2021年6月29日に4周年を迎えた『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)。それを記念して、本作のプロデューサーを務める狭間和歌子氏のインタビューをお届けする。

※本インタビューは6月上旬に実施したものです。

狭間和歌子(はざまわかこ)

バンダイナムコエンターテインメント所属。『ミリシタ』配信開始以来、産休を挟みプロデューサーを務めている。ファンのあいだでは“わかちこP”の愛称でおなじみ。(文中は、狭間)

“ファミリー”とともに輝かしい未来への挑戦へ

――復帰おめでとうございます。5月10日の生放送で久々にプロデューサーの皆さんと再会されましたが、どんな気持ちでしたか?

狭間個人的な理由でお休みをいただいたにもかかわらず、プロデューサーの皆さんが温かく迎え入れてくださったことが本当にうれしかったです。生配信のコメントやTwitterには「おかえり」という言葉で溢れていて、家族のもとに帰ってきた気持ちになりました。いままでは誰かのために使ってきた「おかえり」という言葉を、自分にかけてもらうことで、その言葉の温かみと大切さを実感する機会となりました。2019年11月の生配信で産休に入る発表をしたときも、同年12月に出産のご報告をしたときにも、たくさんの「おめでとう!」というコメントをいただき、本当に感謝しております。この場を借りて、あらためて「ありがとうございます」を伝えさせてください。

――産休中はどのような思いで『ミリオンライブ!』のプロジェクトを見ていましたか?

狭間コロナ禍の影響で生配信やライブは開催できるのかと心配に思うこともありました。しかし、“MILLIONSTARS特別生配信~手作りのThank You!~”など、どんな状況でも新しいチャレンジをする姿勢に、『ミリオンライブ!』のたくましさを感じていました。この生配信は、イベントチームが中心となって、キャストはもちろん、JUNGOさん、『アイドルマスター ミリオンラジオ!』スタッフなど、たくさんの方々が協力し合って実現したものなんです。改めて『ミリオンライブ!』チームのファンになりました。

――アイドル愛に変化はありましたか?

狭間アイドル愛に変化は、まったくありません!(断言) 

――『ミリシタ』も5年目を迎えました。この1年、どのような方向でプロジェクトは進んでいくのでしょうか?

狭間『ミリシタ』ではいままでのグループやユニットの枠組みを超えたテーマによる展開が予定されています。そのテーマをゲームでもリアルライブでも一貫して展開し、よりゲームとリアルが連動した体験を提供できるよう、関係各所協力してくださっています。

※2021年7月4日に配信された4周年を記念した生放送“ミリシタ4周年!!! Anniversary4you! 生配信”にて、情報が公開されました。

――どんなことが発表されるのか楽しみにしています! 話は戻って、5月には7thLIVEが開催されました。多くの人にとって1年越しの念願だったこのライブ、いかがでしたか?

狭間個人的な感想になりますが、今回のライブは、誰もが新しいハードルに挑戦する姿が印象的でした。ライブチームにとっては“野外”というハードル。衣装チームにとっては、“天候に負けない衣装”というハードル。キャストにとっては、野外かつ、コールがない環境でのパフォーマンスというハードル。そしてプロデューサーさんにとっては、“声以外で応援を届ける、配信を通じて応援する”というハードル……。不安もあったと思います。それでも、誰もが笑顔でそのハードルに全力で挑戦する姿は、見ていて心打たれずにはいられませんでした。改めてライブはみんなで作るものだと教えられました。

――そして皆の喜びとともに7thLIVEは大団円を迎えました。今後は情勢を見ながら、5周年に向けてライブやイベントの計画も進めていくことになると思いますが、どのような青写真を描いていらっしゃいますか?

狭間7thLIVEを通じて、観覧、配信、ライブビューイングなど、場所は異なっても、みんなで同じ時間を共有することの大切さを感じました。5周年に向けて、どんな形であってもその機会は提供していきたいと思います。

――ありがとうございます。続いてはCDについてです。現在は『THE@TER WAVE』シリーズが展開中ですが、新シリーズへの移行などは予定しているのでしょうか?

狭間はい。こちらもゲーム内の新しい展開に合わせてCDでも新シリーズを予定しています。7月4日の生配信で発表予定ですので、楽しみにしていてください。

――ゲームについても伺っていきたいと思います。この1年で新形式のイベントがいくつも登場しました。今後さらに新たな形式が実装されることはあるのでしょうか?

