2021年4月23日、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)とKONAMIは、国際オリンピック委員会(IOC)が主催する初めてのeスポーツ大会“オリンピックバーチャルシリーズ”として、『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』を競技タイトルとしたeスポーツ大会を共同開催することを発表した。

 そのオリンピックバーチャルシリーズについて、WBSCとKONAMIは2021年4月26日にオンライン記者会見を開催。WBSCのリカルド・フラッカリ会長とKONAMIの早川英樹社長が参加し、記者からの質疑応答を行った。

オリンピックバーチャルシリーズ記者会見リポート。予選はオンライン、決勝大会はオフラインで開催することが発表!
WBSCリカルド・フラッカリ会長(左)、KONAMI早川英樹社長(右)

 本日の記者会見では、

  • 大会のルール
    予選はオンライン、決勝はオフラインで実施
    プレイステーション4(PS4)版は特別なオンライン大会を利用、Nintendo Switch版はパワアリーナモード“飛ばせホームランくん!”を利用
  • eBASEBALLパワプロプロリーグのような賞金は出ないものの、金メダル等の授与については「協議中」

 などの情報が明らかとなった。

『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』大会概要

スケジュール

  • 予選大会およびゲームエントリー開始:2021年5月24日
  • オンライン予選開催日程:2021年5月24日~30日
  • 決勝戦配信日程:2021年6月23日にesports銀座studioにて実施予定

予選大会

  • 2021年5月24日~30日開催

プレイステーション4 オンライン予選

  • 期間中開催される“オリンピックバーチャルシリーズ 開幕記念大会”に参加し、ゲームに収録されている11の国と地域の代表チーム(※)を操作し、セレクションポイントを競う
  • 大会エントリー時に11のチームがランダムに割当られる
  • 全体ランキングの上位者11名が決勝戦に進出

※日本、韓国、チャイニーズタイペイ、USA、メキシコ、キューバ、プエルトリコ、カナダ、オーストラリア、オランダ、イスラエル

Nintendo Switch部門 オンライン予選

  • ゲーム内のキャラクターを使用したパワアリーナモード“飛ばせホームランくん!”でナンバーワンを競う
  • 上位者8名が決勝戦に進出

※プレイヤーは、両機種版の予選に重複して参加可能。

決勝大会

  • 2021年6月23日開催

プレイステーション4部門 決勝戦

  • 予選通過者にチームをランダムで割り振る
  • 11チームでトーナメント方式の大会を行う
  • 1試合3イニング(延長あり・タイブレーク制)

Nintendo Switch部門 決勝戦

  • ゲーム内オリジナルキャラクターを使用してホームランアタックで競技を行う

参加条件

 日本、韓国、チャイニーズタイペイに在住で『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』を所持していること。

オリンピックバーチャルシリーズ『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』公式サイト
オリンピックバーチャルシリーズ記者会見リポート。予選はオンライン、決勝大会はオフラインで開催することが発表!

質疑応答

――オリンピックバーチャルシリーズが開催されることで、東京オリンピックの盛り上げやロスオリンピックへの競技復帰に向けてどのような効果が期待されますか?

早川今回採用された『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』は非常に競技性が高いタイトルで、リアルスポーツとバーチャルスポーツの垣根がなくなってきていると感じます。この取り組みを通じて、とくに若年層に対して野球の楽しさを伝えるいい機会ではないかと考えています。

フラッカリオリンピックだけではなくこの先のワールドカップでもバーチャルシリーズを用いて、リアルスポーツとバーチャルスポーツで盛り上げていけると信じています。もし、リアルの野球ゲームを見ている人たちをこのバーチャルに取り入れることができたなら、より多くの盛り上がりを作ることができると信じています。

――WBSCはベースボール5(5人でプレイする新ルールのスポーツ)の普及にも注力していると思いますが、今後は野球とソフトボールがメインなのか、それともベースボール5にフォーカスするのでしょうか。

フラッカリベースボール5は野球とソフトボールが入り込めないような地域にも普及しています。ベースボール5はボールひとつあればプレイできる簡単さが特徴なので、今後のオリンピックへの選出も期待しています。

――参加条件があるが、現時点でどのくらいの規模の大会になるのでしょうか。

早川我々としても初の取り組みなので、まだ想定できていません。本作が発売されている地域では、50万人以上のお客様にプレイしていただいています。そういう意味ではこの50万人が対象の競技者だと思っているので、盛り上げていきたいです。

オリンピックバーチャルシリーズ記者会見リポート。予選はオンライン、決勝大会はオフラインで開催することが発表!

――このイベントはオンラインのみでの開催なのでしょうか。

早川オンラインで予選をして、決勝については感染症対策をしたうえで、会場で実施したいと考えています。

フラッカリパンデミック化では、eスポーツを使ってのファンとの交流を作っていくことが重要になります。これを成功させることができれば、この先多くの若者達を取り入れることができると信じています。

――今回の大会で、優勝者への金メダルや賞金の授与は計画していますか?

早川現在協議中です。賞金は出ないが、勝者に対していは、何かを贈呈したいという想いがあります。もう少し時間をいただければ情報が出せると思います。

オリンピックバーチャルシリーズ記者会見リポート。予選はオンライン、決勝大会はオフラインで開催することが発表!

 以上をもって、質疑応答およびオンライン記者会見は終了となった。

 オリンピックの正式競技・公開競技というわけではないものの、IOCが主催し“オリンピック”の名を冠する大会が実施されるというのは驚きのひと言。

 とくにプレイステーション4版の決勝大会では、予選通過者にチームがランダムで割り振られたり、1試合3イニング制だったりと、通常のeBASEBALLとも異なるルールとなっていて、どのような展開になるか予想もつかない。大会の模様は公式Youtubeチャンネル等で配信されるとのことなので、ぜひ注目してみよう(もちろん、腕に覚えのある『パワプロ』プレイヤーは、代表選手目指して予選大会に参加するのもアリ)!

おまけ

 WBSCのリカルド・フラッカリ会長は、会見後にTwitterのアイコンをパワプロで作ったキャラクターに変更していた(笑)。(2021年4月27日13時30分追記)