『FF16』のこだわり

 本作はすべてのストーリー、バトル、演出がロードなしでジェットコースターのようにつながっていくド級の体験ができる。この体験は、PS5といういちハードに最適化させることで、実現した。

 オープンワールドではないので地続きではないが、ワールドマップを介してロードなしに移動することができる。また、スケールが大きいフィールドも4つほどあり、探索要素なども存在する。

 オープンワールドを取り入れなかったのは、場所をストーリーによって決め打ちすることで、散漫せず描き切るための判断。今回は物語にフォーカスするために、これを選択している。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

『FF16』4つの柱

ストーリー

 主要ストーリーのカットシーンだけで11時間ほどのボリュームがある。ストーリーをしっかりと描き切るため、とんでもない物量ではあったが、すべてリアルタイムレンダリングで描き切ったので、注目してほしい。サブストーリーなどの演出時間はカウントしきれないので、時間に含めていない。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ
『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

キャラクター

 キャラクターの設定もかなり作り込んだ。群像劇のように、各ドミナント(召喚獣の力を宿す人物のこと)たちのそれぞれの主義・価値観を描いている。

 長い年月をかけて物語るということで、主人公・クライヴの生涯を追うストーリーとなっている。物語はほぼクライヴの視点で進行する。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

グラフィック

 PS5に特化して制作しており、非常にクオリティーの高いグラフィックになっている。細かいところを見てもらえるとわかりやすい。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

バトルシステム

 何より注目してほしいのが、フルリアルタイムアクション。さまざまな世代のゲーマーの方に楽しんでいただけるように作り上げた。

 主人公・クライヴの戦いだけでなく、恐ろしい工数をかけた“召喚獣合戦”にも注目してほしい。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ストーリー:ヴァリスゼア 6つの地域

 舞台は、クリスタルの加護を受けた大地“ヴァリスゼア”。ヴァリスゼアには、各地に巨大なクリスタルの塊"マザークリスタル"が存在し、その周囲に満ちるエーテルによって、国は栄え、人々は魔法を使って暮らしている。

 各国それぞれが巨大なマザークリスタルを所有することで、ヴァリスゼアの情勢は、危ういながらも均衡が保たれていたが、世界が"黒の一帯"に蝕まれ、マザークリスタルをめぐって戦いが勃発することになる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ロザリア公国
 ヴァリスゼアの中西部に位置し、小国を束ねることで成立した公国。火の召喚獣“フェニックス”のドミナントが国を統治する。わかりやすい表現で言うと、“ゴシックファンタジー”。

ザンブレク皇国
 世界最大の宗教国家。マザークリスタル・ドレイクヘッドからもたらされるエーテルにより、豊かな暮らしを謳歌している。文化的にも進んでいる。皇国軍の先頭に立つのは、光の召喚獣“バハムート”のドミナント。

ウォールード王国
 灰の大陸を支配する戦闘国家。人類だけでなく、オークなど亜人種も多く存在する。本来、国が持つドミナントは一体だが、ウォールード王国は、複数のドミナントを収集しようとしている。

ダルメキア共和国
 ヴァリスゼアの南部のほとんどを手中に収める。商業に長けた、世界の商いの中心地。オアシスなどもあり、本作の中では比較的明るいイメージ。土の召喚獣“タイタン”のドミナントが、評議会の提言を行うという役割を持っている。

鉄王国
 クリスタルそのものを崇めている“クリスタル正教”という過激な宗教を信仰している。ドミナントを忌まわしき存在と定義し、自国内に生まれたドミナントは処刑される。

クリスタル自治領
 世界最大のマザークリスタルを保持しており、ヴァリスゼアの中央に位置する。各国が不可侵条約を結んでいるが……。

キャラクター:召喚獣を宿すドミナント

 ドミナントとは、現在における核兵器のようなもの。各国のドミナントが互いにぶつかり合うと戦争になってしまうため、抑止力として用いられてきたが、マザークリスタルの枯渇により、マザークリスタルをめぐって戦うことになってしまう。

 召喚獣はヴァリスゼアに存在するもっとも危険な存在とされ、さらに特定の人物がその身に宿すものとなっている。ドミナントと呼ばれる者は、その身に召喚獣を宿し、自らの身体へと喚び降ろすことができる能力を持つ。

クライヴ ・ロズフィールド(声優 少年期:内田 雄馬、青年期:内田 夕夜)

 ロザリア公国の第一王子にして本作の主人公。

 ロズフィールド大公家の嫡男として生まれるも、フェニックスのドミナントとして覚醒せず、その役目は弟のジョシュアが担うことになるが、やがて、ともに大きな悲劇に巻き込まれ、クライヴは弟・ジョシュアの復讐のためだけに旅にでる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ
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 バディとしてトルガルというオオカミがともに戦ってくれる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ジョシュア・ロズフィールド(声優:藤原 夏海)

 ドミナント:フェニックス

 ロザリア公国の第二王子にして、クライヴの実弟。10歳。

 クライヴはジョシュアから、フェニックスの祝福を受け、一部フェニックスの力を使えるようになっている。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ジル・ワーリック(声優:潘 めぐみ)

