2022年9月13日、スクウェア・エニックスの『オクトパストラベラー』シリーズの最新作となるRPG『オクトパストラベラーII』(※)が発表された。
※対応ハードはNintendo Switch版、PS4版、PS5版は2023年2月24日発売予定。PC(Steam)版は2023年2月25日配信予定
前作『オクトパストラベラー』の発売から約4年。満を持して発表を迎えた同作のプロデューサーは、前作に続き、スクウェア・エニックスの高橋真志氏が務めている。ディレクターのアクワイア宮内継介氏、作曲家の西木康智氏も続投。前作を経て、チームワークを大きく強めた開発陣が、前作を超えるタイトルを目指して制作中だという。
“あのころのRPG”の思い出補正に打ち勝つことを目指して作られた『オクトパストラベラー』。その1作目を超えるために、開発チームはどのように続編に取り組んでいったのか? 開発のキーマン3名にお話を伺ったところ、なんと15000字を優に超える大ボリュームのインタビューになってしまったのだが、開発チームの熱い想いが伝わってくる内容になっているので、『オクトパストラベラー』ファン、RPGファンはぜひ読んでほしい。
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前作『オクトパストラベラー』に続き、『オクトパストラベラーII』でプロデューサーを担当。『ブレイブリーデフォルトII』などでもプロデューサーを務める。
※高橋氏の“高”の字は、正しくははしごだかです。
アクワイア 宮内継介氏(みやうち けいすけ)
『オクトパストラベラー』、『オクトパストラベラーII』ディレクター。開発においては、全体の仕様考案や、マップの設計など、非常に幅広い業務を担う。
作曲家 西木康智氏(にしき やすのり)
作曲家。『オクトパストラベラー』、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』に続き、『オクトパストラベラーII』でも全楽曲を手掛ける。
国内外から支持を得た前作は、販売本数300万本を突破!
――ついに『オクトパストラベラーII』が発表されましたが、気がつけば、前作の発売からもう4年も経つのですね。国内外からさまざまな反響があったと思いますが、改めて1作目を作ってみて、いかがでしたか?
宮内僕としては、初めてワールドワイドに向けて発売されたタイトルだったのですが、海外の皆さんからの反応が自然と入ってくるような状態になっていて、「とても多くの方がファンになってくれたんだな」というのを実感できる4年間でした。
この前、たまたま行った飲食店に、外国人の店員の方がいたのですが、『オクトパストラベラー』の大ファンだったらしくて。僕が開発者だと知ってすごく喜んでくれて、名刺までもらっちゃいました(笑)。
――それは素敵なエピソードですね!
宮内それまで、SNSなどで海外の方から「ファンです」と言われることはあったんですけど、直接、海外出身の方が語っているのを聞いて、改めてすごいなと思いました。やっぱり生の声で評判を聞くと、実感が湧きますね。西木さんはどうですか?
西木音楽に関しては、「十数年ぶりにゲームのサウンドトラックを買いました」というような声を多くいただきました。それはある意味『オクトパストラベラー』が目指していた部分でもあり、すごくうれしい反応のひとつだなと思いました。
“自分たちが子どものころにいいなと思っていたRPGを、(現代の形で)アップデートさせたい”というのがプロジェクトの目標だったと思うので、そこに対してユーザーさんから反応があったのは、すごくうれしかったです。
――全世界での販売本数は、なんと300万本を突破したそうですね。
高橋そうなんです! 本当に、ありがたいお話です。2018年の7月にNintendo Switch用ソフトとして発売してからも、熱い声に後押しされて言語を追加したり、Steamなどの他プラットフォームでも展開したりできたことで、より多くのユーザーさんに遊んでもらえたのかなと思います。
――『オクトパストラベラーII』は、最初からマルチプラットフォームでの展開となりますね。
高橋はい。今回はマルチプラットフォームでの、しかも全世界同時発売となっていて、これは我々のチームにとっては初めての挑戦になります。
1作目への反響を受けて、続編の開発がスタート
――1作目発売後にインタビューをさせていただいたとき、「続編の話を始めたところだ」とおっしゃっていましたが、具体的に続編が動き始めたのはいつごろだったのでしょうか。
高橋2018年に前作を発売した後、すぐに宮内さんたちと「つぎはどうしようか」という話はし始めていたと思います。ストーリーなどが固まるのはもっと後の話ですが、「作ろう」という話は、すぐにしました。
――1作目をリリースする前から、続編を見越していたのですか?
高橋いえ、そんなおこがましいことは考えていませんでした。やはり、続編を作れるかどうかは評判次第で決まるものだと思うので。皆さんからいいフィードバックをもらったり、ソフトを買っていただいたり、ということがあったうえで、続編が動き出したのはリリース後ですね。
――前作を作る際は、ストーリーなどが決まるまでにかなりの試行錯誤があったと伺いましたが、今回はどのように内容を固めていったのでしょうか?
