ワーナー ブラザースのオンラインファンイベントDC ファンドームでWarner Bros. Games Montréal開発による『Gotham Knights』が発表されたのは既報の通り。その後、すかさず『ゴッサム・ナイツ』として日本市場でも展開されることが明らかにされた。2021年発売予定で対応プラットフォームはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X、Xbox Oneとなる。

 オープンワールドのサードパーソンアクションRPGとなる本作では、バットマン亡き後のゴッサム・シティを舞台に、バットマンの仲間であるバットガール、ナイトウィング、レッドフード、ロビンが守護者として立ち上がることになる。プレイヤーは、おなじみのヴィランたちと戦いながら、バットマン亡き後の新しい“ダークナイト”として、混沌に堕ちていくゴッサムを救うことになる。

 と、非常に期待も高まる同作だが、今回Warner Bros. Games Montréal 『ゴッサム・ナイツ』シニア・プロデューサーのフラー・マーティ氏にメールインタビューを実施する機会を得たので、その模様を以下にお届けする。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語

フラー・マーティ

Warner Bros. Games Montréal
『ゴッサム・ナイツ』シニア・プロデューサー

ヒーローたちの素晴らしさをプレイヤーに感じてもらいたい

――なぜ、『バットマン』が活躍する続編ではなくて、バットマンが死亡したと思われる状況下での、バットファミリー4人の活躍を描くことにしたのでしょうか(また、気になってしまって仕方ないので、あえて無粋を承知で伺いますが、バットマンは本当に死んでしまったのですか?)

フラーはい、バットマンは本当に死んでしまいました。バットマンの死は私たちにゴッサム・シティの現状刷新、そしてバットマンがいなかったらゴッサムはどうなるのかという疑問を持つ機会を与えてくれます。犯罪ギャングやスーパーヴィランはどう反応するのでしょう? 市警察や市民は? こうした疑問を持つことでまったく新しいオリジナルストーリーを語る機会が生まれました。私たちが考えるDCバットマン・ユニバースを創出し、ゴッサム・シティとエコシステムに新たな手段でアプローチすることで、バットガール、ナイトウィング、レッドフード、そしてロビンという新しいヒーローたちに光を当てる機会が生まれたのです。

――なぜ“梟”三部作をモチーフにすることにしたのですか?

フラー本作はコミックスのさまざまな既存ストーリーラインから刺激を受けています。“The Court of Owls(梟の法廷)”シリーズはその中のひとつです。私たちがとくに気に入ったのは、“The Court of Owls”はゴッサム・シティと同じくらい古く非常に腐敗した秘密結社であり、その土台にしっかりと根付いているというところです。結社のネットワークは広大でゴッサム・シティの隅々にまで入り込んでいます。この古い組織に血気溢れる若いヒーローたちが立ち向かうというアイデアがとてもおもしろいと思いました。“The Court of Owls”はゴッサムの過去を体現し、若きヒーローたちはゴッサムの未来を象徴しています。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語

――本作のストーリーのテーマを教えてください。

フラー『ゴッサム・ナイツ』のストーリーの引き金となる出来事はもちろんバットマンの死です。ここからヒーロー・キャラクターに根付いたいくつかの説得力のあるストーリーが展開されます。彼らが師とする人たちがその活動の基礎としてつねに持っていた視点の恩恵を受けることなく、各ヒーローはダークナイトの役割を担い、ゴッサム・シティと市民のために各自がどんな庇護者になりたいのかを定義しなければなりません。これはこのゲームの基礎全体に見られる成長のテーマにつながっています。ゴッサムの影に潜む知られざる悪を見出しつつ、逆境と喪失に遭遇しながら成長していくことが『ゴッサム・ナイツ』の原動力であることは間違いありません。

 人間的なレベルでは、大事な人を失った人たちのストーリーでもあります。まったく異なる性格、背景、経験を持つDCキャラクターたちの目を通して探るのは新たな家族というテーマです。バットマンの死の受け止めかたもキャラクターによって違います。プレイヤーはつぎのダークナイトになるため危険な場面を進む中でそれぞれの受け止めかたを経験できるのです。

――本作でもっとも注力したポイントを教えてください。

フラー『ゴッサム・ナイツ』のようなゲームを作る際にはさまざまな要素や重要な部分が関わってくるので、ひとつを選ぶのはとても難しいです。しかし、主要な柱についてお話しすることはできます。まず、ヒーローたちの素晴らしさをプレイヤーに感じてもらいたいと思います。外見やユニークな性格だけでなく、犯罪に立ち向かいゴッサム・シティを縦横無尽に動き回るときのヒーローたちをコントロールする快感ですね。

 私たちが作った過密都市ゴッサム・シティは生き生きとして本物らしく感じられると思います。象徴的ビジュアル、建造物とそのレイアウトは豊かな歴史とこの場所を作ってきたさまざまな家族の多様性を反映しています。そしてもちろんプレイヤーがメインミステリーを進めていく中で展開するストーリーだけでなく、ヒーロー、ヴィラン、ゴッサム市民のストーリーも含めて、ストーリーこそがすべての中心となっています。

