2020年9月に、5周年を迎えた『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』（以下、『デレステ』）。それを記念して、的場梨沙役の集貝はなさんにインタビューを実施した。梨沙の印象やオーディションの思い出などを伺ったので、最後までチェックしてほしい。
集貝 はな（ためがい はな）
9月20日生まれ。東京都出身。声優としてテレビアニメやゲーム、吹き替えなどに出演するほか、ラジオやWeb番組のパーソナリティとしても活躍している。代表作は『旗揚!けものみち』（ミーシャ役）、『異種族レビュアーズ』（コモク役）など。（文中は集貝）
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ニュージェネレーションズ
中学時代の友人がきっかけで『シンデレラガールズ』と出会う
――オーディションを受ける前から『シンデレラガールズ』のことはご存知でしたか？
集貝はい。中学生のときの友人が、ソーシャルゲーム版『シンデレラガールズ』を遊んでいて、見せてもらったときに、登場するアイドルたちがめちゃくちゃかわいいなと。私もプレイしてみたいなと思ったのですが、当時は携帯電話を持っていなかったので、アイドルたちの歌やドラマが収録されたCDを買って、それを聴いていました。その後、自分の携帯を買ってもらったタイミングでプレイを始めまして、『デレステ』も配信当初から、継続的にプレイしています。
――そうすると、もう6～7年前の話ですね。最初に買ったCDは、どのアイドルの？
集貝偶然なのですが、初めて買ったのは、現在同じ事務所の先輩で公私ともにお世話になっている青木瑠璃子さんが演じる、多田李衣菜ちゃんのCDだったんです。
――なるほど！ 縁深いものを感じますね。
集貝そうなんですよ！ 当時は演じている声優さんのことを意識していたわけではなく、「すごく曲がいいな」とか、「李衣菜、かわいいな」と思って購入したのですが、いま改めて考えると、感慨深いなと思います。
――そうなのですね。ということは、担当アイドルは李衣菜なのですか？
集貝いや、そこは違っていて（笑）。
――あ、そうなんですね（笑）。
集貝じつは、（市原）仁奈Pなんです。小さくて明るくて、まわりをぱっと明るくしてくれるような元気な女の子が好きなので、仁奈に惹かれました。
――ご自身が演じられる梨沙も、年齢が幼くて、小さな女の子だと思うのですが、梨沙役に決まったときは、喜びもひとしおだったのでは？
集貝じつは、梨沙のオーディションの話が来る前に、事務所の先輩と冗談で「もし、『シンデレラガールズ』のアイドルを演じるなら誰をやりたい？」という話をしていて、「的場梨沙です！」と答えていたんです。そしたら、数日後、本当に梨沙役のオーディションの話が来て。後で確認してみたら、先輩もオーディションがあることは知らなかったそうで、すごく縁を感じました。
――すごい偶然ですね！ 実際に梨沙のオーディションを受けてみて、いかがでしたか？
集貝先ほどお話したような出来事があったので、「オーディションに受かるときは、こういうエピソードがありそうだよな」と変に意識してしまって。「絶対にオーディションに受かりたい」という気持ちも強く出過ぎて空回りして、歌唱の審査では緊張で声が震えてうまく歌えず、手応えはまったくなかったんです。帰り道では悔しさで泣いてしまったことをいまでも覚えています。
――そうすると、合格の連絡を受けたときは相当に驚かれたのでは？
集貝本当に信じられませんでした。合格したと連絡をいただいたときは、びっくりしすぎて、喜ぶどころか思考停止していました（笑）。
梨沙ならではの“子どもらしさ”を演技として表現することを意識
――初めての収録はいかがでしたか？
集貝最初に収録したのは、『お願い！シンデレラ』の歌だったのですが、収録当日も気合を入れ過ぎてしまって、まったくうまく歌えなくて。収録の際のディレクションで「年齢を下げて歌ってみて」と言われていたんですが、緊張して頭の理解が追い付かず、逆にどんどん年齢を高めて、大人なお姉さんのように歌ってしまったんです。2回目の収録は、うまくいきました（笑）。
