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いよいよ明日発売!! クリエイティブ・ディレクター ジェイソン氏×『鉄拳』原田氏による対談インタビュー完全版

公開日時:2017-02-15 12:30:00

 『フォーオナー』には、対戦格闘ゲームのエッセンスが取り入れられている――本作のクリエイティブ・ディレクターが語ってくれた言葉だ。発売を間近に控えるなか、本作のクリエイティブ・ディレクターであるジェイソン・ヴァンデンバーグ氏が来日。この機会に、バンダイナムコエンターテインメントで『鉄拳』シリーズのプロジェクトリーダーであり、自身も最新作となる『鉄拳7』の発売を6月1日に控える原田勝弘氏との対談を実施した。ゲームという同じフィールドで作品を積み重ねてきたふたりだからこそ話せる、いやふたりでなければ話せない濃厚な対談を、ぜひ読んでいただきたい。

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▲ユービーアイソフト モントリオールスタジオ
フォーオナー』クリエイティブ・ディレクター
ジェイソン・ヴァンデンバーグ(左)
(文中はジェイソン)

バンダイナムコエンターテインメント
鉄拳プロジェクトディレクター
原田勝弘(右)
(文中は原田)

――原田さんには対談前に『フォーオナー』をプレイしていただきましたが、率直な感想をお聞かせください。

原田 ストーリーモードをまずプレイさせていただいたのですが、想像していたのは、たくさんのキャラクターがもみくちゃになって、そこでチャンバラをするゲームなのかと。でも、思った以上に戦場の緊張感を楽しめました。相手がどう構えてどこを斬ろうとしてるのかが見えますし、ただ攻撃ボタンを連打するのではなく、自分がどうすればいいのかを考えさせられる瞬間が幾度もある。これがファーストインプレッションです。

ジェイソン とてもうれしい。なぜなら、偉大な戦士が戦場で斬り合うなか、互いの目をしっかりと見据えて、「さあ、決着をつけてやる」という緊張する瞬間をゲームで表現したかったからです。そこがもっとも力を入れてきた核心の部分です。その瞬間をただドラマチックに描くだけでなく、「相手がどう出るか、見極めないといけない。かなり危険な相手だから、一瞬も目を離せない」という感情をプレイヤーに抱かせることが目的でした。

原田 私の勝手なイメージなのですが、80年代から欧米のPCゲームをたくさん遊んできたなかで、日本と比べて欧米のゲームは、ビジュアルの演出や、視覚から来るイメージで臨場感を出す作品が多いと思うんです。『フォーオナー』は、敵の構えている場所をインジケーターでプレイヤーに見せる……演出をジャマするかもしれないシステムをしっかり見せることで、逆に緊張感を出すことに成功しているのは驚きだし、すごくいいシステムだなと思いました。

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ジェイソン 『フォーオナー』では、戦場での戦いを自然な形で表現したかった。当初から、プレイヤーがつねに何が起きているのかを確実にわかるようにしたいと考えていました。プレイヤーが戦う準備をするには、それは不可欠です。インジケーターを表示することは難しくありませんし、むしろプレイヤーには余計な情報処理をしてほしくなかった。プレイヤーは敵が何を企んでいるかを見極めることに専念して、作戦を思い付くようにしたかったんです。敵に対する感情こそ、戦いで沸き起こるものだと思います。画面から伝わる情報がプレイヤーを混乱させてしまったら、そんな感情も失われてしまう。だからこそ、このゲームではインジケーターを表示するのがベストだと思いました。

原田 何が起きているのかが、構えを見えていることでわかりやすくなっていることに驚いたんです。対戦格闘ゲームの場合、横から画面を見ているので距離感が掴みやすい。そこが1対1の対戦に向いていると思うのですが、『フォーオナー』は三人称視点なので、より距離のファクターは重要ですよね。ガードを解いて走って逃げたり、近づいてきたらガードを固めたりと、距離に合わせて戦略を変える必要があるということを、ゲームをプレイしながら自然に学べる。これは作りかたがうまいと感心させられました。

