スクウェア・エニックスから発売中のプレイステーション5用ソフト『ファイナルファンタジーVII リバース』のオリジナル・サウンドトラック『FINAL FANTASY VII REBIRTH Original Soundtrack』が2024年4月10日(水)に発売される。CD7枚組で価格は7480円[税込]。

 初回生産限定の『FINAL FANTASY VII REBIRTH Original Soundtrack ~Special edit version~』にはミニゲームなどのBGMを集めたボーナストラックCD1枚が付属し、価格は8800円[税込]。

 本稿ではこのオリジナル・サウンドトラックの発売を記念して、『FFVII リバース』のCo-Directorを務めた鳥山求氏、Music Supervisorの河盛慶次氏、そしておもに新規楽曲を作曲したComposerの鈴木光人氏へのインタビューをお届け。

 1シーンごとに用意された『FFVII リバース』の膨大な楽曲をどのように作っていったのか、そのこだわりやエピソードなどについて話を聞いた。

 なお、お三方の直筆サインを入れたオリジナル・サウンドトラックのチラシを抽選で3名様にプレゼント。応募方法は記事の最後をご覧ください。

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鳥山 求(とりやま もとむ)

『ファイナルファンタジーVII リバース』Co-Director。
原作『FFVII』の開発にも携わる。開発を手掛けたおもな作品は『FFX』、『FFXIII』シリーズ、『メビウス FF』、『FFVII エバークライシス』など。

河盛慶次(かわもり けいじ)

『ファイナルファンタジーVII リバース』Music Supervisor。
スクウェア(現スクウェア・エニックス)社後、『ファイナルファンタジー』シリーズを初めとする各タイトルでシンセサイザー・オペレーターとして活動。現在では音楽ディレクションも手がけるなど活躍の場を広げている。近年の担当タイトルは『FFVII リメイク』、『キングスグレイブ FFXV』、『キングダム ハーツIII』など。

鈴木光人(すずき みつと)

『ファイナルファンタジーVII リバース』Composer。
『FFVII リメイク』、『ライトニング リターンズ FFXIII』、『メビウス FF』、『スクールガールストライカーズ』などを担当。近年ではゲームのみならず、テレビアニメ『スクールガールストライカーズ Animation Channel』の楽曲制作、音楽専門誌での機材レビュー執筆や舞台音楽の制作にも携わっており、多方面で才能を発揮している。

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高い評価を受けた前作『FFVII リメイク』の楽曲

――前作『FFVII リメイク』の楽曲はThe Game Awards 2020のベストスコア&ミュージック賞や日本ゴールドディスク大賞のサウンドトラック・アルバム・オブ・ザ・イヤー賞など高い評価を受けました。まずは『FFVII リメイク』の楽曲を振り返ってみていかがですか?

河盛『FFVII リメイク』に関しては、植松さん(植松伸夫氏。原作『FFVII』のコンポーザー)のメロディーを大事にしつつ、プレイヤーの方々の操作によってBGMをシームレスに切り換えていく、というシステムを導入しました。ただ単にシームレスに切り換えるだけではなく、メロディーのいいところで曲が変化してしまわないよう、この部分では変化しないように制限をかける、といった制御をしています。

鈴木『FFVII』の楽曲は、ティファやエアリスなど、それぞれのキャラクターに明確なテーマがあって最高のお題なんですよ。できあがった『FFVII リメイク』の楽曲はアレンジも豊富なので、アルバムとしてまとめると、すごく豪華で繊細で日本的なサウンドトラックになったなと思います。

――楽曲を作る際、心掛けていることは?

鈴木最初の段階として、まずは自分たちが感動しないとプレイヤーさんには届かないなと思うんです。泣けるシーンなら自分が泣けないとウソになるし、バトルなら自分がアガる曲じゃないとダメ。そういった客観的な視点と自分の感覚を大事にしています。

膨大な曲数を誇る“FFVII リメイクプロジェクト”楽曲の作りかた

――“FFVII リメイクプロジェクト”の楽曲は『FFVII リメイク』のときもそうでしたが、かなりの数の楽曲が制作されています。膨大な楽曲数だけに、その作成は計画的に進めていると思うのですが、どのような流れで進めているのでしょうか?

鳥山まずは私が全体の設計を行います。「このシーンにはこういう曲、このロケーションにはこんな曲」というように初期設計を行って、それを河盛に伝えます。河盛がそこからさらに詳細な設計をし、サウンドチームに発注を行います。

河盛鳥山から上がってきたリストを見て、誰にどう頼もうかと私のほうで考えていきます。

鳥山曲ができあがると、その曲を実際にゲームで当ててみて、そこから各場面での流しかたなど、細かい部分の再調整を行う、という流れですね。

――楽曲数がある分、楽曲の設計はかなりたいへんなのでは?

