人見知りだけど『オーバーウォッチ』イベントで友だちを作りたい

公開日時:2017-04-26 19:00:00

 少し前に編集部の後輩、工藤エイムが「PC版『オーバーウォッチ』プレイヤーの友だちがほしい」とtweetしていた。

 「友だちがほしい」と全世界に発信するなんて切なすぎるだろ。何とかしなければ。僕の心に住まうお節介おじさんが鎌首をもたげた。

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 2017年4月24日、スクウェア・エニックス運営のカフェ“STORIA”で開催された『オーバーウォッチ』イベントに工藤エイムを連れていきました。
 

★★★イベント会場で友だちはできるのか★★★

 手っ取り早くゲーム友だちを作るなら小規模なオフラインイベントがベストだと言われている。さも当然のように書いたが、僕がそう思っているだけだ。とくに情報ソースはない。

 会場内を動き回る大きなイベントとは違い、お店でやるような小規模イベントは席につくことが多いので、近くの参加者と話しやすい。ゲームという共通の話題もあるし。

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 偉そうに分析しているものの、僕自身はこの方法でゲーム友だちを作ったことがない。机上の空論である。

 工藤エイムに友だちができれば、僕の主張が正しかったと証明される。僕が正しいかどうか、すべてきみにかかっているぞ。

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▲先輩の期待なんてつゆ知らず、何をオーダーするか悩む工藤エイム。

 STORIAでの『オーバーウォッチ』(PS4版)イベントは今回で3回目。工藤エイムはPC版メインのプレイヤーだが、PS4版も遊んでいるので、たぶん大丈夫。

 イベントはトークショーが中心だ。スクウェア・エニックスの西尾勇輝氏がローカライズ裏話を語り、プロゲーミングチーム・DeToNatorのYamatoNくんがプレイのコツをレクチャーする。

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▲『オーバーウォッチ』ローカライズディレクターの西尾氏(左)とMCのせんとすさん(右)。

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▲DeToNatorのYamatoNくん。もともとPC版の選手で国際大会への出場経験もあり。いまは配信を通してゲームを魅力を伝えるストリーマーとして活動中。

【個人的におもしろかった話題】

◆YamatoNくんのマーシー練習方法
 マーシーは一定範囲内の味方を復活させるスキルを持っていて、スキルが届くかどうかの見極めが重要。射程ぎりぎりの状態のスクリーンショットを撮ってスマホに入れ、暇なときに眺めていたという。
 もはや狂気である。来場者もやや引いてた。

◆海外声優のいたずら
 英語版声優の中にはTwitchで『オーバーウォッチ』プレイの様子を配信している人もいる。マクリー役の人がボイスチャットしながらプレイすると、みんな混乱するそうだ。
 「えっ、いまマクリーの声が聞こえた!? 誰もマクリー使ってないよね!?」みたいに。
 

★★★フリータイムで人見知りが猛威を振るう★★★

 トークコーナーを終え、イベントはフリータイムへ。お店に設置されたPS4で『オーバーウォッチ』をプレイしたり、ほかの参加者と雑談をしたり。工藤エイムは参加者の輪に入れるだろうか。

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▲その顔は何だ。

 結論から言うと、入れなかったのだ。

 イベント前は「お客さんと雑談する写真が撮れたら記事的にはオーケーですよね」とやる気だったが、会場に入ったら口数が減った。そう、工藤エイムはめちゃくちゃ人見知りだったのである。

 彼女の名誉のために補足しておくと、友だちが全然いないわけではない(と言っていた)。ゲーム友だちがたくさんほしくてイベントに参加してみたが、思った以上に精神の殻が堅かった。

 本人としてもイベント会場なら少しは話しかけたりできるだろうと楽観視していたようだ。自分の人見知りの根の深さに愕然としていた。

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▲ぬいぐるみがもらえるじゃんけん大会に参加。負ける。

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▲「女の子もいるし、話しかけてみたら?」と促しても「いやぁ……」と受け流す。

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▲「ゲームやったら輪に入れるかな」と様子をうかがう。

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▲「親にこういう風に育てられましたから……」。とうとう教育のせいにしだした。

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▲メニューを熟読し始めた。それ自分の殻にこもる人が間をつなぐためにやるやつ!

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▲「ぼっちです!」とtweetする工藤エイム。

 右往左往する様子を見ているぶんにはおもしろい。だけど、記事を書く身としては困る。

 ここで、「勇気を振り絞って話しかけた」→「友だちができた」→「イベントに行くと楽しいよ!」と書くのは簡単だが、うそはよくない。リアルの様子を伝えることに意味がある。

 仕方ないので裏技を使うことにした。出演者のYamatoNくんは僕と仲よくしてくれる。彼をきっかけに、ほかの参加者に話しかけようという作戦だ。

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▲たすけてYamatoN先生。

 これは何とか実を結んだ。YamatoNくんに友だちを作るコツを聞いたら「名刺交換したらいいんじゃないですか?」と、アドバイスをもらった。

 その手があった。来場者には自分のPSN IDなどを書き込むカードが何枚か渡されていたのだ。

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▲これ。

 名刺交換は話しかけるきっかけになり、相手のIDや名前がわかれば帰宅後にフレンド登録もできる。オフラインイベントでよく使われる手法だ。イベントに不慣れな工藤エイムは名刺交換に思い至らなかった様子。

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▲工藤エイム、ユーザーと初めての名刺交換。うぉー!(スタンディングオベーション)

 当初の目標をぎりぎり達成できた。うまくいかなかったら「ファミ通.comの者なんですけど、うちの後輩と友だちになってもらえません?」と力技を使う予定だった。

 ほかの人とのコミュニケーションがなくても一定水準まで楽しめるトークショーと、話しかけるきっかけになる名刺交換。このふたつの組み合わせは、人見知りにとって鉄板の組み合わせだ。

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 工藤エイムは「すでに輪ができているように感じて、なかなか割って入れない」と言っていた。この手のイベントは回を重ねるごとに内輪感が強まる傾向にある。それはそれで楽しいのだが、一見さんが参加しにくいのも事実だと思う。

 ソロ参加者が増えれば常連さんにもメリットがある。主催者に利益が出ればイベントが継続するからだ。常連さんがソロ参加者を大事にしたくなる仕掛けがあったらいいのではないか。

 たとえば、僕がよく行くデイリーポータルZというサイトのイベントでは、“おひとりさまシール”を配ることがある。そのシールを貼っていると関係者が話しかけに来てくれるのだ。すてきなアイデア。

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 イベント後、工藤エイムは「こういう場に行こうと思ったことはひとつの成長。つぎはもっと成長したい」と言っていた。自己啓発みたいなことを言いだして少々心配ではあるが、イベント自体は楽しかった様子。

 彼女みたいな人って多いと思う。できればゲーム友だちがほしくて、オフラインイベントにも興味はあるけど、なかなか人に話しかけられない人。僕はそういう人を応援したい。

 工藤エイムが殻を突き破れるかどうかは、オフラインイベントの参加しやすさの指標になるのではないか。彼女みたいな人が心の底から楽しめたら、そのイベントは大成功と言えるだろう。

 そんなイベントが開催される日まで、工藤エイムは名刺を渡す素振りをしておくように。

STORIA公式サイト

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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