宮内まずはグラフィックについて、どういう風に新しい世界を描き出していこうか、ということを話し合っていました。同時にどういうロケーションにするか、時代感を先に進めるか同じくらいにするか、といったことも考えていました。
それから個人的には、より旅らしさを感じられるようにするには、という部分を最初に考えていましたね。『オクトパストラベラー』はタイトルに“トラベラー”という言葉が入っていますから。こんな要素があれば旅感がアップするかも、ゲームとして進化するかも、ということを、高橋さんや浅野さん(※)と毎週相談していました。
※浅野智也氏……スクウェア・エニックス 浅野チームの責任者。『オクトパストラベラー』や『ブレイブリーデフォルト』シリーズ、『トライアングルストラテジー』などで企画・プロデュースを担当。
――西木さんが作曲に着手したのは、もう少し開発が進んでからの時期でしょうか。
宮内続編を作ること自体は西木さんにお伝えしていましたが、やっぱり具体的なシステムや世界観が決まらないと曲は書けませんからね。「覚悟だけはしておいて」みたいなことを言っていた気がします(笑)。
西木僕も『オクトパストラベラー 大陸の覇者』(以下、『大陸の覇者』)など、ほかのプロジェクトが先に動いていたので、実際に『オクトパストラベラーII』の作曲を始めたのは去年の頭くらいからですね。
――考えてみると、西木さんは休みなく『オクトパストラベラー』関連の曲を作られていたんですね。
西木そうですね。いまでは『大陸の覇者』の曲数が、1作目の『オクトパストラベラー』の曲数を超えていて、最新のアップデートで追加する分も含めると、110曲近くあるんですよ。1作目が85曲だったので、いつの間にか曲数は大きく上回っていました。
――『オクトパストラベラーII』の曲数はどれくらいになるのでしょうか?
西木まだ具体的な数は言えないんですけど、『大陸の覇者』よりもさらに多いですね。
――それはすごいですね! 西木さんは短い期間で、本当にたくさんの楽曲を制作されていますよね。
西木いえいえ、僕は(曲作りが)遅いほうですよ。
高橋でも実際、去年の頭から着手して100曲以上ですからね。すごいペースだと思います。
宮内それだけの曲数になったのには、とある仕様が関係しているのですが、そのあたりはまた後ほどお話しします。
昼夜の概念を導入し、グラフィックやシステムが進化
――先ほど宮内さんが「旅感を大事にしたい」とお話しされていましたが、具体的にどのような形で、旅の雰囲気が表現されているのでしょうか。
宮内まず、ゲーム内に“昼”と“夜”が存在することですね。ここがいちばん大きく旅感が出る部分だと思います。
高橋昼夜の切り換えを導入すれば、グラフィック面とシステム面、両方での進化を打ち出せるね……と話し合ったのを覚えています。
宮内前作では、昼の風景が綺麗なのはもちろんのこと、洞窟の中だったり、一部のイベントで暗いシーンがあったりしたときに、(暗闇の中で)光源からの光を受ける表現がありましたよね。その綺麗さをより多く体感してもらいたいなと思いつつも、マップ数を増やして物量で対応する形にはしたくなかったんですよ。それよりも、同じ景色を別の視点で見られることが旅の楽しさかな、と思ったんです。
しかも本作では、ワンボタンで昼と夜を切り換えられるようにしました。ゲームって、たとえばジャンプが可能な場所だったら、意味もなく飛び跳ねたりしたくなるじゃないですか。そういう手遊び感みたいなものを、世界に影響を与えるボタンを導入することで味わえるようにしたら、手軽にグラフィックが変化する楽しみが味わえて、くり返し遊んでもらえるんじゃないかと思ったんです。
――瞬時に切り換えられるのはとても快適ですね。しかも、昼夜を切り換えると、フィールドコマンドも別のものになるんですよね。
宮内そこはいちばん悩んだところでした。フィールドコマンドを増やさなくてもゲームは成り立つんですけど、やっぱり昼と夜とでやれることが違っていたほうがゲーム的におもしろいよね、ということで舵を切りました。
初めから、昼と夜とでNPCたちの配置やセリフが変わって、ちゃんと昼夜で別の生活をしているようにはしたかったんです。そこが変わるなら、NPCへのアプローチの方法も変わったほうがおもしろいねという話になって。じゃあフィールドコマンドも昼夜別にしよう、と。昼と夜のどちらかにしか登場しないNPCもいるので、そういう変化も楽しんでいただけるかなと思います。
高橋フィールドコマンドは『オクトパストラベラー』の大きな特徴ですが、やりたい人はいくらでもやれるし、「別に使わなくていいや」と思ったらほとんど使わなくてもクリアーはできるんです。そういう、自由度がある部分での懐の深さという意味で、今回もうまく収まったかなと思います。
宮内「フィールドコマンドをやりつくさないといけない」みたいな、枷になってしまうのはよくないと思ったんです。僕はフィールドコマンドというものを説明する際、“大いなる寄り道”と呼んでいるんですよ。ゲーム全体で見てとても重要な要素でありつつ、やってもやらなくてもいい部分として作っているので、そのバランスはきちんと見極めるようにしています。プレイの負担にならないように、というのはすごく意識しましたね。
――先ほど、“曲数の増加に関係する仕様がある”というお話がありましたが、もしかしなくても、この昼夜の切り換えが、曲数の増加につながるのでしょうか?