鳥山たいへんではあるのですが、もともとの植松さんの楽曲に加えて、コンピレーション作品のアレンジ楽曲などもあるので、まずは仮でそれらの楽曲を当てて、その後、各シーンに合った曲に作り込んでもらう、という作りかたができるのは原曲が存在している本プロジェクトの特徴かなと思います。

 たとえば、『ティファのテーマ』にしてもすでに多くのアレンジ曲がある中で、いちばんイメージに近いものを当てておいて、そこからさらに本作用のアレンジを加えていく、みたいなことができるんです。

――それがシーンごとに楽曲を用意できる贅沢な使いかたが可能な要因にもなっているんですね。原作にないシーンは新たな楽曲が用意されていますが、誰にどの曲を作るか、というのはどのように決めるのでしょうか。

河盛基本的に、浜渦さん(浜渦正志氏)と鈴木については、鳥山のほうからこのシーンの楽曲をお願いしたい、という指定があります。

鳥山新曲を当てたいところには、「このシーンは浜渦さんの得意とするところなので浜渦さんに、このシーンは鈴木に向いているので鈴木に」と考えて河盛に伝えています。それぞれが得意とするジャンルはわかっていますし、河盛とも長い付き合いなので、私の意図を汲んだ発注をしてくれますね。

――鳥山さんから見て、鈴木さんの得意ジャンルはどんな楽曲だと感じているのでしょうか。

鳥山鈴木はデジタル系の楽曲に強いところがあるので、より現代的なテイストを入れたいところは鈴木に頼んでいます。あと、これまでの『FFVII』のイメージにないような挑戦的な楽曲を入れたいところも鈴木に頼むことが多かったですね。

鈴木楽曲リストをバーっと見ていくと、こういう意図だから自分にきたんだな、というのがいくつかあるんですよ。ですので、「ここではこういうことをやりたいんだろうな。だったらここをもう少し尖らせたらいいかな」と自分なりに解釈して曲をイメージしていきます。ただ、たまに「ちょっと違うアプローチをぶっ込んできたな」みたいなときは、詳しく話しを聞きます(苦笑)。

――それはたとえばどの曲ですか?

鈴木わかりやすいところだと、ソッチとコッチがラップをする場面(※『The fun DON’t stop』。ゴールドソーサーのスペシャルマッチの開幕のシーン)ですね。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『The fun DON’t stop』

――たしかに、『FFVII』の世界観にラップ調の曲は“ぶっ込んできた”感がありますね(笑)。

鈴木そうした変わったリクエストがきたときは、どういう曲をイメージしているのか確認します。あの曲は当時、互いが聴いていた音楽に共通するものがあったので、「アレのイメージですね?」みたいなやり取りがありました。

鳥山最近はYouTubeや音楽系のサブスクがあるので、サンプルを拾いやすくて、イメージしているものも伝えやすいですね。

――先ほど、まずは仮の楽曲を当てておく、というお話しがありましたが、ある程度、ゲームができてから、楽曲を作っていくのでしょうか?

鳥山“FFVII リメイクプロジェクト”では仮の映像がどんどんできあがってくるのですが、ブラッシュアップ後も尺は大きく変わらないので、仮の映像の段階から楽曲も作り出せるんです。しかもプレイステーション4以降は、ゲームがある程度つながってからも、ブラッシュアップにかける時間が長くなっていますので、そのあいだに楽曲をある程度納得いくまで作り込めると思います。

 ただ、ゴールドソーサーのウェルカムダンスのシーンで流れる楽曲(『Welcome Dance -ハダカノココロ-』)は曲が先にないとダンスが構成できないので、『FFVII リメイク』の蜜蜂の館でのダンスシーンの曲(『STAND UP』)と同じように、何もないところから先行で楽曲を作ってもらいました。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『Welcome Dance -ハダカノココロ- 』

――どちらも鈴木さんが楽曲を担当されたところですね。

鈴木はい。音楽がないとダンスがつけられないということでしたので、とにかくまずは尺を出して、テンポを作るところから始めていました。

――蜜蜂の館のダンスシーンはインパクトが強かったので、本作でも期待されていたところではありましたが、今回はどんなオーダーを?

鳥山『FFVII リメイク』の蜜蜂の館のダンスシーンで流れる『STAND UP』はショーパブのようなイメージで作ってもらったのですが、『FFVII リバース』の『Welcome Dance -ハダカノココロ-』はインド映画のようなダンスにテーマパーク風の味付けでオーダーしました。

鈴木『Welcome Dance -ハダカノココロ-』はユフィ、エアリス、ティファチーム VS アニヤンを中心としたチームとのダンスバトル、そしてディオ登場があるので、1曲の中に3曲分くらいの要素を入れて凝った作りにしたこともあり、完成まで時間がかかりましたね。

鳥山そういえば開発も終盤に差しかかったころ、僕らはあの曲はとっくの昔に完成したと思っていたんですけど、鈴木から「ボーカルはまだ仮です」と言われて驚いたんですよ(笑)。

鈴木「何を言っているんですか。これから録りに行くんですよ」みたいな(笑)。

――たしか『STAND UP』も開発の末期にできたということでしたが……。

鈴木前作の『STAND UP』も仮のままで完成はギリギリになってしまったので、今回はそうならないように開発の初期から動いていたんですけど、ボーカリスト候補を絞るのに時間がかかり、結果的に同じようなスケジュールになってしまいました(苦笑)。

――『STAND UP』はボストンでレコーディングを行ったとのことでしたが、『Welcome Dance -ハダカノココロ-』はどうだったのでしょう?

鈴木今回はロンドンで録りました。

鳥山たしかに、ロンドンで録ってきたものを聴かせてもらったら、ちょっとアビー・ロード的(※ビートルズがアルバム『アビイ・ロード』を録ったことでも知られるスタジオがある)な、ロンドンを感じたんですよね(笑)。

――海外で録音すると何が違うんでしょう?

