スマホやPCで遊べる本格RPG『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)。2022年3月10日に8周年を迎えた同作を記念して、週刊ファミ通2022年4月14日号(2022年3月31日発売)では、『グラブル』8周年記念特集を掲載。

 こちらでは、同特集で行った声優・立花理香さん(ユイシス役)へのインタビューをお届けする。

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立花理香(たちばなりか)

2月27日生まれ。広島県出身。代表作は『アイドルマスター シンデレラガールズ』(小早川紗枝役)、『ソラとウミのアイダ』(村上波乃役)、『聖闘士星矢セインティア翔』(破滅のアテ役)、『Tokyo 7th シスターズ』(桂木カヅミ役)、『八月のシンデレラナイン』(阿佐田あおい役)、『プリンセスコネクト!Re:Dive』(キャル役)、『ドールズフロントライン』(SuperSASS役)など多数。

容姿と素性のギャップが魅力! 役作りでこだわったポイントは?

――立花さんが演じられたユイシスとはどんなキャラクターですか?

立花エルーンの女性なんですけど、お家がちょっと特殊なキャラクターで。すったもんだがあり、実家の組がなくなってしまうんです。そんな境遇の中、なんとかしてお家を立て直そうしていて。大きな目標を持って旅を続けている女の子です。

――特殊な家柄なんですね。

立花その筋の方ということで、義理人情に厚いというか、家族思い、仲間思いなキャラクターなんですけど、筋が通らない相手や物事に対してはドスの利いた対応をしてしまうという。そんなギャップも彼女の魅力のひとつかなと思います。

――ユイシスのキャラクター設定などを聞いたときは、どう思われました?

立花こんなにかわいいのに、その筋の方なんだ……というギャップにまず驚きました。それと同時に、カッコいい一面がありながら、年相応のかわいらしさもあるという、そういった演じ分けができるところも、彼女を演じるうえでの楽しみであったり、やり甲斐を感じたポイントです。

――ユイシスのキャラクター像はどのように作られていったのですか?

立花ユイシスの場合、怒鳴って怒りを表現するのではなく、ドスを利かせて歌い上げるように怒りを表現するほうがしっくりくるといいますか。私自身、そういった映画にハマっていた時期があって。しゃべりかたや抑揚の利かせかたを参考にしつつ、どうやってユイシスというキャラクターに落とし込むべきか、相談しながら収録に臨みました。いまとなっては懐かしいですね。

――朗々と語るといいますか、静かに怒るところでいうと、火属性のユイシスなど、とくにそのイメージが強いですね。喪服姿で現れたときは、びっくりしました。

立花私もびっくりしました。実装されたのは2019年の年末だったんですけど、その時期ならクリスマス衣装だったり、お正月の晴れ着姿だったり、かわいらしい衣装がいっぱいあるのに、まさか喪服がくるとは予想できなかったですね。しかも、翌年はユイシス自身が喪に服すことになって正月の季節ボイスなどが聞けなかったりして。そのあたりはすごくリアルといいますか。ユイシスに限らず、『グラブル』のキャラクターさん(※)は全員、人生であったり、生きかたまでしっかりと考えられているんだなと実感させられました。

※編注……立花さんの丁寧な言いまわしをそのまま記載しております。

【グラブル】立花理香さんが語るユイシスの役作りや『グラブル』のプレイスタイル【8周年記念】
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“グラブルフェス”ではユイシスのキャラソンも熱唱!

――初期のころと現在とで、お芝居においても変わったところはありますか?

立花いろいろな収録をする中で、ユイシスの新たな一面だったり、かつてこんな出来事があったのだという、具体的なお話もどんどん見えてきて。先に挙げた怖さとかわいらしさ以外にも、さまざまな一面がある女の子なんだということがわかったので、それがお芝居にも反映されている気がします。それと私自身が生放送やイベントに出させていただく中で、彼女に対して悪影響を及ぼしているなと思う部分も、ちらほらあったりします。

――悪影響といいますと?

