2024年2月10日にサービス開始から2周年を迎えたスマートフォン、PC(Steam)向けRPG『ヘブンバーンズレッド』(以下、『ヘブバン』)。『Angel Beats!』コラボ第2弾を筆頭に、豪華イベントで盛り上がっている本作では、メインストーリー第五章前編“魂の仕組みと幾億光年の旅”の開幕が2024年2月23日に控えている。

 第五章前編の開幕を記念して、『ヘブバン』ファンを公言しているフリーアナウンサー・田口尚平さんにインタビューを実施。本作の魅力やKey作品への想いなど、存分にお話をうかがった。なお、インタビュー内にはストーリーのネタバレが含まれているため、読む際はご注意いただきたい。

※インタビューは2024年1月上旬に実施しました。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

田口尚平さん(たぐちしょうへい)

元テレビ東京アナウンサー。2020年3月にテレビ東京を退社し、現在はフリーアナウンサーとして活動中。アニメ鑑賞とゲームが趣味で、オタクカルチャーをこよなく愛している。文中は田口。

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多感な時期のKey作品との出会いが将来の道を決めるきっかけに

――初めに『ヘブバン』との出会いをお聞かせください。

田口出会いはキャストと柿沼さん(※)が出演したリリース直前生放送です。そこでMCとして出演させていただきました。

※『ヘブバン』のプロデューサーを務める柿沼洋平氏。

――これまでにKey作品を遊んだことはありましたか?

田口アニメやゲームを含めたメディアミックスのほぼすべてに触れたと思います。

――なんと! とくに好きなKey作品を教えてください。

田口選ぶとなるとどれを選ぼうか難しいんですけど、多感な時期に遊んでいたのが『リトルバスターズ!』なので、『リトルバスターズ!』は自分の中では大きな作品です。それと父親になって『CLANNAD』の重さを改めて感じています。

――時期や環境によってそれぞれの作品に思い入れがあるのですね。

田口はい。大学の同級生と1ヵ月に1回は『CLANNAD ~AFTER STORY~』の岡崎朋也と汐(岡崎汐)が和解するシーンを見る恒例行事があって、毎回観るたびに泣いています。その行事は3人で行っているんですけど、それぞれいろいろなことがあって父親にあまりいい感情を持っていなくて……。でも、そんな父親も一生懸命自分たちのことを育ててくれたのかなと、考えさせられています。

――田口さんにとってKey作品とはどのようなものなのでしょうか?

田口Key作品に出会ったのは、中学生から高校生にかけてのときで、その当時は美少女ゲームというジャンルでここまで人の心が震えるのかと驚きました。将来的にそういうコンテンツに関わる人生だったらうれしいなと考えるきっかけになっています。Key作品の影響もあり、実際にフリーアナウンサーとしてゲームやアニメに関わる活動をしていますから。

――なるほど。では、当時の夢を叶えたと。

田口そうかもしれないです。仕事でなくても『AIR』を見て日本海に行きたくなって、自転車で日本海に行くなど、いろいろなアクションを起こすきっかけになっています。

――田口さんの人生にKey作品が大きな影響を与えているのがわかりました。実際に『ヘブバン』を遊んでみていかがでしたか?

田口すごいですよ。最初はスマホでこれができるのかと驚きました。第一章のぶんちゃん(豊後弥生)のバッドエンドや、第二章の蒼井(蒼井えりか)のラストシーンを見て本気だというのがわかったし、長いタイトルになると確信しました。スマホのタイトルを長続きさせるのは難しいと思いますが、『ヘブバン』は絶対長く続くと思いましたね。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品
『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

――Keyさんがスマートフォン向けゲームを出すと聞いたときはどのように思いましたか?

田口久しぶりに麻枝節が帰ってきたという思いがいちばんです。テキストベースでの麻枝さんのセンスで育ってきたので、これがまた見られるっていうことが何よりうれしかったですね。それに、ゆーげんさんが描くキャラクターがいままでのKey作品とは違った魅力があって、儚さの中で麻枝ワールドがくり広げられている新しい感覚でした。

――『ヘブバン』はほかのKey作品と比べてキャラクターの数が多いと思いますが、こちらはいかがでしたか?

