もうすぐ最終回を迎える2020年春アニメ。とくに筆者が夢中になった作品を3作まとめてご紹介します!

 どれも僕自身が終盤まで視聴したうえで、自信を持っておすすめできるアニメです。気になる作品があったら、ぜひ各種配信サービスでイッキ見してみてください。

『イエスタデイをうたって』

(最終回はテレビ朝日・AbemaTVほかにて2020年6月20日25時30分から放送予定)

 1998年から2015年まで、足掛け18年にわたって連載された冬目景氏による恋愛漫画のアニメ化作品。2000年代初頭の小さな街を舞台に、不器用な若者たちのもどかしく切ない恋愛模様が描かれます。

 フリーターのリクオ(声:小林親弘)は、大学生時代の同級生・シナコ(声:花澤香菜)に数年間にわたり片想い中。けれど、シナコはリクオの気持ちには応えられない様子。のちに明らかになるのですが、シナコは亡くなったかつての想い人をいまだに忘れられずにいるのです。

 そんな中、不思議な少女・ハル(声:宮本侑芽)がリクオの前に現れるようになったのをきっかけに、彼らは少しずつ前に進みはじめます。

 スマートフォンはおろか、携帯電話も登場しない本作。現代を舞台にした作品以上に、好きな相手に出会えたときの嬉しさも、気持ちがすれ違ってしまったときの辛さも、重い意味を持ちます。

 くすんだ色味の画面づくりや、アコースティックギターを中心とした劇伴音楽も、過ぎ去った時代に想いを馳せたくなるような懐かしさを演出。

 いまでは味わいたくても味わえないもどかしさに身悶えしてみたい方には、文句なしにおすすめのアニメです。

アニメ『イエスタデイをうたって』(Amazon Prime Video)

『プリンセスコネクト!Re:Dive』

(TOKYO MXほかにて毎週月曜24時30分より放送中)

 Cygamesの人気スマホRPGをアニメ化。記憶を失った少年・ユウキ(声:阿部敦)、彼を“主様”と呼び、付き従う少女・コッコロ(声:伊藤美来)、いつも腹ペコの美少女剣士・ペコリーヌ(声:M・A・O)、ちょっぴりツンデレなネコ耳魔法少女のキャル。

 そんな4人がおいしい料理の食材を探求するために結成したギルド“美食殿(びしょくでん)”が繰り広げる、めくるめく冒険が描かれます。

 彼女たちの楽しそうな笑顔や、おいしいものを食べたときの恍惚とした表情、躍動感あふれる戦闘シーン。アニメーションのクオリティは今期でもトップクラスで、キャラクターたちの魅力が、イキイキと、最大限に引き出されています(とくにキャルのピクピク動くネコ耳&尻尾がたまりません!)。

 監督は『この素晴らしい世界に祝福を!』(『このすば』)の金崎貴臣氏で、コメディのセンスも折り紙付き。観ていて思わず笑顔になってしまいます。

 かわいくて、笑えて、たまにハラハラドキドキ、そして最後はホロリとできる。あの手この手で幸福中枢を刺激してくれる、原作ゲームをプレイしていない方にもおすすめしたい素敵なアニメです。

『プリンセスコネクト!Re:Dive』(Amazon Prime Video)

『アルゴナビス from BanG Dream!』

(MBS/TBS系にて毎週金曜25時25分より放送中)

 ガールズバンドによるメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』(バンドリ!)から派生したボーイズバンドプロジェクトによるアニメ作品。

 主人公の七星蓮(声:伊藤昌弘)は、幼い頃に体験した音楽フェスでの胸の高鳴りが忘れられず、そのとき味わった“何か”を探し求めてひとりカラオケボックスで歌い続けている大学1年生。

 そんな蓮の歌声を、バンドの結成を目指すギター担当の五稜結人(声:日向大輔)とベース担当の的場航海(声:前田誠二)が偶然耳にします。その歌声に衝撃を受け、すぐさま蓮をバンドに誘う結人と航海。人付き合いが苦手な蓮は最初こそ拒むも、そこにあの“何か”があるかもしれないと感じ、彼らのバンドに参加することに。

 さらにキーボードの桔梗凛生(声:森嶋秀太)、ドラムの白石万浬(声:橋本祥平)が加わり、宇宙を旅する星座の船から名付けたバンド名である“ARGONAVIS(アルゴナビス)”を結成します。このバンド結成に至るまでのストーリーが、実にアツい!

 どのキャラクターも等身大の葛藤を抱えながら、仲間との絆によって乗り越えていく展開は、王道ながらグッときます。ドラマを盛り上げるライブシーンの迫力も本家『BanG Dream!』に勝るとも劣りません。

 中盤からは人気も実力もアルゴナビスよりはるかに上のライバルバンド“GYROAXIA(ジャイロアクシア)”も登場。物語はさらなる加速を見せます。

 アニメには登場しないオリジナルバンドも登場するゲームアプリ『アルゴナビス from BanG Dream! AAside』も事前登録受付中。今後の展開からも目が離せません。