前世でハマった乙女ゲームの世界に転生!? 待ち受ける運命は破滅!? 破天荒令嬢が繰り広げるドタバタラブコメディ

 2020年4月から始まったテレビアニメも、その多くがクライマックスに突入している今日このごろ。アニメファンの皆さんは、物語が盛り上がるわくわくと、大好きなアニメがもうすぐ終わってしまう寂しさで胸がいっぱいになっていることでしょう。

 そんな中、筆者がとくに毎週楽しみにしているアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(通称『はめふら』)も、残すところ最終回のみとなってしまいました(TOKYO MXでは2020年6月20日25:30から放送予定)。

 本作はいわゆる異世界転生もの、そして“逆ハーレム”的なアニメなのですが、主人公のカタリナ(声:内田真礼)が、前世でこの世界を“攻略”しているのがミソ。そして、彼女が男性のみならず女性すらも惚れさせてしまう魅力に満ちたキャラクターなのがとても痛快で、いつまでも観ていたい楽しさがあるんです。

 今回は、そんなアニメ『はめふら』の魅力を詳しくご紹介。これまで観てこなかった方にも、これを切っ掛けに『はめふら』ワールドに触れていただければうれしいです。

 ちなみに本作は、Amazon Prime Video、Netflix、hulu、dアニメストアほか、多数の動画配信サービスで見放題にて配信中。この記事を読んで少しでも気になった方は、第1話から視聴をはじめてみてはいかがでしょうか?

アニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』 (Amazonプライムビデオ)
最終回直前“はめふら”ことアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の魅力を大紹介! 男性も女性も、カタリナにもうメロメロ!?_01
画像は公式サイトスクリーンショット。

 物語の舞台は、魔法が存在するファンタジー世界。ある日、公爵令嬢である7歳の少女、カタリナ・クラエスは、石に頭をぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻します。

 生まれ変わる前の彼女は、乙女ゲーム好きのオタク女子高生。

 さらに、いま自分がいる世界が、死ぬ間際まで夢中でプレイしていた乙女ゲーム“FORTUNE LOVER(フォーチュンラバー)”の世界だということ。そして、自分が生まれ変わったカタリナとは、主人公にいじわるや嫌がらせをして、最終的には悲惨な結末を迎えるライバルキャラ、すなわち“悪役令嬢”であることに気づきます。

 このままでは自分は、ゲーム同様に死亡、またはよくても国外追放……。カタリナは“破滅フラグ”を回避するため、行動に出ることを決意します。

 FORTUNE LOVERのストーリーが始まるのは、転生してから7年後にあたる、魔法学園入学から。はたしてカタリナは、7年間の猶予時間を活かして破滅フラグを回避し、ゲームでたどる本来の運命を乗り越えられるのでしょうか? というのが『はめふら』の導入。

 その後は、破滅フラグを切り抜けるためのハラハラドキドキの物語がはじまる……わけではないのが本作のおもしろいところ。カタリナ自身はフラグ回避のためにいろいろな策を練っているつもりなのですが、その結果としての行動が、庭に畑をつくったり、蛇のおもちゃをつくったりと、傍から見るとおかしなものばかり。

 けれどそんな型破りな行動の数々が、めぐりめぐって周囲の人たちに気に入られたり、彼らの心の傷を癒やしたり……もともとのお人好しな性格もあって、カタリナはFORTUNE LOVERでの高慢ちきな嫌われ者とはまったく真逆の、誰からも愛される女の子になっていきます。

 物語が中盤に差し掛かるころには、カタリナがいじわるの報いを受けて破滅するなんて結末はありえないと、多くの視聴者が勘づくはず。

 それでいて、超が付く鈍感でもあるカタリナは、周囲の人々の好意にはまったく気づかない様子。『はめふら』最大の魅力は、天然の“人たらし”の才能を持ったカタリナと、彼女のことが大好きな友人たちが繰り広げるドタバタのラブコメディ要素にあるのです。

王子も、義理の弟も、同性の親友も、ゲームの主人公も……天然“人たらし”カタリナに、男性も女性もみ~んな夢中! 

