最近、人から「ありがとう」と言われた記憶はあるだろうか。それも社交辞令などではなく、心からの感謝の言葉だ。

『百英雄伝 ライジング』先行プレイレビュー。人に感謝されることは、こんなにも気持ちいい。爽快コンボアクションと人情あふれる町おこしにどっぷりハマれた

 困っている見ず知らずの人に無償で手を差し伸べ、心からの「ありがとう」をもらう。現実ではなかなか体験できることではない。

 そんな行動を、打算も企みもなく当たりまえのようにやってのけていく。じつに気持ちいい性格の主人公が大活躍してくれるのが、今回紹介するアクションRPG『百英雄伝 Rising』だ。

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 本作は505 Gamesから、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、 Xbox One、PC向けに2022年5月11日(水)に発売予定。

 本作は、マクロ視点の壮大な物語だけでなく、登場人物たちのミクロ視点での群像劇も心に沁みる『幻想水滸伝』シリーズのクリエイターが中心となって起ち上げたRabbit & Bear Studiosが、2023年発売を目指して開発中のRPG『百英雄伝』のスピンオフとなるタイトル。Rabbit & Bear Studios監修のもと、ナツメアタリが開発を手掛けている。

 3人の性格も目的もバラバラの主人公たちが、見知らぬ田舎町の人々も含めてかけがえのない絆を育んでいく本作。今回の記事では、アクション要素や田舎町を発展させていく“町おこし”の楽しさも含め、先行プレイをさせていただいて感じた本作の魅力についてお伝えしていく。

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最初は感謝の言葉が気持ちよくてプレイしていたのだが、アクション要素の気持ちよさやストーリーの魅力にも、そのうち自然と引き込まれていった。
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最高の報酬はスタンプひとつと、心からの感謝

 本作は2023年に発売予定の大作RPG『百英雄伝』と世界観を共有する、先行スピンオフタイトルだ。本作『百英雄伝 Rising』は『百英雄伝』の前日譚であり、辺境の田舎町“ニューネヴァー”を舞台とした冒険がくり広げられる。

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平和な田舎町だったニューネヴァーだが、数か月前の地震で町の地下に古代遺跡が発見されたため、一獲千金を狙う冒険者や商人が集まってきている。

 主人公の“CJ”は、先祖代々“スカベンジャー(遺跡漁り)”を生業とする一族の出身だ。CJは一族の掟に従って親よりすごいお宝を持ち帰るまで故郷には帰らないと、古代遺跡で稀に見つかる魔法の源“レンズ”を求めてニューネヴァーを訪れる。

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 ニューネヴァーの住民は地震による損害や急に押し寄せたよそ者たちとの衝突で、困り果てていた。とある事件で前町長が行方不明となり、そのあとを任された町長の娘“イーシャ”は、高額な採掘権料を設定するなどといった強硬策で混乱を収めようとしていた。

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 そんなニューネヴァーを舞台に、CJは成り行きで獣人の傭兵“ガルー”と凸凹コンビを結成し、遺跡探索の準備にかかる。採掘権料を払えないCJに対し、イーシャは町の住人やよそ者たちの手伝いをすることでスタンプがもらえる“スタンプカード”を渡し、スタンプが溜まったら採掘権を与えると提案するのだった。

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 本作のストーリーは、真っすぐな性格で細かいことは気にしないCJ、現実的で金にがめついが人情にも厚いガルー、クールで冷淡にも見えるがとある想いと秘密を抱えるイーシャという、てんでバラバラな3人の主人公を中心に描かれていく。

 さらに本作で重要となるのが、スタンプカードの存在だ。序盤では採掘権をもらうために、町の住民の頼みごとを聞いてスタンプをもらっていくことになる。

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町の住民や冒険者、商人など、さまざまな立場の人たちが集まるニューネヴァー。手伝いを求める人はいくらでもいる。
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手伝いはクエストという形で解決していく。報酬としてお金や経験値がある程度もらえるのも、当然嬉しいのだが……。

 筆者は、この手伝いにこそのめり込んでしまった。困っている人を助け、感謝の気持ちや言葉を返してもらえる。この単純な行為が、じつに気持ちいいのだ。

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とある町の住民を助けたことで、宿がなくて困っていたCJに空き家を貸してくれた。情けは人のためならず、というやつだ。
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手伝いを終えると、スタンプという分かりやすい感謝のかたちとともに、感謝の言葉もしっかりともらえる。働いて感謝される、この物語性も薄いはずの単純なくり返しが不思議と心に響く。

 さらに商人たちを手伝えば、彼らが冒険者相手に開業している事業も発展していく。“鍛冶屋”の頼みを聞けば武器や防具をより強化できるようになったり、武器屋や防具屋を助ければ新たな装備が店頭に並んだりと、CJたちの冒険の助けにつながる。

 ストーリーが進み、採掘権を得たあともこうした手伝いとスタンプ集めは続いていく。プレイヤーが手伝えば手伝うほど、感謝の気持ちをたくさん受け取りつつ、ニューネヴァーの各施設も充実して“町おこし”が進んでいくのだ。