田口最初は覚えられませんでした。31A、31B、31C、30Gくらいで脳の容量が限界を迎えました(笑)。ただ、ストーリーイベントがキャラクターに愛着が湧くような設計になっていて、補完ができているのはスマホ向けゲームならではだと思います。買い切りのコンシューマーだとできない作りですよね。

――スマートフォン向けゲームならではの強みだと思います。田口さんの「『ヘブバン』のココが好き!」というポイントを教えてください。

田口まずはストーリー。Key作品ではキャラクターが亡くなってしまうことがそれなりにあるのですが、スマホ向けゲームの『ヘブバン』は、新しいガチャを用意して収益を得るというシステムの関係で、キャラクターが亡くなってしまうイメージがなかったんです。ですが、『ヘブバン』はストーリーを見せるためにゲームという皮があるので、いい意味で裏切られたなと。

 愛着が湧いたキャラクターがいなくなってしまうのが本当に嫌で(笑)。第四章前編でめぐみん(逢川めぐみ)が31Aから離脱したときも「勘弁してくれよ」ってダメージが大きかったです。でも、それも『ヘブバン』が感情移入できるゲームだからなんですよね。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

田口それと、「最初からそんなゲームシステムを想定していたの?」と不思議に思うくらい制作陣ががんばってくれているのもユーザーとしてはうれしいです。「なんでリズムゲームができるの! ダンジョンを自由に歩き回れるようになるの!」っていう。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品
『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

――つねにユーザーの想像を超えてきますよね。田口さんは『ヘブバン』の周年をお祝いするリアルイベントの司会を務めています。振り返ってみて印象に残っているできごとをお聞かせください。

田口まずは、やなぎなぎさんとShe is Legendのスペシャルライブです。

――リリース直前生放送やハーフアニバーサリー、1.5周年記念のイベントで行われましたね。

田口あのレベルのアーティストの楽曲を(番組のいちコーナーとして)生で聴けるのはすごいですよね。

 それと、柿沼さんが体を張ってるなって。ユーザーに愛されるプロデューサーってひと握りで、それは天性によるものだと思います。さまざまな言葉を投げられることもあると思うんですが、なにより声をかけてもらって応援してもらえる姿が目立つ柿沼さんはすごいです。ユーザーとの距離が近い『ヘブバン』だからこそだと思います。

もし31Aが欠けていたら『ヘブバン』を辞めていた

――メインストーリーは序章から断章IIまで配信されています。お気に入りの章を教えてください。

田口メインストーリーは全部つながっているので難しいですけど……。めぐみんの成長を描いた第四章後編はよかったです! たくさんの方が「電子の世界なのでは?」や「本当はドームなんて存在しないんじゃないか?」と考察をしていましたが、ふたを開けてみると「本当にドームがあるのかー」と。それにドーム内を歩けたことで『ヘブバン』の解像度が上がりました。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

田口お酒を飲みながらオタク友だちと考察しているときが楽しいので、その答えが出たときに「あの考えはあっていたね」とか、「それならあれはこういうことじゃない?」みたいな考えをアップデートしていく感覚がスマホ向けゲームならではというか。時間をかけて熟成していくコンテンツだからこそ味わえる楽しみかただと思います。

 コンシューマーのゲームだと基本的に最初から最後まで用意されているので、それぞれがクリアー後に感想を話す読後感想会みたいになっちゃうんですけど、スマホ向けゲームだと未来に向けて自分の考えをすり合わせていくのができるので、すごくおもしろいです。

――またまたスマートフォン向けゲームならではのよさですね。とくに切ないと感じた場面はどこでしょうか?

田口第二章の蒼井のラストシーンも切なかったですが、やはり第四章後編のめぐみんのシーンかな。アキばーさんがめぐみんの母親とは思いませんでした。環境的にも家族というテーマに弱いので、第四章後編は刺さりましたね。

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――お話を聞いていると、第四章後編がかなり印象に残っているように思えます。対して第四章前編はいかがでしたか?

田口31Aが大丈夫か、ずっと心配に思っていました。蒼井の件もあって、めぐみんがいなくなってもストーリーが進む可能性があったので。めぐみんはけっこう推していますし、あの6人の31Aがいいので誰かが欠けるのは嫌だなって。もし、欠けたら『ヘブバン』を辞めるかもしれないとまで思っていました(笑)。

――そこまで感情移入していたのですね。切ないシーンと対照的なギャグシーンも『ヘブバン』の魅力のひとつです。好きなギャグシーンも教えてください。

田口いろいろありますけど、「よっ!」、「トロピカルだねぇ!」のようなユーザーの脳裏に焼きつくギャグシーンはいいですよね。1.5周年記念のイベントで「よっ!」、「トロピカルだねぇ!」を使ったコール&レスポンスを会場の皆様とやったんですけど楽しかったです。

――ありがとうございます。2024年2月23日には第五章前編の追加が予定されています。期待している点をお聞かせください。

※インタビューは2024年1月上旬に実施しました。

田口第四章まででだいたいの現状の整理ができていると感じていて。ティザームービーも見ましたけど……。わかんないです(笑)。全部楽しみです。

 まぁとにかくナービィという存在、起源が気になります。第一章で“星のナービィ”なんてギリギリのパロディをやっていましたけど、コピー能力的な特性もあってガチでそこから伏線張ってたのではと気になってしかたがありません。

――田口さんは第五章前編についても考察しているのでしょうか?