宮内そうですね。昼夜のコンセプトが決まった段階で、西木さんに相談しました。
西木昼夜で曲を分けるとなると、単純にタウンとフィールドの曲数が倍になるわけですよね。とりあえずその時点でのMAXプランを出してもらって、想定できる曲数を出してもらったら、当然とんでもない曲数になってしまって。前作の曲数やペースから考えても到底時間が足りない、という話になり、 そこから取捨選択をして現在の曲数に落ち着いていきました。
夜の曲も、最初は昼のトラックのメロディーやリズムだけを残す、みたいな省エネ設計にしようかと話していたんです。でも、イマイチうまくいかなかったので、それならしっかり夜のバージョンを作ろう、ということになりました。
――やはり、夜の曲は、しっとりとした曲調になっているのでしょうか。
西木前作が終わったころの雑談で、「つぎのタイトルを作るなら声の要素を入れたいね」という話を宮内さんとしていたんです。ボーカルものではなく、楽器として声の要素を入れるということですね。その流れで、夜の曲には声がふんだんに使われています。
高橋アレンジアルバムの『オクトパストラベラー アレンジメンツ ブレイク&ブースト』でメインテーマのボーカルバージョンを作ってもらったのも、ある意味その伏線だったんですよね。
西木そうなんですよね。『オクトパストラベラー』の音楽に声の要素を入れたらどうなるんだろう、というのをテストしたのがアレンジアルバムでした。あのときはメインテーマのボーカルアレンジだったんですけど、自分の中で「(声の要素がゲームに)しっかりハマりそうだな」というイメージができました。
冒険の舞台ソリスティアは、前作よりも文明が進んだ大地
――今回の世界には蒸気機関が登場するなど、前作よりも文明が発達していますよね。冒険の舞台を、前作から一新した理由を伺ってもよろしいでしょうか。
宮内『オクトパストラベラー』は地に足の着いたファンタジーというか、魔物や魔法が存在しつつもリアリティーのある世界を目指しているので、前作と同じ中世を下地にした世界だと、主人公も同じような出自の人たちになってしまう可能性があったんです。
そのあたりを含めて複合的に考えて、「もう少し時代を進めることで、旅人の目指すものも変わってくるんじゃないか」となったんですね。そこから、時代が進んだらこういう景色が作れるよね……とブレストも進んでいって、8つの地方が決まると同時に主人公の性質も決まっていきました。
高橋新しいキャラクター、新しいグラフィック、新しいお話、と考えたときに、最適なのは時代を進めて世界を広げることだろう、というのは最初のころに話していましたね。
宮内そうですね。前回は、真ん中に海はあるものの、基本的には地続きの世界でした。今回は大陸をふたつに分けているので、そういう意味でも大きく差別化できているかなと思います。
――そこも大きな変化ですよね。大陸間の移動手段も気になります。
高橋PVをよく見ていただくと、船に乗っているシーンがチラッと映っているんですけど、移動手段の詳細については続報を待っていただきたいと思います。今回は大陸が分かれているぶん、文明がかなり進んでいる都会もあれば、これまでになかったアジアンテイストの国があったり、獣人が住む島国があったりと、より多彩な文化がある世界になっています。
――前作の舞台であるオルステラ大陸が、本作に関わってくることはあるのでしょうか?
高橋前作を遊ばないとわからない要素は基本的に入れていません。今作から遊んだ人も、前作から好きでいてくれた人も、等しく楽しんでいただけるように作っています。
宮内明らかにオルステラ大陸を感じさせるような要素はありませんが、ふわっとしたつながりは感じられるかもしれません。
――第1報では、主人公8人のうち、ヒカリとアグネアの素性が明かされましたが、最初に紹介するキャラクターとしてこのふたりを選んだ理由を教えてください。
高橋前作でも、最初に紹介したのは剣士と踊子、オルベリクとプリムロゼだったんですよね。アタッカーとサポーターという性能を持っていてわかりやすいし、フィールドコマンドも、“町の人とバトルができる”、“町の人を連れていってバトルにも呼び出せる”というものなので、『オクトパストラベラー』を知らない人にも「そんなことができるの?」とわかりやすく驚いてもらえるかな、と。加えて、ヒカリを紹介することで、前作にはいなかった東洋風のキャラクターがいるということを示せると思いました。
――ヒカリは、正統派の剣士であるようで、夜のフィールドコマンドが“買収”であることに驚きました(笑)。
高橋一国の王子として、わりと、酸いも甘いも知っているようなキャラクターですから(笑)。
――本作の新要素として、主人公どうしのクロスストーリーがあることも明かされています。こちらはどういった経緯で生まれたのでしょうか。
宮内「主人公どうしの掛け合いを、パーティーチャット以外でも見たい」という声を、前作のプレイヤーの方から多くいただきました。自分たちも、前作をプレイしながら同じことを思っていましたし、掛け合いがあればキャラクターにより愛着も湧きますから、今回はそういう要素を入れようとなりました。
高橋個性的なキャラクターが8人いるので、やっぱりキャラクターどうしの掛け合いは見たいですよね。お互いに名前を呼び合ったり、ストーリーが交差したりしますので、「このメンバーでいっしょに旅をしているんだな」というのをより実感できるようになっています。もちろん本作のメインとなるストーリーは、主人公8人それぞれの物語ですが、それらを補完するお話としてクロスストーリーも楽しんでいただければと思います。
主人公たちの個性が反映された“底力”がドラマを生む
――バトルについても伺います。新たなアクションとして“底力”というものが登場しますが、こちらについてお話を伺えますか?