鈴木まずこれは国内外問わず、関わるメンバーと空気感による楽曲変化を“魔法”と呼んでいるのですが、その確率が非常に高くなります。これがとても大事。そしてちょっとマニアックになるんですけど、日本のスタジオとは機材の使いかたがまったく違うんですよ。日本で録っていたらまた別のものになっていたと思いますし、それぞれのよさがあるんですが、鳥山にロンドンっぽいと感じてもらえたので、やってよかったなと思います。ちなみに。アビー・ロードではなくメトロポリススタジオなんですけどね(笑)。

エリアごとに楽曲のテイストも大きく変化

――『FFVII リメイク』はミッドガルが舞台ということで、バラエティー豊かではありながらもそれなりの統一感がありました。『FFVII リバース』ではリゾートあり、荒野あり、ジャングルありとそのエリアの特徴もさまざまで、それに合わせて楽曲のジャンルも異なり、聴いていて楽しかったです。

鳥山原作の場合、ワールドマップでは『F.F.VIIメインテーマ』のアレンジがかかり、ゲームの進行によって変化することはあっても、基本的にどこに行っても同じ曲でした。今回、ワールドマップそのものをゲームとしてフィーチャーすると決めたときに、ベースはメインテーマにしつつ、エリアごとにアレンジを変えるという構成にしました。

 グラスランドはオーソドックスなメインテーマで、コスモキャニオンならカントリー&ウェスタン調、コレル砂漠ならカントリーロック調といった具合になっています。ただ、カントリーという部分ではコスモキャニオンとコレル砂漠が近くなっていたので、コスモキャニオンはウェスタン色を強める、みたいなアレンジをしています。

河盛ちなみに、メインテーマは鳥山のオーダーでグラスランドではバトル曲にもなっています(『FFVIIメインテーマ Battle Edit』)。ゆったりとしたテンポの曲なので、バトル曲として成立するか不安だったのですが、いい形のアレンジになっているのでぜひ注目してください。

FFVIIメインテーマ Battle Edit (FF7 Rebirth OST Ver.)【Audio】

――同じエリアのフィールド曲でも、プレイを進めるなかで変化していたような印象を受けたのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

鳥山通信塔を解放していくと曲が豪華になっていくようになっています。この仕様自体は最初の発注から入れていたんですけど、じつは開発終盤のギリギリになってその切り換え範囲が狭くなっていたことが発覚したんですよ(笑)。

 本当にギリギリだったんですけど、世界を探索することでBGMもよりワイドに広がっていく、みたいなことをやりたかったので、仕様を変更し、何とか調整してらいました。

――鈴木さんが担当されたゴンガガの楽曲はジャングルっぽい、スケール感のある曲になっていて、個人的にはすごく印象的でした。

鳥山もともと「ジャングルっぽい感じで」というオーダーはしていたんですけど、そこに鈴木の上品さがうまく乗ったなと思いました。もっと原始的な、太鼓がボンボン鳴っているような曲がくると思っていたんですけど、綺麗なコーラスも入っていましたからね。しかも「子どものコーラスできたか!」みたいな(笑)。

鈴木ふだん使わない引き出しを開けてみました(笑)。

――ふだん使わない引き出しをということでは、ギ族まわりの楽曲は、いつもの鈴木さんの楽曲とはかなりテイストが違うなと感じました。

鳥山ギ族関連の楽曲、とくにギ族の声が入る『ギはマテリアを求めたり』や『無垢なる願い』は、多国籍感のある不思議な空間がイメージできる曲にしてほしいというオーダーをしました。そこで、いまでも名残は残っているのですが、最初はお経のような和のテイストがけっこう強めだったのですが、もう少しオリエンタルなほうに振れないか、という相談もして、いまの形に着地したんです。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『ギはマテリアを求めたり』

鈴木珍しく鳥山さんもハッキリとした答えが見えていない状態で、とにかくギ族が詠唱していて、そこにBGMが合わさっていき、そしてオリエンタルな曲がいい、という話をしていました。「気持ち悪い感じの曲にしたい」みたいなリクエストもあって、そこにどんなジャンルの音を入れればいいんだろうと考えつつ、アイデアが“降りてくる”のを待つような状態でした。。

鳥山ギ族はもともと星に溶け込めない存在でもあったので、その気持ち悪さだったり、邪な宗教の場所に踏み入れた感じを入れたいと思っていました。

――ほかの場所で聴けるメロディアスな曲とは違って、ギ族の洞窟での曲はどれも重苦しい感じの曲になっていますよね。

鈴木ギ族関連の曲は、僕がよくやる手法なんですけど、楽曲として完成させる前にパーツとなる音をいっぱい録って、それを組み合わせて曲を作っていきました。“素材を集めるところから作曲が始まっている”という感じですね。

 言葉にすると簡単なんですけど、ギ族関係の曲はほかの曲の制作と同時進行でしたので、半年以上かけてその作業をしていました。ある程度土台ができたら、ストリングスやブラスなどの大きな音や、民族的な楽器の音を録ってきて、一度崩したうえでまたリミックスして……。だから、どんな形の曲になるのか自分でも最後まで見えない状態だったんですよね。鳥山には「ちょっと待っていてください。完成をお楽しみに」みたいな感じでずっと待ってもらいつつ、裏では「よっしゃー、次は和太鼓録りますー!」という具合でその連続だったのです。調整してくれたスタッフもたいへんだったと思います。

鳥山鈴木が謎の楽器を録りに行っているらしい、みたいな話は聞いていました(笑)。

鈴木あと、ギ族の楽曲に関して言えば、詠唱部分は日英独仏の4言語で詠唱が違うんですよ。

――日本語音声と英語音声、ドイツ語音声、フランス語音声で詠唱が違うと?