田口ティザームービーでは月歌(茅森月歌)にスポットが当たっていますが、和泉ユキも31Aで大事なポジションだと思っています。月歌との関係を深掘りするようなシーンを小出しでもいいのでみたいです。

――茅森と和泉の関係が鍵になると。

田口メインビジュアルを見て、水たまりに和泉ユキの眼鏡のようなものが映っているのに気づいてから、「表裏一体なのかな」と思ってずっと引っかかっています。あとは、第五章前編では誰もいなくならないでほしいです。

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退場したキャラクターがメインのストーリーイベントが精神を安定させる

――メインストーリーのほかにも、ストーリーイベントが月1回配信されています。お気に入りのストーリーイベントはありますか?

田口ストーリーイベントだと“行動観察報告書 第1186号”です。『ヘブバン』の1日1日が経過していくシステムを逆手にとって、時間を巻き戻す形で第三章を再度演出する。表現方法が本当にお見事でした。

――最近だと“私立セラフィム学園 ~蒼井、アイドルになります!~”が本編とは異なる時系列のストーリーを描く変わったイベントでした。こちらはいかがでしたか?

田口すごくよかったです。完全に別の世界の話として打ち出してくれるなら、それはそれで楽しめますもんね。こういう形ができるなら、もし今後退場者が出ても精神が安定します。

――退場した後にまったく登場しなくなるという不安は減りますもんね。

田口そうそう。そうなんです。

 あと、ちびっ子たちにはがんばってほしいです。丸山部隊(※)みたいなちびっ子たちががんばる話は好きなので。緋雨(小笠原緋雨)はストーリーイベントの物語がすごく重かったですけど、ふだんとのギャップも相まって好きになりました。緋雨の過去に苦労した話はもっと見たいです。

※“進めちびっ子大作戦U140”などで登場する、丸山奏多が部隊長を担う部隊。

――2023年の2月には『Angel Beats!』コラボイベントが開催されました。Keyファンである田口さんとしては見逃せないと思うのですが、いかがでしたか?

田口おもしろかったです。違和感のない導入が完璧でした。野田クリスタルさんも絶賛していましたね。やはり『ヘブバン』と『Angel Beats!』は親和性が高いなと。どちらも学園チックで銃火器を持っていますし。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

――切なさという部分ではいかがでしたか?

田口入江みゆきにフォーカスしたのがよくて……。なんで入江なんだろうと思ったときに、アニメでは描かれなかったし、アニメで描くには尺が足りなかったのかなと。でもそこをフックにして切なさにつなげるストーリーは最高でした。もっとやってほしいですし、『Angel Beats!』だけではなくほかの作品でも見たいです。

――先ほども話されていた『リトルバスターズ!』とかですよね。

田口『リトルバスターズ!』見たいですねー! 『リトルバスターズ!』とも親和性が高いですよね。いけると思います!

お気に入りのキャラクターは天音巫呼。使いやすさから愛着がわくことも

――『ヘブバン』ではたくさんの部隊とキャラクターが登場します。まずは好きな部隊を教えてください。

田口キャラが立っているのか立っていないのかわからないカオスさを感じる31Cです。山脇様(山脇・ボン・イヴァール)を基点として付き合っているだけなのか、本当にそれを楽しんでやってるのか、それぞれのキャラクター視点ではまだわからない感じも含めてなんとなく統率が取れてる風なのが好きですね。

――そうなると31Cが登場する第一章は思い入れがありそうです。

田口そうですね。ぶんちゃんのバッドエンドが最初のフックになって、ぶんちゃんの背負っているものの重さから山脇様がいい人だとわかって。ゲテモノ風に見えるけど、きちんとやりたいことや目標があるのはすごく感じました。31Cが好きな人はけっこう多いと思いますよ。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

――31Cに関わらず、好きなキャラクターを教えてください。

田口やっぱり天音(天音巫呼)かな。これはキャラクターデザインもそうなんですけど、ストーリー攻略の手助けをしてくれたのが大きいです。知性依存の全体攻撃がありがたかった。

