Tango Gameworksの一人称視点アクションアドベンチャーゲーム『Ghostwire: Tokyo』。先日公開されたゲームプレイ紹介映像に引き続き、オンラインで行われたプレビューイベントでも本作を見てきたので、その内容をお伝えしよう。

Ghostwire: Tokyo ゲームプレイ解説

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“和”の中二パワーが疼くぜ……。

 あらためて本作の概要を説明しておくと、本作は一人称視点のアクションアドベンチャーゲーム。超自然的な現象により人々が姿を消してしまった東京を舞台とし、都市伝説や妖怪をモチーフとした怪異“マレビト”たちと戦いながら事態解決のために奔走することになる。

 また、手で印を結んで攻撃スキルを放ったり、ダメージを与えた敵が露出したコアをワイヤー状のエナジーで引き抜いたりといった、和のテイストと“手”にフォーカスしたアクションも特徴となっている。

Ghostwire: Tokyo
どう見ても口裂け女。進みたくないねぇ……。
Ghostwire: Tokyo
主人公アキトは、彼に憑依した“KK”という人物の協力で超常的な力を使えるようになる。

箱庭系の設計: 意外と探索要素が大きそう! マップは結構自由に行き来可能

 今回プレビューイベントで見ることができたのは、“幽玄坂”(恐らく渋谷の道玄坂が元ネタ)でのミッションを中心とする一連のプレイ映像。

 この映像で個人的に一番印象的だったのが、ゲームの構造について。すでに公開されているゲームプレイ紹介映像では明確には明かされていなかったが、実は本作のマップはサンドボックス/箱庭スタイルのオープンな構造を持っていて、プレイヤーはある程度自由な探索が可能なのだ。

Ghostwire: Tokyo
人々が消え、異形の者が徘徊するようになった東京が舞台。デモは渋谷周辺だったが、配布された素材には東京タワーらしきものも。

 「サンドボックスってなんだよ」と思う人もいると思うが、要は小さなオープンワールドゲームのようにある程度広いエリアを自由に行ったり来たりできる作りのこと。

 ただし人々が消えてしまった東京では危険な“霧”が立ち込めていて、その中を強引に進んでいくことはできない。各所にある鳥居を浄化することで周囲の霧が晴れ、行動範囲が広がるととともにサイドミッションなどが受けられるようになったりもするという仕組みになっている。

Ghostwire: Tokyo
鳥居は行動範囲を広げるのに欠かせない存在。当然敵がいたりするようだが、きっちり浄化していこう。

 また探索という点では、水平方向だけでなく垂直方向の広がりがある構造なのもポイントのひとつ。鳥居がビルの屋上にあることもあって、そういった時は周囲を飛んでいる“天狗”に向かってグラップリングフック的にワイヤーを飛ばすことで地面から一気に屋上部分に上がれる。

 なお降りる際はホバリング風の能力を使ってゆっくり降下できるので、飛び降りてもノーダメージで地上に戻れる。サイドミッションで天狗を呼び出せるスキルを習得できるそうなので、そうなってくるとかなりいろんな所に行けそうだ。

 イベントでの発言によると、某商業ビルに似た“429”なるビルに入れたり、地下鉄や渋谷駅にも入れるようになるとか。ゲームとして間延びしないようにあくまでコンパクトに凝縮した東京になっているそうだが、とにかくリアルな東京感なので、探索要素を考慮したさまざまな仕込みのあるマップになっているのはいい感じ。いろんな路地に突入してみたいところだ。

Ghostwire: Tokyo
いろんな路地に行ってみたいですなー。また垂直方向の広がりもあり、場所によってはマンションの中を進んだり、屋上部分に上がれたりするのもポイント。

非戦闘系のサイドミッションも

 今回のデモでは、“老婆の霊の頼みで座敷童を救う”というサイドミッションの様子を見られた。昭和感あふれる日本家屋の中を進んでいくのだが、微妙に薄汚れた感じが妙にリアル。そしてこのミッション、アドベンチャーゲーム的な室内の探索メインで終始し、戦闘がなかったのも興味深い。

 最終的に座敷童を捕えていた地縛霊を印を結んで祓って解決していたのだが、戦闘以外のイベント内で印を使う場合はアナログスティックやタッチパッドで画面上の線をなぞっていき、完成すると主人公がシュババッとやってくれる。やっぱりこう……ロマンありますねぇコレ。

浮遊霊と化した人々を形代(カタシロ)で救え(経験値&お金稼ぎ)

 前述のゲームプレイ紹介映像では出ていなかったもうひとつの大きなポイントとしては、成長要素のあたりが挙げられるだろう。探索と関連する部分ではまず、浮遊霊の救出という要素が関わってくる。

 これは、マップ内のさまざまな場所に漂っている魂をアイテムの形代(カタシロ)の中に収めていき、各所の電話ボックスに密かに仕込まれた“魂転送装置”を通じて霊体を霧の外へと転送して助けられるというもの。その報酬として経験値と冥貨(お金)を貰えるようになるのだ。

 経験値をためてレベルアップすればスキル等を伸ばしていけるし、冥貨は各地の屋台やコンビニにいるネコマタ(“複数の尻尾が生えた浮遊する猫”という感じでかわいい)から弓に使う矢などの消費アイテムや回復アイテムなどの買い物をするのに使える。

 なお形代には1枚あたりひとつの魂しか入らないのだが、追加の形代を探索で入手したり、ネコマタから買うことも可能。探索をするたびにこまめに転送するというのもいいかもしれない。

 お金を集める方法はほかにもあり、探索中に見つけることもあれば、黄色いオブジェクト“エーテル結晶体”を破壊するといったことでも得られる。

 そのほか強化要素としては、“パワースポット”で新能力をゲットすることも。デモでは範囲ダメージを与えられる炎の能力を手に入れていた。

時空の歪んだ空間描写が最高!

 デモの序盤ではマンション内にある相棒の“KK”の部屋を訪れたりもしたのだが、敵勢力の結界攻撃を打破するため、マンション内を探索して“結界の要”を壊していくという展開に。

 この場面はTango Gameworksの『サイコブレイク』シリーズでも見られた時空の歪んだ空間表現がふんだんに投入されていて、部屋の上下左右があべこべになっていたり、壁にかかっている絵画の“色”が周囲の壁にでたらめにハミ出したり、廊下の床や壁が消失してなぜか東京上空の視点になっていたり。リアルな日本のマンションの質感を保ったままそれが起こるので、絶妙に気味が悪くてメチャクチャいい。

Ghostwire: Tokyo
Tangoの歪んだ空間描写、ほんと好き。

10年間の蓄積をオリジナルな方向に昇華させた作品

 というわけで本作、創設から10年が経ったTangoが得意とするホラー系のクリーチャーデザインや空間表現などを活かしつつ、和の中二病をくすぐられるなかなかユニークな作品となっている。

 木村雅人プロデューサーいわく「“Tangoで作りたい、Tangoだからこそできるゲーム”が初めて実現した」と感じているそうで、早く実際に遊んでみたい次第だ。

 ちなみにプレイ時間はメインミッションを進めるだけなら15~20時間程度、サイドミッションなどの要素もやっていくとその倍程度を想定しているとのこと。なおプレイステーション5とPCで2022年3月25日に発売予定となっている。