ジェイソン 長い時間をかけましたから(笑)。2Dの対戦格闘ゲームは距離感はつかみやすくて、至近距離で戦う設定になっていますから、数センチの距離が重要となりますよね。私たちは、その距離感を立体的に捕えなければならないと考えました。このゲームの舞台は戦場だからです。解決策として、それぞれの攻撃範囲を少し広げました。もし『フォーオナー』を横から見たら、その距離の違いを実感できるはずです。カメラを通して、「いま、射程距離内に入っている」とか「まだ少し距離がある」と実感しやすくしました。人間はつねにお互いの距離を頭の中で自然に測定していますよね。「あ、近づいてきたな」と思う。私たちはそういう感情をゲームの中で再現したかった。おっしゃる通り、3Dカメラでは難しかったのですが、その方法を見出せたと考えています。

原田 もうひとつ、「うまいことやっているな」と思った点が、敵の軍勢に一撃で倒せるモブキャラクターを混ぜている部分です。戦場の雰囲気にも貢献していますが、自分がもし戦(いくさ)に行ったとき……もちろん行ったことはありませんよ(笑)。そんな軍勢の中で斬り合っているときに、金棒を持っている危険そうな敵が迫ってきたら、「こいつを何とかしなければ」と緊張しますよね。「この敵は倒さなきゃ!」と思わせる流れが自然で、本当の戦場だったらそうなんだろうなと想像させられるほどリアルでした。ロックオンすべき敵とそうではない敵を切り分けられるシステムが、モブによって引き立っていると感じました。

ジェイソン クール!(笑)。"自分も相手も偉大な戦士で、いまから対決する"という設定はすばらしいファンタジーだと思うのですが、『フォーオナー』の舞台は戦場なので、ほかのキャラクターも取り入れることにしました。ほかの戦士たちも同じ戦場に存在させることで、プレイヤーの欲求をさらに刺激できるからです。最後に大物が登場することで、プレイヤーに自分がエリートで、かっこいい存在であるかを感じさせることができます。戦場で敵を倒していくうちに、自分たちはほかの戦士より上の存在だと実感し、強敵どうしの対決が始まる。これこそ、本作における戦闘の核心です。最初から1対1や2対2で対決するモードがありますが、それはどちらかというと対戦格闘ゲームに近い感じで遊べるのではないでしょうか。本作は、いわば中世の“特殊部隊”が登場する世界、プレイヤーはレンジャー部隊の一員になったような感覚で遊んでほしいですね。

原田 対人戦の前にBOTのキャラクターで遊んだのですが、わりと手応えがありました。フェイントもかけるし、簡単に斬られてくれない。ガードもする、逃げもする。ひとりでプレイするのがすごく楽しかったのは、意外でした。あのCPUはよくできている。

ジェイソン そういってもらえてうれしい! それこそ、我々がもっとも苦労した部分の核心を突いています。私たちがどのような難題に直面し、それを解決してきたか、なかなか理解してもらえないので……(笑)。BOTに関しては、さまざまな実験を試みながら、どうすればうまくいくのかを考えてきました。一方向からの攻撃しかない単純なBOTでは簡単に勝てるので、プレイヤーはあまり楽しめません。そこでプレイヤーが「BOTに見張られている」、「BOTが何かを企んでいる」と思わせるように難度を上げていったところ、プレイヤーはゲームに没頭し、脅威を感じたり、ボットの行動を推測する必要性が出てきました。動きを人間と同じように推測しなければならないBOTの存在がなければ、本作のおもしろさは半減するでしょう。本作が単に斬りつけるだけのゲームなら、プレイヤーは5分で飽きてしまいます。本気で挑戦してくるキャラクターが必要だった。シングルプレイモードのAIを設計される際にも、きっと同じような問題に直面されているのではないですか? 愚かなファイターを作ってはいけないですから。

“読み合いを成立させる”バトルシステム

――以前に、本作には対戦格闘ゲームの"読み合い"という要素を取り込んだと伺ったのですが、原田さんは感じられました? 