 キャラクターで言ったら、小さいのに一人称が“わし”で、ボケかと思ったらツッコミというキャラクターが渋滞しているところが好きなので、早くメインで登場するストーリーイベントをみたいです。

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――Xで「天音巫呼が好き」と投稿しているのを見ましたが、バトルで使ったことで愛着が湧いたのですね。

田口声を聞いているだけでもだんだんと好きになりますよね! 「おりゃー」とか。

――声の影響もあったと。

田口これまでのKey作品だと攻略ルートがあってそれぞれに向かい合うという形が基本でしたが、『ヘブバン』の場合は好きになる入り口がどこになるかはわからない。自分の場合は、戦闘に連れていく回数がきっかけになりました。貴重なリソースをどこに投入するのか考え、天音を育成しました。

――ということは天音のスタイルはかなり育成されていたり?

田口“エクスペリメンタルなキミ”は4回限界突破をしています。ただ、“山脇様の手下:マジカルにゃん”はまだ1回だけです。

――ちなみに宝珠強化も行われているのですか?

田口ずっとプレイできるわけではないですけど、恒星掃戦線などのイベントがあるたびに、ひたすら宝珠を集めてます。スコアアタックもかなりプレイしています。

――ストーリーだけでなく、RPG部分も楽しまれているのですね。

田口そうですね。メインストーリーのバトルは、難しすぎて逆に興奮しながらできる最高のゲームバランスでした(笑)。ゲーマーなので「何だコレ!」となるぐらいの高い難度がよかったです。それにそれくらいの方が調整される前にクリアーしたいという目標にもなるので。

――最新の第四章後編はかなり難度が高かったと思います。

田口道中で戦うキャンサーが固くて。正直に話すと「うざい」とは思いましたけど、そこをプレイするのが楽しかったです。

――なるほど(笑)。では、もし第五章前編の難度が高かったとしても楽しめそうですか?

田口難しくて興奮してしまうくらいの難度じゃないと試行錯誤しないんですよね。ゲームは試行錯誤してこそだと思うんで。もちろん、難しいと思っているユーザーがいるのはわかっているんですけど、個人的にはこれくらいの難度が好みです。ただ、道中の戦闘で固すぎる敵が用意されているとかは……勘弁してほしいですね(笑)。

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――お話を戻しまして、天音以外の31Cのメンバーをバトルで使っていますか?

田口バフ役で星羅(桜庭星羅)は使いますし、アーデルハイド(神崎アーデルハイド)も使っています。属性の関係で戦いかたがだんだん変わっていく中で、アーデルハイドにはお世話になりました。

――好きな部隊とキャラクターが両方とも31Cに所属していますが、31C以外で好きなキャラクターはいますか?

田口緋雨が好きですね。もともとネタキャラのような感じで好きだったんですが、先述した通り、ストーリーイベントで深みが出てより好きになりました。

 緋雨って剣士なのにセラフが銃とかいちばんのネタキャラとして設定されていたと思うんですよ。それがイベントを見ると、セラフが銃なのは納得しました。ただ、いままでは自然に笑っていましたけど、しっとりした感情を持ちながら笑うようになったので、緋雨の捉えかたは変わったかもしれません。

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――小笠原はちびっ子というのも相まって好きなのかなと感じました。

田口それもあると思います(笑)。

――好きなキャラクターは一貫していますね(笑)。部隊、キャラクターと続いてつぎは好きなスタイルを教えてください。

田口白河ユイナの“Infernal Sanctuary”はきれいだと思いました。人気投票で1位になった東城つかさの“真夏のPrayer”も好きです。あれが嫌いな人なんていないですよね!

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品
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田口あとは、31Aのスーツもかっこいい。6人分が実装されましたし、ストーリーにも関わってくるのが粋ですよね。

――新スタイルとして実装してほしい衣装はありますか?

田口うーん。セラフ部隊全員のスーツ姿は見てみたいかも。スーツでなくても、部隊ごとに統一されたスタイルが実装されたら揃えたくなると思います。

 固定の部隊じゃなくても、ストーリーイベントで映画撮影をしたメンバーや、臨時で組んだ丸山部隊のお揃いも見てみたいです。そのときはワンポイントの小物がお揃いというのもありかも。あとはスーツのような時期にあまり関係ない衣装のほうがうれしいです。

――具体的にありがとうございます。キャラクターの掛け合いでお気に入りの組み合わせはありますか?