宮内底力は、端的に言うとバトルにドラマを生み出したくて追加した要素です。『オクトパストラベラー』のシステムでは、バトルの流れは、どうしても“ブレイクしてブーストして攻撃を叩きこむ”といったものに固定されがちなんですよね。
じゃあ、バトルをよりドラマチックにするにはどうしたらいいかを考えて……敵が強くて緊張感のあるバトルで、「この場面で、底力が使えたおかげで勝てた!」という状態が作れたらいいなと思ったんです。
――新たな逆転の一手となる要素なんですね。
宮内そうですね。底力は、ゲージを溜めないと使えない限定的な技です。「ゲージが予想外の溜まりかたをしたおかげで、死地を乗り越えられた」みたいな状況を生み出せるようになっています。かつ、底力は8人それぞれ多種多様で、キャラクターの特色が出ているんです。
――ジョブの特徴とはまた別の、主人公だけの特徴として底力が加わったわけですね。
宮内特定のジョブと特定の底力を組み合わせるとシナジーが生まれたりもするので、自分なりの組み合わせを考えるのも楽しいんじゃないかと思います。
――フィールドコマンドの種類増や底力の追加など、自由度がさらに高くなって、やり込み派の人はたっぷり楽しめそうですが、そのぶん調整もたいへんだったのではないでしょうか。
宮内そうですね。いちばん重視しているのは、難しくなりすぎないようにすることです。やり込みを前提にしたボスばかりだとおもしろくないので、メインストーリーはあくまで王道のRPGとしてちょうどよいバランスで楽しめるようにしています。
一方で、サブダンジョンには前回同様に手強い難敵が待っていたりするので、そこで腕試しをしてもらえるようなイメージですね。メインと寄り道、それぞれの遊びかたを前作同様に楽しんでいただけると思います。
ストーリーの描きかた、音楽の演出もパワーアップ
――メインストーリーは前作同様、章立てで進行するのでしょうか。
高橋はい。ただ、今回は前作のように、全キャラクターの物語が4章構成になっているわけではありません。こちらも、すみません! 詳細は続報をお待ちいただければと思いますが、キャラクターごとに異なる物語体験ができるように工夫しています。
――それも旅を表現する方法のひとつとして。
宮内そうですね。全キャラクターで進行の流れが同じだと、途中から起承転結の流れが見えてしまう部分もあるじゃないですか。すごく崇高な言いかたをすると、各キャラクターで別のRPGを遊んでいるような感覚になってもらいたかったんです。せっかく8人もいるわけですから。
とはいえ、システムを8パターンも用意するとプレイヤーが戸惑ってしまうので、今回は章の構成を変えて、物語の楽しみかたにも幅を持たせています。
――西木さんは、ストーリーに関連する部分で、音楽に関してこだわった部分はありますか?
高橋じつは、今回は西木さんがみずから開発中のバージョンをプレイして、曲のアサインをしてくれたんですよね。
西木前作では、ユーザーの皆さんと同じタイミングでゲームに触れたので、自分の作った曲がゲーム内でどういう風に流れているかはそこで知っていたんです。何なら、宮内さんと直接会ったのも東京ゲームショウが初めてでしたからね。
宮内制作中は一度も会っていませんでしたね。
西木今回は音楽の使われかたにもっと切り込みたいなと思って、開発中のロムをお借りして、ひと通り全キャラクターのストーリーをチェックしました。そのうえで、「ここはこの曲に、この演出はもっとこうしたいです」とリクエストを出させてもらいました。
プレイを踏まえて、すでに納品済みの曲でも、手元で編集できるものは調整して差し替えてもらったり。「このイベントでは、このセリフが出た何秒後に曲を入れてください」みたいなこともお願いしました。
――作曲に加えて、もはやイベントプランナーのお仕事も担当していたようなものですね!