立花先日、『ぐらぶるっ!』の2000話達成記念で配布されたフルチェインイラストで、ユイシスはお酒の瓶を抱えた姿で描かれていて。私が悪影響を与えてしまったのかなって反省しています(笑)。

―― “ゆいし酒”を作ったり、酒器も販売していましたしね。ちなみに、ユイシスのセリフの中で印象に残っているものはありますか?

立花「三下が!」というセリフが印象に残っています。癖が強いひと言ですよね。「三下ごときが!」とか、いろいろなバリエーションがあるんですけど、日常生活の中でなかなか口にしないセリフなので、私自身もちょっと楽しみながら収録させていただきました。

――ユイシスとしては、キャラソンも歌われています。

立花「え、歌?」というのが、第一印象でしたね(笑)。実際に聴いてみたら、ちょっと和のテイストが入っていたり、ユイシス感も任侠感もあって。歌詞にも、ユイシスの意思だったり、思いだったりが反映されていたので、めちゃくちゃカッコよくて、「がんばって歌うぞ」という気持ちになりました。

――“グラブルフェス”のナイトパーティーでは、お客さんの前でも歌われていましたね。

立花そうですね。しかも事前に“出演する”というアナウンスもなかったので、「どんな空気になるんだろう?」という緊張感がすごかったです。生で演奏してくださっている中で歌うというのも貴重な体験で、いまとなっては楽しい思い出です。

【グラブル】立花理香さんが語るユイシスの役作りや『グラブル』のプレイスタイル【8周年記念】
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立花さんの『グラブル』パーティー編成は?

――立花さんも『グラブル』をプレイされていますが、ユイシスは編成に入れていますか?

立花いちばん最初に実装されたのが風属性SSレアのユイシスだったので、風属性のパーティーでは編成に入れていました。でも『グラブル』歴が長くなってくると、新しくお迎えしたキャラクターも使ってみたい欲が出てきちゃって。いまはわりと、キャラクターの編成に関しては流動的になってきていますね。

――風属性のユイシスは、ふたつのフォームを切り換えて戦うという、特殊なスタイルのキャラクターでしたね。

立花そうなんですよ。最初のころは“星薙の型”ばかり使っていたんですけど、だんだん慣れてくると、攻撃力が上がる“天終の型”をメインに使うようになって。ユイシスにはずいぶん助けてもらった記憶があります。もちろん、いまでも彼女へのキャラ愛は健在です!

――天終の型は使いやすいので、とくに初心者の方たちには重宝されていますね。

立花私の場合は、星薙の型が効果を発揮する長期戦が苦手だったので、慣れた後は、天終の型で一気に攻める戦法の一択でした。そのころはまだ、アビリティの強さや攻撃回数の多さみたいな、単純な攻撃力の高さだけを考えて編成していたので、そういった立ち回りしかできなくて……。でもだんだんと、攻撃力以外の部分も考慮してパーティーを組む楽しさや、その重要性がわかってきたので、またユイシスを中心にした風属性の編成を研究したいです。

【グラブル】立花理香さんが語るユイシスの役作りや『グラブル』のプレイスタイル【8周年記念】

テレビ番組への出演をきっかけにプレイスタイルが大きく変化

――改めて、立花さんの『グラブル』歴を教えてください。

立花歴自体はそこそこの長さになりますが、数年前、『ぐらぶるTVちゃんねるっ!』におジャマして、小野友樹さんと加藤英美里さんに編成の相談をさせてもらったことがありまして。キャラクターさんの強化や育成について、イチから教えてもらったんです。そこでようやく本当の意味で、私自身も騎空士と名乗れるようになった気がします。

――具体的にはどのようなことを?

立花推しキャラへの愛でプレイすることも大事ですが、編成はよく考えなければいけないことを教わりました。あとはキャラクターさんだけでなく、武器をしっかり鍛えなければいけないことを初めて知って。敵からドロップする武器や、集めた素材で交換する強力な武器の存在も教えていただいて、そこから私の『グラブル』ライフは幕を開けました。

―― システムを理解したことで、ようやく『グラブル』のおもしろさに気づけたといったところでしょうか?