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原田 最初はアニメーションで読み合いを見せると思っていたんですよ。でも、三人称視点では難しいよ、演出的にエフェクトで表現するのか……などと考えていたのですが、ひとり目の敵に会って3回くらい斬り合ったところで、フェイントのタイミングなどをインジケーターで表示することで「読み合いを成立させている」と驚きました。

ジェイソン 対戦格闘ゲームの裏には信じられないような理論があることは、原田さんにあえて説明する必要もありませんよね(笑)。読み合いにおける予測の理論などは理解していたので、最初から相手の思考を読むというルールを取り入れるつもりでした。先ほど話したように、側面から平面的に撮影する2Dカメラではファイターの情報を完璧に伝えられます。プレイヤーと敵が持っている情報は同じなので、公平です。しかし、『フォーオナー』のカメラから得られる情報は、公平ではありません。公平なゲームだと感じてもらえるようにしたかったので、何としても情報を補完する必要がありました。そのためにインジケーターを設置したのです。格闘というテーマのゲームでは、そうする必要があると考え、システムを構築してきました。


原田 対戦格闘ゲームでは、ガードは攻撃を覚えた次のステップになっていて、ガード行為自体を「おもしろいんだ!」と推す要素ではありませんよね。ただ『フォーオナー』では、ガードすること自体がすごい、ガードという行為がおもしろくて気持ちいいと、プレイヤーに思わせてくれる。ふつうのアクションゲームでは、攻撃でそう感じるものですが。そこはおもしろいなと。

ジェイソン 拳をぶつけ合う戦いと、武器を使う戦いの相違点でしょう。武器を持った戦いでは、自分と相手のあいだに金属でできた隔たりがあります。だから、武器を持って戦うときは、ブロックが重要なんです。拳での殴り合いでは相手との距離が近く、ブロックさせないというより、とにかく素早い動きで攻撃するという動作が中心になります。剣と盾を持っていれば、敵はその合間を縫って相手のガードを打ち破って攻撃しなければなりません。そんなスタイルの違いをゲームに反映させることは難しかった。初期のバージョンは永遠に剣をぶつけ合うだけで、こう着状態になりがちで……。相手の隙を見出す方法を、スタミナシステムなどで構築しました。

原田 そういうところまでわかって作っているんですね。感覚的な部分とリアリティーと、その双方のバランスをを大切にしていることが伝わってきました。1対1で非常に動きのいい敵にやられたとき、「何だと!!」となっちゃったんです(笑)。わりとFPSはそれなりにクールにプレイできるのですが、「自分の戦略がうまくいかなかった」と思ってカッとなる感覚は、フィジカルな対戦格闘に似ていると思いました。

ジェイソン ユービーアイソフト・モントリオールは巨大なスタジオで、スタッフの数もすごいのですが、その中でも私たちのチームが苦情が出るほど騒がしいんです(笑)。昨年、PAXでプロゲーマーたちにゲームを遊んでもらったら、4分後には全員が叫んでいました。「うおおお!」という彼らの絶叫を聞きながら、「これこそ戦場の叫びだ」、「ウォリアーの歓喜の声だ」と思いました(笑)。あなたの言う通り、内側から湧き出る感情が楽しいんです。そのためのゲームで束の間、魂を解放させてくれるんですよ。

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原田 対談前にジェイソンさんと対戦していたら、たぶん仲良く話せていないでしょうね。「作っているほうが強いのはあたりまえ!」とか言って空気が悪くなっていたかも(笑)。それぐらいカッとなれるゲーム性です。

ジェイソン お互いが開発したゲームで勝負するのはタブーですね(笑)。ただ、確信を持って言えるのは、もし私とあなたが剣を交わしたら、相手のことがより分かるようになるでしょう。戦いでは嘘がつけません。それが戦士なんです。だから、いつか勝負しましょう。練習しておいてください(笑)。

――3つの勢力が覇権を懸けて戦うという本作の世界観はどう思われますか?

原田 西洋東洋関係なく、いろいろなクリエイターがこのアイデアを持っていたとは思うんです。でも、それを実現できる人はいなかった。本作を知ったとき、違和感はなくて、「やっぱり考えていた人はいるんだ。でも、どうするんだろう」とは思いましたね。

ジェイソン もともと、単に武器を持った戦いをメインに作りたいという願望があったんです。そこから世界観やキャラクターを話しあったのですが、ナイトがいいという人もいれば、侍だ、ヴァイキングだと、まるで子どもが校庭で話し合っているみたいで(笑)。そこで私は皆に「ナイトもヴァイキングも侍も、全員登場させるんだ」と提案したんです。そのときの皆の困惑した顔を覚えています。でも、私には「絶対にうまくいくはずだ」とわかっていました。同じような発想を持った開発者はたくさんいたと思いますが、実際に実現した人はいませんでした。ならば絶対にやるべきだ、と。ただ、少なくとも理にかなう世界を創造しなければならない。たとえファンタジーであっても、史実にある戦士であることを認識してもらいたかったのです。そのために、それぞれ文化が違う戦士たちをひとつの場所に登場させられる世界を創る必要がありました。結果、おもしろいストーリーが出来たと思います。

大切なのは、“本当に戦っている気持ちにさせること”

――アクションゲームを作るうえでもっとも大事にしている部分はありますか?

