4人対4人でアワを撃って戦う、スクウェア・エニックスが送る新作シューター『FOAMSTARS』（フォームスターズ）。2024年初頭発売が決定し、東京ゲームショウ2023での試遊に加え、9月30日から10月2日にかけてオープンベータテストが行われる予定だ。これらのイベントに先駆けて、メディア体験会が行われたので、その模様をリポートする。
5月25日に行われたPlayStation Showcaceでトレーラーが公開され、X（Twitter）で盛り上がりを見せた。なかには、「見た目やジャンルが『スプラトゥーン』に似ている」という意見も見られた。そこで、『スプラトゥーン』を8年以上プレイしている筆者の目線から本作のプレイインプレッションをお届けしていくが、さしあたって伝えておきたいのは“似て非なるもの”であるということ。詳細については以下を読んでもらいたいが、プレイ時間の都合でふたつのルールをそれぞれ数戦ずつしか遊べなかったため、ゲームの本質を理解しきれていない部分がある点には留意いただきたい。
『FOAMSTARS』試遊リポート
アワで包んでボードでふっ飛ばすゲームです
まずは、ルールをおさらいしておこう。本作は、アワを撃って戦う4人対4人の対戦ゲームで、攻撃を加えて相手の体力をゼロにすると、アワに包まれたボール状の“無力化状態”（フォームドアップ）になる。この状態の相手に対して、スライドを使って体当たりすれば撃破（本ゲームでは“チルする”と表現）となる。逆に、味方がスライドで体当たりすれば戦闘に復帰できるという仕組みだ。そのため、単独で行動するよりも、仲間と連携できる距離で戦うのが基本となりそうだ。
また、自チームのアワの上ではスライドで高速移動が可能だが、相手チームのアワの上では移動速度が低下する。そのため、アワで自チームの行動範囲を広げつつ戦うことが重要になる。リスポーン地点は決まっているものの、ステージ内にいわゆる自陣というものがほとんどなく、アワを盛った場所が主戦場となるはずだ。このとき、アワをただ横に広げるのではなく、アワを高く持って遮蔽物として利用したり、上から攻撃するための足場として利用するなど、立体的な使いかたが肝になるだろう。
バトル中は、自チームのアワ、相手チームのアワや攻撃、スキルの演出やステージ内のギミックなど、さまざまなものが目まぐるしく変化するため、初めてプレイすると画面の情報量が多く、ゴチャゴチャしている印象も受ける。ただ、このあたりは慣れてくると感じかたが変わるだろうし、本作は“アワパーティシューター”と銘打っているので、その名に偽りなしといった感じで、本作の楽しい部分であることもまた間違いない。
武器やスキルはフォームスター（キャラクター）ごとに決まっている。体験会では8人から選択可能だったが、時間の都合で3人しか触ることができなかったものの、近距離攻撃が得意、サポートが得意など、キャラクターごとに“得意なこと”が明確になっている印象だ。記事末尾に各フォームスターの特徴紹介をしているので参考にしていただきたい。
数少ないプレイのなかで個人的に重要だと感じたのが、サポート型のフォームスターの存在。というのも、相手のアワを消すにはアワを撃つ必要があるものの、高く盛られた相手チームのアワを、自チームのアワで盛り返すのはかなり大変だったからだ。そういったケースでは、スキルを使うことで一気に取り返せるため、スキルで広範囲に泡を展開できるキャラクターがチームにひとりいると、かなり戦いやすくなるようだ。
後半になればなるほど盛りアガる“SMASH THE STAR”
ここからは、バトルのルールについて。今回遊ぶことができたルールのひとつが“SMASH THE STAR”。相手を7回チルすると、相手プレイヤーのひとりが“スタープレイヤー”になり、このプレイヤーを倒したチームが勝利となるルールだ。
スタープレイヤーに選出されるのは、それまでにもっとも活躍していたプレイヤーのため、必然的にうまいプレイヤーが選ばれやすい。さらに、スタープレイヤーになると体力が非常に多くなるため、簡単には倒されなくなる。つまり、試合が劣勢に進んでいても大逆転のチャンスがあるということだ。
