2020年に発売されたオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』。その拡張パック“仮初めの自由”が2023年9月26日に配信されます。対応機種はプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(※)です。

※本拡張パックは、プレイステーション4(PS4)版とXbox One版には非対応。

 この拡張パックは“スパイスリラー”がテーマになっており、『パシフィック・リム』や『アベンジャーズ』シリーズでおなじみのイドリス・エルバ氏がエージェントの“ソロモン・リード”役を演じる、といった情報がこれまでに開示されていました。

 本記事では、そんな“仮初めの自由”を、脳筋ビルドの新米スパイとしてプレイした模様をお届けします。さらに、CD PROJEKT RED ジャパン・ローカライズ・マネージャーを務める西尾勇輝氏へのインタビューも実施。大ボリュームな拡張パックの内容についてお聞きしました。

 なお、ファミ通のYouTubeチャンネル“ファミ通TUBE”では、プレイ映像を掲載。こちらもぜひご覧ください。

『サイバーパンク2077』拡張パック「仮初めの自由」プレイ映像

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シナリオ概要:またきな臭い陰謀に巻き込まれる予感がプンプンする新合衆国大統領救出作戦

 本拡張パックでは、これまであまり描かれていなかった新アメリカ合衆国がフィーチャーされています。新合衆国の大統領はロザリンド・マイヤーズ。ミリテク社のCEOを務めた経験もある女性です。

 “仮初めの自由”でVは、新合衆国の情報機関“FIA”のエージェントとなって、同じエージェントのネットランナー“ソングバード”や、彼女の元上司であり現在は“冬眠中”というソロモン・リード(演じるのはイドリス・エルバ氏)、そしてマイヤーズ大統領と関わりながら任務を遂行することになります。

 さて、ストーリーはソングバードからの通信で幕を開けます。彼女の腕は確かなようで、なんと主人公であるVのRelic(Vの脳内に埋め込まれたチップ)をハッキングして連絡をよこしてきました。「こいつ、脳内に直接……!」ってやつですね。

 ソングバードによると、自身とマイヤーズ大統領が乗った飛行機“スペースフォース・ワン”が何者かにハッキングされて制御不能になっており、飛行機が無事に不時着できるようにVに手伝ってほしいとのこと。その報酬は、VのRelicの治療だと言います。怪しいことこの上ないですが、RelicのことをチラつかせてくるのならVはやるしかありません。

 飛行機はナイトシティ内の“ドッグタウン”(拡張パックで追加される新エリア)に不時着する予定でした。しかしその直前で、謎の地対空ミサイルにより墜落。マイヤーズ大統領とソングバードは離れ離れになり、大統領は、ドッグタウンを牛耳るハンセン大佐の私兵組織“バーゲスト”に追われることに。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

 Vはバーゲストを撃退し、マイヤーズ大統領と合流。大統領は危機を打開するため、“冬眠中”のエージェントであるソロモン・リードに接触し、彼に協力を要請するようVに依頼します。

 マイヤーズ大統領はなぜ命を狙われ、貶められようとしているのか、ソロモン・リードが“冬眠中”となってしまったのはなぜか、そして音信不通になってしまったソングバードは無事なのか……。本拡張パックでは、これらの謎に迫る新たな物語が展開されるようです。

“仮初めの自由”を通過することで新たなエンディングへ分岐

 『サイバーパンク2077』はマルチエンディングシステムとなっていて、Vの運命がどうなるかはプレイヤーの選択に委ねられていました。

 本拡張パックをインストールすると、“仮初めの自由”を遊んだ人がたどり着けるエンディングが新たに追加されるとのこと! 拡張パックに登場するキャラクターたちがエンディングに関わってくるのでしょうか。どんな内容かが気になります!

拡張パック“仮初めの自由”に登場する人物たち

ロザリンド・マイヤーズ

 3期にわたり、新合衆国の大統領を務めている女性。もともとはミリテクのCEOであり、さらにその前は海兵隊所属の軍人でもありました。大統領を長く続けられているのは、その人脈があればこそです。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
マイヤーズ大統領(画面左)とソロモン・リード(画面右)。画面はPC版のもの。

ソングバード

 新合衆国の諜報機関“FIA”のエージェントで、情報分析官としてマイヤーズ大統領のもとで働いています。VのRelicに“相乗り”して今回の依頼をした凄腕のネットランナーです。

 VのRelicを治療する方法を知っている、と取引を提案してきますが、飛行機が墜落したあとは音信不通の状態が続き、行方不明に。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPS5版のもの。

ソロモン・リード

 FIAのベテランエージェントですが、現在はとある事情により“冬眠中”で、クラブのバウンサー(用心棒)として生計を立てています。もともと、ソングバードは彼の部下だったようです。

 映画『パシフィック・リム』などに出演している俳優のイドリス・エルバ氏が演じています。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はXbox Series X版のもの。

カート・ハンセン

 ドッグダウンを牛耳る男で、私兵集団(ギャング)“バーゲスト”を率いる。大佐と呼ばれていますが、その理由は「まだ明かせません」(西尾氏)とのこと。

 マイヤーズ大統領が乗る飛行機を撃墜したのも彼の仕業だと筆者はにらんでいるのですが……ストーリーが気になる!