原田 多くの人が、対戦格闘は操作が難しくて駆け引きの多い緻密なゲームというイメージを持っているので、「駆け引きが重要ですよね」と言われますが、じつは「作る」という視点で見た場合、優先順位では“いちばん”はそこではなくて。殴るだけでも気持ちがいいか、殴られたときに痛み、重みを感じるのか。そのプレイフィールを大事にしているんです。

ジェイソン それは私たちも同じです。もっとも重要なのは、コントローラやキーボードなどのデバイスを通して、プレイヤーが本当に戦っている気持ちにさせること。そのためにアニメーションを使って衝撃を表現したり、カメラの操作や特殊効果など、あらゆる技術を駆使しなければなりません。このような工夫によって、本当に殴っているような感じを出すのです。そこに時間とエネルギーを費やしました。プレイヤーと画面上のキャラクターとのあいだに隔たりのない臨場感を与えるためです。ただ、このゲームの開発を通して、驚いたことがありました。直感的なゲームを開発していると壁にぶつかりますよね。そこで新しいシステムを追加する。でも、プレイヤーがずっと相手の動向を追跡したり、過剰な思考を求められる仕様にすると、すべてが台無しになってしまうことがあるんです。何が起きたのかを考えて、機能の一部分を取り除いたらワクワク感が戻って来た。ここで学んだのは、コントローラとキャラクターのつながりをしっかり持たせること、解析的な思考を完全に排除することでした。ユーザーが理解して使いこなせるメカニックを使わなければなりません。複雑過ぎると、すべてが水の泡になるとわかりました。

原田 わかります。削ぐことでよくなることはありますよね。

ジェイソン 不思議ですよね。理論的には間違っていないはずなのに、ゲームに取り入れると期待外れだったり。原因を調べて改善し、また前に進むのがゲーム作りなんでしょうね。

フォーオナー』は実際に触ってもらえればおもしろいことがわかる

――原田さんはプレイステーション VRで作品を作られて、ジェイソンさんは新規IPを作ったわけですが、やっぱり新しいものを始めるときはワクワクするんですか?

原田 VRの場合は、最初に「これは絶対におもしろいことができる。こういうものが作りたい」という思いが同時に生まれたんです。私の話ですが、「自分の頭に描いているものは、きっとみんなも楽しんでくれるに違いない!」と感情が先走って(笑)。周囲を巻き込むことにスタミナを使いましたね。新しいことを始めるとき、ふだんは恐れのほうが大きいのですが、テクノロジーとアイデアが同時に来たときは恐れはまったくなくて。周囲から「言っていることがよくわからない」と言われても、「絶対にやろう!」と周囲を巻き込んで、前に進んでいきました。

ジェイソン すばらしい。私は本作に関して、最初からマルチプレイヤー型のゲームにすると決めていました。ただ、「本当にみんながこの楽しさをわかってくれるだろうか」という心配はありましたね。そもそも浸透していないプレイスタイルが受け入れられるのか、懐疑的な人はいました。最初から大規模なテストを実施し、実際にプレイした人から「おもしろい」という声を聞けたのはよかった。いまは不安はありませんが、あとは発売を待つだけの状況に置かれていますから、日本に来ました(笑)。絶対におもしろいゲームと確信していますが、後は「うまくいきますように」とひたすら願いながら待つだけですね。

原田 プロモーションが難しそうなゲームではありますよね。実際に触ってもらえればおもしろいことがわかると思うのですが。

ジェイソン 最善の方法は実際にプレイしてもらうことです。プレイしてみたら、瞬時に「なるほど! 刀の格闘ゲームだな」とわかってもらえる。でも、それを言葉で説明しようとすればするほど、複雑になってしまいます。ある記者がこのゲームを"刀を持った銃撃ゲーム"と表現して、なかなかいいなと思いました。でも、どんな言葉よりも実際にプレイしてもらうことに勝るものはありません。新しいゲームが好きなゲーマー、こういうゲームを熟知しているゲーマーが本作を遊んで「かなりおもしろいよ」と口コミで広げていってくれたらうれしいですね。