西木あまり口を出しすぎてしまうと担当の方にも失礼かなと思ったので、全部ではないんですけど、個人的にこだわった部分に関しては自分で調整させていただきました。
前作から培われたチームワークと曲作り
――前作では、西木さんと早坂さん(※)が、ときに激しく議論を交わしながら曲を作ったというお話を伺いましたが、今回の曲作りはどのように進みましたか?
※早坂将昭氏……前作『オクトパストラベラー』でアシスタントプロデューサー兼サウンドディレクションを務めた。
西木今回は、僕と宮内さんがすでにお互いの存在を認識した段階で制作がスタートしていたので、楽曲の発注については宮内さんと高橋さんに行っていただきました。
僕が出したデモ楽曲に対しておふたりのご意見をいただいて、最終的なジャッジは高橋さんが出す、という流れでしたね。曲数の関係で時間も限られてはいたんですけど、1曲ずつ、3人の納得のいくかたちで、こだわりを入れて作ってきました。
――今回は産業革命が起きた世界が舞台であるということも、音楽に影響しているのでしょうか。
西木前作は中世ヨーロッパ的な世界観だったので、エレキギターなどの電気を使った楽器はなるべく使わないようにしていました。バトルはまた別枠なんですけど、それ以外はなるべくアコースティックな楽器を使っていたんですね。
今回は文明が進んでいるということで、エレキギターやドラムの音を全体的に解禁して、街並みも石造りで現代風になっているので、ジャジーな音楽など音楽的なジャンルとしても現代に近づけています。
――ヒカリの地方はアジアンテイストということで、そのあたりの楽曲も気になります。
西木あくまでも架空の国なので、どこか特定の国の音楽に寄せない感じにはしたんですが、オリエンタルな雰囲気を感じ取れるような曲になっているので、そのあたりも楽しみにしていてください。
――宮内さんたちから、楽曲に対して何かリクエストはされましたか?
宮内前回は早坂さんと高橋さんにお任せしていたところがあったので、今回は全体的にリクエストを出させていただいて、デモから確認も重ねて、「ここまで無茶を言ってもいいのかな」と心配になるぐらい意見を出しました。とくに最初のころ、各地方の曲についてはやり取りをたくさんした覚えがあります。
やっぱり、“旅感”みたいなものを実現するには、それに合った曲がどうしても必要なんです。盛り上げすぎても、大人しすぎてもダメなので、そのあたりはすごく綿密に、細かいやり取りをさせていただきました。
西木旅感というところで言えば、『オクトパストラベラー』の魅力として、川のせせらぎや木々の葉がこすれる音といった、効果音を挙げてくださる方も多かったんですよね。今回、「より音楽もアップデートさせたい」という話があったんですけど、そうするとどうしても音が厚くなっていっちゃって、効果音が聞きづらくなってしまう。それは宮内さんも気にされていて。
そんな中、昼夜の要素が入ったことで、“昼は盛り上げつつ、夜は大人しく”という曲構成にできたので、いいバランスになったかと思います。
――高橋さんは何かリクエストされたことはありますか?
高橋僕からリクエストしたことはそんなにないんですけど、楽曲に関しておもしろかったのは、グラフィックとの連携というか、お互いの化学反応ですね。西木さんに曲を発注する時点では、グラフィックはまだ完全には固まっていなくて、こんな見た目で作っています、みたいなものを参考にして作曲してもらったんです。
それをもとに楽曲が作られてゲームに実装されて、そこからグラフィックがブラッシュアップされていくんですけど、グラフィックが曲に寄っていくというか、よりマッチした感じになっていくんですよね。グラフィックチームが曲を聴きながら作業を進めていって、街の雰囲気が曲の雰囲気に合っていく、そういう相乗効果みたいなものがあって、その過程を横で見ていてすごいなと思っていました。
西木僕としても前作と被るような曲は入れたくなかったんですけど、大陸や時代が違うとは言え、雪の地方、森の地方、山の地方などの曲は、ある程度似通ってくるところもあるじゃないですか。
音楽的に差をつけるために前作にはなかったジャンルの音を入れてみると、音楽がやりすぎになることもあったんです。そこは宮内さんとも相談しながら、この曲は個人的に気に入っているから、とりあえず画面に入れてみてもらっていいですか、みたいにお願いしていたんですね。
そうしたら美術の方々が曲に合わせてくれて、音楽のやりすぎ感がなくなっていたんです。僕としても曲に力を入れて、ゲームに合うようなギリギリのラインを狙って提出していたので、そこにゲームのほうが合わせてくれるというのは、ものすごくありがたかったですね。
――お話を伺っていると、1作目を経て皆さんの関係性ができていたからこそ、新たに実現できたことがあるのだと感じます。
高橋とくに宮内さんと西木さんの関係性が構築できている影響は大きいと思います。
西木ただ、宮内さんはまだ僕に対して敬語なんですよね。
宮内慣れちゃうと、そこの境を越えるのは逆に難しくないですか?(笑)
西木(笑)。でも本当に、今回はアクワイアさんのオフィスにもわりと頻繁に行っていて、かなりやり取りをしましたね。
宮内そうですね。この前もイベントシーンの最終確認をしに来ていただいて、マクドナルドをおごったり……。
西木その話はいいでしょう(笑)。
――(笑)。東京ゲームショウまで会うことがなかった前作とは、状況が大きく違いますね。
宮内もちろん、大人数で集まることは避けていますが、やっぱり基本的にはオフィスに来てもらって、開発中のビルドを見ながら「ここはこうしたほうが」と直接話し合ったほうがスムーズなので。楽曲の収録にも何度かお邪魔させていただきましたね。本当はもっと行きたかったんですけど、やっぱり収録現場はすごかったです。
日本の音、海外の音
――前作の楽曲は生収録のものでしたが、今回も同様ですか?
