2023年2月22日(水)に発売されるプレイステーション5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)用ソフト『龍が如く 維新! 極』(以下、『維新! 極』)。
本作は、2014年にリリースされた『龍が如く』シリーズのスピンオフ作品2作目『龍が如く 維新!』を現在の最新技術でゴージャスに生まれ変わらせ、さまざまな追加や調整を行った“極”タイトルとなっている。なお、デジタルデラックスエディションの特典としてアーリーアクセス権が付属しており、本日(2月18日)より先行プレイが可能だ。
本稿では、いち早くプレイした担当ライターによる『維新! 極』のプレイリポートをお届けする。
※記事内の画像はPS5版をプレイしたものです。
ちょっと邪道? 『維新! 極』にしかできないかもしれない楽しみかた
筆者はこれまでの『龍が如く』シリーズはすべてプレイし、“極”も遊んでいる。なので、“極”を遊ぶ際に“やり直し感”のような感覚がほとんどないことも重々承知していた。ただ、当時わりとガッツリ遊んでいたのと、“極”作品の中でも比較的スパンが短い9年という時間が本作にどういう影響を及ぼすかということは気になっていた。
結論から言えば、まったく問題なく……というか、ついガツガツ遊んでしまう。もちろん物語のあらすじは把握しているのだが、場面場面はけっこう忘れていて「あれ? このシーンこんなだったっけ?」という部分を、有志がネットで配信している『龍が如く 維新!』の動画をときどきチェックするありさま。エンディングまではプレイできていないが、いまのところ本作のメインストーリーは(たぶん)完全にオリジナル版そのままだ。
それでも本作は超楽しい! おかげでめちゃくちゃ締切ギリギリになってからようやく原稿を書き始める結果になってしまった。担当編集よ、スマン。
そもそも本作の物語は、主人公を“坂本龍馬=斎藤一”という設定にした時点で勝ち確定といった感のあるおもしろいストーリーだ。そして映像表現も飛躍的に進化し、時代に即したものになっている。とはいえ、言ってみれば2度目のプレイなのに、筆者がなぜこれほど引きつけられ、前のめりに遊べているのか?
その点を考えてみた結果、大きくふたつの理由があるように思えた。
いきなり“オリジナル版をプレイした人推奨”の内容を発表する形になって恐縮だが、ひとつ目は“比べる楽しみ”があることが筆者を楽しませてくれている。ぶっちゃけると、本作をある程度プレイした後、ネットなどでオリジナル版の動画を見るのが、かなりおもしろい。
本作は主要キャラクターを含め、けっこうな数のキャストが変更されている。顔と声、そして演技が変わっているから、作中に登場するキャラクターのパーソナリティーがオリジナル版とまったく同じでも受ける印象がかなり違う。それを見比べて「ああ、そういう解釈ね、なるほどねぇ」なんて“わかったヅラ”ができるわけだ。リメイク映画などならともかく、ゲームでこういう楽しみかたができるのは希有な存在かと思う。
さらに言えば本作は基本的に過去の『龍が如く』シリーズに登場したキャラクターが物語に登場して“幕末にいた誰か”を演じるスタイルなので、筆者のようにシリーズをすべて遊んでいる人だと、「ああ、過去作でこのキャラクターはこういう性格の持ち主だったから、『維新! 極』でこのキャラクターになったわけね」なんてことも勘ぐって楽しめたりする。
もちろん、これは勝ち確定と言えるような魅力的なメインストーリーがあり、これまで『龍が如く』シリーズが歴史を積み重ねてきたからこそできること。オリジナル版を遊び、『龍が如く』シリーズを楽しみ続けてファンの皆さんは、「こういう楽しみかたもあるよ」ということを知っておいてほしい(あくまでも筆者の楽しみかたなので)。
そして、オリジナル版をプレイしたことのない人は、ぜひ勝ち確定の物語を純粋に楽しんでいただければと思う。
逃げるなんてもったいない! 絡んでくるヤツは全員斬る!!