――4人の主要キャラクターは、どのような攻撃スタイルになるのでしょうか? また、それぞれの組み合わせでコンボ攻撃なども用意されているようですが、どのような攻撃になりますか? その一端だけでもお教えいただけるとうれしいです。

フラー4人のヒーローはそれぞれユニークなスキルセット及びコンバットムーブを持っています。バットガールは環境を利用して武器にするためのハッキング・スキルに加えて、近接武器のトンファーを振り回し、キックボクシング、カポエラ、柔術で鍛えられた技を仕掛けてきます。ナイトウィングはアクロバットのマスターというだけでなく、双手エスクリマ・スティックの使い手でもあります。レッドフードは究極の人間の強さを持ち、伝統的、ハイテクを問わずあらゆる武器を使った複数の攻撃技を持っています。ロビンは折り畳み式六尺棒のエキスパートでさまざまなステルステクニックに長けています。ヒーローたちは進化しレベルアップすれば、それぞれ異なる新しいアビリティがアンロックされますよ。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語
バットガール
本名はバーバラ・ゴードン。熟練のハッカーであり、意志の強いファイターである。ゴッサム市警の本部長であった、いまは亡きジム・ゴードンの娘であり、また過去にはオラクルとしてバットマンを助けてきた。そしていま、数年の準備と回復を経て、近接戦闘でトンファーを振り回し、柔術やカポエラ、キックボクシングのトレーニングを重ねて、新しい役割へと踏み出した。

――本作では、協力プレイが楽しめるようですが、協力プレイではどのような楽しみかたをしてほしいですか? また、本作では、シングルプレイよりもむしろ協力プレイで楽しんでほしい感じでしょうか?

フラー本作はシングルプレイヤー、ふたりオンライン協力プレイ両方で楽しめます。どちらでプレイしても同じように満足していただけるように配慮して作っていますのでどちらが望ましいということはまったくありません。またプレイヤーはいつでもシングルプイレイヤーと協力プレイをシームレスに切り替えられます。

――協力プレイのほかに、マルチプレイなどは用意されていますか?(たとえば4人協力プレイとか)

フラーバットマン・ファミリーのコア・ファンタジーはつねにダイナミックなディオの活躍なので、ふたり協力プレイの経験にフォーカスしています。ふたりのヒーローが力を合わせて犯罪に挑むのです。従って『ゴッサム・ナイツ』ではふたりオンライン協力プレイを通じてそれが実現できるようにしました。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語
ナイトウィング
本名はディック・グレイソン。初代のロビンであり、正式にヒーローになる前はバットマンの弟子であった。生まれつきのリーダーであり、バットマンの仲間の中では最年長で、一番の知恵者である。彼の代名詞であるエスクリマ スティックのスキルによってそのアクロバットの能力はより一層強化されており、敵を倒すことに熟達している。

――映像では、Mr.フリーズが確認できましたが、ほかにもヴィランは登場するのでしょうか?

フラーもちろんです。ヴィランはDCのバットマン・ユニバースではなくてはならない存在ですし、彼らを登場させないわけにはいきません! デモで見ていただいたようにMr.フリーズは登場しますが、ヒーローたちが立ち向かわなくてはならないのは彼だけではありません。ヴィランたちはゴッサム・シティ・エコシステムの鍵となる存在であり、彼らでさえバットマンの死の影響に衝撃を受け「最大の敵がいなくなったいま、つぎは何をするのか?」という疑問に苦悩しているのではないかと考えてみたわけです。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語
レッドフード
以前はジェイソン・トッドとして知られていた。自身の死から、バットマンのもっとも危険な敵のひとりとして蘇り、強烈で激しやすいアンチヒーローとなった。 かんしゃくを起こさないようにするのが苦手であるが、友人が危機に瀕したときは躊躇なく砲撃の中へも飛び込んでいく。トレーニングによって、通常であろうとハイテクであろうとありとあらゆる種類の武器を使った多数の戦闘技術に秀で、人間としての最大の力を発揮できるようになった。

――プレイステーション5やXbox Series Xでもリリース予定とのことですが、現行機版とはどのような違いがあるのでしょうか?

フラー両世代のコンソールでプレイヤーに一貫性のある経験を提供できるよう確認しながら進めていますが、もちろん特定の分野では次世代機が持つ可能性を生かしたいと思います。

――つぎに私たちが『ゴッサム・ナイツ』の新情報に接することができるのはいつになりますでしょうか?

フラー最新情報については@GothamKnights及び他ソーシャル・チャンネルでご覧いただけます! まめにチェックしてみてください。

『ゴッサム・ナイツ』はバットマンなきあと、若きヒーローたちが逆境と喪失に遭遇しながら“ダークナイト”となる物語
ロビン
本名ティム・ドレイク。チームの若き天才であり、非凡な才能の持ち主で、演繹法の達人。バットマンのミッションを真に信じる者として、ゴッサム・シティを守らなければならない、そしてバットマンのようなヒーローになりたいという信念が彼のモチベーションとなっている。折りたたみ可能な戦闘用の棒で武装し、多数のステルス技術に熟達したファイターであり、心理戦と行動科学のバックグラウンドを併せ持っている。