この特定のプレイヤーに焦点が当たるシステムのおかげで、仲間はスタープレイヤーを守るように、相手はスタープレイヤーを倒すために、すべてのプレイヤーが同じ場所に集まりやすくなっている。つまり、時間が経過するにつれて目的が集中することになるのだ。
さらに、単純にスタープレイヤーを集中して狙っても簡単には倒せないため、横からほかの相手プレイヤーに倒されて逆に劣勢になってしまう……というケースも多々あった。護衛している相手から倒すか、スタープレイヤーを狙うかといった駆け引きも重要だろう。そのため、試合の後半になるほど盛り上がる仕組みになっている印象だ。
内野外野に分かれる不思議なチーム戦“HAPPY BATH SURVIVAL”
もうひとつ試遊したルールが“HAPPY BATH SURVIVAL”だ。4人対4人のバトルだがふたりづつ内野と外野に分かれ、メインの対戦となる内野で2対2の対戦が行われ、外野にいるメンバーはアワを盛って仲間をサポートする役割を担う。
外野を担当中は全員が同じ武器とスキルになり同条件でサポート、内野は相手全員をチルさせると勝利となる。最大3ラウンドの2本先取で、最初の2戦は内野と外野を入れ替えて対戦、1勝1敗になった場合に3戦目が行われ、お互いのチームの勝利した内野同士が激突する仕組みになっている。
内野の比重が重く感じるルールだが、勝利のためには外野の動きが肝になりそうな印象を受けた。相手の移動先を塞いで仲間が攻撃を当てやすい状況を作ったり、仲間の足下に泡を盛って移動を助けたりといったことが欠かせないのだ。
また、仲間のひとりが倒された場合、残った内野の仲間は倒されないように立ち回る必要がある。このときに、相手の動きを阻害するようにアワを盛って、時間を稼ぐ動きが非常に重要になる。臨機応変に立ち回る柔軟さが求められるが、うまく連携できたときの楽しさは格別なものになりそうだ。
最後に、カメラについて。本作にはジャイロ機能を使った操作も可能だ。感度の調整は必要だが、ほかのゲームでジャイロ操作に慣れているプレイヤーはジャイロ機能をオンにすればすぐに違和感なくプレイできるはず。
ただし、今回のプレイでは少しずつホームポジションからズレてしまって、同じ体勢でコントローラーを持っていられなくなってしまった。R3ボタンでカメラ位置をリセットできるのだが、リセットが必要な頻度が高かった点が気になった。これは、オープンベータ時のバグとのことなので今後の改善に期待したい。
というわけで、『FOAMSTARS』の体験会でのプレイインプレッションをお届けしてきた。発売時期が2024年初頭と発表され、東京ゲームショウ2023ではSMASH THE STARルールでの試遊が開催される。また、9月30日からのβテストではSMASH THE STAR、HAPPY BATH SURVIVALふたつのバトルルールで遊べる。きっと、ハチャメチャで熱く楽しいバトルが待っているはずだ。
以下、フォームスター紹介シートから引用
個性豊かなフォームスター紹介
ソア
シャボンを自由に操れる『スタイリッシュなアイドル』
デュアルハンドガンタイプ：2丁のハンドガンから 大量のシャボン弾を連射する。
△GITO
eスポーツで培ったゲームの実力を証明したい『プロゲーマー』
ショットガンタイプ：高威力のアワ散弾を発射する。
トニック
とにかくが大好きな『天才発明家』
チャージバーストライフルタイプ：1度に5発のアワ弾をする。ボタン長押しでチャージするとアワ爆弾を放てる。
グレート・ジェッター
バスベガスの平和を守る『自称スーパーヒーロー』
チャージショットガンタイプ：アワ散弾を発射する。ボタン長押しでチャージすると大きなアワ弾を放てる。
メルティ
天真爛漫でキュートなアイスクリームショップの『看板娘』
ホーミングランチャータイプ：アイスクリーム型のアミサイルを発射する。照準に相手を捉えて発射するとホーミングする。
ザ・マスター
ジェントルな包容力のあるカフェバーの『マスター』
ロングホースタイプ：アワを遠くまで発射する。中遠距離で扱いやすい。
ケイオス・エンダー
パリピを滅したい『殺菌人』
ワイドホースタイプ：アウを幅広く放射する。中近距離で扱いやすい。
グウィン
地球温暖化と戦う『ペンギンソルジャー』
アサルトライフルタイプ：シャボン弾を連射する。中遠距離で扱いやすい。