立花そうですね。そこからはかなりやり込んで、十天衆を全員揃えることに集中していたのですが、全員揃ったところでプチ燃えつき期が来まして。達成感を味わっていたんですけど、十天衆の最終上限解放や限界超越といった要素を進めることにして、改めてやる気が湧いてきました。いまは山ほど天星器を集めて、エレメント化する作業をひたすらこなしています。最終上限解放できているのはまだ3人だけなので、先行きは長いですね。

――そうしたキャラクターに加え、武器の収集状況はいかがですか?

立花いまはソル・レムナントという火属性の斧が欲しくて。その素材となるイグナイトラブルを集めているところです。私が『グラブル』を始めた当初、「何から始めたらいいですか?」と、いろいろな人に聞いたのですが、そのときよく言われたのが、「『グラブル』は全要素がつながっている」という言葉でした。強い武器を手に入れるには素材が必要で、素材を集めるにはクエストに挑戦して……と、すべての要素が連動しているので、「本当によくできた作品だな」とひしひしと感じながら、プレイに励んでいる状況です。

――ふだん、どのくらいの時間、『グラブル』をプレイされていますか?

立花プチ燃えつき期のころは、1、2時間くらいうろうろして終わり……ということもありましたが、それでもイベントが楽しくて、毎日プレイは続けていました。シナリオイベントがおもしろくて、やればやるほどSIDE STORYも気になり、追いつけていなかったものをどんどん掘り下げてプレイする、といった遊びかたをしていましたね。そうして「この武器を強くしたい」とか、「この素材を集めたい」といった目標が決まってからは、時間を忘れてのめり込むようになって。気づいたら、3、4時間経っていた、なんてこともしょっちゅうあります。

【グラブル】立花理香さんが語るユイシスの役作りや『グラブル』のプレイスタイル【8周年記念】
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人気コーナー“ぐらぶるTVショッピングっ!”誕生秘話

――立花さんといえば、“グラブルフェス”でも大活躍されていますが、ふり返ってみて楽しかったり、たいへんだった思い出はありますか?

立花私の場合は、なんといっても“グラブルフェス2019”ですね。広いフェス会場の中に、和風のスペースが用意されて。そこでコタツに入って、ひたすらゲームをしたり、来てくださったゲストの皆さんとトークをくり広げるという企画だったんですけど、そのとき初めて川原慶久さんとお会いしたんです。いまではいっしょに“ぐらぶるTVショッピングっ!をやらせていただいていますが、川原さんご自身は『グラブル』をすごくやり込んでいて、すごい熟練者だったので、話のレベルについて行けるか戦々恐々としながらおしゃべりをしたことを、いまでも鮮明に覚えています。

――グラブルフェス2019の“サテライトスタジオ”では、立花さんも本当にいろいろなことに挑戦されていましたよね。

立花ゲストの方が入れ代わり立ち代わりでつぎつぎに来られて。何人かでいっしょに挑戦する企画もあれば、ひとりだけの時間もあったりして。川原さんが不在のときに声優の大先輩が来られて、「なにをしゃべったらいいだろう!?」とあたふたしたりもしました。ちなみにグラブルフェス2019のころは、まだ十天衆が全員揃っていなかったので、「このフェス中に新しい子をお迎えするぞ!」と意気込んでいて。サテライトスタジオを目の前で見てくださっていたお客さんたちにマルチバトルを立ててもらって、いっしょに周回するということをひたすらくり返していました。

――先ほど話題に上がった“ぐらぶるTVショッピングっ!”ですが、こちらはおなじみの企画として、すっかり定着しましたね。

立花初めて実施したときはいろいろと遊びすぎてしまいました。でも、それが好評だったみたいで、いつのまにかシリーズ化していて。改めて思いましたが、川原さんって知識量がものすごいんですよ。グッズそのものの説明はもちろん、使われている素材の解説や、お値段に関しても全部頭の中に入っていて。ただただ圧倒されてしまいました。最初のころは私もがんばってついて行こうとしていたんですけど、気づいたら「すごーい!」とリアクションを取る係になっていました(笑)。

――いいコンビですよね。こちらのコーナーのおかげで売り切れになる商品も続出しているそうですよ。

立花ほぼ、川原店長効果だと思います(笑)。

――そのほかにも、『ぐらぶるTVちゃんねるっ!』では“ゆいし酒”の制作という企画もありましたが、あれはいかがでしたか?