西木そうですね。今回もすごい量を収録させていただきました。曲数が多いぶん日程も長くなって、国内で9日間、海外で2日間のレコーディングを行っています。
――海外レコーディングまで行っているのはすごいですね。
西木今回はアメリカのナッシュビルで収録させていただきました。現地で監修したいとギリギリまで検討していたんですが、念には念をということで、僕はリモートでの参加になったのですが。メインテーマやフィールド楽曲など一部の曲は海外で収録したものになります。
宮内海外での収録を、という話は最初の段階で出ていましたね。西木さんにも「HD-2Dを進化させていく」と話していて……今回はより密度の高い、一枚絵のドット絵として美しいと思えるシーンをいっぱい入れていきたい、と言っていたんですね。
そういう話をしていたら、「なら音楽も、フィールド曲などで音の広がりをより感じられるといいな」という話になって。海外スタジオで録ると音の広がりがぜんぜん違う、と聞いていたので、それなら一部の曲は海外で録ったほうがいいんじゃないかなと。
――やはり海外と日本とでは音が変わってくるのでしょうか。
西木日本には日本の、海外には海外のよさがある、という感じですね。前作のサウンドトラックに対する反応で印象的だったのが、海外の方が「日本のRPGの音がする」と言ってくださったことで。まさに前作で収録を行ったのは、『ファイナルファンタジーVIII』などで使われていたスタジオだったんですよね。ですので、その雰囲気は大事にするべきだなと思ったんです。だから日本でもレコーディングを行っています。
海外は日本より大きいスタジオが多いので、そのぶん広い音がするんですよね。あとは、海外の奏者の方はエモーショナルな表現が得意なことが多いので、そういう広さやエモさみたいなものを活かせるように、フィールド曲やメインテーマなどはあちらで収録しました。日本のよさを潰さずに、海外のエッセンスを取り入れたという感じですね。
――レコーディングで、何か印象に残ることはありましたか?
西木海外でのリモートレコーディングを始める際、演奏の参考にしていただくために、最初に軽く内容の紹介をしたんですけど……「今回、『オクトパストラベラー』の続編の音楽を録ります」と言ったときに、画面越しなんですが、向こうの方々が盛り上がっているのを感じたんですよね。それはうれしかったです。
収録を終えた後にも、参加した奏者の方から「いっしょにお仕事ができてうれしかったです」とご連絡をいただいたんですけど、じつはその人は、前作が出た後に、いわゆる“弾いてみた”動画を上げてくださっていた方だったんです。そういう、ファンでいてくれる方が演奏に参加してくれるということが、海外の現場でもあるのはうれしかったですね。
――ところで、楽曲についてどうしても聞きたいことがありまして……今回も、各キャラクターテーマをモチーフにした曲(エクステンド曲)から、ボスバトル曲に自然とつながる演出はありますか?
西木それはもちろんです。
高橋期待されるのもわかっていましたからね。そういうこともあって、e-STORE限定の豪華版に付属するCDには、本作のエクステンド曲とボスバトル曲をあらかじめ編集でつないだトラックを特別に収録してもらいました。
西木前作を遊んだ方からの要望に、「エクステンド曲からボスバトルにつながる演出がゲームの中でしか聞けないから、つなげた音源が欲しい」というものが多かったんですね。
――それは私も思いました!