おもな舞台は“ナイトシティの盲腸”ことドッグタウン

 拡張パック“仮初めの自由”で追加される新エリア“ドッグタウン”は、自由都市と呼ばれるナイトシティの中でも異質な場所のようです。

 ドッグタウンはパシフィカの南東にあり、大きなスタジアムがあるのが印象的です。本編で見えたあのスタジアムは、ドッグタウンの一部だったんですね。

 西尾氏によれば、ドッグタウンは壁に囲まれ独立した都市であり、ハンセン大佐が独裁者として君臨するため、NCPDもいないし企業の支配もない、政府も機能していない、ナイトシティの法が通用しない場所だとのこと。

 実際に中へ入ってみると、ほかのナイトシティの地区と変わらず人々が生活しているように見えますが、ここに暮らしているのはナイトシティで生きられなかった人や追われて逃げてきた人々。と言っても、誰でも入れるわけではなく、出入りはバーゲストたちによってきびしく審査されているようです。

 コンテナを積み上げただけの居住区があったり、ブラックマーケットが広がっていたりと、スラムのような雰囲気が漂っています。ドッグタウンのブラックマーケットはナイトシティのカブキでもあまり取引されないような武器、兵器、違法な物品なども売られているそうです。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。
『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

会いたかったよジョニー! でも相変わらず鬱陶しいな

 すでに公開されているPVでもジョニーの姿があったので、本拡張パックDLCでも会えることは分かっていたのですが、今回試遊した序盤の1時間程度の中で考えても、期待以上の登場率でした。

 多感な中学生ですら引くほどの皮肉屋で、うるさいし鬱陶しいのにいないと寂しいデジタルゴーストは相変わらずな模様。Vにしか聞こえていない一方的な合いの手がクセになります。

 Vは臨時的にFIAのエージェントとなるのですが、マイヤーズから「せっかくだから宣誓でもしておくか?」と聞かれ、宣誓するかしないかを選ぶシーンがあります。そこで筆者は宣誓するほうを選択。もらえるものはもらっておかないと。

 そんな筆者の貧乏性が気に入らなかったのか、はたまた新合衆国の組織へ組み込まれておまけに“忠誠を誓う”宣誓までしているのが嫌だったのか、宣誓中、ずっとジョニーが睨んでいました。圧がすごかった。

 ほかにも“ジョニー・シルヴァーハンド”が“ロバート・ジョン・リンダー”(ジョニーの本名)だったころの話がけっこう掘り下げられていて、さらにジョニーの解像度が高くなりました。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

パークシステムのリワークと、戦闘メカニクスの変更

 試遊では、いままでの戦闘スタイルがガラッと変わるようなリワークがされていました。

パークシステムはより簡潔に

 以前は中心から外に向かってパークの種類が伸びていった仕様が、下から上へせり上がっていく仕様に変更され、わかりやすくなりました。

 パークの種類自体は少なくなるものの、そのぶん新しいフィニッシャーなどのアクションが追加されているとのこと。簡潔になったからといって深みがなくなるというわけではなく、より直感的にプレイできるようになります。

新スキルツリー“Relic”が追加

 パーク設定画面のずっと空欄だった下の部分に、なんと新スキルツリー“Relic”が追加されます。“Relic”はマンティスブレードなどを強化するバフを与えたり、敵の脆弱な部分を可視化したりと、かなり強力な効果を得られるパークがあるそうです。

 いままではレベルアップごとにパークポイントが割り振られ、新たなパークを取得することができましたが、“Relic”の新パークにおいては少し違ったシステムとなります。西尾氏によれば、ドッグタウン内を探索すると“Relic”を強化できるパークポイントが手に入るかもしれない、とのことです。

戦闘アクションでスタミナが消費される仕様に変更

 以前は移動でダッシュをする際にスタミナが消費されていましたが、戦闘アクションでスタミナが消費される仕様に変更。つまり、無計画に刀を振り回したり銃を撃ったりするとスタミナ切れを起こします。