原田 最初は誤解していて、「フィジカルコンバットができる『バトルフィールド』みたいなものかな」と思っていたんですよ。でも、明確に違った。『バトルフィールド』で戦車が出てきたら、歩兵はいっせいに隠れるわけですよ。でも、本作でたとえば強い敵が出てきたときに逃げ隠れしていたら勝てないので、どうにかして倒さなければいけない。FPSは隠れて撃つゲームだとしたら、そうではなくて戦わないといけないゲームで、その緊張感と臨場感はすごいと説明しますね。

ジェイソン このゲームでは、あえて危険な相手にみずから近づいて向かって行かなければなりませんから。だからこそ、戦場では群れを作りたくなるんですね。

原田 どうしてもお願いしたいことがあって。侍でプレイしたのですが、どのキャラクターも服装や武器など、しっかり文化が反映されていて素晴らしいと思うのですが、侍が敵に背を向けて逃げたり、背後から斬りつけられることに、日本人として罪悪感がどうしてもあるんですね(笑)。そこで、ぜひ侍らしからぬ行動を取ったら、"卑怯者"とか何かしらのレッテルが貼られるようなシステムを導入してほしいです(笑)。

ジェイソン 原田さんにひとつおしらせしましょう。複数のプレイヤーで対戦する場合は、敵を倒したときに獲得できるポイントが、どういう方法で倒したかによって変わるんです。1対1で倒したほうが、2対1のときよりもポイントが高くなります。背後から斬るとポイントが低くなるなど、戦いかたも採点に取り入れられるようになっています。罰を受けるわけではないので、自分の好きな戦いが楽しめますが、もっとも評価が高いのは、名誉にふさわしい戦いかたです。“名誉のための戦い(フォーオナー)”ですから。ちゃんとゲームに取り入れています。ただ、スコアに違いがあることに気付くまでに、少し時間はかかると思います。相手を倒していくうちに、だんだんわかってくる。アルファテストでは集団で攻撃される場面が多すぎて、多くのプレイヤーから不満の声が上がった。そこで、プレイヤーが群れから離れ、できるだけ1対1で勝負するようにしたんです。

原田 それはすばらしい! 

ジェイソン そうでしょう(笑)。

――せっかくの機会なのでお聞きしたいのですが、予算も時間も制限なく使っていいと言われたら、どんなゲームを作りたいですか?

原田 ひとつ言えるのは、どんなゲームであれ、いつまでも完成しないでしょうね(笑)。変わっているかもしれませんが、オープンワールドどころか、アメリカや日本のようなひとつの国を構築して、『北斗の拳』や『ウォーキング・デッド』のような世界にします。そこにあるビルの屋上で籠城している主人公がいて、24時間双眼鏡で監視しながら怪しいヤツを撃つ、ただ生き残るだけに特化した変態的な(売れないような)ゲームを作りたいです(笑)。

ジェイソン それはプレイしてみたい(笑)。『フォーオナー』のアイデアを思い付いたのは15年前で、開発までにかなりの時間を要しましたが、必要なものが整えられたことで、あとはどのようなゲームを作るかだけに集中できました。ある意味、私にとってはこのゲームが好きなように作ったゲームだと言えます。より大規模で、より完璧なゲームにしていく方法はいくらでもあるので、チームを組んでやらせてもらえるなら、まずは長い刀を持つキャラクターを作って戦わせたい。いくらでもアイデアは出てきますから、質問の答えは「『フォーオナー』のよりスケールが大きなバージョン」でしょうね。

原田 それもおそらくなかなか出ないでしょうね(笑)。やっぱり制限がないと、アイデアは出てきませんよ。

ジェイソン 「その辺でやめなさい」と言ってくれる人は必要ですね(笑)。

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●GAME SPEC

タイトル:フォーオナー
ハード:プレイステーション4、Xbox One、PC
メーカー:ユービーアイソフト
発売日:2017年2月16日発売予定
価格:各8400円[税抜](各9072円[税込])
ジャンル:アクション
CERO:審査予定
備考:ダウンロード版は各7500円[税抜](各8100円[税込])、PCはダウンロード版のみ発売

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