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食事や温泉によって強化効果が得られる“酒場”や“宿屋”など、施設の種類はどんどん増えていく。
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“農場”を手伝うことで、作物を好きなように収穫してもいいというお許しをもらえたりと、町の住民たちと次第に打ち解けていく模様もまた見ていて微笑ましい。

 筆者の場合、ほかのRPGではこうしたサブクエストは、お金や経験値を得るために仕方なくやっていくことが多い。だが本作では、感謝されることがついつい嬉しくなってきて、むしろ「もう町に手伝い案件はないのか!」とつねに確認を怠らないほどだった。

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町の広場にある“掲示板”を見れば、いま町にある手伝いがすべて確認できる。
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町の区画の移動は、ファストトラベルで時間をかけずにできる。このおかげで、手伝いやストーリー進行もさくさくとストレスなく進められる。

3人で連携攻撃! リンクアタックが簡単かつ気持ちいい

 手伝いで店を発展させ、武器や防具を新調するたびに、CJたち3人の主人公には新たなアクションが与えられる。たとえばCJなら2段ジャンプが可能になったり、ガルーなら力を溜めて高く跳ぶチャージジャンプが可能になったりといった感じだ。

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町から出て森林や遺跡といったダンジョンエリアに入ると、横スクロール視点のアクションパートに入る。こちらでは敵が出現し、町のなかでは出せなかった各種攻撃や、キャラごとの“固有アクション”が使用できる。

 戦闘可能なエリアでは、“CJ攻撃”、“ガルー攻撃”、“イーシャ攻撃”という3つの攻撃ボタンを押すと、操作キャラクターが一瞬で切り替わり、同じボタンでそれぞれのキャラクターの攻撃をくり出す。異なる特技を持つ3人を、ボタンひとつで切り替えていけるわけだ。

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CJは2段ジャンプや、敵をすり抜けることもできる固有アクション“ステップ”での移動など、機動力に優れている。
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ガルーは巨大な剣で岩を壊したり、敵の飛び道具を撃ち返したりできる、パワータイプのキャラだ。攻撃も広範囲かつ高威力になっている。
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イーシャは魔法による遠隔攻撃を連射できる。装備した“レンズ”の属性によって、攻撃の形態が直線状の射撃になったり、放物線を描く投石攻撃になったりと、大きく変化するのも特徴。

 この3人をつぎつぎと交代させていくだけでも、ダンジョンでの探索や戦闘のパターンが豊富で楽しい。これに加えてさらにおもしろいのが、3人がつぎつぎと交代し、通常の攻撃とは異なる強力な攻撃をくり出していく“リンクアタック”だ。

 リンクアタックの出しかたはじつに簡単。操作しているキャラの攻撃が当たっているところで、べつのキャラの攻撃ボタンを押せば、それだけで発動する。さらにそのリンクアタックが当たったところでほかのキャラの攻撃ボタンを押すことで、さらにリンクアタックをつなげていくことができる。

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ゲーム序盤では2回ほどまでしかリンクアタックは繋がらないが、ストーリーが進んだり、スタンプカードがいっぱいになってつぎのカードに移行したりといった特定のタイミングで、リンクアタックの回数が増えていく。

 リンクアタックは単に攻撃力が高いだけでなく、3人それぞれの長所や短所をうまく活かしたり、補いあったりすることができる点もおもしろい。

 たとえばCJは2段ジャンプなどで高い位置にいる敵を攻撃しやすいが、攻撃範囲は狭い。そこでCJが空中の敵に一撃を加え、そこからリンクアタックでガルーに交代して広範囲・高威力の一撃で複数の敵を一網打尽にすれば、欠点をしっかり補えるわけだ。

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リンクアタックで交代して出てくるつぎのキャラは、攻撃が当たっている敵のすぐそばに出現する。これを利用すれば、たとえばイーシャの遠隔攻撃を空中の敵に当てて……。
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そこからリンクアタックを発動すれば、その敵に一瞬で肉薄できる。ボス戦で、攻撃チャンスなのに間合いが離れているときなどに活用できる。

 リンクアタックにはクールタイムがあり、連続で使用することはできないが、このクールタイムもそんなに長くはない。クールタイム中には連続攻撃回数が多いCJで攻め続けたり、イーシャで距離をとって攻撃したり、あるいは敵の攻撃をタイミングよく発動すれば無効化できるガルーの“パリィ”を狙ったりと、ほかの選択肢も豊富に用意されている。

 各エリアのボスはそこを訪れるたびに復活しているので、こうした多彩なアクションを試しつつ何度も戦闘をくり返すのもおもしろかった。

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 また、本作ではさまざまな“素材”が手伝いや装備の強化など、さまざまな場面で求められる。これらの素材は敵を撃破した際に確率でドロップするほか、エリア内にある光っている岩や木を攻撃することでドロップする。

 “道具屋”でよりレベルの高いつるはしや斧などを購入していけば、エリア内で手に入るドロップ品のランクは自然と上がっていく。また、木や岩は通常の攻撃一発だけで壊せるので、エリア探索や敵とのバトルのテンポのよさを損なわない。

