月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。現在読み放題対象作品は10万件以上にのぼるそうですが（ちなみに週刊ファミ通も読めます）、これだけ多いと何を読めばいいのか正直迷ってしまいますよね。
本稿では、Kindle Unlimitedのおすすめ作品を個人的チョイスでピックアップ。今回は、2003年のドラマが話題を呼んだ『Dr.コトー診療所』に注目してみましょう。
“Kindle Unlimited”の導入はこちら（Amazon.co.jp）マンガ家・山田貴敏先生が描く不朽の名作『Dr.コトー診療所』。累計発行部数は1000万部を突破し、2003年には主演に俳優・吉岡秀隆さんを迎えてドラマ化が実現しました。ちなみにロケ地になった沖縄・与那国島には、いまもなお診療所セットが残っているそうです。
『【極！合本シリーズ】Dr.コトー診療所 1巻Kindle版』（Amazon.co.jp）どの人も100％憎めない人間ドラマがすばらしい！
物語の舞台は、離島の古志木島（こしきじま）。主人公・五島健助は東京の大学附属病院に勤める優秀な医師でしたが、“とある事情”で古志木島の診療所へ赴任します。
とはいえ古志木島は、3カ月間も無医村状態だった地。しかも過去に赴任した医師の評判が悪かったため、島の人々は健助をまったく歓迎しませんでした。
本当に具合が悪かったら、本土の病院へ行く。誰もこんなところで診てもらいたくない――。“初日患者ゼロ”から始まる健助の新生活。果たして彼は島民の信頼を得られるのか？ というのがおおまかなあらすじです。
まず同作を読む際に注目すべき点は、話が進むごとに紡がれていく健助と島民の絆。たとえばKARTE.2“Dr.コトー、また船に乗る。”では、タケヒロという小学生が急性虫垂炎と腹膜炎を併発する展開に。しかし“診療所で手術すべき”という健助の助言に対し、彼の父親は猛反対。「ここで手術!? おまえ、おかしいんじゃないのか!?」「手術が必要なら、おまえみたいなヤブじゃなく、ちゃんとした病院でやってもらうさ！」とまるで聞く耳を持ちません。
最初こそ読者の目にはただの“強情な父親”にしか映りませんが、今回の一件を通して彼は健助に信頼を寄せるように。KARTE.5“Dr.コトー、腕をふるう。”にて誰も健助の言葉を聞き入れない中、「あんたのことは一生、信じる」と輸血に応じた姿には思わず目頭を熱くさせてしまうはずです。そしてどうやってここまでの信頼を得たのか、健助のとった仰天行動にもぜひ注目してみてください。
そのほかにも自作の煎じ薬が1番効くと信じているおばあさんや健助を“ヤブ医者”呼ばわりする漁労長、さらには傲慢な代議士など憎たらしいキャラクターがつぎつぎ登場するものの、そんな彼らにも優しい人間ドラマが用意されているのが同作のズルいところ。実際にネット上でも「どの人も100％憎めない感じが好き」、「読んでいて優しい気持ちになる」、「医療ドラマというよりヒューマンドラマ」など心打たれる人が続出していました。
現在Kindle Unlimitedでは、単行本数冊分が1冊にまとまった“極！ 合本シリーズ”として『Dr.コトー診療所』全7巻（25巻分）が読み放題。ぜひこの機会に、健助と島民らの絆に涙腺を緩ませてみてはいかが？
