カプコンから2021年7月9日（金）にNintendo SwitchとPC（Steam）で発売予定の『モンスターハンターストーリーズ2 ～破滅の翼～』。これまで開発陣のインタビューのほかオトモン集めや育成、バトルシステムなどに触れてきたが、今回はストーリーやオトモンの魅力についてレビューします。『モンスターハンター』シリーズファンも、そうでない方も、ぜひご一読を。
『モンスターハンターストーリーズ2 ～破滅の翼～』ローンチトレーラー
ライダー視点で描かれる新たな『モンスターハンター』の世界！
まず初めに、本作はモンスターと絆を結び仲間（オトモン）にする民族“ライダー”に焦点を当てた、新たな『モンスターハンター』の世界が描かれているRPG。体験版も配信中で、主人公が旅に出るまでのストーリーやオトモン集め、バトルなどを堪能できる内容となっています。ゲームのシステム的な解説やレビューはこちらの記事で触れているので、ここでは本作のストーリーやオトモンの魅力について触れていきたいと思います。
最大の魅力は、好きなモンスターたちと冒険できること！
本作の魅力として真っさきに伝えたいのは、やはりモンスターを仲間（オトモン）にして、ともに冒険できること。『モンスターハンター』シリーズをプレイしている人ならば、お気に入りモンスターの1体や2体、いや10体くらいはいると思います。筆者もリオレウスをはじめディアブロス、ジンオウガ、ナルガクルガ、セルレギオスなどなど、余裕で10体以上はお気に入りモンスターがいます。
本作では、そんなモンスターたちをオトモンにして冒険やバトルができる。これまで対峙していた相手が仲間になるという展開は、いろいろなゲームや漫画などで描かれてる展開だけど、これってとてもワクワクしますよね。本作では、まさにそんな気持ちにさせられました。お気に入りのオトモンを仲間にできたときはとてもテンションが上がります！ 序盤はオトモンの種類も少ないので、手あたり次第にタマゴを持ち帰ってはふ化して戦力を強化していくけど、ある程度ストーリーを進めて仲間にできるオトモンが増えてくると、必ず欲しいオトモンが出てくるはず。
個人的には、ここからがオトモン集めの本番ですね。モンスターを帰巣させてタマゴを持ち帰り、狙ったオトモンを仲間に加えたときは達成感とともに「さあ育てまくってやるぜ！」とやる気満々に。育成を兼ねながらストーリーを進め、お気に入りのオトモンとともにボスに勝てたとときは、なんとも言えないうれしさがこみ上げてきます。
お気に入りのオトモンをさらに強くしたいときに便利なのが伝承の儀で、オトモンが持つ絆遺伝子を受け渡すことが可能です。絆遺伝子とは、オトモン固有の能力やスキルのことで、たとえば、そのモンスターが持っている火属性の攻撃が絆遺伝子のスキルになっているとイメージしてもらえればわかりやすいかな？ その火属性攻撃の絆遺伝子をお気に入りのジンオウガに受け継がせれば、火属性攻撃のスキルを使えるジンオウガに目覚めさせることができます。お気に入りのオトモンをベースにしつつ、「あのオトモンのスキルを使わせたいから伝承の儀で受け継がせよう」と、自分なりのカスタマイズでオトモンを育てていけるわけです。
ちなみに、オトモン自体の強さは種類によって大きな差はない様子（レアな絆遺伝子などで差異をつけている）。つまり、「ドスランポスはジンオウガには遠く及ばない」ということはないようです。伝承の儀を駆使すれば、どんなオトモンでもとんでもなく強くできるので、愛情をもって長く育てられます。オトモン集めと育成は、こだわりだせば終わりが見えなくなるほどの深いやり込みが可能。しかし逆に「そこまでやり込まずにストーリーを楽しみたいなぁ」という人もいるはず。そういう人のために補足しておくと、伝承の儀はあくまでより強くなるための要素であって、ストーリーを進めるために必須となるものではないです。
ストーリーだけ純粋に楽しみたい人は、オトモンのレベルを上げるだけでも十分でしょう。とはいえ、伝承の儀はとくに難しいものではないので、まずは適当に何度が試してみることをオススメしたいかな。「あ、こんなに簡単なんだ」と理解できるはず！
そして、オトモンと同じくらい魅力的なのが、主人公が装備できる武具の数々。主人公の武器や防具はモンスターの素材を使って生産・強化するという『モンスターハンター』シリーズを知っている人ならばおなじみの方法。新たなモンスターの素材を手に入れたときは「どんな装備が作れるのかな？」と、ついつい加工屋へ足を運んでチェックしてしまいます。武器や防具も、『モンスターハンター』シリーズでおなじみのものばかりなので、思い入れのある武器や防具が生産できるようになったら、タマゴを手に入れたときと同じくらいうれしいですね。ちなみに筆者は主人公の見た目を“スタイル１”にしましたが、リオレイアの防具デザインを見て、十数年前の記憶が蘇ってきました。