 第3話のラストで7年の歳月が経過し、FORTUNE LOVERの舞台である魔法学園編がスタートする『はめふら』。カタリナがゲーム内とは違った性格をしている影響で、ほかのキャラクターたちの性格も、本来の設定から変化してしまっています。

最終回直前“はめふら”ことアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の魅力を大紹介! 男性も女性も、カタリナにもうメロメロ!?_02
多彩な本作のキャラクター。画像は公式サイトより。

 王国の第三王子であり、カタリナの許嫁であるジオルド(声:蒼井翔太)は、FORTUNE LOVERにおけるいわゆる攻略対象キャラ。ゲーム内の設定上は“腹黒ドS王子”な、金髪碧眼のイケメンです。本来ならゲームの主人公であるマリア(声:早見沙織)と恋に落ちるジオルド。展開次第ではマリアを守るため、カタリナを斬り捨てるというルートに入ってしまうことも! 

 しかし、『はめふら』でのジオルドは転生したカタリナにぞっこん。カタリナが破滅フラグを回避するために婚約解消を申し出ても、「婚約は絶対に解消しません」と笑顔で拒否します。また、腹黒ドSといった性格も鳴りを潜め、学園入学時には正統派の心優しい王子様に成長しているのです。天真爛漫なカタリナと毎日をともにすることで、まっすぐな優しさを手にすることができたのかもしれません。

 同じく攻略対象のアラン(声:鈴木達央)は、野性的な美貌を持つ、ジオルドの双子の弟。天才肌の兄にコンプレックスを抱いていましたが、カタリナといっしょにいるうちに、兄と比べることなく自分らしく生きていけるようになり、音楽の才能を開花させます。

 さらに、カタリナの義理の弟のキース(声:柿原徹也)は、本来ならば孤独な身の上から“女たらし”になるはずが、カタリナの破天荒な性格と優しさを受けてまっとうに育ちます。結果、カタリナの世話を焼きつつ、彼女に密かに恋心を抱く青年に成長。その色気が周囲の女性たちの評判を呼びますが、カタリナには通じていない模様です。

 マリアと恋に落ちるはずだった攻略対象は、本来の主人公を差し置いてみんなカタリナに夢中。さらに、カタリナに好意を向けるのは男性ばかりではありません。

 自然を愛する美少女のメアリ(声:岡咲美保)は、明確にカタリナに恋心を抱いており、ジオルドの邪魔をしたり、アランがカタリナへの自身の恋心に気づかぬよう誘導したりと画策します。

 本を愛する少女・ソフィア(声:水瀬いのり)は、周囲から気味悪がられていた白い髪と赤い瞳を褒められてから、カタリナと大の仲よしに。兄のニコル(声:松岡禎丞)とカタリナをくっつけようと兄の魅力をカタリナにアピールするも、鈍感なカタリナには“仲よし兄妹”としか受け取ってもらえません。

 そして魔法学園編で満を持して登場するFORTUNE LOVER本来の主人公・マリアもまた、庶民ながら類まれな魔法の才能を持っているが故の複雑な胸の内を、カタリナに解きほぐされることに。カタリナとの付き合いは短いながら、“カタリナハーレム”で確かな存在感を示すようになります。

人物相関図の変化(本来の設定/カタリナ転生後)

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 ↑これが……こうなります↓。

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※画像は筆者作成。あくまでイメージです(笑)。

 カタリナのまっすぐな思いやりと型破りな行動によって、FORTUNE LOVERでは愛憎渦巻くはずだった恋愛相関図の矢印は、男女そろってカタリナに向かい一極集中。個性豊かな登場人物たちが、ときにカタリナを取り合い、ときにカタリナを助けるために協力し合う様子は、賑やかで楽しく、見ていて飽きません。

 物語が進むと、とあるキャラクターはカタリナの“前世”とも深い関わりがあることが明らかに。この関係性が、カタリナたちのやりとりにただ面白いだけではないさらなる深みを与えます。

 誰かが悩んでいたり悲しんでいたりしたら放っておけないカタリナの人間的魅力に、登場人物と同様、いつしか視聴者のハートもガッチリとつかまれてしまいます。そして、性別を問わず好かれるカタリナと同じく、『はめふら』もまた、性別関係なく夢中になれる作品となっているのです。

アニメはいよいよクライマックス! ますます広がる『はめふら』ワールドを要チェック!