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こうした採取要素はゲームのテンポを損なうこともあるが、本作ではそんなことはほとんどない。エリア内を戦いつつ駆け抜けながら、そのついでに素材がどんどん溜まる。
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エリアから持ち帰れる素材の数には上限があるが、“資源袋”を強化していくとその上限もどんどん増えていく。より長時間の探索が可能になっていくわけだ。

 エリア内に点在する各セーブポイントのあいだではファストトラベルも可能なので、手伝いなどで求められた素材のピンポイントな採取もスムーズに行なえる。また、各エリアには特定の属性を持つ魔法の装備“レンズ”を装備して攻撃すると壊せるオブジェクトなどもあり、探索エリアを少しずつ広げていく冒険要素とその達成感も味わえた。

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最初は行けなかったエリアに進めるようになる、ダンジョン探索ならではのワクワク感もしっかり健在。属性レンズは特定の属性の敵に対するダメージボーナスも発生させるため、戦闘においてもおもしろい要素だ。

壮大な展開を予感させる、前日譚としても要注目

 筆者としては手伝い(サブクエスト)や戦闘でのアクションだけでもだいぶ楽しめた本作だが、メインストーリーが進んでいくとこちらにものめり込んでいくことになった。

 そもそも、本作でCJたちが狙う、遺跡で発掘される“ロウ・レンズ”と、それを加工することで装備者に各属性の力や魔法を使用できるようにする“魔導レンズ”といったアイテムは、『百英雄伝』全体の世界観においても重要そうだ。それらを巡る、壮大な物語を予感させる。

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イーシャはその髪の色や、魔導レンズがなくても魔法が使える特異体質を気味悪がられたこともあるという。ここにもまた、大きな秘密が……?

 そうした壮大な部分だけでなく、主人公である3人のやり取りや、しだいに変わっていく人間関係とドラマにも心惹かれる。手伝いをくり返すうちに世界観にどっぷり入りこんでいたこともプラスに働いたようで、最初は反発しあっていたがCJの心意気に感化されていくガルーや、ふたりに胸の内を明かしたことで態度を軟化させていくイーシャの様子などからは、目が離せなかった。

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最初はただの傭兵と思われていたガルーにも、いろいろと秘密がある模様。
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ひたすら真っすぐで見返りを求めない、いい意味で冒険バカなCJ。彼女の行動によりガルーやイーシャだけでなく、町の住民たちにも変化が生まれていく。

 手伝いで感謝されるのも純粋に気持ちいいが、メインストーリーにも“気持ちいい”部分が多いと筆者は感じた。とことん突っ走る明るい主人公や、それに感化された人々がハートフルな展開を見せてくれる、そんな痛快なJRPGが好きな人には本作を強くオススメしたい。

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RPGにはヒロイックな展開のものや、ダークな展開のものなどいろいろと種類があるが、本作はアクションやストーリーもすべて含めて“気持ちいい”アクションRPGだと伝えたい。

 また、本作では戦闘の難易度についてもそれほど高くはなく、むしろ戦闘ではいかにリンクアタックなどを駆使し、気持ちよく敵を蹴散らすかを楽しむほうが重視されていると感じた。レベリングやお金稼ぎといったRPGならではの時間を取られる要素についても、手伝いなどをこなし、自然と集まった素材を売り払ったりしていくうちにいつの間にか終わっていたので、進行を止められてストレスを感じることもほとんどなかった。

 歯ごたえのある戦闘を求めるなら、あえて“鍛冶屋”での装備の強化を抑えてみるのがオススメだ。敵の固さや敵から受けるダメージが格段に上がり、リンクアタックをたたき込める機会もそれに伴って増えるので、歯ごたえを増すだけではなくさまざまなアクションやコンボを楽しめる。

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ストーリーが気になるけどアクション操作が苦手という人向けに、ボタンの連打だけで多彩な攻撃やリンクアタックがくり出せる“シンプルモード”も用意されている。
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武器屋や防具屋で装備を新調すると新たなアクションが追加されていくが、鍛冶屋で強化しないと攻撃力や防御力はあまり増えないので、戦闘を楽にしたい場合は強化が重要だ。なお、装備を新調すると強化段階はつぎの装備に引き継がれる。

 アクションRPGらしい爽快感に加え、手伝いやストーリーといったゲーム全体の“気持ちよさ”がじつによくまとまっており、ついつい続きを遊びたくなっていく本作。2023年発売予定の『百英雄伝』についても、いまや筆者は気になって止まない。

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CJたちの武器や町の特産品の名前は変更することが可能で、『百英雄伝』で本作のセーブデータを読み込むとこの名称が反映され、ちょっとした特典もあるらしい。『百英雄伝』でも本作の痛快な主人公3人組が活躍してくれるのかと、じつに楽しみだ。

百英雄伝 Rising

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam、Epic Games Store)
  • 発売元:505 Games
  • 開発元:ナツメアタリ(監修:Rabbit & Bear Studios)
  • 発売日:2022年5月11日
  • 価格:1650円[税込]
    ※PC版は1580円[税込]
  • CERO:12歳以上対象
  • 備考:ダウンロード専売

※画面写真は先行プレイ時のもので、製品版では仕様が変更される可能性があります。