スクウェア・エニックスから、2015年12月8日にエピソードごとのダウンロード配信という形態での販売（エピソード完結後にパッケージにまとめた形での販売も視野に入れられている）からスタートするプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『ヒットマン』。※日本での発売は未定。

　2015年8月5日（現地時間）から開催されている欧州最大級のゲームイベントgamescom 2015のスクウェア・エニックスブース（ビジネスエリア）では、E3 2015で公開されたパリのミッションの様子（下の動画参照）が開発を手掛けるIO InteractiveスタジオヘッドのHannes Seifert（ハナス・シーファート）氏（下写真）より詳しく紹介された。

　紹介されたミッションの舞台は、パリのファッションショーが開催されている建物。以前、公開された下の動画がその舞台だ。

　建物のすべての窓やドアから進入することができ、デッドスペースはないとのこと。中庭では、カメラマンとリポーターがいる何かをリポートしている。カメラの前を横切るとキャラクターたち不満そうな様子を見せるなど、本作ではAIにも相当力を入れていることがアピールされた。「何度もカメラの前を横切ると、怒り出してその場からいなくなるので、カメラに爆弾を仕掛けられれば、爆弾付きのカメラを場内に持っていってもうらこともできるなど、自由にアプローチできます」（Hannes Seifert氏）

　サンドボックス型のフィールドは前作『ヒットマン：アブソリューション』のおよそ6倍の広さとのこと。暗殺へのアプローチもさまざまで、ドリンクに毒を仕込むというシリーズお馴染みの方法でも、即死性の高い劇薬のほか、具合を悪くさせる、気を失わせるなど種類がある。ケータリングに使う用具に武器を隠しておけば、室内に運ばれるので後で取ることができたり、クルーメンバーやセキュリティガードになりすまして室内に侵入したり、いろいろな暗殺を試すことができる。

　パリのミッションでの脱出にはヘリコピターやスピードボートが使え、建物沿いの川にはファッションショーを盛り上げる花火を積んだボートが待機している。そのボートに積んだ花火を発火させて、ターゲットの気を引くことも可能とのこと。

　さまざまな進入経路、暗殺方法があり、そうしたいくつものアプローチを自由に楽しめる最新作『ヒットマン』は、シリーズ過去作のよさがすべて詰まった作品になっているのだ。

　以下は、プレゼンの最後に行われたとのQ&Aセッションの内容を紹介。

――配信されるエピソードの数とボリューム、そして配信ペースは？

Hannes　まずゲーム全体のボリュームは、前々作の『ヒットマン：ブラッドマネー』より大きい。いつ配信するかはgamescom後に発表します。追加DLCを含め、配信コンテンツは最初の価格に含まれます。有料DLCはしない予定です。エピソードはパリから始まってイタリアの海岸、モロッコのマラケシュのほか、さまざまなロケーションがあります。オンラインイベントなどは、毎週何かしら用意したいと思っています。

――ターゲットの倒しかたのバリエーションは？

Hannes　シミュレートされた環境なので数を把握するのは難しいです。経験から言えるのは、各レベルで数百種類のやりかたがあるということです。変装せず、誰も殺さず、傷つけず、事故に見えるようにしてターゲットだけを倒すというのが究極のチャレンジです。また、ユーザーリサーチでわかったことですが、武器をおびき寄せるために使い、ターゲットを誘導し、意図した暗殺をすることが皆さんお好きなようです。そういう意味でパリのミッションでは、キャットウォーク頭上のシャンデリアを落として、ターゲットを始末する、というのが派手でオススメです。

――暗殺が失敗した時はどうなるのか？

Hannes　一度、ターゲットを始末し損ねても、ある程度の失敗なら挽回できるのでチャレンジしてほしいですね。今回のデモなら、モデルたちが衣装を変えているバックスペースで火災アラームを鳴らしてしまうと、ガードが来て全員を部屋から出して避難させます。、安全が確認された後　元の状態に戻りますが、ターゲットへ別室に避難してしまいます。状況は変わってしまいますが、その別室にガスをしかける、爆破するなどができればターゲットを始末することができます。ただ、あまり目立つことをすれば完全に避難されてしまい、ミッション・オーバー。テストプレイの段階では、何時間もかけて状況を回復したケースもありました。シミュレートされた環境では、状況は変化し続けていのです。モデルを殺してしまうとショーは終わってしまいますが、プレイは続けられます。ゲーム内の決まりに従っていればなんでもできるのです。

――これから公開される映画『Hitman: Agent 47』（配給：20世紀フォックス）から影響を受けた部分はありますか？

Hannes　我々は映画が公開されることをとても喜んでいます。関連商品マーチャンダイズも増えるのでハッピーですし（笑）。映画はゲームに刺激されて企画されたもので、マテリアル、コンセプト、アイディアを提供しました。ですが、映画とゲームは別のものです。我々はゲームを作り、それを出来るだけいいものにしたい。映画プロデューサーは出来るだけいい映画を作りたい。それぞれに独立していて、ストーリーなどゲームとの関連はありません。ただ、『ヒットマン』のファンがどういう感想を抱くか興味深いところです。映画によって、ゲームの『ヒットマン』をプレイしたいと思う人が増えるといいと期待しています。

――テクノロジーの進歩はどんな要素に反映していますか？

Hannes　ライティングやモデル、ディテール、マテリアルなどはわかりやすい例です。ファッションショーでの布の表現はとてもうまくいったと思っていますので、ぜひ注目してもらいたいですね。ただ、今世代の『ヒットマン』でもっとも進歩したのはAIだと思います。ひとつのステージに300人のシミュレートが可能で（前作『ヒットマン：アブソリューション』では60人）、それ以外に1000人の群衆シミュレーションもできます。多数の登場人物がつねに意図した何かをやっています。これは前の世代ではできなかったことです。