注目のダークファンタジーRPGの全貌に迫る!

 スパイク・チュンソフトから2015年2月26日に発売予定のプレイステーション4、Xbox One用ソフト『ウィッチャー3 ワイルドハント』。本作は、ポーランドの人気作家、Andrzej Sapkowski(アンドレイ・サプコウスキ)氏が執筆するシリーズ小説が原作の、ダークファンタジーRPGシリーズの最新作だ。1作目はPC、2作目はXbox 360、PC専用ソフトとして発売され、『1』と『2』合わせて全世界で800万本以上のセールスを記録。360以上のメディアアワードを獲得するなど、海外では非常に知名度と評価の高いシリーズとなる。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_10
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_13
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_12
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_07
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_11
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_09
『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_08

 今回ファミ通.comでは、本作を手掛けるポーランドの開発会社CD Projekt REDから、シニア・ライターのJakub Szamalek(ヤクブ・スザマレク)氏、シニア・QA・アナリストのBartosz Ochman(バルトシュ・オクマン)氏、ビジネスデベロップメントマネージャーのRafal Jaki(ラファール・ヤキ)氏、そしてスパイク・チュンソフトのローカライズプロデューサーである本間 覚氏にお集まりいただき、『ウィッチャー3 ワイルドハント』に込めた熱い想いをうかがった。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_06

<プロフィール> ※写真左から
CD Projekt RED シニア・QA・アナリスト
バルトシュ・オクマン氏(文中はオクマン)

CD Projekt RED ビジネスデベロップメントマネージャー
ラファール・ヤキ氏(文中はヤキ)

CD Projekt REDシニア・ライター
ヤクブ・スザマレク氏(文中はスザマレク)

スパイク・チュンソフト ローカライズプロデューサー
本間 覚氏(文中は本間)

オープンワールドでストーリー重視のRPG

『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_03

――まず、『ウィッチャー3 ワイルドハント』のコンセプトを教えてください。

スザマレク ふたつありまして、ひとつはオープンワールドの中でストーリー重視のRPG。ふたつ目は、『ウィッチャー』三部作の最後の作品として、最高のものを作りたいという強い思いで作っています。

――今回はシリーズ初のオープンワールドということですが、フィールドにはどんな特徴があるのでしようか?

スザマレク 本作のフィールドは、前作と比べると約35倍もの広さになります。ただ広いだけではなく、陰鬱な湿地帯“ヴェレン”、大小さまざまな島々からなる“スケリッジ諸島”、人々がひしめき合う巨大な都市“ノヴィグラド”といった特徴的な3つのエリアが存在します。そういった世界を舞台に、少なくとも100時間は遊べるさまざまなコンテンツを用意しています。

――100時間とはかなりのボリュームですね。

スザマレク メインストーリーが50時間、サイドクエストやミニゲームなどメインストーリーとは関係のないものだけでも50時間分のボリュームがあります。

――ミニゲームにはどのようなものがあるのでしょうか?

ヤキ 私は一部のミニゲームの制作責任者でもあるのですが、本作にはさまざまなミニゲームが用意されています。とくにカードゲームは私が設計を担当しています。カードの種類は大きく分けて4つあり、世界中を旅しながらカードを収集し、集めたカードで実際にデッキを組んでNPCと戦います。単体のゲームとしても遊べるクオリティーになっていますのでご期待ください。

スザマレク このカードゲームのカード用に数百枚ものアートワークを描き上げるほど力を入れて制作していますので、単体のカードゲームとして十分遊んでいただける内容です。ミニゲームにはほかにもボクシングのような拳闘試合、馬やボートを使ったレースなどがあります。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』ゲラルトの人生を自分で作り体験してほしい――開発者インタビュー_02

――なるほど。そもそも『ウィッチャー3 ワイルドハント』が家庭用ゲーム機の新世代機のみに特化した意図を教えてください。

スザマレク 我々が目指して作ろうとしていたものが旧世代機では扱えないボリュームとクオリティーになっていました。我々が考えていたビジョンを実現できるのは新世代機しかないということで、今回は新世代機およびPCのみでの発売になります。

――ハイスペックPCと比べて、プレイステーション4、Xbox Oneのグラフィック、処理スピードなどに差はあるのでしょうか?

ヤキ 調整作業を行っている段階ですので、私たちもまだどのくらい差が出るのかはわかりません。ただし、我々の目標はそれぞれのプラットフォームで最高のものを作ること。たとえば、何十万円もかけて作ったPCは、プレイステーション4やXbox Oneよりもすぐれた能力を持っていると思いますが、PCならPCの中でベストを尽くしますし、プレイステーション4やXbox Oneが持つ固有の機能を活用して、あらゆる面で最高の作品にしたいと考えています。

スザマレク もちろん、ゲーム内容自体はハードに関わらず楽しんでいただける作りにしています。

――日本のユーザーにとくにアピールしたい部分はありますか?

ヤキ メインキャラクターであるゲラルトですね。プレイヤーはゲラルトを通じてさまざまな選択をすることになり、その選択によって変化するゲラルトの生き様をぜひ見ていただきたいなと。また、本作の特徴のひとつが戦術的なバトルシステムです。バトルでは多種多様なモンスターが出現し、さまざまな戦いかたができるという点も日本のユーザーに受け入れられるのではと思っています。

スザマレク 本作では、さまざまな選択肢をゲーム内に用意しています。選択結果の多くが白と黒という単純なものではなく、それぞれに深い意味があるため、選択が困難になるようなデザインを施しています。難しい選択を通じてゲラルトの人生を自分で作り上げ、体験してほしいですね。