2020年9月23日(水)~27日(日)に開催される東京ゲームショウ2020 オンライン(23日は商談のみ)。史上初のオンライン開催となる同イベントでは、3つの公式チャンネルを用いて新情報をお披露目する配信番組を放送したり、出展者のタイトルを紹介したりとさまざまなコンテンツを予定している。

 今回、目玉となる取り組みのひとつがAmazonへの特設サイトの開設だ。“東京ゲームショウ2020 オンライン Amazon特設会場”と名付けられた特設サイトでは、Amazon.co.jp内に東京ゲームショウ2020 オンライン用のページを設置。東京ゲームショウ2020 オンラインのメイン会場と相互リンクにより、メイン会場と特設会場をスムーズに行き来できるようになっている。

 東京ゲームショウ2020とAmazonの特設サイトでは実際にどのような内容が展開されるのか、ファミ通ドットコムでは5回連続で、その内容お届けしていこう。第2回となる今回は、優れたインディーゲームを決定する“センス・オブ・ワンダー ナイト2020”(SOWN2020)が開催される“インディーステージ”を紹介。

 なお、“東京ゲームショウ2020 オンライン Amazon特設会場”は、9月24日0時にオープン予定だ。

“東京ゲームショウ2020 オンライン Amazon特設会場”
東京ゲームショウ2020 オンライン公式サイト

SOWN2020は日本からも2作がファイナリストに!

 エントリーされたインディーゲーム80作品の中からとくに優れた作品を選ぶ“センス・オブ・ワンダー ナイト 2020 (SOWN2020)”。ファイナリストに選ばれた8作品は以下の通り。

 今年は日本から2作品、インドネシア、ポーランド、英国、ペルー、スイス、カナダからそれぞれ1作品が選ばれ、国際色豊かな顔ぶれになった。すでにコンソール版なども発売され注目度の高い『カニノケンカ -Fight Crab-』や、海外で数々の賞を受賞している『A Space for the Unbound』から、新進気鋭のクリエイター生高橋氏が絶賛開発中の『ElecHead』まで、ある意味で“SOWN”らしい、バラエティーに富んだタイトルたちと言えるだろう。

 この8作品が、9月25日の17時~19時に開かれる“SOWN2020”の場にて、プレゼンテーションを実施。選考委員の審査により、“Grand Audience Award”や“Best Game Design Award”などの各賞が決定されることになっている。“SOWN2020”の模様はオンライン配信されるので、誰でもプレゼンテーションの様子をチェックすることが可能だ。

【配信スケジュール】
9月25日 17時~19時

“センス・オブ・ワンダー ナイト 2020 (SOWN2020)”の詳細はこちらから

ファイナリスト8タイトルまとめ

Barnaque(カナダ)『Infini』

 サイケデリック・パズルAVGと銘打つ本作品は、なかなか理解しがたい世界観、奇抜なキャラ、サウンドで選考委員たちをうならせた。

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『Infini』紹介ページ

カラッパゲームス(日本)『カニノケンカ -Fight Crab-』

 甲殻類をあやつり、相手をひっくり返したら勝ちという単純な格闘ゲームでありながら、カニたちの動きは見たことがないほどリアルなのが特徴の作品。

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『カニノケンカ -Fight Crab-』紹介ページ

fluckyMachine(ポーランド)『Trash Sailors』

 ヨットを作り、敵との闘いでは攻撃と防御はもちろん、損傷した部分も戦闘中に修理しなければ沈没してしまうという、意外とハードな作品。マルチプレイ対応で、仲間と力を合わせれば楽しさが倍増する。

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『Trash Sailors』紹介ページ

Invisible Walls(デンマーク)『First Class Trouble』

 人間に紛れたA.I.を探し出す3Dアドベンチャーゲーム。嘘をついているのは誰か? とある空間に集まった人々が、自分たちの中に紛れ込んでいるA.I.を炙り出すことになる。自分がA.I.役なら、いかに騙し通すか……。3D空間の中でマルチプレイヤーによる頭脳戦がくり広げられる。

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『First Class Trouble』紹介ページ

Leap Game Studios and Hermanos Magia(ペルー)『Arrog』

 神秘的なビジュアルと世界観に満ちたパズル・アドベンチャーゲーム。ペルーの神話や言い伝えを盛り込んだ独特の雰囲気が特徴だ。不思議かつ新鮮な世界観が、選考委員に高く評価された。

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『Arrog』紹介ページ

生高橋(日本)『ElecHead』

 電気を操って道を拓く斬新パズル&AVG。触れたものに電流を流すロボットを操り、ジャンプ、移動、ギミック操作を行う、シンプルでいて奥が深い作品になっている。

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『ElecHead』紹介ページ

Stray Fawn Studio(スイス)『Nimbatus -The Space Drone Constructor』

 ドローンを作ってプログラミングも学べる宇宙探検ゲーム。自分でドローンをつくり、操作するだけではなく、ドローンを自動で動かすためのプログラミングも楽しめる。

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『Nimbatus -The Space Drone Constructor』紹介ページ