狭間現在開発チームが新しいイベントを検討してくれています。

――週刊ファミ通の『ミリシタ』周年特集内で実施させていただいている、プロデューサーアンケートでも毎年多くのリクエストが寄せられていた、“聖ミリオン女学園”もついに走り出しましたね。

狭間この“聖ミリオン女学園”で展開している“アドバンストコミュプロジェクト”は、開発メンバーが力を入れてチャレンジしてくれたおかげで実現できた企画です。今回は、『ミリシタ』の開発会社バンダイナムコスタジオの開発プロデューサー、柿沢高弘さんを紹介させていただければと思います。

柿沢 アドバンストコミュプロジェクトでは、コミュ部分の表現を最大化するべく、“アドバンストコミュ(ADC)エンジン&ツール”を開発しております。シナリオの青木朋子を始め、エンジニアの佐々木直哉、モーションの吉武直哉、スクリプトの村瀬泰親など、『ミリシタ』でも中核を担っているメンバーが参加してくれました。それぞれが作業時間を調整しつつ兼任で業務を行ってくれて、いつも助けられています。そもそも『ミリシタ』では、MTGシリーズ(※1)や投票企画のTB、TC(※2)など劇中劇の人気が高く、また“アイドルヒーローズ”などプロデューサーさんたちに支持いただいている『ミリオン』発祥のコンテンツも多々あります。その中でもとくに要望の高かった“聖ミリオン女学園”を、『ミリシタ』から始めた方、以前から遊んでくださっている方、すべてのプロデューサーの皆さんに楽しんでもらうため、完全新規の展開も含め再構成して実施することにしました。ただ、新規ストーリーを含め、すべてを内包するにはコンテンツが大きすぎて、ひとつのイベントとして落とし込むことが難しい。悩んだ結果、新しくADCとの連動を決定し、中長期施策として実装することを決めた……というのが今回の経緯です。

※1 MTGシリーズ……CDシリーズ『MILLION THE@TER GENERATION』のこと。全18作。『05』~『17』の各作品に収録されているドラマパートは劇中劇の形を取っていた。
※2 TB、TC……『ミリシタ』で実施された、ふたつのキャスト投票キャンペーンの略称。選ばれたアイドルはイベント内の劇中劇に出演した。なお、それぞれ“THE@TER BOOST!”、“THE@TER CHALLENGE!!”の略で、『ミリオンライブ!』時代には“TA”こと“THE@TER ACTIVITIES”が実施されていた。

――実装後、プロデューサーさんたちの反応はいかがでしたか?

柿沢 人気コンテンツなだけに心配しておりましたが、おかげさまでプロデューサーの皆さんにご評価いただけました。すべてのプロデューサーの皆さんにご満足いただくことは難しいことですが、いただいたご意見、ご要望は検討材料として、いつも大切にさせていただいております。反映できないことも多々ありますが、今後に向けて長い目で見守っていただけるとうれしいですね。

――今後の展開はどうなるのでしょうか?

柿沢 ADCのバージョンアップや、公式サイトの映像を字幕対応させるなど、いただいたご意見に対応しながら、新しい魅力をさらに追求していく予定ですので、ご期待ください。

――狭間さんの復帰とともに、一部のプロデューサー陣に人気と噂の、生配信での“ガシャチャレンジ”も復活するのでしょうか?

狭間ただの私の自己満足の企画を楽しみにしていただけるなんて恐縮です。喜んでいただけるのであれば、いつか生放送でまた披露したいです。

――さて、もうひとつ気になるのが『ミリオンライブ!』のアニメプロジェクトについてです。現在はどのような状況にあるのでしょうか?

狭間進捗をご報告できず申し訳ありません。正直まだ時間はかかりそうですが、現在鋭意制作中です。『ミリシタ』4周年を記念して、『ミリオンライブ!』のアニメを制作してくださる白組さんにテレビCMを作成いただきました。ぜひご覧ください。

――それでは最後に、プロデューサーさんたちに向けて、今後の意気込みをお願いします。

狭間『ミリシタ』が4周年を迎えられたのは、支えてくださったプロデューサーの皆さんのおかげにほかなりません。本当にありがとうございます。これからも、ずっと応援してくださっている皆さんはもちろん、新しいプロデューサーの方々にも楽しんでいただける展開をしていきたいと思っています。『ミリシタ』の未来をさらに輝かせるべく、開発、プロモーション、ライブなど、本当に多くのメンバーが全力で取り組んでおります。これからもプロデュースよろしくお願いいたします。

『ミリシタ』4周年記念! 狭間和歌子プロデューサーインタビュー。今後の展開などについて聞いた

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