西木かと言って、そのままサウンドトラックに収録するとすごい量になってしまうので、今回は特典のCDに詰め込む形になりました。CDに収録可能な長さギリギリで、かなりギチギチまで詰め込みましたので、ぜひ楽しんでいただければと。
オクトパストラベラーII コレクターズエディション 購入ページ前作への思い出補正を超える“スーパーHD-2D”
――先ほどHD-2Dのお話が出たので、グラフィックについても詳しく伺いたいです。“より密度の高い、一枚絵のドット絵”というと、イメージとしてはスーパーファミコン後期に発売されたソフト……たとえば、『クロノ・トリガー』などのドット絵に近いものになるのでしょうか。
宮内そうですね。前回はドット絵というものに対して皆さんが抱く、包括的なノスタルジックさを参考にしていたところがあったんですけど、同じやりかただとあまり変わらないものになるな、と思ったんですよね。今回はもっと幅を広げたいなと。
『クロノ・トリガー』で言えば、たとえば裁判のシーンがあるじゃないですか(※)。あの時代に描かれていたような、ドット絵の美しい風景をイメージして、どこでスクリーンショットを撮っても絵になるようなものを目指して、HD-2Dの表現を高めています。
※裁判のシーン……『クロノ・トリガー』序盤で主人公が裁判にかけられるシーン。その場面専用の背景である法廷が、緻密なドット絵で描かれており、ビジュアル面でも印象的な名シーンとして挙げられる。
高橋『オクトパストラベラー』が出て、その後『トライアングルストラテジー』が出て、『ライブアライブ』が出て……と、HD-2Dの作品も複数発売されましたが、やはりオリジナルは『オクトパストラベラー』ですし、生みの親はアクワイアさんだと思っているので。最初は“スーパーHD-2D”を目指そう、という話をして、そこからどんなグラフィックがいいかという議論を重ねていきました。
宮内そうですね。『オクトパストラベラー』が出た後に、技術的な講演をいくつかさせていただいたんですけど、アートに関して語ったのは、「昔見ていたドット絵に、みんなが思い出補正をかけている」ということなんです。昔のものは、やっぱり頭の中で美化されているじゃないですか。
そしていまは、前作の『オクトパストラベラー』に思い出補正がかかっていると思うんですよね。ですので、その思い出補正を超えるくらいきれいなものにしないといけない。それを目標にしていた部分もあります。
――見せかたの進化で言えば、見下ろし視点のみだった前作とは異なり、さまざまなカメラワーク演出が用意されているそうですね。
宮内そうですね。動かしているときにカメラの角度を変えるとプレイしづらくなるので、それはやりたくないなと思っていたんですが、イベントをよりドラマチックに見せたいときは、あの角度にこだわる必要はないよね、と。
そこで、イベントに関してはほぼすべての場面で、とくにメインストーリーに関しては各イベントで、カメラを調整しています。3Dとも、前回の2Dっぽいイベントともまた違う、その中間を狙って作っていきました。
――ワンシーンごとにカメラをつけるのは、かなりの作業になりそうです。
宮内そうですね。内部的にも処理が違っていて、前回はスクリプトでイベントを組んでいたんですけど、今回はアンリアルエンジンの機能を使って、3Dイベントと同じような要領で作っています。
――今回公開されたスクリーンショットを見ると、『ファイナルファンタジーVI』のオペラシーンを、スーパーHD-2Dで表現したら、まさにこうなるのでは……という感じがします。
宮内シーンによってライティングなどにもかなり凝っていますからね。オペラのステージ部分は生島さん(※)率いるアートチームに描いていただいたので、その煌びやかさ、色彩豊かな雰囲気を再現するためにも力を入れました。
※生島直樹氏……『オクトパストラベラー』や『トライアングルストラテジー』のキャラクターデザインを務める。
高橋本当に、前回の『オクトパストラベラー』はスーパーファミコン時代の思い出補正との戦いで、今回は前作の思い出補正との戦いでしたね。今回皆さんの話を聞いていて改めて腑に落ちました。
――今回はキャラクターの頭身も上がっていますが、ここも表現における新たな挑戦のひとつなのですね。
宮内背景の密度だけを上げてしまうとキャラクターに違和感が出てしまいますし、イベントでもうちょっと感情表現ができるといいな、と思っていたのもあります。
でも、いちばん大きな要因はバトルです。頭身が上がったことで、バトルの表現も大きく変わっています。前回はある程度同じ動きを使っていたんですけど、今回はアビリティごとにぜんぜん違う動きをするので、そういう表現に対応するために頭身を上げた、とも言えます。
――戦闘中のカメラワークも変わっていますね。
宮内そうですね。派手なところは派手に、前回と同じように見えるところは同じようにと、演出面で抑揚をつけた見せかたができていると思います。
スタッフの愛とこだわりで生み出されるクオリティー
――マップやバトルに関して、ほかにこだわった部分、苦労した部分はありますか?
