『ミリシタ』4周年記念！ 原由実さん（四条貴音役）インタビュー。「貴音さんといっしょに、プロデューサーさんたちへもっともっと楽しい時間をお届けできるようにがんばります！」

　2021年6月29日に4周年を迎えたスマートフォン向けアプリ『アイドルマスター ミリオンライブ！ シアターデイズ』。同作の4周年を記念して実施した、四条貴音役の原由実さんのインタビューをお届けする。

しっかりものだけど、一歩引いてみんなを見守るお姉さんへ

――『ミリシタ』を初めて知ったときのことは覚えていますか？

原私は、ほかのキャストさんから教えていただく形で『ミリシタ』のことを知りました。ただ、そのときは「新しいゲームが出るらしい」 という程度の情報でしたので、具体的なゲームの内容については知りませんでした。それからしばらくして、『ミリシタ』のキービジュアルを見たのですが、そこには（桜守）歌織さんと（白石）紬が描かれていて。そのときにふたりが『ミリシタ』から新しく765プロに加わることを知ったのですが、紬を見て、貴音さんに似ているなと感じたんです（笑）。貴音さんの妹にも思えるような紬と、キュートだけどお姉さんっぽい雰囲気もある歌織さんが仲間として加わるということで、とても強い印象を受けたのを覚えています。

――『ミリシタ』がリリースされてから、アイドルたちの新しい一面が見られるようになりましたが、貴音への印象が変わった部分や、演じるうえで変化した点などはありますか？

原貴音さんとしては、後輩アイドルができたことが大きな変化としてあったなと感じていてます。彼女たちへの接しかたというのは、すごく意識している部分ではありますね。貴音さんはもともと、765プロのなかでもしっかり者のお姉さん的な立ち位置の子で、（萩原）雪歩や（高槻）やよいちゃんに、 頼れるお姉さんらしい一面を覗かせることがありますが、『ミリシタ』で後輩アイドルたちと接するときには、一歩引いてみんなを見守るお姉さん、 という立ち位置のキャラクターとして演じるように意識しています。

　やっぱり、アイドルたちが困難に立ち向かうときにしっかりと支えてあげるのは、プロデューサーさんであるべきだと思うので、貴音さんは彼女たちと同じ目線でありながらも、影でサポートしてあげられるようなお姉さんでありたいと思っています。ですので、彼女たちとの距離感は大事にしながら収録に臨んでいます。

　あと、貴音さんが中心となるお話だったときに、私としては、本当にプロデューサーさんのことが大好きだし、貴音さんも同じ気持ちだと思いますが、基本的に貴音さんみたいにしっかりしているタイプの子は、ほかのみんながいるときにプロデ ューサーさんに対して甘える描写が、ほとんどなくて。少し離れたところで静観していることが多いのですが、私はプロデューサーさんと話すときに、プロデューサーさんが好きという気持ちが漏れ出すぎてしまうことが多くて（笑）。

　でも、アイドルとプロデューサーさんという関係があるので、どの程度まで貴音さんの感情を伝えるお芝居をしたらいいのか、その塩梅がすごく難しいです。だから、現場でもスタッフさんと相談しながら、プロデューサーさんとの関係性を大切にしつつ、しっかりと貴音さんの想いが伝わるように、心を込めて演じています。

――ここで改めて、貴音と出会ったときのこともお聞かせいただきたいのですが、初めて貴音のことを知ったときの第一印象はどのように感じましたか？

原貴音さんのことを初めて知ったのはオーディション資料でしたが、気品溢れる、不思議系の子なんだなという印象を持ちました。もちろん、現在の彼女とはかなり設定も違っていましたが、少し霊感もあるというような、ミステリアスな部分は当時の資料でもアピールされていたと思います。そして、お上品な雰囲気を持つ女の子ということで、自分が演じやすいキャラクターだなとも感じました。あと、偶然にも生年月日と血液型がいっしょだったのと、私が東京に出てきて初めて受けたオーディションが貴音さんでしたので、すごく運命的なものを感じました。ですので、「この子の声を出せたらうれしい！」と思いながらオーディションを受けました。

――当時のオーディションで印象に残っていることはありますか？

原オーディションでは歌唱審査があったのですが、当時は歌唱審査のあるオーディションというのはそこまで多くなかったので、とても珍しいなと感じたのを覚えています。歌唱審査では、課題曲として1次審査で『思い出をありがとう』を、2次審査で『エージェント夜を往く』、そして自身の得意な曲を1曲披露するという形式で、ここではMy Little Loverさんの『DESTINY』を歌わせていただきました。この3曲のなかで、『エージェント夜を往く』は音程を取るのがかなり難しい曲で、苦戦した記憶があります。それと、ちょうど2次審査のときに、スタジオで（我那覇）響役の沼倉愛美ちゃんとすれ違っていたので、いま思うと、これもまた運命的だなと感じましたね。