 筆者も試遊中、思ったよりもエイムがずれるといいますか、なんだか弾が当たらないなぁと思っていたら、スタミナ切れを起こしていました。スタミナが切れると動きが緩慢になる、銃の制御が難しくなりエイムがずれる、といったデバフがかかります。

 じつは筆者、本編をプレイしていたときは非殺傷性のバットを愛用していたバットブンブン丸だったんですよね……。いま時点の環境では、スタミナを上昇させる系のパークは戦闘ではあまり意味がない(移動を快適にするだけ)とされていましたが、“仮初めの自由”の世界では必須かもしれません。

 ちなみに、戦闘でスタミナを消費するようになった代わりに、移動ではスタミナを消費しなくなりました。これで心おきなく無限ダッシュができますね。

いつでも車両に乗っての銃撃が可能。武器を搭載した“武装車両”も

 本編では、車両に乗りながらの戦闘はイベントなどの限られた場面でしかできませんでした。しかし、“仮初めの自由”ではそれがいつでも可能になります。さらに、武装を搭載した車両も新しく追加されるそうです。

 西尾氏によれば、NCPDやバーゲストのヒートレベルが上がると、敵も武装車両を使って攻撃してくる、なんてことも起こるようになるとか。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

無限に遊べる新アクティビティが追加。ハンセンの物資を強奪せよ!

 ランダムに発生するサンドボックスアクティビティとして、“投下物資”と、“配達”が追加されます。

赤い煙が上がったら強奪の合図

 試遊中、突如として赤い煙が立ち上るシーンがありました。これは補給物資が投下された合図です。壁に囲まれたドッグタウンでは物資の搬入が難しく、ハンセン大佐は空中から投下するという形で物資を補給しているとか。

 物資は奪うこともできます。これはドッグタウン内でときおり発生するイベントで、いろいろなアイテムが入っているそう。西尾氏は「チップを拾えばちょっとしたお話なんかも読めたりします」と教えてくれました。

ナイトシティで配達業を営む

 クルマを配達するというクエストも追加されます。これはドッグタウン内だけで完結するものではなく、配達範囲はナイトシティ全域とのこと。様々な種類のクルマを奪い、特定の場所まで運ぶようです。

 筆者は本編を遊んでいた際、ファストトラベルを利用せず、積極的に車やバイクで移動していました。もちろん律儀に信号は守り、右側通行も遵守です。それだけナイトシティのドライブが好きだったので、このクエストは楽しみです。

『CP2077』やり込みライターによるプレイ雑感

 本拡張パックの試遊では、Vのビルドを3種類から選ぶことができました。知力系パークを持つネットランナー、肉体系パークを強化した脳筋、意志系パークの高速移動などを積んだ正統派スパイ、の3人です。

 筆者は脳筋ビルドを選択しました。やはり体は資本なので。

 “仮初めの自由”はスパイスリラーということで、「敵陣営に見つかったら1発アウトなステルスアクションとかあるのかも」と思っていたのですが、そこはプレイヤーに圧倒的な数の選択肢を与える『サイバーパンク2077』。どんなビルドでも、どんな方法でも、工夫をすればクリアできるようになっています。

 たとえば、立ち入り禁止エリアを突っ切る場面があったのですが、「ステルスしてもいいし、ハッキングしてもいいし、戦闘したり強行突破したりしてもいいですよ」とお声がけいただいたので、ご厚意に甘えて強行突破することに。

 「立ち入り禁止? うるせぇ、俺は行くぞ! うおおおぉぉぉぉ!」と、気合いでどうにか突破できるくらいには自由度が高いです。銃弾を死ぬほど浴びましたが。無事だったのは脳筋ビルドのおかげでしょう。

 また、ソロモン・リードをはじめとして、拡張パック“仮初めの自由”に登場する新キャラクターはどれも魅力的な人物でした。ソングバードはVの治療ができると言っていますがなんだか怪しいですし、ドッグタウンを牛耳っているハンセン大佐がどんな人物なのか、かなり気になります。

 イドリス・エルバ氏が演じるソロモン・リードは、初対面したときに「なんかうさんくさいぞ」と思いました。諜報員という先入観があるからかもしれませんが、本心が読みづらいと言いますか、なにか腹に抱えている感じがあったんですよね。

 「この仕事では同僚に銃を突きつけるほうが正解なことだってある」なんてかっこいいことを言っていたのに、つぎの瞬間、電話がかかってきて「店長? 今日はオフなんですから出られませんよ」と所帯臭さをにおわせてきます。いきなりギャップ萌えを見せつけてきました。やっぱり油断なりません。

 登場キャラクターのなかでも、筆者はとくに新合衆国大統領のマイヤーズが気に入りました。元軍人の政治家というバックグラウンドのおかげか、戦闘はお手の物。クリアリングが完璧すぎて見惚れました。

 女傑っぽさを感じさせる部分もかっこよくていいのですが、まだ油断ならない状況なのにそのへんからビールを見つけてきて飲んだりとか、まだ出会ったばかりのVに「普段なら睡眠薬を飲んで報告書を読んでいる時間なのに」とちょっと弱い部分を見せてきたりして、人間らしくていいなぁ、と。

 追加されるシナリオはかなりの大ボリュームなのではないか、と予感させる仕上がりでした。しかもここに新コンテンツまで追加されるのですから、筆者の『サイバーパンク2077』のプレイ時間はまだまだ延びそうです。リリースを楽しみに待ちたいと思います!