Toge Productions(インドネシア)『A Space for the Unbound』

 どこか懐かしい、ドット画で描かれたインドネシアの原風景が楽しめる作品。インドネシアの風景を描きながら、日本人にとってもどこかノスタルジーを感じさせる。ドット絵が美しい、横スクロールタイプのアドベンチャーゲームだ。

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『A Space for the Unbound』紹介ページ

●SOWN2020 選考委員

  • ゲームジャーナリスト 新 清士氏
  • Gametapas Founder Juan Gril氏
  • 東北学院大学 小林信重氏
  • 神奈川電子技術研究所 [同人サークル] サークル代表、ゲーム企画、プログラム 北山 功氏
  • Videogame Ninja: Trusiga Ramon Nafria氏
  • NPO 法人オキュフェス 高橋建滋氏
  • TSUKUMO 執行役員 営業企画部長 駒形一憲氏
  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント インディーズ イニシアチブ 代表 吉田修平氏

視聴者と番組を盛り上げる仕組みも検討中!? “SOWN2020”の見どころを聞いてみた

 TGS事務局に、今回の“SOWN2020”の見どころや、出展タイトルの特徴などをうかがう機会を得たので、そちらも併せて紹介していこう。一部、毎年“SOWN”に協力しているIGDA日本の小林信重氏よりお返事をいただいている。

――“SOWN”がどういったものなのか、ご紹介をお願いします。

TGS事務局“SOWN”は、“見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲームのアイデアを発掘し、ゲーム開発者に東京ゲームショウ会場でプレゼンテーションと展示の機会を提供する企画として催され、今年で13回目の開催を迎えます。

 昨年を上回る371の応募があり、それらの中から、この8月にインディーゲーム選考出展80作品を選びました。さらにその中から、SOWN2020 ファイナリスト8作品を選び、9月18日に発表したところです。ファイナリストには“SOWN2020”の場でプレゼンテーションをしてもらい、その模様を選考委員が審査し、“Grand Audience Award”や“Best Game Design Award”などの賞を授与します。

――ズバリ、“SOWN2020”の見どころとは?

TGS事務局今年のファイナリストは日本から2作品、インドネシア、ポーランド、英国、ペルー、スイス、カナダからそれぞれ1作品が選ばれ、国際色豊かな顔ぶれとなりました。オンライン開催ということもあり、海外のインディーゲーム制作者の皆さまから、積極的にご参加いただけた結果と思われます。選ばれた作品の中には、それぞれの国の文化が感じられる作品もあるので、それが今年の特徴と言えるのではないかと思います。

――去年と比べ、出展プラットフォームの比率など大きく変わった部分はありますか?

小林出展プラットフォームの比率については、それほど変化がなかったように思います。ほとんどの団体が、Steamでゲームを販売していました。また、PC、プレイステーション4、Nintendo Switchなど、マルチプラットフォームでゲームを販売するのも当たり前のようになっていましたね。一方で、ゲームの内容についてはコロナ禍でオンライン出展になったため、日本の強みだった、デジタルゲームと物理的な道具を組み合わせた独創的なゲームの申し込みが、今年はほとんどありませんでした。

――オンライン開催になったことによる期待や特徴、もしくは不安などはありますか?

TGS事務局例年、来場者の皆さまに“ピコピコハンマー”を振って盛り上げていただいているのですが、今年はそれがかなわず……。その代わり、視聴者の皆さまに、いっしょに番組を盛り上げていただく仕組みを検討しております。ゲームジャーナリスト新清士さん、マリボ・イザベルさんに今年もMCをお願いしました。コロナ禍ではありますが、例年と変わらぬ、それ以上に盛り上がることを目指して、準備を進めていることろです。ぜひご覧いただければと思います。

――“SOWN2020ファイナリストを当てよう”キャンペーンが実施されていましたが、どの程度の応募がありましたか?

TGS事務局詳細な数字は控えますが、予想を上回るご応募をいただきました。海外からの応募も多数確認しております。インディーゲームに対する期待感の高さを感じますね。

――最後に、アピールしたいポイントがあれば教えてください。

TGS事務局今年で13回目を迎える“SOWN”ですが、今年のファイナリスト8作品は、日本から2作品、インドネシア、ポーランド、英国、ペルー、スイス、カナダからそれぞれ1作品が選ばれ、国際色豊かな顔ぶれになりました。新たなゲームの可能性を感じるファイナリスト作品の数々のプレゼンテーションは必見です!

ファミ通.com 東京ゲームショウ2020 オンライン特設サイト