月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。ステイホームでおうち時間を楽しむために加入しているという方も多いのではないでしょうか。

 とはいえ現在読み放題対象作品は、なんと10万件以上! いったい何を読めばいいのか迷ってしまいますよね。そこで本稿では、Kindle Unlimitedのおすすめ作品を個人的チョイスでご紹介しましょう。

“Kindle Unlimited”の導入はこちら(Amazon.co.jp)

人間の“暗部”を描きながらも読者を魅了する秘密とは?

 今回セレクトしたのは、過酷すぎるギャンブルの世界を描いた福本伸行先生のマンガ『賭博黙示録カイジ』。1996年から1999年まで『週刊ヤングマガジン』で連載され、1998年には第22回講談社漫画大賞も受賞した人気作品です。

 本作はオリジナリティあふれるギャンブルや緊迫した心理戦が話題を呼び、のちにシリーズ化。アニメなど様々なメディア展開がおこなわれ、藤原竜也さん主演の映画『カイジ』シリーズが大ヒットしたことも記憶に新しいですよね。そもそも『賭博黙示録カイジ』は、なぜここまでファンに支持される作品となったのでしょうか。

漫画『賭博黙示録 カイジ』はただのギャンブル作品じゃない? 人生を戦い抜く“ヒント”に出会えるかも【Kindle Unlimitedおすすめ】
『賭博黙示録カイジ Kindle版』1巻(福本伸行/講談社)より
『賭博黙示録カイジ Kindle版』1巻(Amazon.co.jp)

 物語は主人公の開司(カイジ)が友人の借金を背負い、反社会的勢力の遠藤と面会したことで大きく動き始めます。カイジに勧められたのは、行き詰まった者たちを集めて一夜限りのギャンブルをおこなうというクルージング。遠藤は勝てば借金がチャラになると説明しますが、そんなオイシイ話がやすやすと転がっているはずはありません。“いい人”を装う言葉巧みな遠藤に騙される形で、カイジは参加を決めてしまうのでした。

漫画『賭博黙示録 カイジ』はただのギャンブル作品じゃない? 人生を戦い抜く“ヒント”に出会えるかも【Kindle Unlimitedおすすめ】
『賭博黙示録カイジ Kindle版』1巻(福本伸行/講談社)より

 本作はギャンブルがテーマだけに、人間の暗部やヒリヒリするような駆け引きを描いたシーンが盛りだくさん。たとえば第7話でカイジは借金帳消しを賭けたカードゲーム“限定ジャンケン”に挑む際、参加者の船井から協力を持ちかけられます。ふたりでイカサマをして生き残る作戦でしたが、もちろん船井の仕組んだ罠。出すはずではなかった手札を船井が土壇場で出したため、カイジはあっさり敗れるハメに……。

 “人を簡単に信用してはいけない”というメッセージが垣間見える本作ですが、一方でハっとさせられるような名言が多いことでも有名です。とくに、スピンオフ作品まで誕生したキャラ・利根川の言葉はヘビー級。第6話ではカイジたちをクズ呼ばわりしつつ、「勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ」、「おまえらは負けてばかりいるから勝つことの本当の意味がわかっていない」とハッパをかけたのです。

 ほかにも利根川が放つセリフの多くは、きびしくも思わず納得してしまうほどの説得力。続く第7話の演説シーン終了後には、利根川の言葉に感化されて涙を流す参加者まで現れるほどでした。

 ちなみにKindle Unlimitedでは、『賭博黙示録カイジ』の1巻と2巻が読み放題対象に。また続編の『賭博堕天録カイジ』『賭博堕天録カイジ 和也編』『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』各1巻・2巻、『賭博堕天録カイジ 24億脱出編』の1巻も読み放題になっています。カイジシリーズから、厳しい世の中を渡り歩くヒントが得られるかも?