宮内今回はマップの作りかたも変わっています。本作の開発においては、マップを作ることをレベルデザインと呼んでいるんですけど、まず2Dでレベルデザインをして、それを3Dの灰色のグラフィックで起こして、その後、本格的にマップを制作するんですね。2Dでのレベルデザインは僕ともうひとりの担当で全部行ったので、全マップを書き起こしていくという、地獄のようなことをやっていました(笑)。
高橋積極的に自分で自分の首を絞めがちですよね(笑)。
宮内ディレクターがやることじゃないかも、とか言いながらやっていましたね。しかも今回は、マップをパーツで構成しているわけではないので、いったん上面図を全部2Dイラストで起こしていて、その作業だけでも1年半くらいはかかりました。
苦労もあったんですけど、そのぶんすべてのマップに自分のこだわりを込めることができました。前作は前作でいいところがあるんですけど、今作は今作なりの探索の楽しさ、僕のこだわりが発揮されたマップになっていると思います。
高橋これは本当にそうで、開発も終盤ですが、いまだにプレイしていて「こんなところがあったのか」という発見が尽きないんですよ。
宮内でも、本当にすごいのはやはり実際にマップを制作するアート班で、イラストから3Dにしていく作業で、マップのクオリティーが何倍にも上がっていくんですよね。マップ制作をリードするメンバーは前回から変わっていないので、『オクトパストラベラー』に対する理解度や自分との関係性が引き継がれていて、マップをより魅力的にしてくれているんです。そのあたりはアートチームの功績が大きいですね。
――チーム自体が正統進化したことで、マップもよりすごいものになっていると。
宮内レベルデザインの部分でもそうですし、グラフィックも、ドットのアニメーションもそうですね。たとえば“さみだれ斬り”というアビリティがあるんですけど、僕は「縦横で6回斬り続けてくれればいいよ」ぐらいのニュアンスで発注を出したんですね。そうしたら、全部違うモーションで6回斬るアニメーションを作ってきてくれたんです。それはやっぱり、ドットの担当者のこだわりなんですよ。
それを見たときに、「すべてのアビリティをこのクオリティーにできるなら、絶対にそうしたほうがいい」という話になって。そこから、各アニメーションをひとつひとつ、エフェクト込みで設計する方向に舵を切っていきました。
今回はスタッフのタイトル愛もあって、続編だからこその作りかたができたと思います。悔いのないクオリティーになっていますね。
前作『オクトパストラベラー』を超えると自信を持って言える
――今作は『オクトパストラベラー』の正統進化ということで、タイトルもストレートに『オクトパストラベラーII』となっていますが、このタイトルは初期の段階で決めていたのでしょうか。
高橋そこまですぐには決めなかったかな、と思いますが、やっぱり“オクトパストラベラー ○○”みたいなタイトルにすると、続編なのかスピンオフなのかがわかりにくくて。そこをわかりやすくするために『オクトパストラベラーII』としたところはありますね。
メインテーマを作るにあたり、“オクトパストラベラー ○○”なのか『オクトパストラベラーII』なのか、という部分は西木さんも気にされていましたよね。
西木そうですね。『大陸の覇者』でも専用のメインテーマを作ったんですけど、それは『オクトパストラベラー』のメインテーマとは別にオリジナルのフレーズを入れていたんです。一方、今回は正統進化の続編ということで、メインテーマも前作のものを正統進化させる方向にしています。
高橋PVでメインテーマが流れたときに、「『オクトパストラベラー』の曲だ!」と気づいてもらえるようにしたい、という話でメインテーマは作ってもらっていました。このインタビューを受けているいまは、まさに初報のPVを作っている最中なんですけど、制作現場でも、空き時間に映像監督がメインテーマを口ずさんでいたりしたて。改めて、耳に残るフレーズなんだなというのを感じましたね。
――それでは最後に、ゲームファンの皆さんへ、ひと言ずつメッセージをお願いします。
西木いろいろとお話ししましたが、本当にいろいろな意味で、曲数の面でも、海外収録を行ったという意味でも、あるいは宮内さんや高橋さんとしっかり連携できたという部分でも、前作ではやれなかったことができました。
音楽面での『オクトパストラベラー』の正統進化をするための試みは、できる限り、すべて手を尽くしてきました。その進化をぜひ楽しみにしていただければと思います。
宮内先ほどのお話ともつながりますが、続編に臨むにあたり、新しいことにも挑戦しつつ、チームも進化しています。西木さんや高橋さんとの関係性もより強まって、自分がおもしろいと思うことを、より率直に、より早く伝えられるようになりました。そう言う風に、あらゆる面で進化しながら作ってきた作品なので、ユーザーの皆さんにも早く見せたい気持ちでいっぱいです。……すみません、ちょっと話がまとまっていないです(笑)。
西木ぜんぜんまとまっていないですね(笑)。僕が話しているあいだに内容を考えておいてくださいよ!
宮内西木さんいいこと言ってるな、って思っちゃって(笑)。でも本当に、前作『オクトパストラベラー』を超えるタイトルにできたという自負が、噓偽りなくあります。いまは本当に、皆さんに早くお見せしたいですし、早く触れてもらいたいですね。
高橋今回、『オクトパストラベラーII』としては初めてのインタビューになるんですけど、西木さんや宮内さんが開発中に考えていることを聞く機会にもなって、自分としてもすごくおもしろかったです。
改めて、前作『オクトパストラベラー』に対する愛着、愛情の深さと、『オクトパストラベラーII』に対する「もっといいものにするぞ!」という意気込みみたいなものを感じましたし、おふたりはもちろん、関わってもらったスタッフ全員がそれを発揮してくれたなと思います。
前作を好きになってもらった方々には間違いなく楽しんでいただけますし、今作からプレイする人も、とっておきの体験ができるタイトルになったと思います。間違いなく、とてもいいゲームになっているので、ぜひ手に取っていただけたらうれしいです。