月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。自宅にいる時間が長くなったこともあり、新たに加入したという方も多いのではないでしょうか(ちなみに週刊ファミ通も読めます)。

 現在読み放題対象作品は10万件以上! 何を読めばいいのか迷ってしまいますよね。

 そこで本稿では、Kindle Unlimitedのオススメ作品を個人的チョイスで紹介します!

“Kindle Unlimited”の導入はこちら(Amazon.co.jp)

日本の窮地を救った男…… 歴史上で知るべき人物“秋山真之”の生涯とは?

 『まじかる☆タルるートくん』や『東京大学物語』など、数々のヒット作を世に送り出しているマンガ家・江川達也氏。2001年から『ビッグコミックスピリッツ』で連載していた『日露戦争物語』が“極! 合本シリーズ”に加わり、既刊の単行本22巻ぶんがすべて読み放題となっています。

 同作は日露戦争において劣勢状態の日本を救った、大日本帝国海軍中佐・秋山真之の成長を綴った物語。史実に基づく壮大なストーリーが描かれていて、2006年に“第1部”が完結しました。

マンガ『日露戦争物語』で学べるのは歴史だけじゃない!? 秋山真之の生き様に理想のリーダー像を見た!【Kindle Unlimitedオススメ】_01
『【極!合本シリーズ】 日露戦争物語』1巻より
マンガ『日露戦争物語』で学べるのは歴史だけじゃない!? 秋山真之の生き様に理想のリーダー像を見た!【Kindle Unlimitedオススメ】_02
『【極!合本シリーズ】 日露戦争物語』1巻より
『【極!合本シリーズ】 日露戦争物語』1巻(Amazon.co.jp)

 物語は明治7年の四国・松山からスタート。冒頭に登場する“秋山淳五郎真之”はまだ6歳の子どもですが、彼は弱いものいじめを決して見逃せない性格。たとえ自分が傷つけられても弱音を吐かない、芯の強さを持っていました。一方で真之の父親を含め、侍が職を失って間もない時代。町人の子どもからはバカにされ、時には悔し涙を流すことも……。

 同作はじっくりと真之の成長を描いていて、物語の転換点である真之が海軍兵学校に入学する様子は2巻に収録。さぞかし緊張しているかと思いきや、真之はいきなり“大物”の片鱗を見せつけることになります。

マンガ『日露戦争物語』で学べるのは歴史だけじゃない!? 秋山真之の生き様に理想のリーダー像を見た!【Kindle Unlimitedオススメ】_03
『【極!合本シリーズ】 日露戦争物語』2巻より
『【極!合本シリーズ】 日露戦争物語』2巻(Amazon.co.jp)

 入学早々に上級生による歓迎会が開かれたものの、どうやら“新入生いびり”が目的のようす。垂れ下がったロープに腕力だけでぶら下がらせて自己紹介をさせますが、「聞こえません!」と何度もケチをつけては体力を消耗させていきました。

 そんないびりに屈しないのが真之で、驚くほどあっさり挨拶を済ませると「聞こえません!」の声を無視して着地。怒る上級生に対してあろうことか、「聞こえません!!!」と言い放ったのです。もはや“度胸がある”を通り越して、“怖いもの知らず”といったところでしょうか。

 彼のセリフには責任感も満ちていて、級友の山路と松坂に“士官”とは兵隊ひとりひとりの命と国民すべての命を預かる立場だと熱弁。「楽しい想いや苦しい想いをしとる、わろたり泣いたり怒ったりしとる、いろんな人のいろんな人生が、わしらの肩にかかっとるんじゃ!!」という言葉は胸に迫るものがあります。

 自分の信念を曲げることなく、屈することを知らない真之の姿には爽快感すら感じるほど。ネット上でも「秋山さんが理想のリーダーすぎてマジ憧れる」、「歴史の勉強になるし、人の上に立つ立場の社会人はぜひ読むべし!」、「グイグイ引きこまれるのに第1部で終わってるのもったいない……」といった声が寄せられていました。

 『日露戦争物語』というタイトルながら、物語はその10年前、日清戦争時でストップしています。いつの日か“第2部”がはじまることを期待しつつ、まずは秋山真之という人物をじっくり読み解いてみては?