『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』は充実したサイドストーリーにより新たな発見が体験できる作りに【E3 2016】

公開日時:2016-06-17 03:20:00

 2016年6月14日~16日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大のゲーム見本市“E3 2016”のスクウェア・エニックスブースでは、海外ではいよいよ8月23日に発売(日本での発売日は未定)を迎える『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』が大々的に出展。そんな『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』のエグゼクティブ・ナラティブ・ディレクターのMary DeMarle氏に合同インタビューする機会を得たので、その内容をここで紹介しよう。

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▲エグゼクティブ・ナラティブ・ディレクターのMary Demarle氏。

――では、まず改めて『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』についてご説明いただけますでしょうか。

Mary:
はい。『デウスエクス』シリーズは、プレイヤーの行動、たとえばコンバットをメインで進めるかステルスをメインで進めるかによってゲームプレイが変化し、物語も変化していく作品です。そんな本シリーズの最新作である『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』ではコンバット、ステルス、ハッキング、ソーシャルという4つを柱としています。

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Mary:
物語の舞台は2029年という近未来。“オーグメンテーション”と呼ばれる人体の機械化技術により、人類は機械化された人間と、そうでない人間に分断され、対立しています。その対立のキッカケを作ったのはイルミナティという人類の進化をコントロールしようとする陰謀を企てている組織です。プレイヤーは主人公のアダム・ジェンセンとなって、その巨大な陰謀を暴いていくことになります。

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――物語の分岐は多岐にわたるのですか?

Mary:
メインとなるミッションがあって、会話の選択肢やどのサイドミッションをこなしたかで物語が膨らんでいき、本作の世界を深く楽しめる内容になっています。たとえば、ある人物と出会い、会話の中で選んだ選択によっては、その人物の登場はその時の一度きりということもあれば、後に再び登場しジェンセンに介入してくる、といったこともあります。そうした変化以外に、本来なら敵がいる場所に敵がいなくなる、といった変化もあったりします。いろいろな選択・行動がゲームに影響を与えるんです。そういった選択は明らかに重要な選択というのがわかるものもあれば、何気ない会話の選択で変化していくこともあります。また、本作はメインストーリーだけ進めてもいいですし、サイドミッションを進めれば、新たなサイドミッションが出現したりと、本作の世界や物語がより深く楽しめる内容になっているんです。

――メインストーリーはひとつになるんですか? 結末が変化したりといったことは?

Mary:
物語の大筋はひとつですが、それをどう体験するかは、プレイヤーの選択・行動によって変わってくるんです。

――全部の要素を見るためにくり返しプレイするプレイヤーもいると思うのですが、くり返しプレイに助けになる要素などあれば。

Mary:
New Game Plusモード(いわゆる強くてニューゲーム)はありますが、この選択肢を選べばどんな展開が待っているか、といったものは入っていません。

――前作をプレイしていなくても楽しめるようになっているのでしょうか? また、逆に前作をプレイした人がニヤリとできる要素などあれば教えてください。

Mary:
シリーズを未プレイの方に知っていただきたい要素に関しては、ゲーム内で説明がありますので、本作からプレイされる方でも問題なく楽しんでいただけます。加えて、前作の内容を凝縮した映像も収録しており、その映像はメインメニューからいつでも見られるようになっていますので、本作に至る経緯をより手軽に知りたい、おさらいしたい方はご覧いただければと思います。また、本作では探索を通して前作の背景をより詳しく知ることができるようになっています。シリーズをプレイしている方は、見覚えのある人物や要素も登場しますので、ニヤリとできると思います。

――今回のE3でお披露目された“ブリーチモード”は、物語に何か関係があったり、ブリーチモードをプレイすることで物語に変化が生じたりするのでしょうか?

Mary:
ブリーチモードは、『デウスエクス』のゲームプレイの部分を切り取り、手軽に楽しめるアーケードスタイルに作り替えられたモードになっていて、本編の物語に影響することはありません。ですが、ブリーチモードはある企業のコンピューターサーバをハッキングする、という設定になっていて、その企業は本編ではジェンセンが訪れることになる、という設定上の関連はあります。加えて、ブリーチモードでハッキングして明かされる情報は、本編では語られない秘密も含まれています。

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――本作は、描きたい物語に合わせてゲームシステムを構築していったのでしょうか。それとも体験させたいゲームシステムがあって、それに合わせて物語を構築していったのでしょうか。

Mary:
作業としては、最初にプロットを書き上げ、その中で「ここでこういった選択をしたら、どうなるんだろう?」というアイデアが出たとき、選択肢を増やして物語を膨らませていく、というやりかたでした。ですので、ゲームシステムに適用できる物語を書くというより、物語メインで開発は進められました。ただ、選択肢を増やして物語を膨らませることで、前後で矛盾が生じないようチェックするのはたいへんでした(笑)。チームのみんなとその情報を共有するため、エクセルファイルを作って管理しました。

――では、最後に本作の物語のどこにフォーカスしたか、見どころをを教えていただければ。

Mary:
メインストーリーはもちろんですが、サイドストーリーを通じて、本作の世界観を楽しんでもらいたいですね。全体的にはシリアスなストーリーにはなっていますが、サイドストーリーでは登場人物にひと癖あったりと、コミックリリーフ的な要素もあります。また、ゲームプレイでもおもしろい敵の倒しかたを模索すると、いろいろな発見もあると思います。ぜひ隅々まで探索して楽しんでください。

■『GO』シリーズに『デウスエクス』も仲間入り

 Mary Demarle氏へのインタビュー後、『HITMAN GO』、『LARA CROFT GO』など、パズルゲーム『GO』シリーズの新作『Deus Ex GO』についてゲームデザイナーのEtienne Giroux氏とブランド・マネージャーのGenevieve St-Onge氏から説明があったので、そちらも紹介しよう。

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▲ゲームデザイナーのEtienne Giroux氏(右)とブランド・マネージャーのGenevieve St-Onge氏(左)。

 『Deus Ex GO』のルールは過去の『GO』シリーズ作品と同様、毎ターン自分と敵が1マスずつ進むターン制のパズル。アダムが敵と正面で相対してしまうとゲームオーバーになるため、攻撃が可能な敵の背後や横に位置付けるように移動をさせる必要がある。敵の視界に入ると発見されて追いかけられるので、視界に入らないよう、背後から敵に近づくことができるかがポイント。ただ、必ずしも敵を倒す必要はなく、敵を誘導してその隙にゴールへ向かうというクリアー方法もあり。

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 ルートに落ちているエネルギーを拾うと、オーグメンテーションの能力を使うことができ、たとえば透明になって敵をやり過ごして進んだり、敵を倒したりといったことができるという。

 ルートに設定されたタレットをハッキングでき、敵を倒すように仕向けることも可能。ハッキングはひとつのマップにひとつのものしかハッキングできないので、何にハッキングするか考える必要がある。

 これまでの『GO』シリーズでは、ユーザーからもっとパズルが欲しいという声が多かったという。それを受けて、『Deus Ex GO』では定期的にパズルを増やしていくという。さらに、ユーザーが作ったパズルをほかのプレイヤーが遊ぶことができる要素もアップデートで追加とのことだ。

 海外でのリリースは今夏を予定している。

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デウスエクス マンカインド・ディバイデッド - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:デウスエクス マンカインド・ディバイデッド
対応機種:プレイステーション4、Xbox One、WindowsPC
発売日:未定
価格:未定

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