田口めぐみんとタマ(國見タマ)の掛け合いが好きです。第四章前編でめぐみんが31Aを抜けてしまったこともあって、「おい、タマぁ!」が聞けるたびにうれしくなります。

 それに、1周年記念のイベントでめぐみん役の伊波杏樹さんが出演されていて、アイコンタクトで振ったら、柿沼さんに向かってすぐさま「おい、柿沼ぁ!」ってアドリブで対応してくれたことがあって。そのときの迫力がすごくて記憶に残っています。実際に生で聞いたから印象に残っているというのもあるかもしれません。

――ほかに好きな掛け合いはありますか?

田口山脇様と豊後の掛け合いも好きですし、31Cってほかの部隊と絡んだときにも別のおもしろさがあって。天音が丸山部隊でツッコミ役になっているのとか、どれもおもしろいです。

――『ヘブバン』は多彩な楽曲もの魅力のひとつです。お気に入りの楽曲も教えてください。

田口全部好きなんですけど『Dance! Dance! Dance!』はイントロの感じが好きです。これも生で聞いて「いい!」ってなりました。あとは『ありふれたBattle Song~いつも戦闘は面倒だ~』もいいですし。『Angel Beats!』コラボの『Crow Song(SiL Ver.)』も最高でした。

『ヘブバン』田口尚平さんにインタビュー。大人になって昔を振り返ったときに「やっててよかった」と感じられるのがKey作品

――やなぎなぎさんが歌う楽曲でお気に入りの楽曲はありますか?

田口タイトル画面で流れる『Burn My Universe』や、第二章のクライマックスで流れる『White Spell』がお気に入りです。

 Key作品は楽曲と演出が相関していて、楽曲が流れるときに無音なのとやなぎなぎさんの声が聞こえるのとでは記憶の残りかたが全然違います。

大人になって当時遊んだときに感じたものを振り返る“楔”になるのがKey作品

――『ヘブバン』の今後の展開で期待していることを教えてください。

田口世界が平和になるのかどうかが気になっています。個人的にはバッドエンドでもいいんですけど(笑)。ただ、終わってほしくない気持ちがあるのもたしか。スマホ向けゲームという特性上、どうなるんでしょうね。

 あとはコラボをもっとみたいです。ほかのゲームのコラボだと、バラバラな世界観を無理やりつなげている印象を受けるものもありましたが、『ヘブバン』と『Angel Beats!』のコラボはKey作品という共通の土台があるのですごくよかったです。なので、ほかのKey作品とのコラボをみたいですね。

――無理やりつなげるのではなく、自然な形で違和感のないコラボを期待していると。

田口究極、戦わなくてもいいので絡みを見たいです。月歌がKey作品の中でも異質なキャラクターで、どの作品の世界でもなじめそうなんですよね。杉田さんや中村さん(※)が演じているような男性キャラクターと絡んだらどうなるのかを見てみたい!

※杉田智和さんは『Kanon』の相沢祐一役、中村悠一さんは『CLANNAD』の岡崎朋也役を演じている。

――最後にまだ『ヘブバン』をプレイしていない方に向けて、メッセージをお願いします!

田口Key作品に触れたことがある方は食わず嫌いせずに遊んでみてください。運営がストーリーを大事にしていて、そこにたどり着くためのサポートをがんばっているので、RPGをあまりプレイしない方でも少しがんばるだけで楽しめます。それに、「俺たちが見ていたKey作品の感動が待っているぜ」とか、「『夏影 -summer lights-』(※)が聴けるぜ」という、Keyオタクへのファンサービスもあります。

※『AIR』の代表的な劇中楽曲。

 若い世代の方にはKey作品に触れたことがない方もいるかと思います。Key作品は基本的に群像劇。家族や友情といったテーマを感じ取れて、プレイ後にはものすごく感情を揺さぶられます。これまではプレイ後に感じていたものを、『ヘブバン』はリアルタイムで更新していく感じなんです。スマホ向けゲームのシステムをうまく使って章ごとにいろいろなテーマを感じ取れ、友だちと共有しながら感想を話し合うのがすごく楽しいゲームです。純粋にゲームシステムとしてもおもしろいんですけどね。

 大人になって振り返ったときに「やっててよかったな」とか「成長したな」とかそのときに感じたものを振り返る“楔”になるのがKey作品です。古のKeyファンとしてそういう経験をたくさんしてきているので、『ヘブバン』で麻枝ワールドに触れていただきたいです。絶対に損はしません!

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