――確かに、当時は声優さんが歌って踊るということがメジャーではない時代ですよね。

原そうですね。あと、私のタイプ的に、昔からかわいいアイドルのようなキャラクターではなく、どちらかと言うと、大人っぽいキャラクターを演じることが多かったので、若いころからアイドルもののオーディションにご縁がなくて。それこそ、アイドルもののオーディションというのは、未だに『アイマス』しか受けていないので、貴重な経験でしたね。

――『ミリシタ』には数多くのアイドルが登場しますが、貴音以外で好きなアイドルはいますか？

原最初にお話した紬ちゃんはやっぱり、『ミリシタ』でも貴音さんと姉妹のようなやり取りもあったりしたので、とても印象に残っていますし、お気に入りのアイドルのひとりでもあります。あとは、（徳川）まつりちゃんが好きですね。まつりちゃんとは、同じお話に登場することが多くて、不思議ちゃんな雰囲気のある子だけれど、しっかりと空気が読めて、ほかのアイドルの子たちにやさしく接してあげられる子ですし、お話のなかでそういった彼女のいいところにたくさん触れたりしたので、素敵なアイドルだなと思っています。あっ、それと（箱崎）星梨花はやっぱりかわいくて、天使だなと思います！

――それでは好きなユニットや楽曲はありますか？

原好きなユニットは悩ましいですが、『ミリオンライブ！』の6thライブ（※1）の“夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-”はとても印象に残っています。彼女たちにピッタリのミュージカルのようなステージになっていて、私も拝見していて、すごく引き込まれました。演出の力、そしてユニットの皆さんのパフォーマンスも相まって、すごくエンターテインメントとして完成されているなと感じました。あと“EScape”は、楽曲の最後のところでみんなが寝転がって、『ミリシタ』のイベントビジュアルを再現するシーンがあって、見ていてすごく胸が熱くなりました。

　6thライブを見ていて、『アイマス』のライブはどんどん進化しているなと感じましたし、ユニットごとに分かれたステージやMCによって、より彼女たちの魅力が際立っていて、素敵なライブだなと思いました。そのなかで、“夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-”と“EScape”はとくに印象的に感じて、いまではお気に入りのユニットになっています。

――楽曲についてはいかがですか？

原楽曲ですと、“EScape”の『Melty Fantasia』はすごくかっこよくて素敵だなと思いましたし、“ピコピコプラネッツ”の『ピコピコIIKO! インベーダー』は、聴いていて楽しくて、お気に入りの楽曲ですね。あとは、貴音さんも参加させていただいている“ARCANA”の『Fermata in Rapsodia』も好きなのですが、この曲はこれまで歌唱してきたなかでもいちばん難しいんじゃないかなと思うぐらい歌うのがたいへんで、印象に残っています（笑）。『ミリオンライブ！』の楽曲は、各ユニットの特色が楽曲の中でしっかりと描かれている印象があります。ゲーム内で映像を見ていても、ひとつのMVとして見たときに、楽曲、演出、歌声が見事にマッチしてすごく完成度が高いものに仕上がっているなと感じています。

――『ミリオンライブ！』の楽曲の中で、ライブで歌ってみたいものはありますか？

原『ミリオンライブ！』の楽曲の中だと、とくにかっこいい曲をライブなどで聞いていて素敵だなと思うことが多いので、『Marionetteは眠らない』は歌ってみたいですね。パフォーマンスは激しめでたいへんそうですが……。

――ダンスなど、とてもたいへんそうですよね。

原そうなんですよ！　だから、見ているだけのほうがいいのかなとすごく悩むのですが、ステージを拝見していると、客席もすごく盛り上がっていますし、演者さんもみんなかっこよくて。ですので、クールでかっこいい楽曲は歌ってみたいなと思います。あとは、『アイマス』シリーズの10周年記念ライブ（※2）のときに、もちょ（箱崎星梨花役の麻倉ももさん）とるるきゃん（『シンデレラガールズ』の城ヶ崎美嘉役の佳村はるかさん）といっしょに歌った『トキメキの音符になって』は、プロデューサーさんたちからの反響も大きかったので、ふだんの貴音さんとギャップのある楽曲を歌うというのも楽しいのかなとは思いますね。また、アイドルの子たちはみんな個性的で、楽曲の振れ幅も大きいので、意外な組み合わせのメンバーたちと楽曲を披露するのも楽しいでしょうし、プロデューサーさんにも喜んでもらえるのかなと感じています。

――『アイマス』シリーズでは、ゲーム内で選んだメンバーが歌唱する歌いわけに対応している楽曲があるのも魅力ですしね。

原そうですね。アイドルたちがふだん歌わないような楽曲を披露できる体制が整っているというのは、『アイマス』の素敵なポイントかなと思います。

――いま、10周年ライブの話題が挙がりましたが、これまで出演された『ミリオンライブ！』に関するイベントやライブで、とくに印象に残っているものがあれば教えてください。