鈴木はい。ここもよく考えたらいろいろ試しましたね。最初は4言語が混じった詠唱にしたいという話だったんですけど、組み合わせてみたらあまりよくなかったので、4言語に分けてそれぞれのバージョンを作ったんです。

鳥山各国の言語に分けたうえで、ベースとなる部分はラテン語で構成されているんですよ。そこは試行錯誤した部分ですね。

――では、あの声はギ族語というわけではないのですね?

鳥山ギ族語を作るかは迷ったんですけど、『FFX』のアルベド語のようにゲーム全体に出てくるわけではなく、あの場面にしか登場しない要素だったので、そこはやりませんでした。

――アンダージュノンのローチェとのバトルで流れる『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』はまた違ったテイストでしたよね。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』

鈴木最初にもらったサンプルがスカ(※1950年代の中ごろにアメリカのR&Bやジャズの影響を受けて生まれたジャマイカの音楽)で、最初はドラム、ベース、ブラス、ピアノといった編成で作ったんですが、鳥山から「このシーンはピアノがいないからピアノはカットしてほしい」といった話になり、いまの形に落ち着きました。

鳥山あのシーンはもともと、ルーファウスの就任式典を終えたローチェとその兵士たち、そしてブラスバンドの人たちが、彼の指揮でブラスバンドの曲を始める、みたいな設定があったんですよ。式典ではピアノは編成されていないので、『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』からもピアノはカットしてもらいました。

鈴木ピアノを抜いたら曲として成立するんだろうか、と思いながらやってみると、意外にカッコよくて(笑)。ピアノは入れない、なぜならそのシーンにピアノ奏者がいないから、という理由でピアノをカットするというのは楽曲の作り手として出てこない発想で、さすがだなと思いました。

クイーンズ・ブラッドでは有利な状況だと楽曲もリッチに

――カードゲーム“クイーンズ・ブラッド”関連の楽曲も鈴木さんですよね。チャプター5のクイーンズ・ブラッドの大会では、準決勝や決勝など、ラウンドごとに楽曲が違っているのも贅沢だなと思いました。

鳥山あそこは原作にないチャプターで、エンターテインメント性を高めるために追加した章でした。クイーンズ・ブラッドがカードゲームとしておもしろく、大会として盛り上げるためにも、ラウンドごとに曲を変えたかったんです。

 大会ではクイーンズ・ブラッドに勝利した後、報告に行く場面でちょっと静かになるじゃないですか。あそこも豪華客船で旅をしている感覚が味わえて、個人的にはめちゃくちゃ好きですね。

――クイーンズ・ブラッドの曲はジャズっぽい印象を受けますが、そのあたりは鳥山さんのオーダーによるものなのでしょうか。

鳥山“大人のカードゲーム”みたいなコンセプトは伝えていましたね。

鈴木チャプター5に関して言えば、大会の前に流れている曲も全部ジャズ調だったので、その流れでスケール感を出すためにビッグバンド風に、という鳥山の意図をキャッチして進めました。

 また、ラウンドが進むごとにBPM(“Beats Per Minute”の略。1分間の4分音符の拍数のことで、いわゆる曲のテンポのこと)が上がっていて、テンポが速くなるようになっているんですよ。なかでもいちばんテンポが速いチャドリー戦は大阪サウンドチームの碓井淳之介にお願いしたのですが、鳥山からの具体的な方向性をうまくまとめてくれました。

 収録時に演奏家の方から「これは難しいな」という空気感が漂いつつも、徐々にBPMを上げる構成上の関係で、遅くすると全体がズレてしまうので、がんばって演奏していただきました。結果「ブラボー!」のひと言です。

 ちなみに、通常のクイーンズ・ブラッドでは、通常時と優勢時、劣勢時とでインタラクティブに曲が変わっているんですよ。自分が優勢ならトランペットやブラス、ストリングスなどが加わっていちばん派手なバージョンになり、一方、劣勢になるとスカスカな音になるんです。

――本作ではサブクエストを中心に『FFVII リメイク』と比べるとコミカルなシーンも増えたと思いますが、そうしたコミカルな要素が増えたことはオーダーからも感じましたか?

鈴木楽曲に関しては、とくに感じませんでしたね。

鳥山コミカルという意味で言えば、さきほど話に出たクイーンズ・ブラッドの大会の場面でのレッドXIIIですよね。

――ああ、レッドXIIIがキング・オブ・ポップ的なダンスを披露するシーンがありました(笑)。

鳥山あそこは漠然としたイメージはあったんですけど、発注するのが難しいと思って映像ができてからお願いしました。

鈴木あそこのレッドXIIIのシーンはもう踊りができていたので、ビートが要になってくると思ったんですが、どうしてもあの方のビート感に寄ってしまうので(笑)、80年代風のビート感を意識して作りました。あのシーンのレッドXIIIはかわいいですよね。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『QBセッション』ほか

――そのほか鈴木さんの楽曲にはいわゆるキラーチューンというか、メロディーが耳に残る曲も多い印象を受けます。

鈴木歌モノは私が担当することが多いので、わかりやすいというのはあるかもしれないですね。

――『FFVII リメイク インターグレード』では『かめ道楽の歌』も印象的でしたが、今回はキリエの『なんでも屋の歌』(※ボーナストラックCDに収録)も一度聴いたらつい口ずさみたくなるキャッチーな曲でした。鳥山さんからはどういったオーダーで発注したのでしょうか。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『なんでも屋の歌』