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画像は公式サイトより。

 そんなアニメ『はめふら』もいよいよクライマックス。いつになくシリアスな展開を迎えている終盤の展開の鍵を握るのは、カタリナ自身もすっかりその存在を忘れていたFORTUNE LOVERの“隠しキャラ”。

 これまでカタリナが交流を重ねてきた誰よりも深い絶望を抱えたこの人物を前に、カタリナはどのような選択をするのか? これが最終回の見どころとなっています。結末が気になった方は、最終回だけでも視聴してみてはいかがでしょうか?

 そして『はめふら』の物語は、FORTUNE LOVERがエンディングを迎える、先輩たちの卒業後も続いていきます。続きが気になる方は、一迅社文庫アイリスから発売中の山口智氏の原作小説や、イラストを担当するひだかなみ氏自身が描くコミカライズ版でチェックしてください。

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 また、アニメのBlu-rayには特典としてPCで遊べる“FORTUNE LOVER 体験版”が付属。

 vol.1はジオルド篇、vol.2はキース篇、vol.3はアラン篇、vol.4はニコル篇と、巻数ごとにその内容は異なっており、マリアを主人公とした、“悪役令嬢”のカタリナが登場する物語が楽しめます。『はめふら』での破天荒で心やさしいカタリナと、本来のわがままで高慢ちきなカタリナのギャップを確かめたい方におすすめしたいアイテムです。

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 さらに、2020年6月26日には『はめふら』の女性キャラクターどうしの関係性に主眼を置いた物語が楽しめるであろうアンソロジーコミック『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… GIRLS PATCH』が百合姫コミックスから発売予定など、『はめふら』ワールドはますます広がっていきます。

 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』は、今回ご紹介した魅力のうち、どれかひとつでも気になった方には、性別問わずおすすめできる作品となっています。ぜひお好きな入口から、カタリナと愉快な仲間たちの毎日を覗いてみてください。

※2020年6月22日追記。最終回の放送でテレビアニメ2期の制作が発表されました。楽しみ!

作品情報

キャスト

  • カタリナ・クラエス:内田真礼
  • ジオルド・スティアート:蒼井翔太
  • ジオルド・スティアート(幼少期):瀬戸麻沙美
  • キース・クラエス:柿原徹也
  • キース・クラエス(幼少期):雨宮天
  • アラン・スティアート:鈴木達央
  • アラン・スティアート(幼少期):田村睦心
  • ニコル・アスカルト:松岡禎丞
  • 幼少期:M・A・O
  • メアリ・ハント:岡咲美保
  • ソフィア・アスカルト:水瀬いのり
  • マリア・キャンベル:早見沙織
  • シリウス・ディーク:増田俊樹
  • アン・シェリー:和氣あず未

スタッフ

  • 原作:山口悟(一迅社文庫アイリス/一迅社刊)
  • キャラクター原案:ひだかなみ
  • 監督:井上圭介
  • シリーズ構成:清水恵
  • キャラクターデザイン:大島美和
  • プロップデザイン:澤入祐樹
  • 美術監督:込山明日香
  • 色彩設計:重冨英里
  • 3Dディレクター:小笠原 努
  • 撮影監督:衛藤英毅
  • 編集:瀧川三智(REAL-T)
  • 音響監督:亀山俊樹(grooove)
  • 音楽:田渕夏海/中村巴奈重/斎木達彦/櫻井美希/兼松衆
  • 音楽制作:日音
  • 音楽協力:ミリカ・ミュージック
  • アニメーション制作:SILVER LINK.