原台湾で行われた、『アイマス』初の海外単独公演（※3）ですね。海外のプロデューサーさんが観に来られるということで、公演が始まる前は、「トークパートで私たちの話す内容が伝わるのかな？」と心配していたのですが、日本語で会話していても、すぐに反応が返ってきて、ライブ中も声援でしっかりと盛り上げてくださいました。本当に、『アイマス』が海を越えて皆さんに愛されているんだなということを強く感じて、うれしい気持ちになりましたね。

――それこそ、台湾ライブでは、今井麻美さん（如月千早役）との『透明なプロローグ』、末柄里恵さん（豊川風花役）と野村香菜子さん（二階堂千鶴役）との『風花』という珍しい組み合わせでのパフォーマンスでしたね。

原そうですね。じつは『透明なプロローグ』はみっく（七尾百合子役の伊藤美来さん）と歌う予定だったのですが、みっくが体調不良で出演見合わせということで、急遽、麻美さんと披露することになりました。いつもライブのときに先輩方に助けていただくことが多いのですが、あのとき、先輩の偉大さを改めて感じました。当日まで合わせることができなかったのですが、本当に急遽だったにも関わらず麻美さんは完璧で、本番は不安なくパフォーマンスを行えました。いつか、みっくとも歌ってみたいですね！

――いまのお話にもあった海外公演を含め、これまで数多くのライブを経験されてきたと思いますが、ステージに立つときにいつも心がけていることはありますか？

原ライブでは、皆さんに貴音さんを感じていただけるようにパフォーマンスを行うことを心掛けています。デビューして間もないころは、歌やダンスを間違えないことを第一に考えていましたが、『アイマス』の7thライブ（※4）の時期からは、その想いがずっと強くなりました。ですので、そこからは髪型を貴音さんに似せてみたりして、自分自身が貴音さんであるという意識のもと、ステージに立っています。

　ただ、作品を通して、貴音さんはさまざまな重圧からひとりで涙する、ということが過去のエピソードにはあり、そこから貴音さんも成長して、みんなといっしょにステージを作り上げる楽しさを知ることができて、いまは少し余裕を持ってライブに臨めていると思うのですが、演じている私のほうは、いまだにいろいろ考えすぎてしまって、緊張してしまうこともあるんです。

　もちろん、ライブに来てくださるプロデューサーさんの笑顔を見ていると、とてもうれしいですし、ひとつひとつのステージは宝物のように感じていますが、私としてはまだまだ成長していかないといけないなと感じていて。貴音さんと同じように、緊張はしつつも、みんなとライブを楽しめるようになればいいなと思っています。ですので、ステージに立つときはいつも、貴音さんのイラストなどをステージ衣装に忍ばせています。そうしていると、貴音さんをいつもそばで感じられて、貴音さんといっしょにライブを楽しめて、成長できるような気がして。今後のライブでも、その姿勢は変えず、もっともっと進化していけたらなと思います。

――ちなみに、今後のライブやイベントでやってみたいことはありますか？

原先ほど少しお話しさせていただきましたが、6thライブで“夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-”の皆さんが披露していた、ミュージカルのようなステージを、今度はみんなでやってみたいですね。じつは以前からミュージカルのようなことをやってみたいという話を何人かとしていました。ライブ全体をひとつのミュージカルにすれば、いままで見たことのないライブになりそうですし、きっとプロデューサーさんをしっかりと満足させられる楽しいものになるんじゃないのかなと思います。

――今後の活動といえば、8月27～29日の3日間、さいたまスーパーアリーナで開催される“Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”の1日目に“765 プロオールスターズ”として出演が発表されていますね。

原とてもひさしぶりのライブですので、私自身も楽しみですが、やっぱり緊張しますね。昨年、NHKさんで放送された“SONGS OF TOKYO Festival 2020”に出演させていただいたのですが、客席にはプロデューサーさんがいなくて。そのときに、ふだん、プロデューサーさんが盛り上げてくださっているということが、私たちにとってすごく大きな力になっているんだなと実感しました。今回のライブでは、このご時世でも変わらず応援してくださっている皆さんに少しでも感謝の気持ちが届けられるように、いまできるベストなパフォーマンスを披露して、皆さんにとっていい思い出となるようにがんばりたいと思います。

――それでは最後に、プロデューサーの皆さんへメッセージをお願いします。

原『ミリシタ』は4周年を迎えることができましたが、応援して、支えてくださっているプロデューサーさんたちがいるからここまでこられたと思いますし、ずっと盛り上がり続けているのだと感じています。そんな皆さんにたくさん恩返しができるように、私も貴音さんといっしょに、感謝の気持ちはもちろん、これからも楽しい時間をもっともっとお届けできるようにがんばっていきたいなと思っていますので、応援よろしくお願いします。

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