――ずっと憧れていた分、緊張してしまったのでしょうね。梨沙役が決まる前から『シンデレラガールズ』が大好きだったということは、『お願い！シンデレラ』は何度も聞いていたと思いますが、初めて聞く楽曲の収録はいかがでしたか？
集貝『お願い！シンデレラ』のつぎに収録したのは、『オウムアムアに幸運を』でした。『オウムアムアに幸運を』は梨沙のイメージとは違って、すごくカッコいい曲なので、どうやって梨沙っぽさを出せばいいのか悩みました。ただ、劇中劇の『Spin-off!』として、的場梨沙が演じるリサというキャラクターにはピッタリの楽曲で、リサの雰囲気も出しつつというディレクションをいただいたので、その問題は解決できたのですが、曲がシンプルに難しかったです。ハモリとかもサビによって、すべて違う音程だったりするので、覚えるのがたいへんでした。いっしょに歌ったシキ役（一ノ瀬志希）の藍原ことみさんが事務所の先輩なのですが、収録前に偶然事務所でお会いしたときに「1曲目がこれだけ難しいと、ほかの曲が簡単に思えるようになるから大丈夫だよ」とアドバイスをいただきました。
――ということは『輝け！ビートシューター』はそこまで苦労せずという感じだったんですか？
集貝そうですね。『輝け！ビートシューター』は等身大の梨沙だったので、とても歌いやすかったです。
――梨沙はショートアニメ『Spin-off!』でボイスが初公開になりましたが、こちらの収録はいかがでしたか？
集貝『Spin-off!』は先ほども少しお話した通り、的場梨沙が演じるリサという役どころだったのですが、梨沙が演じているということは忘れないようにしました。リサは19歳という設定だったので、梨沙よりも私のほうが年齢が近いので、そのままの理解で演じてしまうと、12歳が思う19歳のお芝居にはならなくなってしまうなと。
――12歳から見ると19歳はかなり大人に見えますからね。
集貝そうなんですよ。だから、私が思う19歳よりもっと大人っぽく演じたほうが、梨沙が想像する19歳のイメージに近づくんじゃないのかなと。
――なるほど。ゲーム内のコミュの収録もされていると思うのですが、その際に気を付けていることはありますか？
集貝オーディションのときに私の演じる梨沙は「いい子過ぎるから、もう少し気を強く演じてほしい」とディレクションいただいていたので、そのことは意識しました。ただ、梨沙は少し気が強いところがあると思われがちなのですが、私は、梨沙は気が強いのではなく、自分に自信があり、プロデューサーを信頼しているからこそ、強い言葉や態度を取ってしまう子どもらしさがある子だと思っています。ですので、演じるときはそういった子どもらしさを意識しつつ、ただ機嫌が悪そうな女の子にならないような演技をしようと意識しています。
――いままで収録したコミュの中でとくに印象に残っているものはありますか？
集貝梨沙のボイスが付いてから初めて出たSSレアのコミュにある「アイドル的場梨沙がここにいるのは、間違いなくアンタが頑張ったおかげなのよ」というセリフが印象に残っています。総選挙を経て、結果的にサプライズボイスという形で声が付くという背景とシンクロする部分があったので、台本を見たときに泣いてしまいました。
――集貝さんもプロデューサーであるからこそですね。
集貝そうですね。自分が担当しているアイドルの声が付いて最初のSSレアのセリフがこんなセリフなんてエモいなと思いました。ただ、あまりわかりやすくエモくすると安っぽくなってしまって、真意が伝わらないと思ったので、そのバランスは気を付けました。
――集貝さんはまだ出演されていないですが、『シンデレラガールズ』はライブなども行われていますが、ご覧になったことはありますか？
集貝梨沙役に決まった後に行われた7thライブツアーの千葉公演は現地に行かせていただきました。ただ、それよりも前に2ndライブのBlu-rayをクリスマスプレゼントに買ってもらって何度も見ていました。