鳥山たしか『なんでも屋の歌』はスーパーでかかっているような楽曲にしたい、という話をしたと思います(笑)。ちなみに『かめ道楽の歌』はDLCで登場する曲だったからこそ、追加するBGMがそこまで多くなかったので、『かめ道楽の歌』だけで10バージョンください」とお願いしたんですよね(笑)。

鈴木ありがたかったですけど、「大丈夫ですか?」と心配になりました(笑)。

鳥山ちょっと遊べる要素かなと思ったんですけど、10バージョンというオーダーは自分も感覚が麻痺しちゃっていたのかもしれません(笑)。

――今回の3バージョン(『キリエのテーマ』、『なんでもやりますなんでも屋』、『なんでも屋の歌』)は抑えたほうだったんですね(笑)。

原作でも印象的だった『エアリスのテーマ』が流れる中での悲壮感漂うバトルは徐々に不協和音が入り……

――『FFVII』の原曲は今回のリメイクプロジェクトだけではなく、『クライシス コア -FFVII-』や『FFVII アドベントチルドレン』などのコンピレーション作品などで、さまざまなアレンジがなされてきました。それだけ多様なアレンジ曲があるなかで、『FFVII リバース』用に別のアレンジを考える、というのはたいへんですか?

鈴木それはよく聞かれるのですけど、ゲームのどういうシーンで使われるのかを見たり聞いたりしていると、おのずとアレンジの方向性が見えてくるんです。ですので、過去のアレンジ曲との差別化を意識するよりも、使われるシーンに合っていて機能していればいと考えているので、とくに作りづらさみたいなものもないですね。

――では、いいアレンジが思い付いたけど、これは第3作目にとっておこう、みたいなこともなかったと。

鳥山そんな出し惜しみする余裕はなかったと思いますよ(笑)。ただ、ひとつ悩んだものを挙げるとしたら『エアリスのテーマ』のコーラスバージョンですね(※『エアリスのテーマ -白マテリア-』。西木康智氏によるアレンジ曲)。この曲を使おうか悩んでいたんですけど、『FFVII リバース』がエアリスにとってハイライトになるとしたら、後に取っておく必要もないのかな、と。仮に後でまたコーラスを使いたくなったら、さらに壮大なコーラスにしてもらえばいいか、という考えもありましたが(笑)。

河盛あのコーラスバージョンはこれまでになかった感じでよかったですよね。ほかの場面でもいくつかコーラス入りの楽曲はあるんですけど、今回はボス戦などの楽曲については意識的にコーラスがないようにしています。

鳥山コーラスを入れると壮大な雰囲気を出せるんですけど、あまり使いすぎてもよくないので、ここぞのシーン以外は、安易にコーラスを入れないようにはしています。

――そういう意味では、『エアリスのテーマ -白マテリア-』が使われるシーンは、ここぞのシーンでした。『エアリスのテーマ』が流れる中でのバトルは原作にもあった印象的なシーンでしたし。

鳥山やはりあそこは原作でも『エアリスのテーマ』の流れかたがすごく印象的で、そのままバトルに入るのがひとつの体験として記憶に残っていたと思うんですよ。それをどこまで再現するか、というのはいろいろ考えた部分です。というのも、原作よりもバトルが長くなるので、ずっと『エアリスのテーマ』が鳴っているのもどうなのかなと。

河盛結果的に、フェーズ1の部分だけを『エアリスのテーマ -白マテリア-』にして、フェーズ2から徐々に『J-E-N-O-V-A -生命-』に切り換わる形にしています。

鳥山フェーズが切り換わるところで、だんだん『J-E-N-O-V-A -生命-』が混ざってきて不協和音になってきて、『J-E-N-O-V-A』の迫力が増してくるようにしてもらいました。そこは原作があるからこそ、どうしようかと悩み、本作で挑戦した部分ですね。

――あそこからの一連のバトルは、クライマックス感がすごかったです。第3作目のラストバトルはどうなるんだ? と心配になるほどに(笑)。ほかにも原作があるからこそ悩んだ場面はありますか?

鳥山植松さんも以前、何かの取材でおっしゃっていたんですけど、当時はセリフにボイスがないぶん、BGMの力がすごく強かったんです。そんな原作を体験している人にとって、BGMは強烈に印象に残っていると思うので、原作にもあるシーンに関してはBGMは大きく変えていないので、原作との兼ね合いで悩むことはなかったですね。

――ロケーションに紐付いた曲はそのロケーションが登場しないと使用しないと思うのですが、それ以外でリメイクプロジェクトの3作品で原曲をどう振り分けるかは意識されたのですか?

鳥山全体設計をする段階でそこは意識しています。たとえば、『FFVII リメイク』は、原作のサントラで言うディスク1までの曲にしようとか。今回ならディスク3くらいにしよう、みたいな感じですね。

 ただ、例外として『FFVII リバース』では原作よりもウェポンの登場が早くなったこともあり、『ウェポン襲来』の曲は先に出す形となっています。

――原作にはないシーンは新曲が用意されていますが、新曲はどういったオーダーを? 