筆者が強烈に本作を楽しめているもうひとつの理由が、バトルと育成の楽しさだ。アクションタイプの『龍が如く』シリーズでは、ある程度強くなってくると、ザコ敵との戦闘がダルくなって敵を振り切って逃げたりするということをしがちなのは、筆者だけではないような気がする。しかし、本作ではとにかく出会った敵を斬りまくってしまう。なぜなら、龍馬を育てたいし、素材も欲しいから。
本作では、主人公である龍馬の自身の能力はもちろん、武具を育て、さらにバトル中に龍馬の能力を底上げする隊士も育てなければ強くなれない。言いかたを変えれば、最強になるまでわりと時間がかかるのだ。そして、最強にするためには大量の経験値や素材が必要になるので、むしろバトルは大歓迎! という思考になるわけだ。
武具や龍馬の能力を強化したり、プレイヤー自身の腕前が上がることで、文字通り“無双”できるようになっていくのが本作のハマるポイント。そして、その無双の爽快感を得るために悪人たちを斬りまくるような感覚になる。ある意味、完全に新選組にいる“人斬りハイ”の人みたいな思考になっていくのだ。おりょうさん、あなたの想いを裏切ることになってゴメン(プレイしてもらえるとわかります)。
“人斬りハイ”になるということは、当然バトル自体がおもしろくなければならないわけだが、そこはもう自信を持ってお勧めできる出来映えになっている。『龍が如く』と言えば喧嘩バトルが軸になっていて、本作でもそういった格闘戦は踏襲されているものの、剣と銃を使って暴れ回れるのが真骨頂。武器を使えるバトルなんて、素手より爽快にならないわけがない!(※筆者の個人的な見解です)
そんな本作の爽快感を底支えているのがバトルシステム。各スタイルの強さのバランス調整もしっかり行われているようで、どれかが格別に強い弱いという感じはしない。むしろ、各スタイルの経験値欲しさにバトルごとにスタイルを切り換えて戦っても、すべてで同程度の爽快感が得られるという感じだった。
もちろん、オリジナル版のようにとりあえず逃げ回って銃をバンバン撃っているという、ある意味雑な感じでも十分に戦うことは可能。敵は少し強めな気がするが、武具を強化したり、さらに隊士を編成できるようになると「ああ、いけるいける」という感覚になるので、そこはうまいこと調整されているのだろう。
このように、鼻先に絶妙な具合でぶら下げられたニンジンと、バランスがよく爽快感を重視して作られているバトルシステムのおかげで、締切をぶっちぎる人斬りが見事誕生してしまったのである。反省。
膨大な数の遊びとサブストーリー! つい遊びたくなる仕掛けがズルい!?
ある意味、『龍が如く』シリーズの定番なので取り立てて書くことでもないかもしれないが、『龍が如く』シリーズと言えば、豊富なプレイスポットと膨大なサブストーリーで、メインストーリーと関係ない部分でも楽しませてくれるというタイトルでもある。本作にもナンバリング作を上回るほどのプレイスポットが用意されているし、サブストーリーにいたっては『龍が如く』の中でもトップクラスに多いんじゃないか? というくらいの数がある。
そして、本作では武具を強化したり、有能な隊士を獲得するために大量のお金が必要になる。プレイスポットの話題で何でそんなことを言いだしたのかと言えば……プレイスポットやサブストーリーを遊び、素材や隊士をゲットしてお金を節約する、あるいは直接的にお金を稼ぐことが重要になるということを知ってほしかったからだ。
この、強化要素と単純な遊びの境界線がボヤけているからこそ、ついプレイスポットで遊んでしまったり、片っ端からサブストーリーに挑んでしまうことになる。結果、本作に費やす時間を増やしてしまう要因のひとつとなるわけだ。「もらえるものは何でももらいたい」、「賭場などでラクして稼ぎたい」といった感情を刺激してくるのはズルいんだよなあ……。とはいえ、時間泥棒=コスパで考えればお得ということなので、素直に喜ぶべきだろう。
そして、オリジナル版があることが影響しており、サブストーリーのネタが9年前だという点も注目ポイントのひとつ。『龍が如く』シリーズはその当時流行っているものをサブストーリーにエッセンスとして盛り込むことが多いので、ものによっては懐かしい気持ちになれること請け合い。筆者は、サブストーリーに登場していたJリーガーの面々を見て、メチャクチャ懐かしい気持ちになった。
もちろん、新作のサブストーリーも何本か用意されている。本作が「初めまして」の方にはよくわからないかもしれないが、『龍が如く』ファン的にはニヤリとできる系だ。
このように物語本編以外やバトル以外でも、さまざまなおもてなしを用意してくれている本作。いろいろ言ったものの、総括すると「おもしろいよ!」というめちゃくちゃシンプルなまとめでレビューを締めさせていただきたい。その理由? 続きがやりたいからに決まってるでしょ!
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