――Blu-rayを購入しようと思ったのはどういうきっかけだったんですか？
集貝やっぱり『シンデレラガールズ』の曲から入ったということもあって、楽曲に思い入れが強かったんです。そして、あるとき「そういえばライブを見たことがないな」と思って、YouTubeにアップされているダイジェスト映像を見て、「声優さんが歌っているのに、アイドルが歌っているように見える」というのがおもしろくて。それまでにも、声優さんのライブには行ったことがあったのですが、コンテンツありきの声優さんのライブは初めて見たので衝撃的だったんです。
――そのときから声優を目指されていたんですか？
集貝いや、「楽しそうだな」とは思いつつも、まったく違う勉強をしていました。なので、そのときはひとりのプロデューサーとして、「かわいい」、「キラキラしているな」と思いながら見ていました。
――では、梨沙役に決まってから見た7thライブツアーの千葉公演はいかがでしたか？
集貝やっぱり、単純には楽しめなかったですね。「ここに立つのか」、「こんなに大勢の人が見ているんだ」とか、「私が感動したように梨沙を感じてもらえるように歌えるのかな？」ということを考えながら見ていました。
――今後ステージに立つときに、こんなことをしてみたいということはありますか？
集貝すごく漠然としていますが、私が声を付けたことで梨沙のことを知ってくれた人もそうですが、声が付く前から梨沙のことを応援してくださっていた方に、私のパフォーマンスを見て「的場梨沙だ！」と思ってもらいたいです。
――プレッシャーもあると思いますが、ステージに立てる日が楽しみですね。
集貝そうですね。私が梨沙役に決まったときから、事務所の先輩でもある結城晴役の小市眞琴さんから「いっしょにステージに立つ日が楽しみだね」と言っていただいているので、その日が来ると思うとワクワクします。私はこれまでラジオや配信番組でプロデューサーの皆さんからの反応をいただくことはありましたが、まだ直接皆さんにお会いできていないので、本当に楽しみにしています。
――最初に『デレステ』をサービス開始当初からプレイされていると話されていましたが、どういうときに遊ぶことが多いですか？
集貝移動中や家でゴロゴロしているときに遊ぶことが多いですね。ただ、移動中に遊んでいるときは電車を乗り過ごしてしまうことが多いです……。
――それは集中してまわりが見えなくなるということですか？
集貝いや、目的の駅に到着していたのには気付いているのですが、「いま中断するとコンボが途切れてしまう」という感じです（笑）。
――その気持ちすごくわかります（笑）。リズムゲームはお好きなんですか？
集貝私に『シンデレラガールズ』を見せてくれた友人は、お兄ちゃんの影響で始めたのですが、その子の家に遊びに行ったときに、3人でアニメの『アイドルマスター』を見ていたりしていました。そこから765プロにも興味を持ってPSPの『アイドルマスター シャイニーフェスタ』を遊んだりもしましたね。
――では、『デレステ』で好きな楽曲を教えてください。
集貝『絶対特権主張しますっ！』は梨沙役が決まる前からカラオケで歌っていたくらい大好きな曲です。あとはパッション系の元気でアップテンポな曲もお気に入りですね。
――梨沙もパッションなのでぴったりですね。好きなユニットも教えてください。
集貝やっぱり、ニュージェネレーションズは見ていて安心しますね。そのほかにも、アニメが好きなので、凸レーションの曲とかもカラオケで歌っていました。
――では、最後にプロデューサーさんへのメッセージをお願いします。
集貝これから的場梨沙役として活動していく中で、よりたくさんのプロデューサーさんに梨沙のいいところを知ってほしいです。また、これまで応援してくださっていた梨沙Pの方々にも、声が付いたことで新しい一面だったり、これまでの魅力をさらに膨らませてお伝えできるように、私も梨沙といっしょに成長していければと思います。