鳥山原作にないシーンは冒険してもらう、という感じでした。あえて、これまでの『FFVII』ではやっていなかった路線の楽曲みたいなものも、これだけの楽曲数があるタイトルならやってもいいだろう、というのでチャレンジできたので、そこはよかったかなと思います。

曲名はマスターアップの休暇中に考案

――楽曲のタイトルについては鳥山さんが付けられているとのことですが、曲名はどのように決めているのでしょうか。『●●のテーマ』といったオーソドックスなものもあれば、『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』やゲーム中のセリフを曲名にしたものもありますが。

鳥山ローチェのは勢いです(笑)。サウンドトラックをリリースするためにいつも開発の最後、マスターアップ中に曲名を考え始めます。いつもマスターアップを終えた休暇中に、「サントラのために曲名を考えてください」といった話が来るので(笑)。

河盛申し訳ないです(笑)。

鳥山そこはずっと昔の『FF』から変わらないんですけど、いまは曲数が昔に比べて本当に多いですからね。そういう意味では、ユーザーがCDを買ったときに「あの曲はどこかな?」と探すとき、ある程度わかるような曲名にしたい、というのは心掛けています。

 その中でもインパクトがある曲については、なるべくそのシーンがパッと思い出せるようにセリフの一部を曲名にしたり、曲数が多いので遊べるところでは遊んだ曲名にしてバラエティー豊かになるようにしています。『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』はまさにそんな曲ですね(笑)。

――『ろ・ろ・ろ・ローチェ!』の“ろ・ろ・ろ・”がひらがなになっているところにもこだわりを感じました(笑)。

鳥山そこは単純に読みやすさですね。明るめの曲ですし、ブラスで始まるところとかは、「ろろろ~ろ~!」という感じのイメージがあるので(笑)。

――(笑)。楽曲を作る側からは、曲名については、どうお感じになっていますか?

鈴木いつもすごく楽しみにしているんですよ。この曲は尖った曲名になっているな、とか(笑)。

好感度による分岐やランダム要素もあり、確認作業だけでも地獄

――今回も大ボリュームとなった楽曲ですが、苦労した部分などはありますか?

鳥山先ほども言いましたが、全体の設計が終わってから正式な曲を作り始め、ゲーム作りにおいて音楽や効果音の実装は、基本的にいちばん後の工程になるんですよ。各種エフェクトが乗った状態でないと音を入れられないので、そういう意味では毎回ヒヤヒヤしながらやっています。

鈴木でも、開発後期に鳥山から「こういう曲も欲しいよね」みたいな追加オーダーの相談がくると「喜んで!」みたいなテンションで返事をしてしまうんですよね(笑)。「では、こんなジャンルはどうですか?」みたいに自分からも提案して、自分の首を絞めてしまうこともありました。

鳥山断らないのは余裕があったからじゃなかったんだ(笑)。チョコボレースも原作の曲がオールディーズをモチーフにしていたから、「どうせなら50年代から60年代、70年代、80年代を全部揃えちゃおう」みたいな話になったんですよね。

河盛チョコボレースの楽曲も設計の初期段階では1曲でしたからね(苦笑)。

鳥山しかも開発の最後、ギリギリのところで「ユフィがチョコボの歌を歌っていたから、それを回収する意味でチョコボの歌も入れよう」となって、その歌(※『アタシとチョコボ』はボーナストラックCDに収録)を急遽作ってもらったり。それは2010年代くらいのイメージで、現代風にしてもらいました。

河盛曲が増えただけならまだいいんですが、チョコボレースの楽曲はゲームではランダム再生になっていて確認もものすごくたいへんだったんですよ。ですので、サウンドのメンバーにも手伝ってもらいました。

鳥山単に鳴っているかどうかはQA(品質管理部)が撮った動画で確認できるんですけど、ゲームのなかでどういうふうに鳴っているのか、みたいな部分を完全に把握するとなると本当にたいへんですね。バトルシミュレーターの曲もふつうに確認していたら永遠に終わらないくらいでしたね……(苦笑)。

――本作では好感度によってイベントが変化する要素もありましたが、好感度で楽曲にも変化はあったのでしょうか?

鳥山ありますね。デートイベントではその場で鳴っている曲が気分を盛り上げるので、各キャラクターのテーマとゴールドソーサーのテーマをミックスしたバージョンを作っているんです。

鈴木気が付いたらゴールドソーサーの曲になっていて、気が付いたらキャラのテーマになっている。この“気が付いたら”という部分が大事なんですよね。

河盛デート相手によって曲が変わるので、そこだけで6バージョンあるんですよね。

鳥山一度しかデートイベントを見ていない人は、当然1バージョンしか聴けないのですが、ゴンドラのシーンでも曲は全部違っていて、しかも尺的にも長いんですよね。

河盛ゴンドラに関しては好感度による分岐もあるので、本当に確認がたいへんでしたね(笑)。

鳥山叙事詩『LOVELESS』の舞台を観た後に確認することになるので、デート部分だけで1時間くらいかかるものを6バージョン分のチェックしないといけなくて、もう地獄でした(笑)。

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――苦労話が尽きない(笑)。状況や好感度などで楽曲がシームレスで変化し、それに効果音などがどう作用するかのチェックは本当に気が遠くなりそうですね……。

河盛そういったチェック部分については、もちろんサウンドスタッフでやっていたんですが、鳥山のほうでも音楽や効果音の細かい確認をしてくれていて、すごく助かりました。

鳥山なかなかうまく鳴らないんですよ。かと思うと「あなたに……会いたい」と言っている裏で花火が「バババーン!」って鳴りまくって雰囲気ぶち壊しだったり(苦笑)。そういうところをずっと確認していました。

クエストではティファがピアノのミニゲームで『エアリスのテーマ』を弾く胸アツなシーンも

――『FFVII リバース』ではピアノ演奏のミニゲームもパワーアップしていましたが、こちらには楽曲チームはどのように関わっていたのでしょうか。

河盛大阪のサウンドチームで、ミニゲーム中の難易度調整や楽曲のアレンジを制作してもらいました。演奏が上手くいくとアレンジも豪華になっていく、というつくりになっています。フリー演奏は、最初はある程度、制限した中で弾ける感じだったのですが、担当の宮永の拘りで、複雑なコードでも対応できる仕組みになりました。難しいですが、ぜひ、フリー演奏も楽しんでいただきたいです。

――左右のスティックを使って弾く、というデザインはゲーム側からの提案だったのですか?