立花立花 まさか本当に実現するなんて、というのが正直な感想ですね。『ぐらぶるTVちゃんねるっ!』に“騎空士の夢叶えます”というコーナーがありまして。私自身がお酒が好きなので、「ユイシスにかけて“ゆいし酒”を作りたいです」という話をしたら、本当に作ってもらえることになったんです。あのときは驚きましたね。

 実際に作っていく過程で、ミンゴスさん(※)といっしょにお酒の試飲をさせていただくという回も放送させていただきました。当時はまだ、Class.IVジョブの取りかたがわからないときで、収録中にそのことを話したらミンゴスさんも「私もClass.IVジョブ取りたいと思っていた」と言ってくださって。そこでいっしょに『グラブル』をプレイするようになって、リアルに仲間ができたのも、うれしい思い出ですね。

※ミンゴスさん……声優の今井麻美さん。『グラブル』では、ヴィーラ、フライデーを演じる。

立花さんの休日の過ごしかたは?

――最近プレイされているゲーム、ハマっているゲームはありますか?

立花『グラブル』ともコラボしていた『プリンセスコネクト!Re:Dive』をプレイしています。なんといっても女の子がかわいいのがいいですね。あと、いまはNintendo Switchで昔のゲームを遊んでいます。

――“Nintendo Switch Online”ですね。

立花子どものころに遊んでいたゲームがプレイできるようになっていて。スーパーファミコン用ソフトの『スーパードンキーコング』シリーズが全作揃っていたのには感動しました。このあいだ、たまたま妹が遊びに来て、「なにかゲームやる?」という話になったんですけど、収録タイトルのラインアップを見た瞬間、「懐かしい!」となって。その日は1日中、『スーパードンキーコング』祭りでした(笑)。

――小さいころから、ゲームで遊ばれていたんですね。

立花ドラゴンクエスト』シリーズも、スーパーファミコンで発売されたものはやり込んでいました。プレイステーションで発売された『ドラゴンクエストVII』もプレイしていたのですが、石板がなかなか見つからなくて。お父さんもプレイしていて、私よりも先に進んでいたので、紙に手描きで地図を書いてくれたりしました。

――やさしい!

立花お父さんは『ドラゴンクエストV』もプレイしていたんですが、カジノに入り浸っているときは、ちょっと心配になりましたね(笑)。温厚なお父さんなんですけど、意外な一面を見られました。

――字面だけ見ると、パワーワードですね(笑)。でも、思い出のゲームだったと。

立花そうですね。令和になってからも、ドット絵のゲームで遊べることがとにかくうれしくて、コロナ禍で家にいる時間が長かったときは、昔のゲームをかなりプレイしていましたね。

――ゲーム以外の趣味や、休日の過ごしかたなどもお聞きしたいです。

立花お休みの日は、まず前の日にお酒を飲みます。いい気分になったところで、目覚ましをかけずにゆっくりと寝ます。目が覚めたら『グラブル』をプレイしようとするんですけど、そういう場合はたいてい頭が回らないので、頭を使わずにプレイできる範囲で遊んで。あとはドラマを観たりして、のんびり過ごすことが多いですね。

――それは、しっかりリフレッシュできそうですね。

立花リフレッシュと後悔が残ります。

――(笑)。最後に、こちらの記事を読んで『グラブル』をプレイしてみようと思われた方たちに向けて、本作の見どころを挙げるとしたら、どんなところをオススメしますか?

立花『グラブル』は、人によって楽しさを感じる部分が大きく変わってくるタイトルだと思っています。本当に何をしてもよくて、何でもできるんだけど、「これをするなら、こういう方法もあるよ」といった感じで、やればやるほど新しい道がどんどん見えてくるのが楽しいゲームです。キャラクターさんに関しても、ここまで老若男女、いろいろな種族の仲間たちが登場する作品ってなかなかないので、そこも魅力のひとつだと思います。イケメンもいっぱいいるので、女性のユーザーさんにもどんどん参入してほしいですね。