ちょっと話は脱線しますが、1作目『モンスターハンター』をプレイしたとき、最初はキャラクターの見た目を男性で始めたところ、男性のレイア防具のデザインを見て「なんか思ってたのと違う……」と感じたのを覚えています（このデザインが好きな方、ごめんなさい）。その後、女性のレイア防具のデザインを見たら「超カッコかわいいじゃん！」と衝撃を受け、以降の作品はすべて女性の見た目でプレイすることに決めたんですよ。そのときとまったく同じ気持ちを味わうことになるとは……（笑）。
これはあくまで個人的な好みの問題だけど、防具のデザインは全体的に“スタイル２”のほうがいい気がするので、こちらでプレイしたほうがよかったかもしれないと少し後悔。といっても、本作には重ね着（防具とは別に見た目だけ変えられる装備）があるため、そこまで気にしなくていいのかも。
先の展開が気になりまくりのストーリー
主人公は、突如いずこかへ飛び去ってしまったリオレウスたちの異変を突き止めるためハコロ島を調査していたところ、竜人の少女エナに出逢います。エナは主人公の祖父、護りレウスから預かったタマゴとレドの絆石を主人公に託すことで、主人公は壮大な冒険へと出発することになる、というのが冒頭のストーリーです。
世界が破滅の危機に瀕している原因を突き止めるため、“その翼が開くとき、世界は消滅する”と伝説が残る破滅レウスとともに、主人公は世界を旅することになります。テーマがテーマだけにストーリー自体はシリアスに進んでいくのですが、その重さを中和するかのごとく登場するのが、不思議な顔をしたアイルー、通称ナビルーです。
前作をプレイした人やアニメを観た方ならばご存知のキャラクターですが、本作で初めてナビルーを見た人は衝撃を受けたはず。筆者も前作で初めて見たときは「なんだよコイツ（笑）」と笑ってしまった記憶が。ちなみに前作は低年齢層をターゲットにしていたこともあってか、ストーリーもどちらかと言えばライトなテイストを感じていました。そこへ、このナビルーの存在です。ナビルーのファンの方々には申し訳ないが、彼のとにかく明るい性格に若干のクドさを感じていました。
しかし本作では、シリアスなストーリー展開にときおり介入するナビルーが、とてもいいアクセントになっているように感じています。さらに本作はキャラクターボイスもつき、細かなしぐさが丁寧に描かれていることで、まるでトゥーンアニメを観ているような感覚で楽しめるのです。
筆者は『モンスターハンター』シリーズ経験者、そして前作をプレイ済でアニメも観ていたので、それらの知識込みで本作の魅力について語ってきましたが、前作を未プレイ、そして『モンスターハンター』シリーズをプレイしていない人にとってはどうでしょう？ もしかしたら、そういったガチの初心者の方は、『モンハン』らしさや『ストーリーズ』らしさに対しての魅力は感じないかもしれない。
しかし、本作はそれらの知識がゼロでもストーリーを通じて『モンスターハンター』の世界観に入り込めるよう丁寧に作られているほか、“3すくみ”による爽快感のあるバトルシステム、そしてRPGでもっとも重要な部分であるストーリーも、『モンスターハンター』の知識の有無に関係なく引き込まれていく壮大な物語となっています。「『モンスターハンター』シリーズはプレイしていないけど、RPGは好き」という人は、ぜひ余計な先入観ナシでプレイしてみてほしいですね。
本作で初めて『モンスターハンター』の世界観に触れ、そこから『モンスターハンター』シリーズをプレイするという、多くの人とは逆パターンで『モンスターハンター』にハマっていく人も、きっといるはず。
とにもかくにも『モンハン』好きにもRPG好きにもオススメできる『モンスターハンターストーリーズ2 ～破滅の翼～』。無料で序盤をガッツリ遊べるうえにセーブデータを本編に引き継げる体験版も配信中なので、少しでも気になった人は、記事の冒頭でも触れた記事も読みつつ、ぜひ体験版を遊んでみてください！
最後に、今回のレビューでは触れられなかった通信プレイでは、対人戦のほか、協力してレアなタマゴを探しに行く共闘探索クエストというものがあります。本作ディレクターの大黒氏曰く「かなり楽しいコンテンツ」になっているとのことなので、製品版が発売したら、真っさきにレアなタマゴ集めに行ってみたいと思います！