河盛そこは最初に話し合って決めた気がします。そのアイデア自体は始めに何となくあって、実際にどう操作するかはサウンドチームとプランナーとで相談し合って決めました。

鳥山それから自由に演奏できるモードもあるので、もっとコードを増やしたいよね、というのでマイナーコードなどを足していったんです。そこの拡張部分についてはサウンド主導で動いていましたね。

 ピアノ演奏はミニゲームとしてすごくよくできていたので、クエストのなかでひとつだけ、ピアノの演奏を取り入れたものがあるんですよ(※チャプター11の“白い毛の天使”)。そのクエストではティファが専用にアレンジされた『エアリスのテーマ』を弾く、というだけでもグッとくるものがあるんですけど、そこに弦楽の演奏と猫の踊りも加わって、個人的には『FFVII リバース』のベストクエストです。開発チームのなかでも人気が高かったので、そのクエストをプレイされていない方はぜひプレイしてみてください。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画 クエスト“白い毛の天使”

――お三方に本作でもっとも印象的だった曲をお聞きしたいのですが、鳥山さんは……。

鳥山いま言ったティファが演奏する『エアリスのテーマ』ですね。

鈴木私はマッスルコロシアムでコルネオと戦う場面で、サボテンダーが出てくるんですけど、そこのバトル曲『サボテンダー・カーニバル』です。

 最初に鳥山からのオーダーとしてあったのが、サボテンダーの「ワン、ツー、サボ」という言葉をいろいろな言語で歌わせるグローバルな曲にしたい、という話だったんです。

 そこでまずは「ワン、ツー、サボ」をさまざまな言語に変換して、メロディーをつけづらい言語は省いていきました。それからあらゆるコネクションを使ってさまざまな言語の「ワン、ツー、サボ」を収録したんです。

『FF7 リバース』楽曲インタビュー参考動画『サボテンダー・カーニバル』

――各言語のネイティブスピーカーの方に「ワン、ツー、サボ」と言ってもらってそれを収録するということですか?

鈴木そうです。最初に音声読み上げサービスを試し、それに加えて「これはもう生身の人間も使うしかない!」と。そこで、知り合いからたまたまバーで知り合った外国人や留学生まで、本当にあらゆる方々にご協力いただき、結果的に15言語の「ワン、ツー、サボ」が集まりました。

――あの曲にそんな苦労が……。

鈴木ナゾに豪華な曲にはなったのですが、非常に手間がかかったという意味では感慨深い曲です。

鳥山そこまでいろいろやっていたのは初めて聞きました(笑)。

――1曲ごとのこだわりがスゴイですね。では、河盛さんが印象に残っている曲は何でしょうか。

河盛もちろんそれぞれの曲に思い入れはあるんですけど、1曲を挙げるなら植松さんが作られた主題歌『No Promises to Keep』ですかね。あれはニューヨークと回線をつないでレコーディングをしたんですけど、回線トラブルでうまく意思疎通ができない状況だったのですが、何とかやり切りました。結果としてできたものを聴いたときは感動しましたし、植松さんも大満足されていましたので、すごく印象に残っています。ゲームの中でもすごくいいシーンで流れますし。

FINAL FANTASY VII REBIRTH Special Talk Session 植松伸夫×野島一成×野村哲也

『FINAL FANTASY VII REBIRTH』 テーマソング発表記念トレーラー(short ver.)

――コロナ以降はリモートでの作業も定着してきましたが、楽曲に関してもリモート収録は定着してきているのですか?

河盛コロナ禍でリモート録音の技術が発達したこともあって、オーケストラの録音もリモートでできないことはないです。ただ、ちょっとした楽器の録音などはリモートでも十分なのですが、大事な楽曲の収録の場合は現地で温度感を伝えたほうがいい、というのは以前と変わらないかなと思います。

鳥山コロナ禍がいちばんひどかったときはオケが録れなかったんですよね。『FFVII リメイク』はマスターアップした後にコロナ禍になったため影響はありませんでしたが、収録のタイミングがコロナ禍に重なっていたらたいへんだったかもしれないです。

――THE FIRST TAKE(一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル)では植松さんのバンドconTIKIの演奏でローレン・オルレッドさんが『No Promises to Keep』が歌っている動画が公開されていますが、あれは日本で収録されたのですか?

河盛そうですね。ローレンさんが来日され、日本で収録されたものです。

Loren Allred × 植松伸夫 conTIKI - No Promises to Keep / THE FIRST TAKE

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そのシーンでしか流れない音楽をくり返し、非圧縮の最高の音質で楽しめるのがサウンドトラックの魅力のひとつ

――今回も7枚組(初回生産限定分の『Special edit version』は8枚組)と大ボリュームですが、収録できなかった楽曲はありましたか?