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

ローカライズ担当:西尾氏にインタビュー

西尾勇輝(にしお ゆうき)

CD PROJEKT RED ジャパン・ローカライズ・マネージャー。文中では西尾。

――マイヤーズ大統領によれば、ソロモン・リードは“冬眠中”とのことですが、これは休職中、というようなニュアンスでしょうか。

西尾そうですね……厳密に言えば、休職よりシビアだと思います。現在、彼は無給の身なので。

――確かに、ゲーム中で“現在はクラブの用心棒をしている”とリードが言っていました。

西尾彼もみずから望んで“冬眠”したわけではないんです。そのあたりは拡張パックを遊んでいただければ分かるかと思います。

――本拡張パックは、ストーリー中のどのタイミングで遊ぶことができるのでしょうか。

西尾ジョニーとのやり取りを見ていただければ分かるかもしれませんが、彼とVが、ある程度関係性を構築している前提で話が進んでいきます。ですので、明確にここからというのはお伝えできないのですが、本編をある程度進めていただいてからプレイできるようになります。

――完全に独立したシナリオや、エンディング後に遊べる拡張パックではない、ということですね。追加される新エンディングでは、拡張パックのキャラクターが深く関わってくるエンディングが見られる、ということでしょうか。

西尾詳細は伏せますが、おおむねそのような感じです。『サイバーパンク2077』のエンディングは、Vがどう生きるか、そしてどう死ぬか、というのを一貫して描いてきたので、追加される新エンディングに関してもそこは変わりません。

――パークのツリーや内容もリワークされましたね。

西尾より分かりやすく、直感的に自分がやりたいスタイルを選べるようにリワークしました。パークの種類自体は以前より少なくなっていて、複雑になりがちだったものを簡略化しつつ、フィニッシャーのアクションなどを増やしています。『サイバーパンク エッジランナーズ』のレベッカにちなんだパークも追加されていますよ。

――すでに『サイバーパンク2077』をプレイしているデータで“仮初めの自由”を遊ぶ場合、この新しいパークシステムへはどのように移行されるのでしょうか。

西尾まだ詳細は決まっていません。以前にパーク関連のシステムをリワークしたときには1度、パークをまっさらにしてからパークポイントをお渡ししてポイントを振り直す、という形を取っていました。今回もそうなるかは分かりませんが、少なくとも、いままでプレイしてきたセーブデータで引き続き遊べるようにアップデートが入ります。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はPC版のもの。

――車での配達業はナイトシティでも発生するとのことで、拡張パック“仮初めの自由”は、ドッグタウン内だけで展開するわけではないんですね。

西尾はい。“仮初めの自由”のストーリーも、ドッグタウンの外、つまりナイトシティで発生するパートもあるので、ずっとドッグタウンにいなければいけない、というわけではありません。

――試遊をさせていただいて、本拡張パックはかなり大ボリュームなのではと感じました。想定のプレイ時間としてはどのくらいになるのでしょうか。

西尾なにぶん独立したシナリオではないので、メインストーリーの進行具合にもよりますし、申し訳ないのですが具体的に何時間という数字を出すことは難しいです。大型の、本格的な拡張パックだと考えていただければと思います。

――ありがとうございます。最後に『CP2077』ファンとしての個人的な質問なのですが、現状のエンディングの中で、西尾さんがいちばん好きなものはどれなのでしょうか?

西尾個人的にいちばん好きなのはパナムとの“星”エンドですかね。発売前からずっとパナムのセリフをローカライズしていたのもあって、パナムがすごく好きだったんです。Vがあれだけ壮絶な体験をして出した答えが「ナイトシティから逃げちゃえばいいじゃん」というのは、自分の中ではいちばんしっくりくる答えだったと思います。

『サイバーパンク2077』拡張パック“仮初めの自由”プレイリポート。新エリア“ドッグタウン”でくり広げられるスパイスリラーに、イドリス・エルバが演じるソロモン・リードが登場。皮肉たらたらな“ジョニー節”も健在
画面はXbox Series X版のもの。