月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。自宅で過ごす時間を楽しもうと新たに加入した方も多いのでは?(ちなみに週刊ファミ通も読めます)

 現在読み放題対象作品は10万件以上! 何を読めばいいのか迷ってしまいますよね。

 そこで本稿では、Kindle Unlimitedのおすすめ作品を個人的チョイスで紹介します!

※そのほかのおすすめ作品は以下の関連記事をチェック!

“Kindle Unlimited”の導入はこちら(Amazon.co.jp)

1話完結の短編集だからこそできる? 個性的すぎるエピソードが満載!

 『逆境ナイン』や『アオイホノオ』など、エキセントリックな作風でおなじみのマンガ家・島本和彦氏。今回はKindle Unlimitedで全2巻が読み放題となっている『ワンダービット(島本和彦漫画全集)』をご紹介しましょう。(同タイトルの“本人編集版”全6巻も読み放題対象!)

 『ワンダービット』は1992年からPC雑誌『ログイン』にて連載されていた作品。読者の評価も高く、「鬼才・島本和彦の魅力を存分に楽しめるのでぜひみんな読んで!」、「実験的な短編集だからいま読んでもめっちゃおもしろい」といった声が寄せられています。

 ちなみに『ログイン』といえば、『週刊ファミ通』はもともと『ログイン』の1コーナー“ファミコン通信”から独立して誕生した雑誌。『ワンダービット』はファミ通とも関わりが深い作品と言える……かも?

島本和彦『ワンダービット』、あなたは炸裂する“島本ワールド”についてこられるか!?【Kindle Unlimitedおすすめ】_01
『ワンダービット 1(島本和彦漫画全集)』より
島本和彦『ワンダービット』、あなたは炸裂する“島本ワールド”についてこられるか!?【Kindle Unlimitedおすすめ】_02
『ワンダービット 1(島本和彦漫画全集)』より
『ワンダービット1(島本和彦漫画全集)』(Amazon.co.jp)

 各話に共通して登場するのは、怪しい科学者・首藤レイ。エピソードごとに主人公は異なっていて、首藤がどのように絡んでくるのかチェックしてみるのも楽しみかたのひとつではないでしょうか。

 たとえば第2話では、国際スターの飛岡剛と月刊誌編集者・木島晃が首藤のもとを訪問。首藤が人間のクローン化に成功していることを知った木島は、「自身のクローンを作ってほしい」と頼みこみますが……。

 同エピソード終盤では、飛岡こそ首藤の作りあげたクローンだと判明。ある決断を下す様子が描かれていて、無言で飛岡を見つめる首藤の姿に大きな余韻を感じる読者も多いはず。

 第3話はシリアス路線から一転して、ほぼ首藤だけで話が進むライトタッチのストーリー。若き首藤が「人間に食べ物を選ぶ権利があるならば──食べ物にもそれと同等の権利を与えてみたらどうだろう!?」と好き嫌いの多い現代人に怒り、食べ物に感情を持たせるマシンを開発したことで巻き起こる騒動を描いています。

 マシンから謎の“霊波”が発生した結果、なんと首藤も含め多くの日本人が食べ物から嫌われてしまう結果に。第2話のクローン技術と同様に現代の“食べ残し問題”を皮肉った短編であり、首藤を通して時事問題が垣間見えるのも同作の魅力です。

 ちなみに首藤が登場しない回もあり、2巻に収録された第24・25話には“カズ島本”なるマンガ家が登場。謎の編集者“ジャスティスタント”とHなシーンにまつわる怒涛の議論が展開し、読者から「島本先生やりたい放題すぎてワロタ」、「Hな描写問題をここまで熱く語るマンガ初めて読んだわ」といった声が相次ぎました。

島本和彦『ワンダービット』、あなたは炸裂する“島本ワールド”についてこられるか!?【Kindle Unlimitedおすすめ】_03
『ワンダービット 2(島本和彦漫画全集)』
『ワンダービット2(島本和彦漫画全集)』(Amazon.co.jp)

 各エピソードを通して、島本氏独自の世界観を堪能してみませんか?