河盛はい。ぜんぜん収まりきりませんでした(笑)。思い入れのある曲はひとりひとり違うと思うので、何を入れて何を入れないかというのは非常に悩む部分ではあったのですが、7枚組という制限がある以上は、そこに収まるようにしつつ、各楽曲もループ数などの部分で長さを調整しています。

鳥山7枚組までというのは何か理由があるんですか?(笑)

河盛前作のサウンドトラックも7枚組で『Special edit version』は8枚組だったので、それに合わせたというのもありますけど、枚数を増やすと価格も上がって、なかなか手に取ってもらいづらい価格になりますし、そのあたりの兼ね合いはいろいろと難しい部分があります。

鈴木以前のゲーム機では容量との戦いがありましたけど、最近はその戦いから解放されたところがあります。でも、サントラについてはその容量との戦いがまだ続いていて、20秒カットして何とか納める、みたいな調整がいまだに必要なんです。けっこうシビアに細かい編集をしているんです。まぁ、今回はとくに曲数が多かったというのもありますが。

――サントラ用に尺が調整されているとはいえ、楽曲自体はゲームで鳴っているものがそのまま収録されていると考えてよいのでしょうか。

河盛正確に言えば、ゲームでは少し圧縮して鳴らしていて、サントラでは非圧縮の状態で収録し、なおかつ、マスタリングの段階で各音源のバランスを整えたりといった“お化粧”を施して、より聴きやすく調整してあります。

鳥山最高の音質で楽しむなら、サントラを買わない手はない、ということですね(笑)。

河盛そういうことですね(笑)。

――では最後に、サントラの発売を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

河盛ゲーム中は、バトルやシーン全体に夢中になっていると思うので、音楽だけに集中することはそんなにないのかなと思います。サントラでは純粋に音楽だけを楽しんでいただけるので、ぜひ音楽に耳を傾けていただければと思います。

鈴木今回のインタビューでも何度か話に出てきましたけど、曲数が本当に多いので、プレイ中にはなかなか聴けない曲があったり、コントローラーを置いてゆっくり聴くタイミングがなかったりすると思います。サントラで「こんな曲もあったのか」という発見をしつつ、アレンジの宝石箱と言えるくらい豊富なバージョン、バラエティーに富んだアプローチを楽しんでいただきたいと思います。

鳥山ゲーム自体のボリュームもすごくて、クエストやミニゲームも人によって得意、不得意があると思うので、ゲームで楽曲全部を聴けていない、という方もいらっしゃると思います。サントラであればゲームのうまい下手に関係なく楽しめるので、ぜひ聴いてみてください。

――8月からはロサンゼルスからオーケストラコンサートのワールドツアー“FINAL FANTASY VII REBIRTH Orchestra World Tour”が始まります(日本では2024年8月31日と9月1日に大阪、2024年9月7日と8日に神奈川で開催)。そちらも楽しみにしています。本日はありがとうございました。

鳥山求氏、河盛慶次氏、鈴木光人氏サイン入りチラシを抽選で3名様にプレゼント

 本記事でインタビューにお答えいただいた鳥山求氏、河盛慶次氏、鈴木光人氏のサインが入ったサントラ用のチラシ(非売品)を抽選で3名様にプレゼント。応募方法は下記を参照してください。

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応募方法
1) Xのファミ通.com公式アカウント(@famitsu)をフォローする
2)注意事項を確認し、ページ下方のプレゼント用ポストをリポストする

応募期間
2024年4月10日(水)13:30 〜 2024年4月21日(日)23時59分

賞品
サイン入りチラシ(抽選で3名)

当選発表
当選者へのみ2024年4月24日ごろ、XのDM(ダイレクトメッセージ)にて「@famitsu」よりお知らせします。

※あらかじめDMを受け取れるよう設定してください。
※ご当選の場合、2024年5月7日までに賞品送付先を専用フォームにてご登録いただく必要があります。かならず期日までにDMをご確認ください。

賞品発送
2024年5月中旬予定

注意事項
■応募にはXへの登録(無料)が必要です。
■当選はおひとりにつき1口までとなります。
■以下の場合は応募をお受けできません。
・非公開アカウントの場合
・ダイレクトメールを受信拒否設定している場合
・懸賞応募用アカウントやボット(bot)アカウントから応募した場合
・当選発表以前に、応募ポストを削除した場合
・当選発表以前に公式アカウントのフォローを解除した場合
・第三者の権利を侵害する内容および公序良俗に反する内容など、株式会社KADOKAWA Game Linkage(以下、弊社といいます)で不適切と判断した内容が含まれる場合
■応募に際し発生する通信料などは、お客様のご負担となります。
■フォローやリポストの際、正常な画面が表示されない場合は、Xへ再度ログインしてお試しください。
■賞品の発送先は日本国内に限ります。
■当選賞品を譲渡(転売、オークション出品含む)しないことが応募・当選の条件です。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただくことがあります。
■当キャンペーンは、弊社が主催しています。XおよびX Corp.とは関係ありません。
■Xおよび関連ツールの動作等の不測の障害により、当キャンペーンを予告なく変更・中止させていただく場合があります。
■ご応募に際しご提供いただいた個人情報は、弊社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。
■ご応募に際しお客様に生じた損害等につきましては、弊社に重過失のある場合を除き、弊社は一切賠償の責を負わないものとします。
■Xアカウントへの投稿・DMでの問い合わせには対応できません。ご不明な点につきましては、下記のサポート窓口までお問い合わせください。

お問い合わせ
KADOKAWA Game Linkage カスタマーサポート

※かならず「ファミ通.com 『FFVII リバース』楽曲インタビューについて」とご明記ください。
※サポートは日本国内に限ります。

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