 ドミナント:シヴァ

 本作のヒロイン。幼少のころクライヴとジョシュアとともに育ってきたが、悲劇的事件により、ジルも召喚獣シヴァの能力に目覚めることになる。

 強い女性で、過酷な運命を背負っている。クライヴとともに敵に立ち向かうよき仲間。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ
『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

シドルファス・テラモーン(声優:白熊 寛嗣)

 ドミナント:ラムウ

 『FF』シリーズおなじみのシド。“誰もが人として死ねる場所”の実現を唱え、迫害を受けるベアラーや政に翻弄されるドミナントを保護する組織を率いている。

 旅の途中でクライヴと出会い、クライヴのよき理解者として活躍する。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

フーゴ・クプカ(声優:間宮 康弘)

 ドミナント:タイタン

 共和制であるダルメキア共和国の評議会顧問を務める。ガルーダのドミナント・ベネディクタと出会ったことで、その人生を大きく狂わせることになる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ベネディクタ・ハーマン(声優:樋口 あかり)

 ドミナント:ガルーダ

 卓越した剣技と任務遂行能力により、ウォールード王国の密偵部隊長を務めている。幼少期からの過酷な人生は、彼女の冷酷で残忍な性格を作り上げた。
 序盤の物語の中心となる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

ディオン・ルサージュ(声優:中村 悠一)

 ドミナント:バハムート

 宗教国家ザンブレクの皇子にして、至高の竜騎士と誉高く、民衆からも部下からも信頼が厚い。

 何もかもを持ち合わせたような人物であるが、自国に漂う不穏な影が、彼の輝ける翼に昏い陰を落とそうとしていた。

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バルナバス・ザルム(声優:綱島 郷太郎)

 ドミナント:オーディン

 蛮族が闊歩し、戦乱に明け暮れていた灰の大陸を、たったひとりで統一した。何を考えているかわからない不気味さがある。序盤から暗躍する。

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バトルシステム

 基本システムはアクションRPG。主人公のクライヴが召喚獣の能力などを駆使しながら敵と戦っていく。

召喚獣アクション

 アクションの目玉となるのが、召喚獣アクション。主人公・クライヴはわけがあって、召喚獣の能力を宿すことになり、それを戦闘に使用できる。

 召喚獣ごとにアビリティ(スキル)があり、カスタマイズして自分ならではの組み合わせを楽しめる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

アビリティ

 プレイヤーの手で召喚獣の能力を調整できるシステム。ポイントを割り振ってアビリティを強化する育成要素。

 割り振りがややこしくて選べない人には、“おすすめ習得”という、いまのレベルに合わせて自動的に割り振ってくれる機能もある。

 また、アビリティはワンボタンですべてポイントをリセットでき、いつでもノーコストで組み替えられる。

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召喚獣合戦

 自身も巨大な召喚獣として敵の召喚獣と戦う、巨大スケールな大規模バトル。

 召喚獣ごとにフルスクラッチで、使いまわしのないオリジナルシステムが楽しめる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ
『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

判明しているバトルシステム

  • ガルーダ戦:オーソドックスな大きな召喚獣VS召喚獣のバトル。非常にシンプルながら、迫力を味わえる。
  • タイタン戦:120メートルもの大きさのタイタンがマップそのもののように、襲い掛かってくる。自身に目掛けて降ってくる岩などを攻撃したり、かわすようなバトル。
  • イフリート戦:自身がフェニックスとなって、3Dシューティングゲームのようなバトルを繰り広げる。

パーティバトル

 クライヴ単体の旅ではなく、仲間も存在してともに戦ってくれる。ただ、ハードコアなアクションということもあり、基本的に仲間はAIで動く。

 道中の移動でパーティメンバーと交わす会話は、ほぼメインストーリーのようなもの。これにも注目してほしい。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

バディアクション

 バディとしてオオカミのトルガルが存在する。ほかのパーティメンバーとは異なり、トルガルに対してコマンドを用いて直接指示を出すことができる。

 テクニックに組み込んで遊べるが、操作が難しい人向けに、トルガルの行動もAI化するようなアクセサリーも存在する。

ストーリーフォーカスモード・アクションフォーカスモード

 本作には“イージー”、“ハード”のような難度設定は存在せず、“ストーリーフォーカスモード”、“アクションフォーカスモード”というモードがある。

 “ストーリーフォーカスモード”では、最初からクライヴをサポートするアクセサリーが付けられており、これを組み替えることで、自分好みのプレイスタイルを作り出せる。

 リアルアクションに踏み切るとともに、アクションゲームが苦手だけど、ストーリーを楽しみたい人にも楽しくわくわくどきどきして遊んでもらいたいという意図で、このモードが実装された。

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アクセサリ例

《オートスロー》の指輪:攻撃を受ける数フレーム前から急激に画面がスローになり、ガイドに沿ってボタンを押すだけで、クライヴが超絶カッコよく避けてくれる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

《オートドッジ》の指輪:自分が何も入力していない状態では、すべての攻撃を自動的に避ける。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

《オートアタック》の指輪:□ボタンを押すだけで、その場のシチュエーションに最も適した攻撃をしてくれる。

『FF16』プロデューサー吉田直樹氏が語る本作の魅力。メディア体験会プレゼンまとめ

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